以下、本発明に係るカテーテル組立体について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1に示す第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、例えば、患者に輸液剤(薬液)を投与するために使用される。カテーテル組立体10Aは、末梢静脈カテーテルとして構成され得る。カテーテル組立体10Aは、末梢静脈カテーテルよりも長さが長いカテーテル(例えば、中心静脈カテーテル、PICC、ミッドラインカテーテル等)として構成されてもよい。また、カテーテル組立体10Aは、静脈用カテーテルに限らず、末梢動脈カテーテル等の動脈用カテーテルとして構成されてもよい。
カテーテル組立体10Aは、カテーテル12と、カテーテル12の基端側に接続されたカテーテルハブ14と、カテーテルハブ14に取り付けられたカテーテル操作部15と、カテーテル12に抜去可能に挿通された内針16と、内針16に接続された針ハブ18と、内針16に挿通された第1ガイドワイヤ20と、内針16の抜去後にカテーテル12に挿通可能な第2ガイドワイヤ22とを備える。
カテーテル組立体10Aは、ユーザ(医師や看護師等)により針ハブ18が把持操作されて、その先端部が患者の血管88に穿刺される。カテーテル組立体10Aは、使用前(患者への穿刺前)の初期状態では、カテーテル12に内針16が挿通された2重管構造となり、且つ内針16がカテーテル12の先端から所定長だけ突出している。
初期状態におけるカテーテル組立体10Aは、カテーテル12と内針16の2重管構造、カテーテルハブ14、針ハブ18及び撓み抑制部材70が組み合わされて一つの組立体を構成し、一体的に取扱い可能となっている。
カテーテル12は、所定の長さに形成された可撓性を有する細径の管状部材である。カテーテル12の構成材料としては、樹脂材料、特に、軟質樹脂材料が好適である。カテーテル12の長さは、特に限定されず、用途や諸条件等に応じて適宜設定される。カテーテル12の長さは、例えば、20〜500mm程度に設定され、あるいは30〜400mm程度に設定され、あるいは100〜300mm程度に設定される。
カテーテルハブ14は、カテーテル12の内腔と連通する内腔を有する中空部材であり、カテーテル12よりも太く形成されている。カテーテルハブ14は、カテーテル12の基端部に液密に接続固定されている。カテーテルハブ14の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン等の硬質樹脂が挙げられる。
カテーテルハブ14は、針ハブ18が離脱可能に接続されるとともに内針16が挿通されたハブ胴体部24と、ハブ胴体部24の外面から突出したサイドポート26を有する。ハブ胴体部24は、内針16の長手方向に沿って延在する中空筒状体である。ハブ胴体部24の先端部がカテーテル12の基端部に固定されている。ハブ胴体部24の基端部に針ハブ18の先端部が離脱可能に嵌合している。
サイドポート26は、内針16に対して傾斜する方向に突出した中空筒状体である。具体的に、サイドポート26は、ハブ胴体部24の外面から基端側に傾斜して突出している。サイドポート26の内腔は、ハブ胴体部24の内腔と連通している。
また、カテーテルハブ14は、カテーテル12の基端部に固定された第1ハブ部材28と、第1ハブ部材28に分離可能に接続された第2ハブ部材30とを有する。第1ハブ部材28は、ハブ胴体部24の先端側部分を構成している。第2ハブ部材30は、ハブ胴体部24の基端側部分を構成するとともに、上述したサイドポート26を有する。第2ハブ部材30は、比較的弱い嵌合力で第1ハブ部材28と嵌合している。第1ハブ部材28と第2ハブ部材30との間に所定以上の軸方向の力が掛かると、第1ハブ部材28と第2ハブ部材30が分離する。
なお、第2ハブ部材30は第1ハブ部材28に対して任意の周方向位置(第1ハブ部材28の中心軸周りの位置)で接続可能である。従って、図1では、サイドポート26が下方に突出する向きで第2ハブ部材30が第1ハブ部材28に接続されているが、サイドポート26が側方に突出する向きで第2ハブ部材30が第1ハブ部材28に接続されていてもよい。カテーテル組立体10Aの使用時に、サイドポート26がユーザの好みの方向を向くように第1ハブ部材28に対して第2ハブ部材30を回転させてもよい。
カテーテルハブ14内(第1ハブ部材28内)には弁機構32が設けられている。弁機構32の構成としては、例えば、図3A及び図3Bに示す弁機構32A、32Bが挙げられる。なお、図3A及び図3Bでは、内針16の抜去後の状態を示している。
図3Aに示す弁機構32Aは、弁体34と、シール部材36と、プラグ38(挿入部材)とを有する。弁体34は、ゴム材やエラストマー材等の弾性材料からなる。カテーテルハブ14の内周面には、軸方向に延在する複数の溝部42が形成されている。溝部42の先端は弁体34の先端面よりも先端側に位置している。溝部42の基端はシール部材36の先端面に達している。溝部42と弁体34との間に流体通路が形成されている。
弁体34は、スリット35aが形成された弁部35を有する。スリット35aは、弁部35を厚さ方向(弁体34の軸方向)に貫通する。初期状態で弁体34のスリット35aには内針16が挿通されている。このように構成された弁体34は、自己閉塞性を有し、内針16の抜去後、プラグ38が挿入される前の状態ではスリット35aが液密に閉じているが、プラグ38の挿入時には弁部35が変形してスリット35aが開く。この構成により、カテーテル12からの内針16の抜去後であって、カテーテルハブ14への輸液チューブのコネクタの接続前は、弁体34によりカテーテルハブ14の基端側内腔への血液の流入が阻止される。
弁部35の基端面には、漏斗状のガイド凹部44が設けられている。ガイド凹部44は先端方向に向かって内径が小さくなっている。ガイド凹部44の先端はスリット35aと連通している。このように形成されたガイド凹部44のガイド作用により、第2ガイドワイヤ22を弁体34のスリット35aへとスムーズに導入することができる。
シール部材36は、環状(中空円筒型)の部材であり、気体を通し且つ液体を遮断する機能を有する。シール部材36は、弁体34の基端側に配置されている。このようなシール部材36として、例えば、ポリエチレン製の焼結体等の多孔質体で形成したものを用いることができる。カテーテルハブ14の先端側内腔に血液が流入する際、血液と弁体34との間に閉じ込められた空気は、溝部42及びシール部材36を通過してカテーテルハブ14の基端側内腔へと移動することができる。一方、血液は、シール部材36によって遮断されるため、カテーテルハブ14の基端側内腔へと流入することが阻止される。
プラグ38は、先端と基端が開口した管状に形成されており、カテーテルハブ14内で軸方向に移動可能に配置されている。プラグ38の先端側には、外方に鍔状に突出した先端拡径部が設けられている。プラグ38の前進時には、プラグ38の先端部は、弁体34の弁部35に挿入可能である。プラグ38の基端側には、外方に突出した基端拡径部45が設けられる。基端拡径部45は、先端方向に向かって内径が小さくなるテーパ状内面45aを有する。このように形成されたテーパ状内面45aのガイド作用により、第2ガイドワイヤ22を弁体34のスリット35aに向けて案内することができる。
