次に、本発明の特定の実施形態を参照して、これ以降、本発明をより詳細に記載する。本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものであると見なされるべきではない:むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上そうではないと明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書において使用される「含む(comprising)」という用語及びその変形例は、「含む(including)」という用語及びその変形例と同義に使用され、開放的な非限定的用語である。
全体を通して使用されるように、「対象」とは個体を意味する。対象は、脊椎動物、より具体的には哺乳動物(例えば、ヒト、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、非ヒト霊長類、ウシ、ネコ、モルモット、又はげっ歯類)、サカナ、トリ、又は爬虫類若しくは両生類であり得る。この用語は、具体的な年齢又は性別を意味しない。「患者」という用語は、対象という用語と交換可能に使用される。
カテーテルルーメンを通る流体の流れを減少させるか又は阻止するためのデバイス及び方法が提供される。例えば、デバイス及び方法は、カテーテルを通る血液の流れを減少させるために使用することができる。任意選択的に、カテーテルは、静脈内カテーテルである。流体は血液に限定されるものではなく、カテーテルは静脈内カテーテルに限定されるものではない。記載される締付けデバイスは、カテーテル又は流体ラインのルーメンを通る流体の流れを減少させるか又は排除するために、任意選択的にいずれの種類のカテーテル又はいずれの流体ラインにも適用される。
典型的な静脈内カテーテルは、静脈に穿刺する金属針と、針が抜去された後に静脈内に残されるプラスチック製カテーテルの2つの部品を有する。図1A及び1Bは、対象の脈管系に到達する際に使用するためのカテーテル108及び針102の概略図である。
ハブ106がカテーテルの近位部110に接触するまで、カテーテル108のルーメンに針軸104を挿通することができる。この構成において、針軸は、カテーテル108のルーメン内に位置付けられ、針102の鋭利な先端部112は、カテーテルの遠位先端部114でカテーテルルーメンから少なくとも部分的に突出する。
鋭利な先端部112は、先端部112並びに針及びカテーテルの少なくとも一部が血管腔に進入できるように、血管壁を貫通することができる。一旦、針102及びカテーテル108の少なくとも一部が血管腔内に配置されると、カテーテルを血管腔内に残したまま、カテーテルから遠位に針を摺動させることにより針を除去することができる。これらのステップは、血管内腔へのアクセスを得るための脈管系内へのカテーテルの留置に共通である。次いで、カテーテルを使用して対象に流体等の治療薬を送達することができる。
次に、図2A及び図2Bを参照すると、例示的な締付けデバイス200が概略的に示される。デバイス200は、第1の締付け面202及び第1の締付け面に対向する第2の締付け面204を備える。締付け面(202及び204)は、スロット又は空間206を部分的に画定する。スロット206は、図2Bに示すようにカテーテルの一部を受容するのに十分大きな幅である。図2Bに示すように、カテーテルは、そのルーメン内に針が入った状態でスロット206内に位置付けることができる。この構成において、カテーテルルーメン内の針は、表面202及び204が互いに対して移動するのを防ぎスロット206を狭小化する事ができる。図3は、スロット206内に位置付けられたカテーテル108及び針104の斜視図を示す。この構成において、針のハブ106は、針から血液が流れ出るのを阻止し、カテーテルルーメンを実質的に充填する針自体によって、カテーテルルーメンを通る血液の流れが妨害される。
対象の血管腔へのアクセスを得るために、ハブを含む針を、血管から遠位にかつカテーテルルーメンの外部に後退させる。一旦除去されると、カテーテル108の近位端110を、対象に投与するための治療剤に取り付けることができる。例えば、針及びハブを除去した後に、静脈内の流体ラインをカテーテルのルーメンと流体連通させることができる。このように、生理学的流体等の治療薬をカテーテルを通して対象に投与することができる。さらに、カテーテルは、対象から血液を除去するために使用することができる。
ハブ106を含む針102をカテーテル108から後退させると、カテーテルのルーメンは血液の流れに対して開存性となる。したがって、静脈内(IV又はIA)カテーテルの留置は、病院職員が患者の血液に暴露される重大なリスクを伴う。静脈内カテーテルの留置中、静脈又は動脈に到達した後、IV又はIAラインをカテーテルに接続する前に、患者の血液がカテーテル端部を通って漏れることは珍しいことではない。患者の皮膚及び看護師の手袋が汚染されることに加え、これは患者にとって不快な光景である。次いで、看護師はIV又はIAチューブを接続し、流量ダイアルを調節するため、さらなる表面を不注意に汚染する。典型的な患者の入院中、さらなる病院職員によって同じ静脈内ラインに複数回の調節が行われ、さらに多くの人員及び表面が患者の血液に暴露される。
