JPS5851854Y2 - 炊飯器の調圧装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、炊飯中に生じる蒸気を、制限しつつ外部へ
放出して飯器内を調圧し、筐た水分を調節することによ
って、おいしい御飯が炊けるようにする炊飯器の調圧装
置に関する。

この種の装置は、主として電気ヒータ式の炊飯器に用い
られ、飯器は器体内へ収容すると共に、飯器蓋を器体蓋
によって飯器へ押しつけ、飯器蓋を密閉状態とした上で
、蒸気をある制限下で放出するものである。

飯器蓋は、御飯を掬い出すような際、器体蓋の開放に追
従して同体的に開かれ、また、洗浄等のために器体蓋か
ら取外して単独で取扱えることが整寸しい。

従って、従来から、飯器蓋を器体蓋へ着脱自在に吊持す
る装置が、調圧装置と個別に配設されている。

このような両装置の別設によって付帯構造が複雑化する
。

また、調圧装置は、飯器蓋へ取付けられ器体蓋の透孔よ
り外部へ臨むようにされる等した、単一の蒸気案内筒か
らなり、蒸気通路形態の設計範囲が限られ、蒸気の制限
放出と共に、それに随伴して吹き出そうとするおねばを
より確実に蒸気から分離し、吹き出さないようにするう
えに難がある。

しかも複雑な通路形態をとるためにかえって多くの付属
部品を要したりして、構造が複雑で組立てや各部の洗浄
等に不便となる。

この考案は、前記従来の欠点を解消し得る炊飯器の調圧
装置を提供することを目的とするものである。

第１図、第２図に示される実施例について説明すれば、
１は器体、２はその器体蓋、３は器体１へ収容される飯
器、４はその飯器蓋である。

器体蓋２は、その上面直径線上に把手５が設けられ、把
手５の一端を器体１へ軸６により枢着して開閉自在とさ
れ、把手５の他端に軸７で枢着したロックレバ−８を、
図示しないばねの付勢によって器体１の係止部９へ係合
させて閉鎖状態にロックされる。

飯器蓋４は、器体蓋２の裏面に設けられたバッキング１
０により押圧されて飯器３へ圧着し、飯器３を密閉状態
とする。

１１１ｒｉ器体１に内蔵のヒータ、１２は器体蓋２に内
蔵の蓋ヒータである。

器体２の中央には蒸気案内筒上部１３ａが、飯器蓋４の
中央には蒸気案内筒下部１３ｂがそれぞれ設けられてい
る。

上部１３ａＦ′ｉ、大径の筒体で、上端に細い横向きの
蒸気放出孔１４を持ち、下端が小径の連通筒兼用吊持子
１５とされており、器体蓋２を貫通して前記蒸気放出孔
１４直ぐ下の下向き段部１６と、吊持子１５直ぐ上の中
径部外周へ螺１７ｔ、たナツト１８とによって、器体蓋
２を挟圧する状態で取付けられている。

下部１３ｂは、周壁に蒸気孔１９を、底部に細長いむね
ば返送孔２０をそれぞれ有したキャップ形状とされ、飯
器蓋４の裏面に当てがって上端口縁の外向きフランジ２
１に開設されたダルマ形係合孔２２を、飯器蓋４に設け
られた支持ピン２３へ係合させることにより着脱可能に
取付けられ、飯器蓋４との間でおねば溜り室２４を形成
している。

そして、蒸気案内筒上下部１３ａ、１３ｂＵ、飯器蓋４
を器体蓋２裏面へ当てがうとき、前記吊持子１５が飯器
蓋４中央の連通口２５よりおねば溜り室２４内へ進入す
ることにより互いに連通され、蒸気を制限しつつ放出す
ると共に、蒸気に随伴するおねばを分離して吹き出させ
ない蒸気通路を形成する蒸気案内筒１３をなす。

２６は上部１３ａ内の拡張された蒸気室である。

蒸気の前記制限放出は、蒸気孔１９および蒸気放出孔１
４を通じてなされ、蒸気の放出制限は主として蒸気孔１
９で行う。

おねば返送孔２０は、その細長通路によって飯器３内か
ら訃ねば溜り室２４への蒸気の流入を抑制し、おねば溜
り室２４内に溜るおねばを優先的に通して飯器３内へス
ムーズに返送する。