図3Bに示す弁機構32Bは、スリット46aを有する弁体46からなる。弁体46は、図3Aに示した弁体34と同様の弾性材料により構成されてよい。初期状態で弁体46のスリット46aには内針16が挿通されている。弁体46の基端面には、漏斗状のガイド凹部48が設けられている。ガイド凹部48は先端方向に向かって内径が小さくなっている。ガイド凹部48の先端はスリット46aと連通している。このように形成されたガイド凹部48のガイド作用により、第2ガイドワイヤ22を弁体46のスリット46aへとスムーズに導入することができる。
弁機構32は、上述した弁機構32A、32Bの形態に限定されず、ダックビル弁の形態を有していてもよい。ダックビル弁は、スリットが形成された弁部と、互いに対向するとともに先端方向に向かって互いに近づくように傾斜する傾斜壁とを有する。傾斜壁が第2ガイドワイヤ22をスリットへと案内するテーパ状ガイドとして機能する。
なお、カテーテルハブ14には弁機構32が設けられていなくてもよい。この場合でも、カテーテルハブ14(第1ハブ部材28)には先端方向に向かって内径が減少するテーパ状内面50が設けられているため、テーパ状内面50のガイド作用により、第2ガイドワイヤ22をカテーテル12の内腔へとスムーズに導入することができる。
図1において、カテーテル操作部15は、カテーテル12の前進操作を行うための操作部であり、カテーテルハブ14(本実施形態では第1ハブ部材28)に取り付けられている。なお、カテーテル操作部15は、第2ハブ部材30に取り付けられてもよい。カテーテル操作部15は、カテーテルハブ14に固定された固定基部52と、固定基部52から上方に延出した延出部54とを有する。延出部54の延出端には、ユーザが指を当てるための操作子56(指当部)が設けられている。
カテーテル操作部15は、後述する撓み抑制部材70に形成された後述するスリット78(図2参照)を貫通しており、上記操作子56は撓み抑制部材70の上面から突出している。ユーザは、カテーテル操作部15のうち撓み抑制部材70から突出した部分(操作子56)に触れて把持又は押圧することで、カテーテルハブ14を軸方向に操作することができる。
延出部54において、操作子56よりも固定基部52側には、撓み抑制部材70に軸方向にスライド可能に係合する係合溝58(係合部)が形成されている。
なお、カテーテル操作部15は、カテーテルハブ14から取り外すことができるように構成されていてもよい。あるいは、カテーテル操作部15は、カテーテルハブ14に対して一体成形されていてもよい。以下では、カテーテル12、カテーテルハブ14及びカテーテル操作部15からなる部材を、「カテーテル部材60」という。
図1及び図2において、内針16は、先端に鋭利な針先17を有するとともに、患者の皮膚90(図4A等参照)を穿刺可能な剛性を有する。また、内針16は、先端開口と、基端開口と、先端開口と基端開口とを連通する内腔とを有する中空の細長状部材である。内針16は、カテーテル組立体10Aの初期状態において、その針先17がカテーテル12の先端開口から所定長だけ突出する。また、初期状態において、内針16は、その長手方向の途中部位がカテーテルハブ14の内部に挿通され、その基端側が針ハブ18によって保持される。
内針16の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属材料、硬質樹脂、セラミックス材等が挙げられる。
第1ガイドワイヤ20は、可撓性を有する線状部材であり、内針16の内腔に軸方向に摺動可能に挿入されている。第1ガイドワイヤ20は、内針16及びカテーテル12の血管88(図4A等参照)への穿刺後に、前進するカテーテル12の先端部を血管88の中枢側に湾曲させるために使用される。カテーテル組立体10Aの初期状態で、第1ガイドワイヤ20の先端20aは、内針16の内腔において針先17の近傍に位置している。
第1ガイドワイヤ20は、内針16及びカテーテル12の全長よりも長く、第1ガイドワイヤ20を前進操作することにより、内針16の先端(針先17)から所定長さだけ突出できる長さに設定されている。第1ガイドワイヤ20は、後述するように血管後壁(穿刺部位と反対側の血管壁)の突刺しを防止する機能を達成できるだけの長さを有していればよいため、比較的短くてよい。
第1ガイドワイヤ20は、血管後壁に突き刺さらないように十分な柔軟性(曲がりやすさ)を有している必要がある。第1ガイドワイヤ20は、第1ガイドワイヤ20の先端部が内針16の針先17から突出した状態から第1ガイドワイヤ20を内針16に対して後退させる際に第1ガイドワイヤ20が内針16の先端開口の縁部で削られにくい素材(金属等)からなるのがよい。
第1ガイドワイヤ20の先端形状は、血管88の中枢側に導入されやすいように湾曲していてもよい。第1ガイドワイヤ20の先端形状の湾曲は、緩い湾曲でもよいし、J字状の湾曲でもよい。第1ガイドワイヤ20は、内針16の内腔を通るため、内針16の内腔よりも細いことが必要である。
このカテーテル組立体10Aにおいて、針ハブ18の基端部には、第1ガイドワイヤ20を案内するとともに、第1ガイドワイヤ20に適度の移動抵抗を発生させる案内部材62が取り付けられている。案内部材62は、内針16の血管88への穿刺に伴って針ハブ18の基端から血液が漏れることを防止するシール機能も有する。第1ガイドワイヤ20の基端部には、第1ガイドワイヤ20よりも太く形成されたストッパ63が固定されている。ストッパ63は、ガイドワイヤハブとしての機能も有する。
第2ガイドワイヤ22は、可撓性を有する線状部材である。第2ガイドワイヤ22は、カテーテル12の先端部を血管88の中枢側に湾曲させた後にカテーテル12をさらに前進させる際に、カテーテル12の前進を補助するために使用される。第2ガイドワイヤ22は、カテーテルハブ14のサイドポート26を介してカテーテル12に挿通可能である。
カテーテル組立体10Aの初期状態において第2ガイドワイヤ22の先端はカテーテル12の基端よりも基端側に配置されている。具体的に本実施形態では、図1に示すように、カテーテル組立体10Aの初期状態において第2ガイドワイヤ22の先端部はカテーテルハブ14内(サイドポート26内)に配置されている。なお、カテーテル組立体10Aの初期状態において第2ガイドワイヤ22の先端部22aはカテーテルハブ14の外側、例えば、カテーテルハブ14の基端よりも基端側に配置されていてもよい。
第2ガイドワイヤ22の長さは、第1ガイドワイヤ20の長さよりも長い。具体的に、第2ガイドワイヤ22は、血管88の中枢側に湾曲した状態のカテーテル12の先端部から所定長さだけ突出し、且つカテーテル12が血管88内に所望長さ挿入される(カテーテル12の全長が患者に挿入される)まで血管88内でのカテーテル12の前進を補助(案内)できる長さに設定されている。
第2ガイドワイヤ22の外径は、第1ガイドワイヤ20の外径よりも大きい。第2ガイドワイヤ22は、カテーテル12から内針16を抜去した後にカテーテル12の内腔に挿入されるため、第2ガイドワイヤ22の外径は、内針16の内径(内針16の内腔の直径)よりも大きくてもよい。但し、第2ガイドワイヤ22をカテーテル12の内腔に挿通できるように、第2ガイドワイヤ22の外径はカテーテル12の内径よりも小さいことが必要である。第2ガイドワイヤ22は、キンクしにくい硬さを有する。キンクしにくい硬さは、第2ガイドワイヤ22の外径や素材によって設定することができる。
第2ガイドワイヤ22は、カテーテル12から内針16が抜去された後にカテーテル12に挿入されるものであるため、第1ガイドワイヤ20と異なり、内針16の先端によって削られにくい素材からなる必要はない。従って、第2ガイドワイヤ22の素材は、金属材料でも樹脂材料でもよい。
第2ガイドワイヤ22の先端形状は、血管88分岐部で太い方の血管88に導入されやすいように湾曲していてもよい。第2ガイドワイヤ22の先端形状の湾曲は、緩い湾曲でもよいし、J字状の湾曲でもよい。
