JPS585194B2 - Dl−システインまたはシスチンの製造方法 - Google Patents

Dl−システインまたはシスチンの製造方法

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JPS585194B2
JPS585194B2 JP3647681A JP3647681A JPS585194B2 JP S585194 B2 JPS585194 B2 JP S585194B2 JP 3647681 A JP3647681 A JP 3647681A JP 3647681 A JP3647681 A JP 3647681A JP S585194 B2 JPS585194 B2 JP S585194B2
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JP
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cystine
acid
cysteine
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thiazoline
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JP3647681A
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安藤亘
宮坂春生
戸室圭三
田村喜治
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NIPPON RIKAGAKU YAKUHIN KK
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NIPPON RIKAGAKU YAKUHIN KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はDL−システィンまたは光学的不活性のシスチ
ンの合成に関するものである。
システィンおよびその酸化形態であるシスチンは含硫ア
ミノ酸の一種であって、一般に羽毛、動物の体毛、人髪
などのケラチン質中に多量に含まれており、通常これら
のケラチン原料の加水分解物から単離、精製されて製造
されている。
しかし、これらの原料は収集に多大の労力を要し、工業
原料として入手難があるばかりでなく、システィンまた
はシスチンのほかに約90%に近い他のアミノ酸も含ま
れているので、目的のシスティンまたはシスチンを回収
するためにはこれらの他のアミノ酸の処置を併せて考え
なければ工業生産は成り立たない。
したがって、天然物からのシスティンまたはシスチンの
工業的抽出は過大な設備投資、用途開発などに制限を受
けることは必定である。
天然物からの抽出に代えて化学的または生物学的な合成
あるいは両者の組合せになるシスティンまたはシスチン
の合成も種々研究されている。
しかし、それらの方法は総じて実験室規模の製造法であ
り、低収率、コスト高のため未だ工業化された例は殆ん
ど見当らない。
例えば特開昭53−46918号公報に記載する方法は
、2位で置換されたチアゾリン−4−カルボニトリルの
加水分解によるDL−システィンの製造法を記載する。
この方法は出発原料としてチアゾリン(3)化合物を用
い、これをシアン化水素と反応させて4−カルボニトリ
ル化合物を得ている。
この反応は原料チアゾリン(3)化合物製造の複・雑件
あるいは毒性材料の使用などに難点があり、工業化方法
として好ましくない。
チアゾリニウム誘導体を酸加水分解によって解裂してシ
スティン誘導体を生成させる反応自体は公知である。
例えば、Acta Chem、 5cand、25(1
971)第1〜4頁には、Ase Eidemその他に
よるα−ブロモ−α、β−不飽和酸に対するチオアミド
の付加反応に関する報文が記載されている。
その記載によれば、N−置換のチオアミドをα−ブロモ
アクリル酸と酢酸エチル溶媒中で加熱すると次式の如く
環化してチアゾリニウム誘導体が生成され、このものの
酸加水分解によりN −システィンに誘導される。
上記雑文によれば、環化反応はチオアミドの反応性に依
存し、チオアミド中の電子供与基によって硫黄と窒素原
子の双方の求核性を増して反応を促進させるが、その促
進性は導入される置換基(R1およびR2)の大きさに
よる立体障害で影響を受けることを示唆している。
そして実際に、N−非置換(R2=H)の場合にはかか
る立体障害の影響を受けずに好収率で環化反応が遂行で
きることを明らかにしている。
