JPS5846533B2 - 軸ならびに切欠付機械部品の疲れ強度および曲げ強度を向上する熱処理方法 - Google Patents
軸ならびに切欠付機械部品の疲れ強度および曲げ強度を向上する熱処理方法Info
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- JPS5846533B2 JPS5846533B2 JP3566079A JP3566079A JPS5846533B2 JP S5846533 B2 JPS5846533 B2 JP S5846533B2 JP 3566079 A JP3566079 A JP 3566079A JP 3566079 A JP3566079 A JP 3566079A JP S5846533 B2 JPS5846533 B2 JP S5846533B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、低温焼入と時効処理により軸ならびに切欠付
機械部品の疲れ強度および曲げ強度を向上する熱処理方
法に関するものである。
機械部品の疲れ強度および曲げ強度を向上する熱処理方
法に関するものである。
軸および切欠付機械部品の疲れ強度を向上させる方法と
して熱処理による方法がある。
して熱処理による方法がある。
例えば高周波焼入れなどの表面硬化処理法では、その疲
労強度の改善機構は主として表面硬さの上昇と、表面圧
縮残留応力の形成によるものとしている。
労強度の改善機構は主として表面硬さの上昇と、表面圧
縮残留応力の形成によるものとしている。
すなわち、表面硬さは疲れきず入り限度σ7゜を向上さ
せ、表面圧縮残留応力は疲れ破壊限度〜を向上させるた
め、疲労寿命が増大されると考えられている。
せ、表面圧縮残留応力は疲れ破壊限度〜を向上させるた
め、疲労寿命が増大されると考えられている。
近年、前述の高周波焼入れ以外に熱処理による疲れ強度
向上法として低温焼入れが注目されている。
向上法として低温焼入れが注目されている。
低温焼入れは鋼のA、変態点以下の温度範囲約500〜
700℃付近から水中に急冷することにより、軸表面に
比較的深く形成される圧縮残留応力とフェライトの焼入
時効硬化による表面硬さの上昇により疲れ強度が増大す
る。
700℃付近から水中に急冷することにより、軸表面に
比較的深く形成される圧縮残留応力とフェライトの焼入
時効硬化による表面硬さの上昇により疲れ強度が増大す
る。
特に組織変態をともなわないため硬さの上昇が少ないの
で、機械加工が容易で、焼入れも特に装置なしで可能で
あることなどの特徴がある。
で、機械加工が容易で、焼入れも特に装置なしで可能で
あることなどの特徴がある。
第1図はφ15ii切欠付小野式回転曲げ疲れ試験によ
る焼ならし材および低温焼入材(焼入温度500〜70
0℃)の疲れ破壊限度との関係を示すものであるが、低
温焼入材は焼ならし材の約2.1〜2.4倍すぐれてい
る。
る焼ならし材および低温焼入材(焼入温度500〜70
0℃)の疲れ破壊限度との関係を示すものであるが、低
温焼入材は焼ならし材の約2.1〜2.4倍すぐれてい
る。
第2図は焼ならし材と低温焼入材の曲げ強度の比較を示
すもので、この図に使用した条件は、材料が8350.
寸法はφ19X300mm、スパン(支点距離)は24
0mmである。
すもので、この図に使用した条件は、材料が8350.
寸法はφ19X300mm、スパン(支点距離)は24
0mmである。
これより焼ならし材では曲げ試験時の残留たわみ量はほ
とんどないが、低温焼入材では曲げ応力約4kg1ma
付近から残留たわみが発生し、軸の圧入上限応力約9.
6′kg、/maでは、若干の残留たわみ量を生ずる。
とんどないが、低温焼入材では曲げ応力約4kg1ma
付近から残留たわみが発生し、軸の圧入上限応力約9.