図1に示すように、第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、第2ガイドワイヤ22を収納するワイヤ収納部64を備える。ワイヤ収納部64は、チューブ状の収納シース66を有する。第2ガイドワイヤ22は、収納シース66に対して摺動可能である。収納シース66の一端部から第2ガイドワイヤ22の先端部が延出し、外部に露出している。ユーザは、収納シース66から露出した第2ガイドワイヤ22に触れることで、第2ガイドワイヤ22の前進操作及び後退操作をすることができる。なお、カテーテル組立体10Aの使用時に、ワイヤ収納部64はカテーテルハブ14から取り外してもよい。
収納シース66は、複数の保持部材68によって、渦巻き状に曲げられた状態に保持されている。ワイヤ収納部64は、カテーテルハブ14に取り付けられている。具体的に、保持部材68の1つが第2ハブ部材30に取り付けられている。
なお、図1においてワイヤ収納部64はカテーテルハブ14の下方に配置されるように取り付けられているが、カテーテルハブ14の側方に配置されるようにワイヤ収納部64が取り付けられていてもよい。カテーテルハブ14の側方にワイヤ収納部64が配置されるように、第1ハブ部材28に対する第2ハブ部材30の向きを調整してもよい。
第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aは、さらに撓み抑制部材70を備える。撓み抑制部材70は、カテーテルハブ14よりも先端側でカテーテル12を介して内針16を支持するとともに、針ハブ18に対して軸方向に相対変位可能に支持されている。
具体的に、撓み抑制部材70は、内針16の軸方向に沿って延在するベース部72と、ベース部72の先端から先端方向に延出した先端構成部74と、先端構成部74に設けられカテーテル12の外周面に当接又は近接する支持部76と、撓み抑制部材70の長手方向に沿って延在するスリット78(図2参照)とを有する。
ベース部72は、板状に形成されており、針ハブ18に固定されたスライド支持体80によって軸方向にスライド可能に支持されている。ベース部72の左右方向(幅方向)両側の側面には、ベース部72の長手方向に沿って延在するガイド溝73が形成されている。ベース部72には、スリット78の一部(基端側部分)が形成されている。スリット78は、撓み抑制部材70の厚さ方向に貫通している。
スライド支持体80の上部には、左右方向の内側に向かって突出した一対のガイド突起82が設けられている。ガイド突起82がガイド溝73に挿入されている。これにより、撓み抑制部材70は、針ハブ18に対して軸方向にスムーズに相対移動することができる。
図2に示すように、先端構成部74は、初期状態で並列した2つのアーム84を有し、閉じた状態から、カテーテル操作部15の通過を許容する開いた状態へと変化可能に構成されている。本実施形態において、各アーム84は、ベース部72の先端部とヒンジ部86を介して繋がっており、ヒンジ部86を支点としてベース部72に対して回動可能である。
具体的には、各アーム84は、撓み抑制部材70の厚さ方向に沿う軸線を中心に、互いに離間する方向に回動可能である。ヒンジ部86は、ベース部72及びアーム84と一体成形された薄肉部であってもよいし、あるいは、軸部と穴部との嵌合構造であってもよい。このようなヒンジ部86に代えて、一方のアームが上方に回動可能とするヒンジ部が設けられてもよい。あるいは、ヒンジ部86による回動構造を設ける代わりに、2つのアームの少なくとも一方がベース部から分離可能であってもよい。
図2に示すように、各アーム84の先端部内側には内方に若干だけ突出する凸部87が設けられている。初期状態では、凸部87同士が当接することによって、先端構成部74が閉じている。2つのアーム84間の凸部87よりも基端側には隙間が形成されており、この隙間によって、スリット78の他部(先端側部分)が構成されている。
支持部76は、撓み抑制部材70のカテーテル12に対向する側(図1で下面)に、カテーテル12側に向かって突出している。初期状態において、支持部76は、カテーテル12の外周面に当接していてもよく、あるいは、カテーテル12の外周面から僅かに離間していてもよい。支持部76は、2つの支持要素77によって構成されている。一方の支持要素77は一方のアーム84に設けられている。他方の支持要素77は他方のアーム84に設けられている。
一方向からのみ内針16を支持する支持部76に代えて、カテーテル12の外周面を周方向範囲の2分の1以上囲むように構成された支持部が設けられてもよい。このような囲み型の支持部により、上方向だけでなく、下方向や左右方向の内針16の撓みも抑制することができる。囲み型の支持部の内面には、カテーテル12の外面との摩擦低減部材としてゲル材や転動体が設けられていてもよい。これにより、カテーテル12の外面に穿刺抵抗低減用のコーティング(潤滑コート)が形成されている場合でも、潤滑コートが剥がれることを抑制することができる。
次に、上記のように構成されたカテーテル組立体10Aの作用及び効果を説明する。
カテーテル組立体10Aの使用において、術者であるユーザ(医師や看護師等)は、図1に示す初期状態のカテーテル組立体10Aの針ハブ18(及び必要に応じてその周辺部材)を把持する。そして、ユーザは、カテーテル12及び内針16の先端部を血管88に穿刺する穿刺操作を行う。穿刺操作では、まず、図4Aのように、ユーザは患者の血管88に向けて、カテーテル12及び内針16を患者の皮膚90に穿刺する。なお、ワイヤ収納部64が皮膚90とぶつからないように、穿刺操作に先立ち、ワイヤ収納部64(図1参照)をカテーテルハブ14から取り外しておくとともに、第2ガイドワイヤ22をワイヤ収納部64から取り出しておいてもよい。あるいはワイヤ収納部64をカテーテルハブ14の側方に位置させておいてもよい。
穿刺操作の際、撓み抑制部材70によって内針16の撓みが抑制される。すなわち、穿刺操作の際、内針16が皮膚90とは反対側に撓もうとした場合でも、支持部76がカテーテル12を押えることで、内針16はカテーテル12を介して撓み抑制部材70によって支持される。これにより、穿刺時の内針16の撓みが抑制され、安定した穿刺が可能である。
次に、図4Bのように、ユーザは撓み抑制部材70の位置を保持したまま、カテーテル組立体10Aにおける撓み抑制部材70以外の部材(内針16、カテーテル12等)を前進させることにより、内針16及びカテーテル12の先端を血管88に穿刺する。このとき、カテーテル操作部15は、スリット78(図2参照)内を前進する。
この前進操作の際においても、撓み抑制部材70によって内針16の撓みが抑制される。すなわち、カテーテル組立体10Aが図4Aの状態から図4Bの状態に移行する間、内針16は、針ハブ18に対して基端方向に相対移動する撓み抑制部材70によって、カテーテル12を介して支持される。従って、カテーテル組立体10Aによれば、皮膚90への穿刺の開始から血管88への穿刺が完了するまでの間、穿刺時の内針16の撓みが抑制され、安定した穿刺が可能である。また、カテーテル組立体10Aでは、撓み抑制部材70に係合する係合溝58(図1参照)がカテーテル操作部15に設けられているため、穿刺操作の際、撓み抑制部材70自体の撓みが抑制される。従って、撓み抑制部材70によって支持される内針16の撓みを一層効果的に抑制することができる。