しかしながら、締付けデバイス200が、カテーテルからの血液の漏出を阻止するか又は減少させるために使用される。その際、針102がカテーテルから除去されると、対向する側面202及び204が互いに対して移動し、カテーテルルーメンを閉塞するか又は部分的に閉塞することによって、カテーテルを通る血液の流れを妨害又は阻止する。閉塞することは、カテーテルルーメンを通る流体の流れが阻止又は減少されるように、カテーテルルーメンを狭小化するか又は変形させることを含む。例えば、ルーメン内の壁をより近くに又は接触するように移動させることによって、ルーメンの断面形状を狭小化するか又は閉鎖することができる。したがって、側面(202及び204)によってカテーテル上に力が及ぼされ、スロット206が狭小化するにつれて、ルーメンが側面の間で狭小化されるか又はクリンプされる。任意選択的に、カテーテルルーメンが部分的に狭小化され、カテーテルからの血液の漏出が減少又は排除される。任意選択的に、カテーテルルーメンが実質的に閉鎖され、血液がカテーテルを通って流れるのが阻止される。
様々な機構を使用して側面(202及び204)からカテーテルに力を及ぼすことができる。例えば、カテーテル及び針がスロット206を開放状態に維持すると、それらに自然の力が及ぼされるように、デバイスの材料は固有の引張特性を有することができる。この例において、針102が除去されると、材料がより狭いスロット206を含むその自然の静止位置に戻るため、スロット206は自動的に狭小化する。全体を通して記載されるデバイスは、そのような固有の引張特性を含み得る。そのような特性を有する材料は、例えば、プラスチック及びポリマー組成物、並びに金属を含む。任意選択的に、本明細書に記載されるデバイスは、例えば、化学及び/又は熱に基づく技術によって、滅菌することができる。
スロット206は、カテーテル108に対する緊密な適合を有するのに過不足のない幅であり得る。カテーテル108内の針102は、静脈アクセスの間、ステントとしての役割を果たし、カテーテルハブ内に血液を流れさせ、静脈内の留置を確実にする。カテーテル108から針102が抜去されるとすぐに、デバイスはカテーテル108を緩やかに圧迫し、血液の漏出を予防するか又は減少させる。
別の例示的なデバイス300を図4A、図4B、及び図5に示す。図5に最もよく示されるように、対向する表面202及び204は、対向する移動可能ユニット212及び214の内側面に位置する。スロット206は、表面の間に位置するため、表面(202及び204)が互いに対して移動し、スロット206を狭小化する。表面及びユニットが互いに対して移動するとスロットが狭小化され、カテーテルのルーメンの閉塞又は部分的な閉塞又は狭小化がもたらされる。
図5にさらに示されるように、移動可能ユニットは、デバイス200に関連して上述したように、スロット内に位置付けられたカテーテルから針が除去されるとユニットを内側に押すばね220及び222によって、互いに向かって移動するように作動させることができる。
任意選択的に、ユニットのうちの1つは静止したままであってもよく、ユニットのうちの1つが静止したユニットに向けて駆動されてもよい。この場合、表面は、スロット206を狭小化し、それによってスロット内に位置付けられたカテーテルを通る血液の流れを阻止するか又は減少させるように、互いに対してなおも推進される。さらに、コイルばねが、スロット206を狭小化するために表面を付勢する力を提供しているように示されているが、他の機構が使用されてもよい。例えば、他のばねの種類、例えば、ねじりばね、引張ばね及び圧縮ばね、マイクロモータ等が、ユニット及びひいては表面(202及び204)を互いに対して移動させるために使用されてもよい。
また、図4A、図4B、及び図5に示されるように、デバイス300は、側翼216及び218を含むことができる。これらの翼は、デバイス300の操作者が、滅菌野を維持しながら、スロット206内にカテーテルを位置付けるために使用されてもよい。図6及び7は、カテーテルの留置中に滅菌環境を維持しながら、静脈内カテーテルキット内での容易な配置、並びにカテーテル上及びカテーテル上以外での容易な位置付けを可能にするように成形された翼を有するデバイス400の斜視図を示す。
図8A、図8B、及び図8C、並びに図9A及び図Bは、締付けデバイス500を概略的に示す。デバイスは、2つの摺動ユニット502及び504を含む。各摺動ユニットは、水平部501及び503、並びに垂直部505及び507を有する。垂直部505及び507は、それぞれ、上述のように対向する締付け面(202及び204)としての役割を果たす内側表面を有する。