6′kg、/maでは、若干の残留たわみ量を生ずる。
これは、低温焼入材の曲げ強度が低い欠点を示すもので
ある。
ある。
したがって、車軸のような細長比の大きい形状のものを
車輪穴などに圧入組立する場合、圧入力が軸の曲げ強度
をこえると軸的りを生ずる。
車輪穴などに圧入組立する場合、圧入力が軸の曲げ強度
をこえると軸的りを生ずる。
これは回転軸などのような場合は芯狂いとなり、使用時
に変動応力を発生するため、きわめて少ない使用時間で
軸折損などの致命的損傷を′Lする。
に変動応力を発生するため、きわめて少ない使用時間で
軸折損などの致命的損傷を′Lする。
なお、軸圧入力は次式により求めたものである。
ε:しめしろ比 1.4X10−”
μ:摩擦係数 0.1〜0.2
d:軸 径 (關)
l:圧大長(mm)
E:縦弾性係数 2. I X 10’ kg/mmn
:圧入ボス径と平均ボス内径の比 0.7F=圧入力(
トン) これにより、軸と穴の摩擦係数μ=0.1,0.2の場
合における軸の直径と圧入力との関係を求め第3図に示
すが、圧入組立時の摩擦係数μm〇、■のときは圧入下
限応力的4.7kg/my11また摩擦係数μ二〇、2
のときは圧入上限応力的9.6 kg/my?tとなる
。
:圧入ボス径と平均ボス内径の比 0.7F=圧入力(
トン) これにより、軸と穴の摩擦係数μ=0.1,0.2の場
合における軸の直径と圧入力との関係を求め第3図に示
すが、圧入組立時の摩擦係数μm〇、■のときは圧入下
限応力的4.7kg/my11また摩擦係数μ二〇、2
のときは圧入上限応力的9.6 kg/my?tとなる
。
以上は、圧入軸について述べたが、切欠付機械部品にお
いても切欠部において、かなりの応力集中を生じ、降伏
強さ以上になると曲りを生じ、これが致命的欠陥となり
得るものと考えられる。
いても切欠部において、かなりの応力集中を生じ、降伏
強さ以上になると曲りを生じ、これが致命的欠陥となり
得るものと考えられる。
本発明は上記の欠点を除去するもので、低温焼入と時効
処理により軸および切欠付機械部品に対して適切な曲げ
強度と疲れ強度の両特性を向上する方法を提供するもの
である。
処理により軸および切欠付機械部品に対して適切な曲げ
強度と疲れ強度の両特性を向上する方法を提供するもの
である。
以下、本発明の実施例を第4図および第5図にしたがっ
て具体的に説明する。
て具体的に説明する。
機械構造用炭素鋼(JISG4051)、機械構造用合
金鋼(JISG4052 、JISG4102〜410
8、JISG4202)で構成される軸の低混焼人材は
焼入後、常温〜約100℃付近において、過飽和フェラ
イト中に炭化物や窒化物が栓抜に形成されるため硬さが
増加するなどの焼入時効現象を生起する。
金鋼(JISG4052 、JISG4102〜410
8、JISG4202)で構成される軸の低混焼人材は
焼入後、常温〜約100℃付近において、過飽和フェラ
イト中に炭化物や窒化物が栓抜に形成されるため硬さが
増加するなどの焼入時効現象を生起する。
さらに、低温焼入れによる表面圧縮残留応力は、主とし
て、すでに述べたC2N原子の過飽和な固溶によって発
生しているものとみなし得るので、このさい生じる可動
転位の緩和は炭素鋼の地合金鋼についても、共通的にi
o。
て、すでに述べたC2N原子の過飽和な固溶によって発
生しているものとみなし得るので、このさい生じる可動
転位の緩和は炭素鋼の地合金鋼についても、共通的にi
o。
〜400℃の加熱で十分に目的を達し得るのである。
しかし、低混焼人材は焼入時において、表面と中心部と
の温度差によってかなり大きい熱応力を発生し、このた
め塑性流動をおこし、常温付近においては多数の可動転
位が発生しているものと考えられる。
の温度差によってかなり大きい熱応力を発生し、このた
め塑性流動をおこし、常温付近においては多数の可動転
位が発生しているものと考えられる。
一般に金属の塑性変形は可動転位の存在によって可動と
なる。
なる。
したがって、低混焼人材は塑性変形をうけやすい状態に
あると考えられる。
あると考えられる。
そこで、低混焼人材の塑性変形抵抗を増加させるために
、低温焼入時に過飽和に固溶されているC、N原子の拡
散速度を大きくして、転位のまわりに集めて、転位を固
定するなどのびずみ時効現象を生起させればよい。
、低温焼入時に過飽和に固溶されているC、N原子の拡
散速度を大きくして、転位のまわりに集めて、転位を固
定するなどのびずみ時効現象を生起させればよい。
第4図は、5350φ19X300mm(スパン240
mm)焼ならし材、低混焼人材(soQ)、および低温
焼入後1000C,200°C,300’C。
mm)焼ならし材、低混焼人材(soQ)、および低温
焼入後1000C,200°C,300’C。
400℃に約1時間時効処理を施したものの曲げ強度の
比較である。
比較である。
これより、低温焼入後約100〜400℃に時効処理を
行うことにまり軸圧入組立時の圧入応力的4.7〜9.