ユーザは、血管88への穿刺後、図5Aのように、内針16及びカテーテル12の位置を保持しつつ、第1ガイドワイヤ20を前進させることにより、内針16の針先17から第1ガイドワイヤ20を所定長さだけ突出させる。この際、第1ガイドワイヤ20は十分な柔軟性を有しているため、第1ガイドワイヤ20の先端部は、血管後壁(穿刺部位と反対側の血管壁)にぶつかって、血管88の中枢側へと湾曲する。
次に、ユーザは、内針16及び撓み抑制部材70の位置を保持しつつ、撓み抑制部材70から上方に突出したカテーテル操作部15に指を掛け、カテーテル操作部15を先端方向に押す。そうすると、図5Bのように、カテーテル操作部15に接続されたカテーテルハブ14及びカテーテル12が、内針16及び針ハブ18に対して先端方向へと移動する。この際、カテーテル12の先端部は、第1ガイドワイヤ20に沿って前進することで、血管88の中枢側へと湾曲する。このようにカテーテル12の先端部は第1ガイドワイヤ20の補助によって血管88の中枢側へと曲げられるため、カテーテル12の先端部が血管後壁を突き刺すことがない。
次に、ユーザは、図6Aのように、カテーテル12の位置を保持しつつ、内針16及び第1ガイドワイヤ20を後退させることにより、内針16及び第1ガイドワイヤ20をカテーテル12から抜去する。次に、ユーザは、図6Bのように、カテーテル12の位置を保持しつつ、第2ガイドワイヤ22を前進させ、カテーテル12の基端開口を介して第2ガイドワイヤ22をカテーテル12に挿入する。これにより、カテーテル12の先端開口から第2ガイドワイヤ22を突出させる。
このときカテーテル12の先端開口から突出させる第2ガイドワイヤ22の長さ(突出長さ)は、カテーテル12の略全長を患者に挿入するのに十分な長さとする。この場合、第2ガイドワイヤ22の外径は、第1ガイドワイヤ20の外径よりも大きく、適度に剛性を有するため、第2ガイドワイヤ22を血管88内で前進させる際に第2ガイドワイヤ22がキンクすることがない。
次に、ユーザは、図7のように、撓み抑制部材70の位置を保持しつつ、カテーテル操作部15を操作してカテーテル12を先端方向に移動させることにより、カテーテル12の先端を血管88内の目標位置まで挿入する。この際、カテーテル12は、第1ガイドワイヤ20よりも外径の大きい第2ガイドワイヤ22によって支持されながら血管88内を前進するため、カテーテル12のキンクが防止される。
なお、第2ハブ部材30は、カテーテル12を図6Bの位置から図7の位置に前進させる際に、第1ハブ部材28から分離させる。あるいは、第2ハブ部材30は、図7に示す位置にカテーテル12を移動させた後に、第1ハブ部材28から分離させてもよい。
次に、ユーザは、カテーテル12の位置を保持した状態で、カテーテル12から第2ガイドワイヤ22を抜去する。この結果、カテーテル組立体10Aのうちカテーテル部材60だけが患者側に留置された状態となる。
このように、血管88内にカテーテル12を所定長さ挿入するために内針16に対してカテーテル12を前進操作している間、又はカテーテル12から内針16を抜去するために針ハブ18を基端方向に引っ張っている間、カテーテル操作部15は、撓み抑制部材70から先端方向に離脱する。
具体的には、撓み抑制部材70とカテーテル操作部15との軸方向の相対移動に伴って、カテーテル操作部15は、図2に示した2つのアーム84(凸部87の基端)を先端方向に押す。この押す力によって2つのアーム84は左右方向に拡開し、カテーテル操作部15の通過を許容する。このようにカテーテル操作部15の前進に伴って2つのアーム84が自動的に拡開するため、独立した拡開操作が不要であり、操作性に優れる。
ユーザは、上記のようにカテーテル12を血管88内に所定長さ挿入した後、ドレッシング材やテープ等によりカテーテルハブ14を患者に固定する。そして、ユーザは、カテーテルハブ14の基端側に図示しない輸液チューブのコネクタを接続し、輸液チューブから患者への輸液剤(薬液)の供給を実施する。なお、カテーテル操作部15がカテーテルハブ14から離脱可能に構成されている場合には、カテーテル操作部15をカテーテルハブ14から取り外してからドレッシング材等によりカテーテルハブ14を患者に固定してもよい。
以上のように、カテーテル12と、カテーテル12に接続されたカテーテルハブ14と、針先17を有しカテーテル12に抜去可能に挿通された内針16と、内針16に接続された針ハブ18とを備えたカテーテル組立体10Aを用いて、カテーテル12を血管88内に挿入するカテーテル挿入方法を行うことができる。
このカテーテル挿入方法は、カテーテル12及び内針16の先端部を血管88に穿刺する穿刺ステップと、穿刺ステップの後、内針16に挿通された第1ガイドワイヤ20を前進させることにより、針先17から第1ガイドワイヤ20を突出させるとともに、第1ガイドワイヤ20の先端部を血管88の中枢側に湾曲させる第1ガイドワイヤ前進ステップと、第1ガイドワイヤ前進ステップの後、内針16に対してカテーテル12を前進させることにより、第1ガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル12を血管88内に挿入し、カテーテル12の先端部を血管88の中枢側に湾曲させる第1カテーテル前進ステップと、第1カテーテル前進ステップの後、カテーテル12に対して内針16及び第1ガイドワイヤ20を後退させることにより、内針16をカテーテル12から抜去する内針抜去ステップと、内針抜去ステップの後、第1ガイドワイヤ20よりも長く且つ外径の大きい第2ガイドワイヤ22をカテーテル12に挿入して前進させることにより、カテーテル12の先端開口から第2ガイドワイヤ22を突出させる第2ガイドワイヤ前進ステップと、第2ガイドワイヤ前進ステップの後、第2ガイドワイヤ22に沿わせてカテーテル12をさらに前進させる第2カテーテル前進ステップと、第2カテーテル前進ステップの後、カテーテル12から第2ガイドワイヤ22を抜去するワイヤ抜去ステップとを含む。
以上説明したように、第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aによれば、内針16及びカテーテル12の先端部を目的の血管88に穿刺した後、第1ガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル12を前進させることにより、血管後壁を突き刺すことなく、カテーテル12の先端部を血管88の中枢側に湾曲させることができる。
また、カテーテル12から内針16を抜去した後に、第1ガイドワイヤ20よりも長く且つ外径の大きい第2ガイドワイヤ22に沿わせてカテーテル12をさらに前進させることで、第2ガイドワイヤ22及びカテーテル12のキンクを防止しながら、血管88内にカテーテル12を所望長さ挿入することができる。
従って、このカテーテル組立体10Aによれば、カテーテル12の前進プロセスに応じてカテーテル12をスムーズに前進させることができる。
第1実施形態の場合、第2ガイドワイヤ22の外径は内針16の内径よりも大きいため、第2ガイドワイヤ22に適度に剛性を持たせることができる。従って、血管88内で第2ガイドワイヤ22が前進する際に第2ガイドワイヤ22がキンクすることを一層好適に防止することができる。また、第2ガイドワイヤ22に沿わせて血管88内でカテーテル12を前進させる際に、カテーテル12がキンクすることを一層効果的に防止することができる。
第1実施形態の場合、カテーテル組立体10Aの初期状態で、第2ガイドワイヤ22の先端は、カテーテルハブ14内に位置しているため、内針16の抜去後に迅速に第2ガイドワイヤ22をカテーテル12に挿入できる。