図8Bに示すように、使用において、摺動ユニットは、互いに対して摺動できるように重複する。互いに対して摺動することにより、表面202及び204が互いに向かって移動している(スロットを狭小化している)か又は互いから離れて移動している(スロットを拡張している)かどうかに応じて、スロット206が拡張又は狭小化することができる。任意選択的に、摺動ユニット及びひいては202及び204は、ばね508等の駆動デバイスによって互いに向けて付勢される。その際、図8Bに示すように、ばね508は、スロットが閉塞する、部分的に閉塞する、及び/又は表面の間に位置付けられたカテーテルを通る血液の流れを減少させるか若しくは阻止するのに十分に狭い静止位置に摺動ユニットを推進する。さらに、図8Cに示すように、ばねがスロットを狭小化するために印加する力とは反対の力を印加することによって、スロット206を拡張することができる。
操作において、図8Cに示されるようにスロット206を拡張するために、ばね508の力よりも大きな力を最初に印加することができる。次いで、ルーメン内に針102を有するカテーテル108を、表面202及び204の間でスロット内に位置付けることができる。次いで、拡張する力をばね508の反対の力よりも低いレベルまで除去するか又は減少させることができ、摺動ユニット502及び504の相対的な運動をもたらす。ユニットがばねの力の下で互いに対して摺動すると、スロット206は、ルーメン内に針102を有するカテーテル108によって狭小化が抵抗を受けるか又は停止されるまで狭小化する。
カテーテル及び針の遠位先端部が対象の血管内に配置されると、針をカテーテルから除去することができる。針が除去されると、摺動運動は、もはや針/カテーテルの組み合わせによる抵抗を受けず、スロット206は、ばねの力の下で自動的に狭小化し、カテーテル108のルーメンを狭小化又は閉塞する。
スロット206は、カテーテル108からの血液の漏出を減少させるか又は阻止するのに十分に狭小化することができる。血液の流れがカテーテル108を通って流れるのを減少させるか又は阻止する一方で、IVライン、注射器、ストッパー、バルブ、又は他の端部ユニットが、カテーテルの端部110に操作可能に接続されてもよい。一旦、この操作可能な接続が行われると、ばね508の力の反対により大きな力を印加することができ、スロット206を拡張させ、最終的にはカテーテル108を解放させる。一旦解放されると、カテーテル108からデバイス500を除去することができ、カテーテルを典型的な医療操作において使用することができる。
図9A及び図9Bは、摺動ユニット502及び摺動ユニット504の間の摺動機構の態様を概略的に示す。摺動ユニットのうちの一方は、ユニットが互いに対して摺動したときに他方の摺動ユニットの略直線的な軌道への運動を含むスロット510を備える。スロット内における摺動ユニットのうちの一方の嵌合も、ユニットが分離するのを阻止する。図9A及び9Bはまた、カテーテルを通る血液の流れに衝突する機能を果たす表面202及び204を示す。
別の例示的なカテーテル締付けデバイスを図10A〜図10Dに示す。これらの図の各々は、カテーテル108の一部を受容するように構成されるスロット又は空間を少なくとも部分的に画定する第1及び第2の締付け面を有するカテーテルクランプを示す。これらの図の各々において、針部分は除去されており、表面は、カテーテルルーメンを通る血液の流れを減少させるか又は排除するためにカテーテル108を締付けするように互いに対して移動している。
図10Aは、第1の本体部610及び第2の本体部612を備えるカテーテル締付けデバイスを示す。本体部(610及び612)は、それぞれ、力発生部材608に取り付けられているか又は一体化している。本体部は、力発生部材608によって供給される力の下で互いに対して摺動するように構成される。力発生部材は、第1の本体部が第2の本体部の真上にある状態で本体部が整合する位置に向かって本体部が互いの上で摺動することに自然に抵抗する。
また、そのような整合に対する力発生部材608の自然の抵抗の結果として、図10Aに示すように、非整合位置に向かって互いを横切って摺動するように本体部を付勢する力が生成される。この運動において、側縁部(630及び632)は、カテーテル108の長手方向の中心軸から離れて反対方向に移動する。
第1の本体部610に取り付けられているか又は一体化している第1の締付け部626は、本体部610からカテーテルの長手方向の中心軸(A−A)の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。第2の本体部612に取り付けられているか又は一体化している第2の締付け部628は、本体部612から長手方向の中心軸の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。
力発生部材の力によって本体部が互いに対して摺動したときに、対向する締付け面が互いにより近くに移動してカテーテルを押し下げて締付けするように、締付け面は互いに対向している。力発生部材608に対抗するより大きな力を印加することにより、本体部が完全に整合する位置のより近くに戻ると締付け面を分離することができる(この場合、完全に整合する位置とは、一方が他方の上にある位置を指す)。