吊持子１５の下端外周には係合突条２７が、飯器等４の
連通口２５には弾性バッキング２８を包着して前記係合
突条２７と弾性係合する弾性係合突条２９がそれぞれ形
成され、前記上下部１３ａ。

１３ｂの吊持子１５を連通口２５へ進入させて連通すべ
く組合わされる作業時に、各突条２７゜２９が弾性係合
して飯器蓋４を係止し、器体蓋２へ着脱自在に吊持する
と共に、上下部１３ａ。

１３ｂの連通部第１シール部をなす。

前記蓋ヒータ１２は、上下部１３ａ、１３ｂの組み合わ
せ体である蒸気案内筒１３の近く周りに配置され、器体
蓋２の金属製表面板２ａの裾部へ無理嵌めした合成樹脂
製裏面板２ｂへバッキング３０を介して弾性嵌着３１ａ
した放熱板３１と、その上のヒータ押え板３２とで挾持
している。

これら放熱板３１トよびヒータ押え板３２は、その内周
部が蒸気案内筒上部１３ａのナツト１８による取付は部
で挾着され、該挟着部には逆椀状とされた前記バッキン
グ１０の上端口縁部１０ａも挾着され、バッキング１０
は、その下端口縁１０ｂを飯器蓋４へ圧着して、同飯器
蓋４を飯器３へ押し付けると共に、上下部１３ａ 、
１３ｂの連通部第２シール部をなす。

蒸気案内筒上部１３ａの吊持子１５がその直ぐ上の中径
部へ開口する部分を漏斗状弁座３３としてボール弁３４
が設けられ、保温時に飯器３内が器体１外に連通して放
熱するのを防止し、保温効果を高める。

なお、３５，３９は器体１釦よび器体蓋２内の断熱材、
３６は蒸気案内筒上部１３ａ上端の蓋体であって、ねじ
式あるいは弾性嵌着等により着脱可能とするのが望まし
い。

３７は器体蓋２の表面板２ａ、放熱板３１間のスペーサ
ーリングであって、単独物とされているが、器体蓋裏面
板２ｂを同リング３７部１で延長して一体成形してもよ
い。

また、前記蓋ヒータ１２は蒸気案内筒１３の周りに近く
、同筒１３を加熱して筒１３内での蒸気の結露を防止し
、結露水が飯器３内へ流下して御飯を過水状態とするこ
とがないようにしており、この蓋ヒータ１２から蒸気案
内筒１３への熱伝導を促進するために、前記スペーサー
リング３７を金属製とすることもできる。

この場合、リング３７と器体蓋裏面板２ａとの断熱を計
ることは勿論である。

炊飯中飯器３内で発生した蒸気は、蒸気孔１９、蒸気案
内筒１３内通路、蒸気放出孔１４を通じて、制限されつ
つ外部へ放出され、飯器３内は適正圧および適正含水状
態に維持される。

蒸気孔１９からは、蒸気が泡状になっているおねばを伴
って流入するが、蒸気孔１９からおねば溜り室２４へ流
入して、その通路拡張のために勢力を極端に弱められて
おねば随伴力が弱１す、狭くしかもむねば溜り室２４へ
突出している吊持子１５内へその下端より流入する際、
釦ねば溜り室２４内で飯器蓋４裏面や吊持子１５外周の
各部へ衝突すること、さらに、吊持子１５内へ流入して
勢いを増した状態で蒸気案内筒上部１３ａの上方大径部
の室２６へ抜ける際、ボール弁３４により邪魔されるこ
と等によって、おねばは流出蒸気からよく分離されて、
おねば溜り室２４内に残される。

おねば溜り室２４内に残るおねばは、おねば返送孔３０
から飯器３内へ流下し返送される。

このおねば返送は、釦ねばの持っている豊富な栄養素の
流失防止と、御飯のおいしさの向上をなす。

以上の如くして、流出蒸気に随伴しようとするおねばは
、蒸気がボール弁３４部から蒸気案内筒上部１３ａの上
方室２６へ流入する時点１でにほとんど分離され、室２
６へ流入する蒸気には随伴していない。

室２６へ流入する蒸気に僅かなおねばが随伴していると
しても、室２６へ流入した蒸気はその勢力を急激に充分
減衰されるから、おねばの随伴力を全く失い、蒸気放出
孔１４からは単独で放出される。