第1実施形態の場合、カテーテルハブ14は、第2ガイドワイヤ22の先端をカテーテル12の内腔に向けて案内するテーパ状内面50を有するため、第2ガイドワイヤ22をスムーズにカテーテル12内に挿入することができる。
第1実施形態の場合、カテーテルハブ14は、針ハブ18が離脱可能に接続されるとともに内針16が挿通されたハブ胴体部24と、ハブ胴体部24の外面から突出したサイドポート26を有し、第2ガイドワイヤ22は、サイドポート26を介してカテーテル12内に挿通可能である。この構成により、初期状態ではカテーテルハブ14と針ハブ18とを一体化しておくことで穿刺操作がしやすい。また、内針抜去後は、サイドポート26を介してカテーテル12に第2ガイドワイヤ22を容易に挿入することができる。
第1実施形態の場合、カテーテルハブ14は、カテーテル12の基端部に固定された第1ハブ部材28と、第1ハブ部材28に分離可能に接続された第2ハブ部材30とを有し、第2ハブ部材30は、サイドポート26を有する。この構成により、サイドポート26が設けられた第2ハブ部材30が、第1ハブ部材28と分離可能であるため、患者に留置される部品を小さくすることができる。
第1実施形態の場合、カテーテルハブ14内に弁機構32が配置されているため、カテーテル12を血管88に穿刺した後に、外部に血液が漏れ出ることを防止することができる。また、第1ハブ部材28内に弁機構32が設けられているため、第2ハブ部材30を第1ハブ部材28から分離した後でも、外部に血液が漏れることを防止することができる。
図8Aに示すように、弁機構32は、第2ハブ部材30の基端部(ハブ胴体部24)内と、サイドポート26内とに配置されてもよい。この場合、第1ハブ部材28内には弁機構32は配置されていない。第2ハブ部材30の基端部内に配置された弁機構32は、例えば、図3Aに示した弁機構32Aと同様に構成されたものでよい。サイドポート26内に配置された弁機構32は、例えば、図3Bに示した弁機構32Bと同様に構成されたものでよい。
図8Bに示すように、弁機構32は、第1ハブ部材28内と、第2ハブ部材30の基端部(ハブ胴体部24)内と、サイドポート26内とに配置されてもよい。第1ハブ部材28内及び第2ハブ部材30の基端部内に配置された弁機構32は、例えば、図3Aに示した弁機構32Aと同様に構成されたものでよい。サイドポート26内に配置された弁機構32は、例えば、図3Bに示した弁機構32Bと同様に構成されたものでよい。
上述した第1ハブ部材28と第2ハブ部材30とを一体化し、図9A及び図9Bに示すカテーテルハブ14aのように構成してもよい。図9Aにおいて、弁機構32は、ハブ胴体部24内と、サイドポート26内とに配置されている。ハブ胴体部24の基端部内に配置された弁機構32は、例えば、図3Aに示した弁機構32Aと同様に構成されたものでよい。サイドポート26内に配置された弁機構32は、例えば、図3Bに示した弁機構32Bと同様に構成されたものでよい。
図9Bにおいて、弁機構32は、ハブ胴体部24のサイドポート26よりも先端側に配置されている。この場合、例えば、図3Aに示した弁機構32と同様に構成されたものでよい。
[第2実施形態]
次に、図10及び図11に示す第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bについて説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
カテーテル組立体10Bは、カテーテル12と、カテーテル12の基端側に接続されたカテーテルハブ92と、カテーテルハブ92に取り付けられたカテーテル操作部94と、カテーテル12に抜去可能に挿通された内針16と、内針16に接続された針ハブ96(図11参照)と、針ハブ96から先端方向に延出した針操作部108と、初期状態でカテーテル12等を収容するハウジング98とを備える。
図11に示すように、カテーテル組立体10Bは、さらに、内針16に挿通された第1ガイドワイヤ20と、第1ガイドワイヤ20の基端部に接続されたガイドワイヤハブ112と、ガイドワイヤハブ112から先端方向に延出した第1ワイヤ操作部114と、内針16の抜去後にカテーテル12に挿通可能な第2ガイドワイヤ22と、第2ガイドワイヤ22に接続された操作ワイヤ102と、操作ワイヤ102に接続された第2ワイヤ操作部104とを備える。
カテーテル組立体10Bは、ユーザにより針ハブ96が把持操作されて、その先端部が患者の血管88に穿刺される。カテーテル組立体10Bは、使用前(患者への穿刺前)の初期状態では、カテーテル12に内針16が挿通された2重管構造となり、且つ内針16がカテーテル12の先端から所定長だけ突出している。
カテーテルハブ92は、カテーテル12の内腔と連通する内腔を有する中空部材であり、カテーテル12よりも太く形成されている。カテーテルハブ92は、カテーテル12の基端部に液密に接続固定されている。ユーザは、カテーテルハブ92を操作することにより、カテーテル12を先端方向に移動させることができる。カテーテル部材106は、カテーテル12とカテーテルハブ92とが結合したものである。
カテーテル操作部94は、カテーテルハブ92に接続された板状部材であり、初期状態では内針16の長手方向に沿って延在している。カテーテル操作部94の先端部には上方に突出した操作タブ95が設けられている。カテーテル操作部94は、内針16の針先17及びカテーテル12の先端部を血管88に穿刺する穿刺操作の際、カテーテル12の基端と先端との間の部位(カテーテル12の長手方向の途中部位)を押圧可能である。具体的には、カテーテル操作部94は、カテーテル12の基端と先端との間の部位を押し付けることができる押圧部94aを有する。この押圧部94aは、穿刺操作の際、内針16及びカテーテル12の撓みを抑制するための構成要素である。
カテーテル操作部94は、カテーテルハブ92に対して回動可能に、カテーテルハブ92に接続されている。図11に示すように、カテーテルハブ92の左右両側の外側面には、外方に突出する支持突起93が設けられている。カテーテル操作部94の基端部には、接続溝を有する左右一対の接続片94bが互いに対向して設けられている。一対の接続片94bに設けられた接続溝の各々に、カテーテルハブ92に設けられた支持突起93が挿入されている。これにより、カテーテル操作部94は、支持突起93を軸部として、カテーテルハブ92に対して回動可能に支持されている。カテーテル操作部94は、カテーテルハブ92に対して起立した状態になったとき、カテーテルハブ92から分離可能である。
内針16の基端部に接続された針ハブ96は、内針16の長手方向(ハウジング98の長手方向)に沿って変位可能にハウジング98に収納されている。針ハブ96は、内針16の基端部を固定保持している。針ハブ96の下部の左右両側には、後述するガイドレール130に係合するガイド溝97が設けられている。
針ハブ96には針操作部108が繋がっている。針操作部108は、針ハブ96の上部から内針16に沿って先端方向に延出している。針操作部108の先端部には上方に突出した操作タブ109が設けられている。針操作部108は、カテーテル操作部94の上に配置されている。具体的には、図13Aに示すように、針操作部108は、カテーテル操作部94よりも幅が小さく、カテーテル操作部94の上に重なる状態で、カテーテル操作部94の幅方向一方側寄りの位置に配置されている。図示例の針操作部108の幅は、カテーテル操作部94の幅の約半分である。針操作部108は、カテーテル操作部94上で長手方向にスライド可能である。