図10Bは、第1の本体部618及び第2の本体部620を備えるカテーテル締付けデバイスを示す。本体部(618及び620)は、それぞれ、力発生部材608に取り付けられているか又は一体化している。本体部は、力発生部材608によって供給される力の下で互いに対して摺動するように構成される。力発生部材は、第1の本体部が第2の本体部の真上にある状態で本体部が完全に整合する位置に向かって本体部が互いの上で摺動することに自然に抵抗する。
また、そのような整合に対する力発生部材608の自然の抵抗の結果として、図10Bに示すように、非整合位置に向かって互いを横切って摺動するように本体部を付勢する力が生成される。この運動において、側縁部(630及び632)は、カテーテル108の長手方向の中心軸から離れて反対方向に移動する。
第1の本体部618に取り付けられているか又は一体化している第1の締付け部626は、本体部618からカテーテルの長手方向の中心軸の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。第2の本体部620に取り付けられているか又は一体化している第2の締付け部628は、本体部620から長手方向の中心軸の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。
力発生部材608の力によって本体部(618及び620)が互いに対して摺動したときに、対向する締付け面が互いにより近くに移動してカテーテルを押し下げて締付けするように、締付け面は互いに対向している。力発生部材608に対抗するより大きな力を印加することにより、本体部が完全に整合する位置のより近くに戻ると締付け面を分離することができる(この場合、完全に整合する位置とは、一方が他方の上にある位置を指す)。
図10Cは、第1の本体部614及び第2の本体部616を備えるカテーテル締付けデバイスを示す。本体部(614及び616)は、それぞれ、力発生部材608に取り付けられているか又は一体化している。本体部は、力発生部材608によって供給される力の下で互いに対して摺動するように構成される。力発生部材は、第1の本体部分614が第2の本体部616から最も遠位にある状態で本体部が完全に整合する位置に向かって本体部が互いの上で摺動することに自然に抵抗する。
また、そのような整合に対する力発生部材608の自然の抵抗の結果として、図10Cに示すように、非整合位置に向かって互いを横切って摺動するように本体部を付勢する力が生成される。この運動において、側縁部(630及び632)は、カテーテル108の長手方向の中心軸から離れて反対方向に移動する。
第1の本体部614に取り付けられているか又は一体化している第1の締付け部626は、本体部614からカテーテルの長手方向の中心軸の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。第2の本体部616に取り付けられているか又は一体化している第2の締付け部628は、本体部616から長手方向の中心軸の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。
力発生部材608の力によって本体部(614及び616)が互いに対して摺動したときに、対向する締付け面が互いにより近くに移動してカテーテル108を押し下げて締付けするように、締付け面は互いに対向している。力発生部材608に対抗するより大きな力を印加することにより、本体部が完全に整合する位置のより近くに戻ると締付け面を分離することができる(この場合、完全に整合する位置とは、一方が他方の上にある位置を指す)。
図10Dは、第1の本体部622及び第2の本体部624を備えるカテーテル締付けデバイスを示す。本体部(622及び624)は、それぞれ、力発生部材608に取り付けられているか又は一体化している。本体部は、力発生部材608によって供給される力の下で互いに対して摺動するように構成される。力発生部材は、第1の本体部分が第2の本体部から最も遠位にある状態で本体部が完全に整合する位置に向かって本体部が互いの上で摺動することに自然に抵抗する。
また、そのような整合に対する力発生部材608の自然の抵抗の結果として、図10Dに示すように、非整合位置に向かって互いを横切って摺動するように本体部を付勢する力が生成される。この運動において、側縁部(630及び632)は、カテーテル108の長手方向の中心軸から離れて反対方向に移動する。
第1の本体部622に取り付けられているか又は一体化している第1の締付け部626は、本体部622からカテーテルの長手方向の中心軸の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。第2の本体部624に取り付けられているか又は一体化している第2の締付け部628は、本体部624から長手方向の中心軸の反対側に位置する。反対側に位置する締付け部は、カテーテル108を締付けするための締付け面を含む。
