JPS5850482B2 - 架空送電線の緊線工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は架空送電線の緊線工法に関するもので、特に
カムアロングを使用しない緊線工法に関するものである
。

従来一般に行われていた緊線工法は、カムアロングを用
いる工法で、第１図に示すように、人が乗り出して電線
にカムアロングを取付け、取付位置を電線Ｗを所定の弛
度に張り上げた場合にカムアロングＡが引留クランプＣ
の先３ｍ程度にあるようにする。

カムアロングＡにセミ金車Ｓや緊線用ワイヤーロープＨ
の一端を接続し、耐張碍子連■との間にウィンチで張力
を付加し、カムアロングＡを鉄塔Ｔに引き寄せ所定弛度
に合わせ、電線引留位置に引留クランプＣを取付けてこ
れを碍子連■に連結するものであった。

このように１人が電線に乗り出して行なうカムアロング
の取付及び取外しを伴う危険な高所作業の除去及び省力
化の点から、近時、あらかじめ地上で引留クランプを取
付けて電線を延線し、その引留クランプを直接碍子装置
に取付ける、しわゆるプレハブ工法、又はカムアロング
を使用せずに引留クランプを鉄塔近くで取付けるセミプ
レ・・ブ工法が開発されてきた。

この発明は上記セミプレノ・ブエ法とも言うべきカムア
ロングを使用しない緊線工法にかいて、経済的かつ省力
的効果を高めうる緊線工法を提供することを目的として
いる。

カムアロングを使用しない緊線工法の従来のものは、第
２図に示すように、電線Ｗの所要個所に取付けた引留ク
ランプＣ（この図示例ではくさび形引留クランプ）をセ
ミ金車Ｓと緊線ワイヤーロープＲとで碍子連■に続くヨ
ークＹに接続し、ロープＲでクランプＣを引き寄せて、
引留クランプＣに接続された連結金具ＭをヨークＹに取
付けている連接金具Ｎに取付ける工法である。

第２図は連結金具Ｍを連結金具Ｎに取付ける直前の状態
を示している。

このような工法では、通常セミ金車Ｓを２個（張力が大
きい場合は３個）は使用するので、２個を最小間隔１で
引寄せた距離ｌの長さを持った連結金具Ｍを使用しなけ
ればならず、碍子装置（鉄塔Ｔと引留クランプＣとの間
の碍子連を含む全部材）が長くなる欠点がある。

碍子装置が長くなるとジャンパ長Ｊ（第３図参照）が必
然的に長くなり、クリアランス又は誘導問題で鉄塔高さ
を高くしなければならず、ジャンパ補強装置を用いる場
合はこれが高価格となり不経済である。

この発明は従来の工法の叙上の欠点を除去した緊線工法
を提供するもので、碍子連の中間に緊線用金具を挿入す
ることによシ、ジャンパ長の増大を防止し、鉄塔の高さ
を高くする必要がなく、ジャンパ補強等の費用を低減し
うるものである。

以下に、この発明の緊線工法を図示する実施例について
具体的に説明する。

第４図に示すように、電線１の所要個所に取付けた引留
クランプ２（この場合くさび形）をセミ金車４，４及び
緊線用ワイヤーロープ５を用い。

全長が従来の碍子連■第２図とほぼ等しい碍子連を碍子
連８．８′にあけ、碍子連８，８′の中間に挿入した緊
線用金具１０に接続する。

この場合緊線用金具１０の挿入位置は碍子連８′の取付
点から連接金具６の位置までの距離なｍとするとｍ≧ｅ
（ｅは第５図に示す）にしなければならない。

更にセミ金車４を引留クランプ２の連結部３に接続する
部分にも緊線用金具１０を用いると緊線工事終了後は不
用となるセミ金車連結用引手がいらなくなジ、また引手
のない引留クランプにも適用でき便利である。

第５図に示すように緊線用ワイヤーロープ５で引留クラ
ンプ２（電線と共に）を鉄塔９に取付けた碍子連８に引
き寄せ、所定の弛度になる位置で、碍子連ぎ、ヨーク７
及び連接金具６を引上げ、０留クランプ２の連結部３と
連接金具６とを接続する。

その後ウィンチを弛め、電線弛度を確認してから緊線工
具を除去し、電線張力な引留クランプに加えて、この発
明の緊線工法による作業が完了する。

この発明の緊線工法によれば、カムアロングを用いる従
来の工法に比べ、カムアロングの取付け。

取外しを行う必要がなくなる。

又カムアロングを使用しなし改良された工法Ｖｃ卦ける
ジャンパ長を冗長にする原因となるセミ金車部の長さｅ
を、碍子連の中間に挿入した緊線用金具によって、碍子
連の長さの一部にとり込むことで巧みに処理し、第２図
に示す従来工法で用いた長さｅの連結金具Ｍを不用にし
うる。

従って、送電線の緊線作業は安全となジ、ジャンパ長を
増大することなく、経済的でかつ省力的なものとなり、
その効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカムアロングを用いる緊線工法の説明図
、第２図はカムアロングを使用しない従来の緊線工法の
説明図、第３図はジャンパ長Ｊを示す説明略図、第４図
はこの発明の緊線工法の初期の段階を示す説明図、第５
図は引留クランプを碍子連に最も近く引き寄せた状態で
この発明の詳細な説明する略図である。 １・・・・・・電線、２・・・・・・引留クランプ、３
・・・・・・連結部、４・・・・・・セミ金車、５・・
・・・・緊線ワイヤーロープ、６・・・・・・連結金具
、７・・・・・・ヨーク、 ８．８’・・・・・・碍子
連、９・・・・・・鉄塔、１０・・・・・・緊線用金具
、Ａ・・・・・・カムアロング、Ｃ・・・・・・引留ク
ランプ、■・・・・・・碍子連、Ｍ・・・・・・連結金
具、Ｎ・・・・・・連結金具、Ｓ・・・・・・セミ金車
、Ｔ・・・・・・鉄塔、Ｗ・・・・・・電線、Ｙ・・・
・・・ヨーク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 架空送電線の所定位置に引留クランプを取付け、碍
   子連の中間に緊線用金具を挿入し、この緊線用金具を使
   用して前記引留クランプを引寄せ、ヨークと引留クラン
   プとを接続することを特徴とする架空送電線の緊線工法
   。 ２ 引留クランプ側にも緊線用金具を使用することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の架空送電線の緊線
   工法。