図11において、針操作部108と針ハブ96とは、ヒンジ部110を介して繋がっている。これにより、針操作部108は、内針16から離れる方向に針ハブ96に対して回転可能である。図11に例示したヒンジ部110は、薄肉部である。なお、ヒンジ部110は、軸部と穴部とからなる嵌合構造であってもよい。
第1ガイドワイヤ20の基端部に接続されたガイドワイヤハブ112は、内針16の長手方向(ハウジング98の長手方向)に沿って変位可能にハウジング98に収納されている。ガイドワイヤハブ112は、第1ガイドワイヤ20の基端部を固定保持している。ガイドワイヤハブ112の下部の左右両側には、後述するガイドレール130に係合するガイド溝113が設けられている。
ガイドワイヤハブ112には第1ワイヤ操作部114が繋がっている。第1ワイヤ操作部114は、ガイドワイヤハブ112の上部から内針16に沿って先端方向に延出している。第1ワイヤ操作部114の先端部には上方に突出した操作タブ115が設けられている。
第1ワイヤ操作部114は、カテーテル操作部94の上に配置されている。具体的には、図13Aに示すように、第1ワイヤ操作部114は、カテーテル操作部94よりも幅が小さく、針操作部108の上に重なる状態で、カテーテル操作部94の幅方向一方側寄りの位置に配置されている。図示例の第1ワイヤ操作部114の幅は、針操作部108の幅と略同じであり、カテーテル操作部94の幅の約半分である。第1ワイヤ操作部114は、針操作部108上で長手方向にスライド可能である。
第1ワイヤ操作部114とガイドワイヤハブ112とは、ヒンジ部111を介して繋がっている。これにより、針操作部108は、内針16から離れる方向に針ハブ96に対して回転可能である。図11に例示したヒンジ部111は、薄肉部である。なお、ヒンジ部111は、軸部と穴部とからなる嵌合構造であってもよい。
図11に示す第2ガイドワイヤ22は、カテーテル組立体10Bの初期状態で、ハウジング98内及びワイヤ収納部116内に収納されている。カテーテル組立体10Bの初期状態で、第2ガイドワイヤ22の先端はカテーテル12の基端よりも基端側に配置されている。具体的に第2実施形態では、図12に模式的に示すように、カテーテル組立体10Bの初期状態で第2ガイドワイヤ22の先端はカテーテルハブ92内に位置している。なお、カテーテル組立体10Bの初期状態で第2ガイドワイヤ22の先端はカテーテルハブ92の外側、例えばカテーテルハブ92の基端よりも基端側に配置されていてもよい。
図13Bに示すように、カテーテルハブ92は、先端方向に向かって内径が減少するテーパ状内面118を有する。テーパ状内面118は、第2ガイドワイヤ22の前進時に、第2ガイドワイヤ22の先端をカテーテル12の内腔に向けて案内する。
また、図13Bに示すように、カテーテルハブ92内には弁機構120が配置されている。弁機構120は、軸方向に貫通する第1スリット122a及び第2スリット122bを有する弁体122からなる。弁体122は、図3Aに示した弁体34と同様の弾性材料により構成されてよい。弁体122において第1スリット122aと第2スリット122bは並列して形成されている。
初期状態で、第1スリット122aには内針16が挿通され、第2スリット122bには第2ガイドワイヤ22の先端部22a(先端又は先端近傍)が挿通されている。カテーテル12からの内針16の抜去に伴って内針16が第1スリット122aから抜け出ると、弁体122の弾性復元力によって第1スリット122aは閉塞する。
第2ガイドワイヤ22は第2スリット122bに対して摺動可能である。内針16が抜去された状態のカテーテル12に第2ガイドワイヤ22を挿通した後、カテーテル12からの第2ガイドワイヤ22の抜去に伴って第2ガイドワイヤ22が第2スリット122bから抜け出ると、弁体122の弾性復元力によって第2スリット122bは閉塞する。
なお、カテーテル組立体10Bにおいて、上述した弁機構120に代えて、図3A及び図3Bに示した弁機構32A、32Bのいずれかが配置されてもよい。
図11において、操作ワイヤ102は、基端側(基端部102b)で第2ガイドワイヤ22に接続され、第2ガイドワイヤ22を移動させるための線状部材である。操作ワイヤ102は、第2ガイドワイヤ22よりも短くてよい。第2ガイドワイヤ22と操作ワイヤ102の各基端部22b、102bよりも先端側では、第1ガイドワイヤ20と操作ワイヤ102は結合しておらず、分離可能である。操作ワイヤ102の構成材料としては、このような機能を達成できるものであれば特に限定されないが、例えば、第2ガイドワイヤ22の構成材料と同じでもよい。操作ワイヤ102は、可撓性を有する線状部材であることが好ましい。
第2ワイヤ操作部104は、内針16及びカテーテル12の長手方向に沿って延在し、内針16及びカテーテル12に対して長手方向に変位可能である。第2ワイヤ操作部104の基端部には、操作ワイヤ102の先端部102aが連結及び固定される。
第2ワイヤ操作部104は、カテーテル操作部94の上に配置されている。具体的には、図13Aに示すように、第2ワイヤ操作部104は、カテーテル操作部94よりも幅が小さく、カテーテル操作部94の上に重なる状態で、カテーテル操作部94の幅方向他方側寄りの位置に配置されている。図示例の第2ワイヤ操作部104の幅は、針操作部108の幅と略同じであり、カテーテル操作部94の幅の約半分である。第2ワイヤ操作部104は、カテーテル操作部94上で長手方向にスライド可能である。
図11において、ハウジング98は、内針16及びカテーテル12の長手方向に沿って延在し、全体として長尺状に構成されており、カテーテルハブ92、カテーテル操作部94、針ハブ96及び第1ワイヤ操作部114及び第2ワイヤ操作部104を長手方向に移動可能に収容している。
具体的に、ハウジング98は、内針16の長手方向に沿って延在する底板124と、底板124の左右両側から上方に延出した左右の側壁126と、底板124の基端に立設されるとともに左右の側壁126を連結する基端壁128とを有しており、上方及び先端側が開放している。ハウジング98の基端壁128には、貫通孔129が設けられている。当該貫通孔129にワイヤ収納部116の先端部が固定されている。
図14に模式的に示すように、ハウジング98は内針16の長手方向に沿って延在するガイドレール130を有する。針ハブ96及びガイドワイヤハブ112は、内針16の長手方向に沿って変位可能にガイドレール130に保持されている。なお、図14では、理解の容易のため、針操作部108、第1ワイヤ操作部114及び第2ワイヤ操作部104の図示を省略している。
具体的に、ガイドレール130は、ハウジング98の底板124に形成されている。ガイドレール130は、底板124の厚さ方向に貫通している。針ハブ96に設けられたガイド溝97(図11参照)がガイドレール130と係合している。また、ガイドワイヤハブ112に設けられたガイド溝113(図11参照)がガイドレール130と係合している。これにより針ハブ96及びガイドワイヤハブ112は、ガイドレール130からの抜けが防止されつつガイドレール130の延在方向(内針16の長手方向)に沿ってスライド可能となっている。
ガイドレール130は、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112の少なくとも一方のハブが所定位置に位置しているときに、少なくとも一方のハブを仮固定(解除可能に固定)する係合部132を有する。具体的に第2実施形態では、係合部132は、ガイドレール130の先端側領域に形成された第1係合部134と、ガイドレール130の基端側領域に形成された第2係合部136を有する。