力発生部材608の力によって本体部(622及び624)が互いに対して摺動したときに、対向する締付け面が互いにより近くに移動してカテーテル108を押し下げて締付けするように、締付け面は互いに対向している。力発生部材608に対抗するより大きな力を印加することにより、本体部が完全に整合する位置のより近くに戻ると締付け面を分離することができる(この場合、完全に整合する位置とは、一方が他方の上にある位置を指す)。
図11A〜図11Dは、例示的なカテーテルクランプの概略図であり、カテーテル108のルーメンから針が除去され、締付け面(202及び204)が、カテーテルを通る血液の流れを減少させるか又は排除するためにカテーテル108を押し下げて締付けする位置に移動している。図11A〜図11Dに示される例示的なカテーテルの各々は、旋回位置702を含む。旋回位置702は、締付け面が互いに向かって及び互いから離れて移動できる回転運動の位置を提供する。
図11Aを参照すると、例えば、表面202及び204は、カテーテルルーメンを通る血液の流れが減少されるか又は排除されるように、それらがカテーテルを締付けする位置まで回転している。表面を付勢し、互いに向かって及びカテーテルが締付けされる位置に向かって旋回位置の周囲で回転する力発生部材704によって、力が提供される。その際、力発生部材は、任意選択的に、表面(202及び204)を互いに向けて締付け位置まで付勢する傾向がある固有の引張特性を含む。
図11Aの例示的なクランプは、デバイスの操作者が、回転運動の位置の周囲に力発生部材704の付勢力に対抗する力を提供するように操作することができる2本のレバーアーム712をさらに含む。レバーアーム712に力を印加することにより、操作者は、表面202及び204を互いから離れて及びカテーテル108の長手方向の中心軸から離れて移動させることができる。これにより、クランプをカテーテルから除去することができる位置、カテーテル上に配置することができる位置、及び/又はカテーテルを通って血液が流れることができる位置までクランプを開放することができる。同様に、操作者は、任意選択的に、力発生部材704の対向する部分を内側に押して締付け面を開放することができる。
次に図11Bを参照すると、カテーテル108のルーメン内には針がなく、表面202及び204は、カテーテルルーメンを通る血液の流れが減少されるか又は排除されるように、それらがカテーテル108を締付けする位置まで回転している。表面(202及び204)を付勢し、互いに向かって及びカテーテルが締付けされる位置に向かって旋回位置(702)の周囲で回転する力発生部材706によって、力が提供される。その際、力発生部材は、任意選択的に、表面(202及び204)を互いに向けて締付け位置まで付勢する傾向がある固有の引張特性を含む。
全体を通して論じられるように、締付け位置は、カテーテルを通る血液の流れを減少させるか又は排除することができる。操作者は、任意選択的に、力発生部材706の対向する部分を内側に押して締付け面を開放することができる。これにより、クランプをカテーテルから除去することができる位置、カテーテル上に配置することができる位置、及び/又はカテーテルを通って血液が流れることができる位置までクランプを開放することができる。
次に図11Cを参照すると、カテーテル108のルーメン内には針がなく、表面202及び204は、カテーテルルーメンを通る血液の流れが減少されるか又は排除されるように、それらがカテーテル108を締付けする位置まで回転している。表面(202及び204)を付勢し、互いに向かって及びカテーテルが締付けされる位置に向かって旋回位置(702)の周囲で回転する力発生部材708によって、力が提供される。その際、力発生部材は、任意選択的に、表面(202及び204)を互いに向けて締付け位置まで付勢する傾向がある固有の引張特性を含む。
全体を通して論じられるように、締付け位置は、カテーテルを通る血液の流れを減少させるか又は排除することができる。操作者は、任意選択的に、力発生部材708の対向する部分を内側に押して締付け面を開放することができる。これにより、クランプをカテーテルから除去することができる位置、カテーテル上に配置することができる位置、及び/又はカテーテルを通って血液が流れることができる位置までクランプを開放することができる。
次に図11Dを参照すると、カテーテル108のルーメン内には針がなく、表面202及び204は、カテーテルルーメンを通る血液の流れが減少されるか又は排除されるように、それらがカテーテル108を締付けする位置まで回転している。表面を付勢し、互いに向かって及びカテーテルが締付けされる位置に向かって旋回位置の周囲で回転する力発生部材710によって、力が提供される。その際、力発生部材は、任意選択的に、表面(202及び204)を互いに向けて締付け位置まで付勢する傾向がある固有の引張特性を含む。