従って、放出される蒸気は、おねばを台筐ず、器体２表
面や周囲をおねばで汚すようなことがない。

なお、前記バッキング１０による第２シール部は、飯器
蓋４中央部の凹陥部３８によって形成される段部３８ａ
へ、バッキング１０の下端口縁部１０ｂが係合している
ことによって、内圧が作用しても拡がることはなく、バ
ッキング２８による前記第１シール部と共に、飯器３内
の設定圧を保証し、かつ蒸気や釦ねばの上下部１３ａ、
１３部連通箇所からの吹き出しを防止している。

第３図に示されるものは、上部１３ａは、器体蓋２を貫
通し、係合突条２７を有する吊持子１５を中実部とする
小径筒よりなり、器体蓋２裏面の放熱板３１、ヒータ押
え板３２、逆流状バッキング１０の上端口縁１０ａをナ
ツト１８によって締結する状態で取付けられ、かつナツ
ト１８と今１つの袋ナツト４０との間に器体蓋表面板２
ａとその上の蒸気放出ガイド４１とを挟着している。

そして、上部１３ａの上端は前記袋ナツト４０により閉
塞すると共に、上端の横向き蒸気放出孔１４が前記ガイ
ド４１の蒸気通路４２へ連通され、器体蓋２下で下部１
３ｂによる督ねは溜り室２４との連通口２５が上部１３
ａの吊持子１５直ぐ上部へ横向きに小さく開設されてい
る。

下部１３ｂは、飯器蓋４の中央凹陥部３８部分で兼用さ
れ、バッキング１０の下端口縁１０ｂが圧着することに
よってバッキング１０との間に釦ねば溜り室２４を形成
し、上部１３ａと気密的に連通させている。

そして、飯器蓋４は、凹陥部３８の中央部に、口縁へ弾
性バッキング２８を包着した弾性係合突条２９を持つ係
合口４３が開設され、この係合口４３を前記吊持子１５
へ押し込み、突条２７へ突条２９を弾性係合させること
により、器体蓋２へ着脱可能に吊持される。

また、凹陥部３８の周辺部には、遠心方向へ向く蒸気孔
１９が上方へ打ち起して開設され、バッキング１０には
、蒸気孔１９からおねば溜り室２４へ流入する蒸気が、
バッキング１０下端へ衝突して上向きに方向転換された
直後に、今一度衝突する下向き段部４４を形成している
。

この実施例では、下部１３ｂの構造が簡略化されるほか
、内部通路が細長くかつおねば溜り室２４への突出部に
連通口２５が小さく開口する上部１３ａへの蒸気の流入
がスムーズでなく、おねば溜り室２４内での蒸気滞留時
間を長引かせること、釦よびおねは溜り室２４への流入
蒸気は、その流入直後に２段階にバッキング１０へ衝突
していることとで、前記実施例のような、上下部１３ａ
。

１３部連通部以後の拡張した蒸気室なしで、優れたおね
ば分離作用を発揮する。

オた、弁なくして外部への放熱をも抑制し保温を充分に
行わせ得る構造である。

第４図に示されるものは、第３図実施例の上部１３ａを
変形したもので、上部１３ａＦ′ｉ、吊持部１５をも小
径筒とし、その上方に２段の拡張した蒸気室２６を形成
したもので、上端側下向き段部５０を器体蓋２の表面板
２ａヘリベツト５１によりカシメ付け、上端開口を螺着
５２した蓋５３により閉塞すると共に、下部１３ｂと協
働して釦ねは溜り室２４を形成するバッキング１０は、
その上端口縁１０ａを放熱板３１およびヒータ押え板３
２の口縁へ包着して取付けられている。

吊持子１５の下端には、補助的なおねば返送孔５４が設
けられているが、上部１３ａ内へ流入する蒸気はおねば
をほとんど含んでいないから、孔５４は省略し得る。

なお、前記各実施例では、蒸気案内筒１３を器体蓋２に
よび飯器蓋４の中央部に設けているが、これに限らず、
また、複数箇所へ設けてもよい。

また、飯器蓋４は、それに開設された孔や裏面へ突出し
ているおねば溜り室を手掛かり部あるいは把持部として
取扱える。

この考案によれば、器体蓋側の蒸気案内筒上部と、飯器
蓋側の同下部とを組合わせて連通させ、蒸気のおねばと
の分離を計りながら制限放出する蒸気通路を形成する調
圧装置としたから、前記おねばとの分離を確実に行わせ
ながら蒸気を制限放出するに有利な各種通路形態が容易
にしかも簡単な構造で得られるうえ、前記上下部の組合
わせは、飯器蓋を器体蓋へ当てかう作業によって同時的
になされるから、特別な組合わせ作業が不要であると共
に、飯器蓋の器体蓋に対する着脱可能な吊持をも兼用し
、飯器蓋の取扱い手間がいささかも複雑化せず、蓋構造
は飯器蓋吊持構造をも含め簡略化して安価に供し得る。