第1係合部134は、内針16の針先17がカテーテル12の先端開口から突出し且つ第1ガイドワイヤ20の先端部が針先17(図1参照)から突出した状態で、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112に係合することにより、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112を仮固定する。第1係合部134は、ガイドレール130の延在方向に間隔を置いて形成された複数の第1係合突起135を有する。各第1係合突起135はガイドレール130の内側に向かって突出している。
先端側の一対の第1係合突起135は、ガイドレール130の幅方向に離間して互いに対向している。基端側の一対の第1係合突起135は、ガイドレール130の幅方向に離間して互いに対向している。ガイドレール130の先端面と先端側の第1係合突起135とにより針ハブ96を仮固定可能である。先端側の第1係合突起135と基端側の第1係合突起135とによりガイドワイヤハブ112を仮固定可能である。
第2係合部136は、内針16がカテーテル12から抜去された状態で、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112に係合することにより、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112を仮固定する。第2係合部136は、ガイドレール130の延在方向に間隔を置いて形成された複数の第2係合突起137を有する。各第2係合突起137はガイドレール130の内側に向かって突出している。
先端側の一対の第2係合突起137は、ガイドレール130の幅方向に離間して互いに対向している。基端側の一対の第2係合突起137は、ガイドレール130の幅方向に離間して互いに対向している。先端側の第2係合突起137と基端側の第2係合突起137とにより針ハブ96を仮固定可能である。基端側の第2係合突起137とガイドレール130の基端面とによりガイドワイヤハブ112を仮固定可能である。
図10及び図11において、ワイヤ収納部116は、可撓性を有する細径の管状部材である。ワイヤ収納部116は、内針16よりも基端側に設けられ、第2ガイドワイヤ22と操作ワイヤ102の各基端側を重ねた状態(束ねた状態)で収納可能である。すなわち、第2ガイドワイヤ22と操作ワイヤ102のうち、ワイヤ収納部116内に挿入(収納)された各部分は、ワイヤ収納部116の内腔内で束ねた(重ねた)状態とされる。カテーテル組立体10Bの初期状態(組立状態)で、第2ガイドワイヤ22及び操作ワイヤ102の各基端部22b、102bは、ワイヤ収納部116に収納されている。
次に、上記のように構成されたカテーテル組立体10Bの作用及び効果を説明する。なお、以下に参照する図15A〜図17Bでは、カテーテル組立体10Bの操作手順を模式的に示す都合上、患者の皮膚90及び血管88(図4A等参照)の図示を省略している。
カテーテル組立体10Bの使用において、術者であるユーザ(医師や看護師等)は、図10に示す初期状態のカテーテル組立体10Bのハウジング98を把持する。そして、図15Aのように、ユーザは患者の血管88に向けて、カテーテル12及び内針16を患者の皮膚90に穿刺する。具体的に、ユーザは、ハウジング98を一方の手(例えば、右手)で把持する。そして、ユーザは、当該一方の手の人差し指でカテーテル操作部94の先端部を押圧しつつ、カテーテル組立体10Bの先端部(内針16が挿通されたカテーテル12の先端部)を患者に押し当てるようにして、穿刺目標の血管88に向かって皮膚90に穿刺する。
この場合、カテーテル操作部94でカテーテル12の基端と先端との間の途中部位を下方に押し付けることにより、内針16及びカテーテル12の撓みを抑制することができる。すなわち、カテーテル操作部94でカテーテル12の途中部位を押し付けた状態では、カテーテル12がカテーテル操作部94とハウジング98との間に挟まれて支持される結果、内針16及びカテーテル12の撓みが抑制される。従って、内針16及びカテーテル12が比較的長い場合でも、容易に穿刺操作を行うことができる。
次に、内針16及びカテーテル12の先端部が皮膚90に穿刺された状態で、ユーザは、内針16、カテーテル12及びハウジング98の位置を保持しつつ、一方の手の人差し指で第1ワイヤ操作部114の操作タブ115に触れて、図15Bのように、第1ワイヤ操作部114を先端方向に進める。これにより、第1ガイドワイヤ20を前進させ、内針16の先端から第1ガイドワイヤ20を所定長さだけ突出させる。この際、第1ガイドワイヤ20は十分な柔軟性を有しているため、第1ガイドワイヤ20の先端部は、血管後壁にぶつかって、血管88の中枢側へと湾曲する。
血管88内において第1ガイドワイヤ20の先端が内針16の針先から所定長だけ突出した図15Bの状態で、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112は、第1係合部134(図14参照)によってハウジング98に仮固定される。従って、第1ガイドワイヤ20が意図せずに内針16に対して後退することを防止できる。
次に、ユーザは、内針16及びハウジング98の位置を保持しつつ、カテーテル操作部94の操作タブ95に指を掛け、カテーテル操作部94を先端方向に押す。そうすると、図16Aのように、カテーテル操作部94に接続されたカテーテルハブ92及びカテーテル12が、内針16、針ハブ96及びハウジング98に対して先端方向へと移動する。この際、カテーテル12の先端部は、第1ガイドワイヤ20に沿って前進することで、血管88の中枢側へと湾曲する。このようにカテーテル12の先端部は第1ガイドワイヤ20の補助によって血管88の中枢側へと曲げられるため、カテーテル12の先端部が血管後壁を突き刺すことがない。
次に、ユーザは、図16Bのように、カテーテル12及びハウジング98の位置を保持しつつ、針操作部108を基端方向に操作して、内針16及び第1ガイドワイヤ20を後退させる。これにより、内針16及び第1ガイドワイヤ20をカテーテル12から抜去する。カテーテルハブ92から内針16が抜去された図16Bの状態で、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112は、第2係合部136(図14参照)によってハウジング98に仮固定される。従って、内針16が意図せずに再びカテーテル12に挿入されることを防止することができる。なお、第2係合部136は、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112を再離脱不可能に固定してもよい。
次に、ユーザは、図17Aのように、カテーテル12及びハウジング98の位置を保持しつつ、第2ワイヤ操作部104を先端方向に操作して、第2ガイドワイヤ22を前進させる。これにより、第2ガイドワイヤ22をカテーテル12内に挿入するとともに、カテーテル12の先端開口から第2ガイドワイヤ22を突出させ、第2ガイドワイヤ22の先端を血管88内の目標位置まで挿入する。この際、カテーテルハブ92に設けられたテーパ状内面118のガイド作用により、第2ガイドワイヤ22をスムーズにカテーテル12内に挿入することができる。
なお、第2ワイヤ操作部104を先端方向に操作する際、第2ワイヤ操作部104を持ち上げてカテーテル操作部94から離間させることにより、第2ワイヤ操作部104と患者との干渉を回避することができる。従って、第2ガイドワイヤ22の血管88内への挿入を容易且つ確実に行うことができる。第2ワイヤ操作部104は、その長手方向の途中部位で外針から離間する方向に湾曲又は屈曲可能に構成されてもよい。