図11Aの例示的なクランプは、デバイスの操作者が、回転運動の位置の周囲に力発生部材710の付勢力に対抗する力を提供するように操作することができる2本のレバーアーム714をさらに含む。レバーアーム714に力を印加することにより、操作者は、表面202及び204を互いから離れて及びカテーテル108の長手方向の中心軸から離れて移動させることができる。これにより、クランプをカテーテルから除去することができる位置、カテーテル上に配置することができる位置、及び/又はカテーテルを通って血液が流れることができる位置までクランプを開放することができる。同様に、操作者は、任意選択的に、力発生部材710の対向する部分を内側に押して締付け面を開放することができる。
図12A〜図12Dは、例示的な締付けデバイスの概略図である。締付けデバイスは、任意選択的に、針がカテーテルのルーメンに挿通されるとカテーテル上に位置付けられる。針が除去されると、カテーテルクランプの対向する締付け面が互いに対して移動し、表面の間の空間を狭小化する。針を含まないカテーテルの一部が表面の間の空間に位置付けられるため、また、締付け面によってカテーテルに印加される力がカテーテルのフープ強度よりも大きいため、一旦針が除去されると、カテーテルのルーメンは、締付け面のクリンプ作用によって狭小化又は閉塞される。このクリンプ作用によって、カテーテルが患者の脈管構造内に操作可能に位置付けられたときに、カテーテルルーメンを通る血液の流れの減少又は排除がもたらされる。
図12Aは、カテーテル108の一部が、カテーテルクランプの第1の締付け体808及び第2の締付け体810によって画定される保護用管状構造806内に配置された締付け前位置を示す。この位置において、同じく締付け体上に位置する締付け面(202及び204)は、一緒に締付けされ、締付け体の下部によって締付け面の下に画定される管状構造806の上に位置する。管状構造の形状又は外周は、様々なカテーテルの種類及びサイズに適合するように任意選択的にサイズ決定される。
管状構造806の内壁は、カテーテルに対して力(例えば、カテーテルをクランプに対する所定の位置に保持するのに十分な力)を及ぼし得るが、カテーテル108が保護用管状構造806内にある場合、クランプは、カテーテルに対して持続的な大きな力を及ぼさない。例えば、管状構造の壁によってカテーテルに印加される力は、任意選択的にカテーテルをクランプに対する所定の位置に維持するが、図示されるように、カテーテルルーメンから針が除去されている場合はクリンプを生じず、また、針が所定の位置にある場合であっても、経時的にカテーテルの大きな構造上の変化を引き起こすような圧力をカテーテルに対して生成することはない。
締付け体(808及び810)は、付勢部材802に取り付けられているか又は一体化している。付勢部材802は、任意選択的に、第2の締付け体810が付勢部材802に取り付けられているか又は一体化している位置が、第1の締付け体808が付勢部材802に取り付けられているか又は一体化している位置に対して遠位になるように、螺旋形状を有する。付勢部材は、徐々に広がる螺旋半径を呈するように該部材を付勢する内部引張特性を有する。よって、螺旋は、外向きに拡張するように付勢される。この付勢力は、締付け体が図12Aに示されるようにカテーテルの周囲に位置付けられたときに、互いに対して反対方向に移動するように締付け体を付勢する。しかしながら、図12Aに示されるように、付勢力によって生じた運動は、例えば、締付け面202及び204、並びに保護用管部806を画定する締付け体の他の部分を含む、締付け体のカテーテル側表面の接近によって停止される。
締付けデバイスは、任意選択的に、操作者が付勢部材802の力に対抗するために把持するように設計される表面804を含む。付勢部材802の力を克服するのに十分な力で表面804を把持することにより、操作者は、付勢部材によって移動させられたときの動きとは反対方向に締付け体(808及び810)を移動させることによってクランプを開放することができる。支持体(808及び810)を十分に離して移動させると、カテーテルクランプは、任意選択的に、カテーテルから除去される、カテーテル上に位置付けられる、又はカテーテルに対して移動させることができる構成になる。
締付け体はまた、スロット又は空間に所望の外径のカテーテルを配置することができるサイズのスロット又は空間を締付け面202及び204の間に形成するのに十分な程度まで離して移動させることもできる。次いで、操作者が、付勢部材の自然の力に対抗する印加力を減少させるか又は排除すると、締付け面202及び204が互いに向かって戻り、カテーテルを押し付けて締付けする。針がまだカテーテル内の所定位置にある場合は、締付け面202及び204はカテーテルに寄り掛かるが、針のステント様効果のためにカテーテルルーメンをクリンプすることはできない。しかしながら、図12Bに示されるように針が除去されると、ステント様効果がなくなり、力発生部材802の付勢力は、非ステントカテーテルのフープ強度を克服するのに十分である。これにより、カテーテルのクリンプが生じる。クリンプは、カテーテルのルーメンを通る血液の流れを減少させるか又は排除する。
