JPS584785Y2 - 二輪車用フロントフオ−クのブレ−キ取付用ブラケット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輪側に取付けたアウターチューブ内へ車体側
に取付けたインナーチューブを摺動自在に嵌挿したテレ
スコープ型の二輪車用フロントフッオークに於て、アウ
タチューブの外周部分にディスクブレーキのキャリパ取
付用のブラケットや、ドラムブレーキのブレーキストッ
パ等の強度部材を結合する結合部の改良に関する。

アウタチューブは通常アルミ合金を型成形したものと、
鉄系のパイプ材を使用したものとの二種類があり、キャ
リパ取付用のブラケットやドラムブレーキのブレーキス
トッパ等の強度部材は、前者においてはアウターチュー
ブと一体に成形されるため特に問題は生じないが、後者
においてはアウターチューブに強度部材を結合している
。

この場合強度部材はブレーキ時の制動トルクが負荷され
るため、結合強度を充分に確保する必要があり、強度部
材とアウターチューブはアーク溶接によって結合してい
るのが実状である。

然しなからアーク溶接は溶接時間が長く、熱の影響によ
ってアウターチューブが変形してインナーチューブとの
摺動に円滑性を欠くため溶接した後アウターチューブの
内周面に再加工を施して真円度を確保するようにしてい
るため、多大な加工工数を費やしコスト的に経費が嵩む
問題点があった。

特にブレーキストッパのような小物部品で溶接面積の少
ないものでは、アウタチューブの変形度合も比較的小さ
く、アウターチューブ内周面の再加工の工数も僅かです
むが、キャリパ取付用のブラケット等では溶接面積がブ
レーキストッパの倍近くあり、かつ二個所に溶接するよ
うな場合は熱の影響に伴うアウターチューブの変形量も
大きく、該チューブ内周面の再加工に要する工数が膨大
になる。

このようにアーク溶接の溶接時間が長いことがアウター
チューブを変形する原因であることに着目し、溶接時間
の短い抵抗溶接で実験を試みた結果、アウターチューブ
の変形はインナチューブとの摺動性を阻害する捷でには
到らなかったが、単に強度部材とアウターチューブを抵
抗溶接で結合したのでは、強度部材の接合面が平面であ
ることからアウターチューブと線溶接されるだけで、溶
接面積も少なく結合強度が保証できないという不具合が
あった。

本考案は前述のような背景に鑑み考案されたもので、以
下図面に示す実施例について説明すれば、車輪側ヘアイ
４を介して連結されるアウターチューブ２内に、車体側
に連結されるインナーチューブ３を摺動自在に嵌入した
テレスコープ型の二輪軍用フロントフォーク１において
、アウタチューブ２の外周同一軸方向に適当間隔をおい
てディスクブレーキのキャリパ取付用のブラケット５ａ
。

５ｂが設けられている。

該ブラケットにはキャリパ連結のための取付孔６ａ、６
ｂがそれぞれ穿設されている。

プラタン）５ａ、５ｂは第２図に示すようにアウターチ
ューブ２との接合面に軸方向の凹部ｄが形成され、との
凹部ｄの左右両側端部７，７′がアウターチューブ２の
外周軸方向に接触するようになっている。

即ち凹部ｄの幅に相当する間隔りをもって凹部ｄの左右
両側端部７，７′がアウターチューブ２に接合すること
によって溶接面積を増加させると共に、ブレーキ時の制
動トルクにより負荷される入力Ｆに対する耐曲げ強度を
確保しようとするものである。

このような接合面を有するブラケット５ａ 、５ｂをア
ウターチューブ２の外周面に抵抗溶接を施して接合する
と、間隔りをもったブラケットの端部７．７′の二ケ所
で溶接されるため、結合強度を充分に確保することがで
き、捷た溶接時間が短い為めに、アウターチューブの熱
の影響による変形は、インナーチューブ３との摺動性に
影響を及ぼすことのない程度にすることができる。

更にブラケット５ａ、５ｂ＝：アウターチューブ２とを
例えば抵抗溶接の一種で極めて短時間（０，１〜０．２
秒）に大電流（約、１００ＯＯＯＡ）を流すコンデンサ
ー溶接で結合すると、溶接時間は更に減少してアウター
チューブの変形は殆ど無く、インナーチューブ３との摺
動を円滑にすることができ、結合強度も充分に確保する
ことができる。

プラタン）５ａ、５ｂに穿設されるキャリパ取付孔５ａ
、５ｂは、第４図に示すようにブラケットをアウターチ
ューブ２に溶接した後に穿設される。

即ちブラケット５ａ、５ｂに予め取付孔６ａｔ６ｂを穿
設したのでは、溶接時にブラケットが傾いたような場合
、取付孔にも傾きが生じてキャリパを所望の位置に取付
けることが不可能になるためである。

これがため接合部の幅Ｓをブラケットの幅Ｓより小さク
シ、プラタン） ５ ａ ｔ ５ ｂの側面に矯正加工
を施すとき、刃先が溶接部ａに干渉することがないよう
にする。

以上のように本考案フロントフォークのブラケットは、
アウターチューブの外周面と接する面に予め軸、方向の
凹部ｄを形成するとともに、該凹部ｄの左右両側端部７
，７′を抵抗溶接により該アウターチューブ外周面に結
合したから、強固に且つ熱によるアウターチューブの変
形を防ぐことができ、従来に比し加工工数を著しく低減
し作業能率の向上に寄与するところ大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ブラケットを有するフロントフォークの
一実施例側面図、第２図は溶接する前のブラケットの横
断面図、第３図むよび第４図は第１図Ｘ−Ｘ線の断面図
で取付孔の穿設前および穿設後を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 アウターチューブ２内にインナーチューブ３を摺動自在
   に嵌挿したフロントフォークに訃いて、ドラムブレーキ
   のブレーキストッパ捷たはディスクブレーキのキャリパ
   取付用のブラケツ）５ａ。 ５ｂ等の強度部材がアウターチューブ２の外周面と接合
   する面に軸方向の凹部ｄを形成するとともに、上記凹部
   ｄの左右両側端部７：７′を抵抗溶接により該アウタ−
   チューブ２外周面に結合してなる二輪車用フロントフォ
   ークのブレーキ取付用ブラケット。