カテーテル12の先端開口から突出させる第2ガイドワイヤ22の長さ(突出長さ)は、カテーテル12の略全長を患者に挿入するのに十分な長さとする。この場合、第2ガイドワイヤ22の外径は、第1ガイドワイヤ20の外径よりも大きく、適度に剛性を有するため、第2ガイドワイヤ22を血管88内で前進させる際に第2ガイドワイヤ22がキンクすることがない。
次に、ユーザは、図17Bのように、ハウジング98の位置を保持しつつ、カテーテル操作部94を操作してカテーテル12を先端方向に移動させることにより、カテーテル12の先端を血管88内の目標位置まで挿入する。この際、カテーテル12は、第1ガイドワイヤ20よりも外径の大きい第2ガイドワイヤ22によって支持されながら血管88内を前進するため、カテーテル12のキンクが防止される。
カテーテル操作部94の前進時、カテーテル操作部94が上方に回転することで、カテーテル操作部94と患者の皮膚90と接触することを回避することができる。また、カテーテル操作部94の回転時には、針操作部108及び第1ワイヤ操作部114はカテーテル操作部94によって持ち上げられることで上方に回転するため、カテーテル操作部94の回転は阻害されない。
カテーテル操作部94の前進操作が終了したら、必要に応じてカテーテル操作部94をカテーテルハブ92から取り外してよい。この場合、ユーザは、カテーテル操作部94をカテーテルハブ92に対して略垂直姿勢となるように起立させてから、カテーテル操作部94を上方に引っ張ることにより、カテーテル操作部94をカテーテルハブ92から取り外すことができる。
次に、ユーザは、カテーテル12の位置を保持した状態で、第2ワイヤ操作部104を後退させることにより、第2ガイドワイヤ22をカテーテル12に対して後退させる。カテーテル12から第2ガイドワイヤ22を抜去する。この結果、カテーテル組立体10Bのうちカテーテル部材106だけが患者側に留置された状態となる。なお、ユーザは、ワイヤ収納部116から露出したワイヤ操作部に直接操作することで、第2ガイドワイヤ22をカテーテル12に対して後退させてもよい。
カテーテル12から第2ガイドワイヤ22を抜去した後の手順は、上述した第1実施形態に係るカテーテル組立体10Aの場合と同様である。
以上のように、カテーテル12と、カテーテル12に接続されたカテーテルハブ92と、針先17を有しカテーテル12に抜去可能に挿通された内針16と、内針16に接続された針ハブ96とを備えたカテーテル組立体10Bを用いて、カテーテル12を血管88内に挿入するカテーテル挿入方法を行うことができる。
このカテーテル挿入方法は、カテーテル12及び内針16の先端部を血管88に穿刺する穿刺ステップと、穿刺ステップの後、内針16に挿通された第1ガイドワイヤ20を前進させることにより、針先17から第1ガイドワイヤ20を突出させるとともに、第1ガイドワイヤ20の先端部を血管88の中枢側に湾曲させる第1ガイドワイヤ前進ステップと、第1ガイドワイヤ前進ステップの後、内針16に対してカテーテル12を前進させることにより、第1ガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル12を血管88内に挿入し、カテーテル12の先端部を血管88の中枢側に湾曲させる第1カテーテル前進ステップと、第1カテーテル前進ステップの後、カテーテル12に対して内針16及び第1ガイドワイヤ20を後退させることにより、内針16をカテーテル12から抜去する内針抜去ステップと、内針抜去ステップの後、第1ガイドワイヤ20よりも長く且つ外径の大きい第2ガイドワイヤ22をカテーテル12に挿入して前進させることにより、カテーテル12の先端開口から第2ガイドワイヤ22を突出させる第2ガイドワイヤ前進ステップと、第2ガイドワイヤ前進ステップの後、第2ガイドワイヤ22に沿わせてカテーテル12をさらに前進させる第2カテーテル前進ステップと、第2カテーテル前進ステップの後、カテーテル12から第2ガイドワイヤ22を抜去するワイヤ抜去ステップとを含む。
以上説明したように、第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bによれば、上述したカテーテル組立体10Aと同様に、カテーテル12の前進プロセスに応じてカテーテル12をスムーズに前進させることができる。
第2実施形態の場合、カテーテル組立体10Bは、第2ガイドワイヤ22を移動させる操作ワイヤ102と、第2ガイドワイヤ22と操作ワイヤ102の各基端側を重ねた状態で収納可能なワイヤ収納部116とをさらに備える。この構成により、第2ガイドワイヤ22の基端側の部分はワイヤ収納部116に収納されるため、第2ガイドワイヤ22を前進させる際において、内針16よりも基端側の第2ガイドワイヤ22の撓みが抑制される。
第2実施形態の場合、カテーテル組立体10Bは、カテーテルハブ92等を収容するハウジング98を備え、ハウジング98は内針16の長手方向に沿って延在するガイドレール130を有し、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112は内針16の長手方向に沿って変位可能にガイドレール130に保持されている。この構成により、ガイドレール130のガイド作用下に、内針16に接続された針ハブ96及びガイドワイヤハブ112に接続された第1ガイドワイヤ20を内針16の長手方向に沿ってスムーズに移動させることができる。
第2実施形態の場合、ガイドレール130は、針ハブ96及びガイドワイヤハブ112の少なくとも一方のハブが所定位置に位置しているときに、少なくとも一方のハブを仮固定する係合部132を有する。この構成により、内針16及び第1ガイドワイヤ20の少なくとも一方を所定位置で一時的に固定することができ、操作性を向上できる。
第2実施形態の場合、係合部132は、内針16の針先17がカテーテル12の先端開口から突出し且つ第1ガイドワイヤ20の先端部が針先17から突出した状態で針ハブ96及びガイドワイヤハブ112を仮固定する第1係合部134を有する。この構成により、血管88内において第1ガイドワイヤ20の先端が内針16の針先17から所定長だけ突出した状態(図15B)に仮固定できるため、第1ガイドワイヤ20が意図せずに内針16に対して後退することを防止できる。従って、第1ガイドワイヤ20に沿わせてカテーテル12の先端部を血管88内に挿入し、当該先端部を血管88の中枢側に曲げる操作をスムーズに行うことができる。
第2実施形態の場合、係合部132は、内針16がカテーテル12から抜去された状態で針ハブ96及びガイドワイヤハブ112を仮固定する第2係合部136を有する。この構成により、カテーテルハブ92から内針16が抜去された状態(図16B)に固定できるため、内針16が意図せずに再びカテーテル12に挿入されることを防止することができる。従って、カテーテル12に第2ガイドワイヤ22を挿入する操作をスムーズに行うことができる。
第2実施形態に係るカテーテル組立体10Bは、カテーテル操作部94と、針操作部108と、第1ワイヤ操作部114と、第2ワイヤ操作部104を備え、カテーテル操作部94の上に、針操作部108、第1ワイヤ操作部114及び第2ワイヤ操作部104が配置されている。この構成により、操作性を向上することができる。
なお、第2実施形態のうち、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態と同一又は同様の作用及び効果が得られる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。