捷た、蒸気案内筒上下部は飯器蓋を器体蓋から取外した
とき分離され、内部の洗浄が容易で清潔に保ち易い。

特にこの考案でば、飯器差押圧用バッキングを逆椀状と
したから、飯器蓋に対するバッキングの圧接部径が大き
くなり、バッキングの押圧力が飯器蓋全周に均等に及び
易く、飯器に対する飯器蓋全周での弾接効果を上げるこ
とができる。

また、逆椀状バッキングは、蒸気案内筒下部釦よび下部
の係合部外周りにあって、蒸気案内筒上下部の係合部り
合いを損わずに前記飯器蓋抑圧機能を奏すると共に、蒸
気案内筒上下部の係合部り合い部を器体蓋および飯器蓋
間でシールすることができ、分離可能な蒸気案内筒上下
部による飯器内調圧作用を保証する。

そのうえ、バッキングは器体蓋に固定しているので、洗
浄ｉどの作業のさいに分離することがなく、紛失したり
取付は忘れするのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を示す炊飯器の要部を断面した一部の
正面図、第２図は要部拡大断面図、第３図は他の実施例
の要部拡大断面図、第４図は今１つの実施例を示す要部
拡大断面図である。 １・・・・・・器体、２・・・・・・器体蓋、３・・・
・・・飯器、４・・・・・・飯器蓋、１０・・・・・・
バッキング、１２・・・・・・蓋ヒータ、１３・・・・
・・蒸気案内筒、１３ａ・・・・・・蒸気案内筒上部、
１３ｂ・・・・・・蒸気案内筒下部、１４・・・・・・
蒸気放出孔、１５・・・・・・連通筒兼用吊持子、１９
・・・・・・蒸気孔、２０・・・・・・釦ねば返送孔、
２４・・・・・・おねば溜り室、２５・・・・・・連通
口、２６・・・・・・蒸気室、２７・・・・・・係合突
条、２９・・・・・・弾性係合突条、３８・・・・・・
凹陥部、３８ａ・・・・・・段部。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）器体蓋側に同器体蓋を貫通して器体外に連通ずる
   蒸気案内筒上部を設けると共に、飯器蓋側に蒸気案内筒
   下部を設け、該上下部を連通状態に嵌め合わせて飯器内
   蒸気を器体外へ放出させる調圧装置において、前記蒸気
   案内筒下部の吊持子受入れ口部と前記蒸気案内筒上部の
   平端部外周とに、互いに弾性係合して飯器蓋を器体蓋に
   着脱可能に係止する保合部を設け、逆椀状の飯器蓋抑圧
   用バッキングを、その上端開口縁部を器体蓋の前記蒸気
   案内筒上部貫通部外周に固定して設け、飯器蓋上の前記
   吊持子受入れ口部の外周り部に前記バッキングの下端開
   口縁部を弾接させたことを特徴とする炊飯器の調圧装置
   。
2. （２）前記蒸気案内筒上下部は、器体蓋および飯器蓋の
   中央一箇所に設けられている実用新案登録請求の範囲第
   （１）項記載の炊飯器の調圧装置。
3. （３）蒸気案内筒上部の吊持子は、蒸気案内筒下部で形
   成されるおねば溜り室へ突出されており、同おねば溜り
   室天井部の受入れ口部と吊持子下端外周とに前記係合部
   が形成されている実用新案登録請求の範囲第（１）項ま
   たは第（２）項記載の炊飯器の調圧装置。
4. （４）蒸気案内筒上部の吊持子は、蒸気案内筒下部で形
   成される釦ねば溜り室を貫通して、同おねば溜り室へは
   該室へ臨む途中部分で連通され、おねは溜り室底部の受
   入れ口部と吊持子下端外周とに前記保合部が形成されて
   いる実用新案登録請求の範囲第（１）項または第（２）
   項記載の炊飯器の調圧装置。