図12Cは、対応するカテーテルがなく、完全開放位置にある、図12A及び図12Bに示される締付けデバイスを示す。この位置では、螺旋状付勢部材の付勢力により、螺旋半径を最大に開放することができた。この構成により、締付け体808及び810が完全に分離することができる。締付け体808及び810が完全に分離すると、締付けデバイスは、任意選択的に、図12A及び図12Bに示される螺旋状構成から緩めの螺旋状又は環状の形状へと推移する。
カテーテルから締付けデバイスを除去すると、操作者は、任意選択的に、締付け面を分離するために把持表面でデバイスを把持し、次いで、第2の締付け体810を第1の締付け体808に対して遠位に移動させる。同様に、第1の締付け体を第2の締付け体に対して近位に移動させることができるか、又は両方の締付け体を移動させることができる(第2の締付け体を遠位に移動させ、第1の締付け体を近位に移動させる)。締付け面がもはや締付けのために整合していない場合、把持圧力を解除してもよく、それによってデバイスを図12Cに示す開放位置に拡張させる。
図12Cに示すクランプはまた、カテーテル上に配置するために操作することもできる。例えば、操作者は、締付け面が整合しないように、また締付け体が力発生部材802の上下の正中面を横切って互いを通過して摺動することができるように、締付け体を移動させることができる。上下の正中面は、力発生部材802をその頂点で二等分し、第1の締付け体808と第2の締付け体810との間の正中線に沿って下向きに延長する平面である。次いで、操作者は、締付け体が互いを通過して摺動し、上下の正中面に交差するまでデバイスを把持することができる。
次いで、操作者は、締付け体の締付け面が一緒に合わさって締付け面の間に位置付けられたカテーテルをクリンプできるように、締付け体を再度位置付けして整合させることができる。最後に、操作者は、締付け体が保護用管部806を形成するように、また、締付け面が締付け面の間に位置付けられたカテーテルをクリンプできるように、把持圧力を解除して締付け体を合わせることができる。図12Dは、開放位置にあり、締付け体が締付け位置に移動させられる前にカテーテルが締付け体の間に位置付けられた、カテーテルクランプを示す。この図では、カテーテルルーメンの中心軸は、力発生部材802の上下の正中面に沿っている。
図13A〜図13Dは、カテーテルとカテーテル締付けデバイスの組み合わせの概略図である。デバイスは、対象の脈管構造内に挿入するための遠位先端部114を有するカテーテル108を含む。カテーテル108は、ハブ部902及び近位部110をさらに含む。遠位部は、針等のガイドの挿入のための開口部を画定する。上述のように、近位部110で画定される開口部を通って挿入される針を有するカテーテルは、カテーテルルーメンに挿通され、任意選択的に、針の鋭利な先端部が遠位のカテーテル部に対して遠位に延在するまで先に進められる。針、カテーテルの組み合わせを対象の血管内に挿通することができ、次いで、針を除去することができ、対象の脈管系への直接的なアクセスを提供するために血管内にカテーテルを残す。図13A〜図13Dに示すデバイスは、針又はルーメン内のガイドが除去されると、カテーテルルーメンを通る血液の流れを減少させるか又は排除するためにカテーテルを締付け又はクリンプすることができる一体型締付け機構をさらに含む。
締付け機構は、第1の締付け体908及び第2の締付け体910を含む。第1の締付け体は第1の締付け面202を含み、第2の締付け体は第2の締付け面204を含む。第1及び第2の締付け面は、互いに対して移動可能であり、表面の間に位置付けられたカテーテルを締付けするように互いに向けて移動させることができる。第1の締付け体は、第1のアーム904に接続されるか、取り付けられるか、又は一体化される。第2の締付け体は、第2のアーム912に接続されるか、取り付けられるか、又は一体化される。第1及び第2のアームは、カテーテルハブ部902に接続されるか、取り付けられるか、又は一体化される。2本のアーム(912及び904)は、ハブ部902と組み合わさって、カテーテル108に締付け力又はクリンプ力を印加するための力発生部材としての役割を果たす。
図13Aは、アームが外向きに伸長されたデバイスを示す。この位置において、アームは、それらの固有の引張特性が各アームを外側に付勢するようにカテーテルに向けて再度位置付けられることに抵抗する。各アームは、任意選択的に、操作者が、第1の締付け面202を含む第1の締付け体908を第1のアーム904からルーメンの中心軸の反対側に位置付けることができるように、締付け体をカテーテルルーメンの中心軸(A−A)により近づけて移動させる及びそこを横切って移動させるために把持することができる表面906を含む。同様に、第2の締付け面204を含む第2の締付け体910は、第2のアーム912からルーメンの中心軸の反対側に位置付けることができる。この構成は、例えば、図13B〜Dに示される。図13B〜Dの構成において、アームは、図13Aに示される位置をとるために外側に伸長しようとする。しかしながら、第1の締付け部908と第2の締付け部912が整合すると、締付け体の一部が互いに寄り掛かるため、アームは完全に外側に伸長することができない。