したがって、本発明の目的とするDL−システィンまた
はシスチンは上記の教示に従って、α−ハロアクリル酸
とアルキルまたはフェニル置換のチオアミドとの酢酸エ
チル溶媒中の反応により容易に生成されるチアゾリン化
合物の加水分解によって得られる筈である。
ところが、もし出発物質としてα−ハロアクリル酸エス
テルが使用されると、この反応は極めて抑制され、所期
の反応成績を挙げることができないことが見出された。
一般にかかる反応に使用される、例えばα−ブロモアク
リル酸はα、β−ジブロモプロピオン酸エステルを適当
なアルカリ剤で処理する脱臭化水素によって製造される
この場合反応液の酸性化によって遊離酸として回収する
ことはできるが、このα−ハロ化合物の重合などによる
副反応を回避するためには上記反応混合物中にあるエス
テル形のまま、次の工程に供することが望ましい。
しかし、前述の如くα−ブロモアクリル酸エステルがチ
アゾリン環の形成に難点があるとすれば、この製造経路
の利用は不可能である。
本発明者等は出発原料としてα−ハロアクリル酸エステ
ルを使用してもなお工業的に有利に環化反応を実施でき
、それによって有利にDL−システィンまたはシスチン
が得られる方法について検討した結果、本発明に到達し
たものである。
本発明で出発原料として使用するα−ハロアクリル酸エ
ステルは一般式 (但し、式中のXは塩素原子または臭素原子であり、R
はメチル基またはエチル基である)で表わされる。
チオアミド化合物は一般式(但し、式中のR′はメチル
基、エチル基またはフェニル基である) で表わされ、特にチオアセトアミドまたはチオベンズア
ミドが好ましく使用される。
上記α−ハロアクリル酸エステルとチオアミド化合物と
の反応は酢酸または蟻酸という限られた溶媒中で行われ
なければならない。
例えば、前記従来技術で使用する酢酸エチルはα−ハロ
アクリル酸を遊離形で使用する場合には有効であるが、
アクリル酸メチルの場合には適合しない。
また、蟻酸、酢酸の如き低級脂肪酸が有効であっても、
極めて近似構造を有するプロピオン酸ではその効果が示
されない。
エチルアルコールの如き低級アルコールの使用も不可で
ある。
チアゾリン環の生成に当ってこのようなα−ハロアクリ
ル酸エステルの使用と溶媒の選択性の関係は解明されて
いない。
しかし、上記の現象が極めて特異性であることは確かで
ある。
出発原料のα−ハロアクリル酸エステルはα。
β−ジハロプロピオン酸エステルの脱ハロゲン化水素処
理によって得られる。
この化合物は極めて不安定であるので、本発明の原料と
しては成るべく新しく合成されたものを使用する。
要すれば、α、β−ジハロプロピオン酸エステルから出
発し、該化合物を脱ハロゲン化水素処理し、生成物を単
離することなく反応混合物をそのまま環化原料に使用す
るのが便利である。
脱ハロゲン化水素処理は原料プロピオン酸エステルを四
塩化炭素、酢酸エステル溶媒中でトリエチルアミン、ナ
トリウムメチラート等のようなアルカリ剤で処理して行
なう。
反応は通常3時間程度で完了する。
反応終期にアルカリ剤は臭化物または塩化物として定量
的に沈殿する。
これをろ別した後、生成物の不安定性を考慮して成る可
く低温で減圧蒸留して溶媒を除去して濃縮する。
α−ハロアクリル酸エステルとチオアミド化合物との反
応はチオアミドの蟻酸または酢酸溶液中に新しく合成し
たα−ハロアクリル酸エステルまたは前述のように処理
した反応混合物を加えて、環流下に2〜5時間反応させ
て行なう。
チオアミドとα−ハロアクリル酸エステルのモル比は通
常1:1.0〜1.2である。
この反応によって2位に置換されたアルキルチアゾリン
−4−カルボン酸エステルを含む反応混合物が得られる
反応時間は通常3〜4時間が適当である。
本発明の実施においてはこの化合物を単離する必要はな
い。
生成混合物を減圧蒸留して可及的に溶媒その他の揮発物
を除去し、希鉱酸、例えば3N−HClを加えて環流下
に加熱するとチアゾリン−4−カルボン酸エステルは容
易に加水分解されてDL−システィンの鉱酸溶液を得る
ことができる。
DL−システィンの鉱酸溶液を減圧濃縮し、メタノール
の如き適当な溶媒で希釈し、ピリジンで中和するとDL
−システィンが析出する。
かくて析出するDL−システィンは公知方法、例えば過
酸化水素の如き酸化剤を作用させると粗シスチンが結晶
として回収される。
シスチンの製造を目的とする場合はDL−システィンを
分離することなく直接中和溶液を酸化処理に供すること
ができる。
DL−システィンまたはシスチンの合成において、チア
ゾリン誘導体を経由する方法は種々報告されている。
