JPS5847279B2 - エレクトロスラグ溶接によるｕ型開先溶接法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は鉄骨建築構造物の柱〜梁接合部における新規
なエレクトロスラグ溶接法の提供に係わる。

現在、鉄骨建築構造物の柱・〜梁接合部等におけるＴ型
溶接継手及び十字型溶接継手部にあっては鋼板の板厚方
向に引張応力が働ちく場合、鋼板内部の欠陥による機械
的性質の低下が問題視されている。

すなわち、鋼板内部の欠陥は溶鋼時の不純物が鋼板の板
厚中央にあたかも隔膜の如く偏析して形成され、これが
板厚方向の機械的性質を著しく低下させ、柱〜梁の溶接
接合部等の鋼板の板厚方向に引張応力が働らく個所での
重大な問題となる。

これを、従来の溶接法を表わす第１図、第２図に示す。

ボックス柱と梁の溶接接合部並びにＨ鋼柱又は十字柱等
と梁の溶接接合部を示す。

第１図並びに第２図において、１はスキンプレート、２
はダイヤフラム、３は梁フランジ、４は当て金、５並び
に６はエレクトロスラグ溶接溶着金属並びにＶ形及びに
型開先溶着金属で、夫々の母材への溶は込み具合が２点
鎖線により示しである。

７は柱フランジ、８は上述の鋼板内部の欠陥である。

図より明らかな如く、欠陥８は溶接前と同じ状態で残っ
ているので、この状態でダイヤフラム２と梁フランジ３
によりスキンプレート１若し７くは柱フランジ７に板厚
方向の引張応力が加わると欠陥８の存在故に板厚相当分
の強度を発揮し得す、機械的性質の低下を生じ、又、溶
接時にも拘束力による割れが問題となる。

これについては、超音波探傷法等の検知で対策が検討さ
れているが、未だ確立されていないうえ、検知するのみ
で欠陥の消滅を積極的になし得る訳ではない。

本発明は斜上の事情に鑑みなされたもので、溶接の際、
該欠陥を解消治癒してし１う新規なエレクトロスラグ溶
接法を提供する。

本発明の要旨とするところはスキンプレート１に対する
ダイヤフラム２はもとより、柱フランジ７に対するダイ
ヤフラム２の溶接接合をもエレクトロスラグ溶接でとり
行うものとし、その溶接用貫通孔としてのＵ型開光をス
キンプレート１並びに柱フランジ７の欠陥８の存在する
板厚中央に渣で到達させて穿設するものとし、この開先
内をエレクトロスラグ溶接することにより溶接の際、欠
陥８を溶着金属の母材への溶は込み部分の中に吸収して
完全に消失させてし捷うとした点にある。

以下、本発明を図にもとづいて詳細に説明する。

第３図は本発明のボックス柱のスキンプレートとダイヤ
フラムとの溶接接合要領を示す切開斜視図で、図中９が
溶接用貫通孔としてスキンプレート１に穿設されたＵ型
開光を示す。

第４図は同じ〈本発明の１−半柱、ビルドＨ型柱の柱フ
ランジとダイヤフラムとの溶接接合要領を示したもので
、Ａ図、Ｂ図は夫々十字柱、ビルドＨ型柱の全体平面図
、Ｃ図、Ｄ図はＡ図並びにＢ図中回線にて示す柱フラン
ジとダイヤフラムとの溶接接合部の拡大平面図、正面図
である。

上記、第３図並びに第４図の溶接接合部を第１図、第２
図に合わせて画くと第５図に示される如くとなる。

第５図より明らかな如く、スキンプレート１若しくは柱
フランジＴと梁フランジ３との溶接接合は従来の如く、
■型及びに型開先溶接にてなされる。

そして、かかる要領にてなされる本発明溶接にあっては
、その溶は込み具合は、第６図に示される如くであり、
鋼板内部の欠陥８ば、ダイヤフラム２の突き合わされた
部分にネーいて溶着金属５の母材への溶は込み部分の中
に吸収され完全に消失している。

よって、ダイヤフラム２と梁フランジ３によりスキンプ
レート１若しくは柱７ランジ７に板厚方向の引張応力が
加わっても鋼板内部の欠陥８により機械的性質の低下は
問題とｉらない。

又、溶接時の拘束応力による割れも問題になる。

ことがない。

本発明にあっては第７図に示す如くスキンプレート１又
は柱フランジＴの板厚が薄い場合にはＵ型開光９の先端
を板厚中央１でとし、後端の不足代をエレクトロスラグ
溶接が可能となる寸法まで、ダイヤフラム２をスキンプ
レート１若しくは柱フランジ７との当接点より離なすこ
とで確保すれば良く、又、第８図に示す如くＵ型開光９
の巾はダイヤフラム２の板厚よりも小さく設定するとし
ても差し支えない。

その他、本発明にあっては、Ｕ型開光・としているので
、従来のエレクトロスラグ溶接に比較して溶着金属と当
て金が少なくて済むという利点もある。

すなわち、第９図において、Ａ図は本発明を、Ｂ図は従
来を夫々示しているが、これにむける各所の寸法の如き
対比がなされる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来手法によるボックス柱と梁の溶接
接合部、Ｈ鋼柱又は十字柱等と梁の溶接接合部を示す図
、第３図は本発明のボックス柱のスキンプレートとダイ
ヤフラムとの溶接接合要領を示す切開斜視図、第４図は
本発明のビルドＨ型柱、Ｔ半柱に於ける溶接接合要領説
明図、第５図、第６図は本発明溶接接合部を示す図、そ
の溶は込み具合を示した図、第７図、第８図は本発明の
一実施例の溶接接合要領説明図、第９図は本発明の利点
説明図である。 符号の簡単な説明、１・・・スキンプレート、２・・・
ダイヤフラム、３・・・梁フラジ、４・・・当て金、５
・・・エレクトロスラグ溶接溶着金属、６・・、・Ｖ形
及びに型開先溶着金属、７・・・柱フランジ、８・・・
欠陥、９・・・Ｕ型開光。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スキンプレートに対するダイヤフラムはもとより、
   柱フランジに対するダイヤフラムの溶接接合をもエレク
   トロスラグ溶接でとり行うものとし、その溶接用貫通孔
   としてのＵ型開光をスキンプレート並びに柱フランジ欠
   陥の存在する板厚中央に１で到達させて穿設するものと
   し、この開先内をエレクトロスラグ溶接することにより
   溶接の際、該欠陥を溶着金属の母材への溶は込み部分の
   中に吸収して完全に消失させてし１うことを特徴とする
   エレクトロスラグ溶接によるＵ型開光溶接法。