図13A及び図13Bに示すように、第1の締付け体は、第2の締付け体にある対応する切り欠き920内に挿置されるように構成される突起918を含むことができる。同様に、第2の締付け体は、第1の締付け体にある対応する切り欠き914内に挿置されるように構成される突起916を含むことができる。突起が対応する切り欠き内に係合すると、第1の締付け面202と第2の締付け面204との間の切り欠き又は空間は、カテーテルに実質的な締付け力又はクリンプ力を印加しない幅に維持される。例えば、図13Bに示すように、カテーテルは締付け面の間の空間に位置付けられ、表面は、カテーテルルーメンを通る血液の流れが減少されるか又は排除される程度まではカテーテルを締付けしていない。
図13Cにおいて、例えば、表面906に把持圧力を印加することにより、突起が、それらの対応する切り欠きから出され、締付け面の間の空間の幅が拡張される。次いで、図13Dに示すように、締付け面が一緒に合わせられ、アーム912及び904によって発生される力の下でカテーテルを締付けすることができる。カテーテルが患者の脈管構造に挿入されると、デバイスの締付け作用によってカテーテルルーメンを通る血液の流れを減少させるか又は排除することができる。さらに、針又はルーメン内ガイドデバイスがカテーテルルーメンに挿通されると、図13Cと図13Dに示される構成の間でデバイスが移動するにつれて、針又はガイドがステント様デバイスとしての役割を果たし、図13Dに示されるようにカテーテルが締付けされるのを阻止する。次いで、針又はガイドが除去されると、締付け面は、自動的にさらに挟小化し、締付け面の間のスロット又は空間に位置付けられた非ステントカテーテル部を締付けする。
また、カテーテルルーメンを通る血液等の流体の流れを減少させる方法も提供される。例えば、カテーテル締付けデバイスは、カテーテルが静脈に挿入される前に静脈内カテーテル上に設置される。血管アクセスの確認後、カテーテル内の金属針が抜去されると、ばね仕掛けのクランプがプラスチック製カテーテルを閉鎖し、したがって患者の血液の漏出を阻止し、したがってその暴露を排除する。IVラインに接続後、クランプがカテーテルから取り外される。
したがって、本方法は、ルーメン内に位置付けられた針を含むカテーテルを、対象の血管又は他の流体を含む空間に留置することを含む。カテーテルの少なくとも一部が、互いに対して移動可能なデバイスの2つの対向する表面によって画定されるスロット内に位置するように、カテーテルクランプはカテーテルの上に位置付けられる。血管又は流体を含む空間へのアクセスを許容するためにカテーテルから針が除去され、除去されると、クランプの表面が互いに対して移動し、カテーテルを通る流体の流れを阻止するか又は減少させる。
IVライン又は他の治療デバイス若しくはユニットは、カテーテルと連通して位置付けられ、一旦そのように位置付けられると、クランプが除去され、血管内腔又は流体を含む空間とIVライン又は治療デバイスとの間を流体連通させる。そうすることにより、本方法は、血管内腔等の、対象の流体で充填された空間へのアクセスを確立する一方で、カテーテルからの血液又は流体の漏出を減少させるか又は阻止する。
本明細書に記載されるデバイス及び方法は、安価に製造することができ、静脈内カテーテルを通って漏出する血液に障壁を提供する。静脈内カテーテルに加えて、このデバイス及び方法は、動脈内カテーテル、及び医学的又は外科的な理由で留置される任意の他のカテーテルの留置中に使用することができる。
本デバイス及び方法は、IV留置技術の変更を必要としない。さらに、本デバイス及び方法は、24ゲージから14ゲージまでの範囲の多様なカテーテルサイズに使用することができる。対向する表面がカテーテルに及ぼす力は、カテーテルのサイズ及び所望の血液の流れの減少(例えば、最小限の減少から阻止まで)を含む要因に応じて変化し得る。
デバイスを構築するために多様な材料を使用することができる。例えば、単回使用の使い捨てクランプには医療グレードのプラスチックを使用することができ、滅菌後に再利用可能なクランプが所望される場合は、鋼鉄又はチタン等の材料を使用することができる。
上述の説明に提示される教示の恩恵を受ける本発明が関連する当業者は、本明細書に記載される本発明の多くの変形例及び他の実施形態を想到するであろう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変形例及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書において特定の用語が用いられているが、それらは一般的及び記述的な意味でのみ使用されるのであって、限定であることを目的とするものではない。