しかし加水分解によって容易にDL−システィンに変換
させることのできる2一置換チアゾリン−4−カルボン
酸をα−ハロアクリル酸エステルとアルキルチオアミド
との縮合反応によって得ることは原料面から見て極めて
有利である。
本発明がその反応の工業的利用を特定の溶媒の選択によ
って達成したことはこの分野における技術面に多大の貢
献を与えるものである。
以下実施例および比較例をもって本発明を具体的に明ら
かにする。
実施例 1 チオアセトアミド7.51[(0,1モル)に氷酢酸1
00TLlを加えて攪拌下に溶解させる。
この溶液に新たに合成したα−ブロモ−アクリル酸メチ
ル16.5 g(0,1モル)を加えて3時間還流させ
る。
反応混合物を減圧下に蒸留して酢酸を可及的に除去する
酢酸を除去した後、水酸化ナトリウム溶液を用いてpH
7、0に調整し、エーテル抽出を行なう。
エーテル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧蒸留でエ
ーテルを除き、沸点88℃〜92℃の留分を分取する。
このものはNMR元素分析値から2−メチル−チアゾリ
ン−4−カルボン酸メチルエステルであることを確認し
た。
上記生成物の単離を行なわずに、前記酢酸留去後の油状
液に3N−塩酸60m1を加えて5時間還流させて加水
分解を行なう。
次に、活性炭を加えて脱色し、減圧下に塩酸を可及的に
除去し、メタノール100m1を加え、溶液をピリジン
で中和し析出した結晶をろ別すると粗システィン8.6
gが得られた。
このものを水から再結晶すると、ペーパークロマトグラ
フィ、IR1元素分析値で確認しうるDL−システィン
7、2 g(原料エステルからの理論収率60%)が得
られた。
実施例 2 アクリル酸メチル9g(0,105モル)を5℃に冷却
し、塩素8.5 g(0,12モル)を通じて吸収させ
る。
液温5〜15℃で3時間攪拌する。反応液に四塩化炭素
150m1を混和し、トリエチルアミン10gを徐々に
滴下し3時間攪拌する。
析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ別し、減圧で濃縮
すると、α−クロルアクリル酸メチルの濃厚溶液が得ら
れる。
チオアセトアミド7.5g(0,1モル)を酢酸75m
1に溶解した溶液に、前記α−クロルアクリル酸メチル
を含む濃厚溶液を加えて2時間加熱還流する。
酢酸を除去した残液に3N−塩酸100m1を加え、4
時間還流下に加熱する。
減圧濃縮により塩酸を除去し、5N−水酸化ナトリウム
水溶液でpH5に調整する。
35%H2O2水4.8gを加え、冷蔵庫中で一夜冷却
すると粗結晶7.5gを得る。
2N−塩酸と5N−水酸化ナトリウムを用いて再結晶す
ると、光学的不活性のシスチン6.9gを得た(収率5
7%)。
実施例 3 チオベンズアミド13.7gに氷酢酸100m1を加え
て攪拌し溶解させる。
この溶液に新たに合成したα−ブロモアクリル酸メチル
16.5gを加え3時間還流させる。
減圧下に酢酸を可及的に留去させた後、3N−塩酸60
m1を加え5時間還流を行なう。
析出した安息香酸をろ過した後実施例2と同様に処理す
るとシスチン6.6gを得た(収率55%)。
比較例 チオアセトアミド7.51gに下記に示す溶媒を加えて
攪拌溶解させる。
この溶液に新たに合成したα−ブロモアクリル酸メチル
16.5gをそれぞれ添加して所定の反応時間還流下に
加熱する。
減圧下に溶媒を可及的に除去させた後、実施例2と同様
に処理し、生成物を精製シスチンとして取得した。
異なる溶媒によって取得シスチンの収率(%)に及ぼす
影響を比較すると次の結果が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 12一置換チアヅリン−4−カルボン酸またはその誘導
    体を加水分解してDL−システィンまたは光学的に不活
    性のシスチンを製造する方法において、前記2一置換チ
    アゾリン−4−カルボン酸誘導体製造の出発原料として
    α−ハロアクリル酸の低級アルキルエステルとアルキル
    またはフェニル置換のチオアミドとを用い、酢酸または
    蟻酸を溶媒としてチアゾリン環形成反応を行なうことを
    特徴とするDL−システィンまたはシスチンの製造方法
JP3647681A 1981-03-16 1981-03-16 Dl−システインまたはシスチンの製造方法 Expired JPS585194B2 (ja)

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