6 kg/yt?tに十分耐え、軸間りは焼ならし材と
同一となる。
行うことにまり軸圧入組立時の圧入応力的4.7〜9.
6 kg/yt?tに十分耐え、軸間りは焼ならし材と
同一となる。
第5図は、低混焼人材の時効温度と疲れ破壊限度σw2
との関係を示す。
との関係を示す。
これより時効処理100〜400℃の疲れ破壊限度は、
φ15mm切欠付小野式回転曲げ疲労試験においては1
00℃の時効処理で約1.03倍向上するが、200℃
以上の時効処理では疲れ破壊限度は次第に低下し400
℃では約0.7倍に減少する。
φ15mm切欠付小野式回転曲げ疲労試験においては1
00℃の時効処理で約1.03倍向上するが、200℃
以上の時効処理では疲れ破壊限度は次第に低下し400
℃では約0.7倍に減少する。
φ50mm圧入軸回転曲げ疲労試験では時効処理により
次第に低下し、400℃の時効処理では約0.9倍に低
下する。
次第に低下し、400℃の時効処理では約0.9倍に低
下する。
このように時効処理温度の上昇とともに疲れ破壊限度は
やや低下するが、焼ならし材の疲れ破壊限度に比較すれ
ば、φ15mm切欠付小野式回転曲げ疲労試験で64約
1.9〜2.8倍、φ50mm圧入軸回転曲げ疲労試験
では1.8〜2.1倍となって向上されている。
やや低下するが、焼ならし材の疲れ破壊限度に比較すれ
ば、φ15mm切欠付小野式回転曲げ疲労試験で64約
1.9〜2.8倍、φ50mm圧入軸回転曲げ疲労試験
では1.8〜2.1倍となって向上されている。
したがって、低温焼入と時効処理により疲れ強度および
曲げ強度特性を有する軸の製作が可能となる。
曲げ強度特性を有する軸の製作が可能となる。
なお、切欠付機械部品においても軸と同等の強度を与え
る製作が可能である。
る製作が可能である。
以上説明したように、本発明にかかる熱処理法は、低温
焼入後に100〜400℃に30分から数時間加熱し、
引張、圧縮、曲げ等の静的機械的性質を損なわないで、
軸または切欠付機械部品の疲れ強度と曲げ強度を向上す
ることができる。
焼入後に100〜400℃に30分から数時間加熱し、
引張、圧縮、曲げ等の静的機械的性質を損なわないで、
軸または切欠付機械部品の疲れ強度と曲げ強度を向上す
ることができる。
第1図は、焼ならし材および低混焼人材の疲れ破壊限度
との関係を示す図、第2図は焼ならし材と低温焼入材の
曲げ強度の比較を示す図、第3図は軸の直径と圧入力と
の関係を示す図、第4図は焼ならし材、低温焼入材およ
び本発明による低温焼入後の時効処理材の曲げ強度の関
係を示す図、第5図は焼ならし材、低温焼入材および本
発明による低温焼入後の時効処理材の疲れ破壊限度の関
係を示す図である。
との関係を示す図、第2図は焼ならし材と低温焼入材の
曲げ強度の比較を示す図、第3図は軸の直径と圧入力と
の関係を示す図、第4図は焼ならし材、低温焼入材およ
び本発明による低温焼入後の時効処理材の曲げ強度の関
係を示す図、第5図は焼ならし材、低温焼入材および本
発明による低温焼入後の時効処理材の疲れ破壊限度の関
係を示す図である。
Claims (1)
- 1 機械構造用炭素鋼または機械構造用合金鋼で構成さ
れる軸および切欠付機械部品にA1変態点以下の温度に
加熱後急冷する低温焼入れを施し、その後に100〜4
00℃に30分から数時間加熱することにより、表面圧
縮残留応力と適正な静的機械的強度を与えることを特徴
とする軸ならびに切欠付機械部品の疲れ強度および曲げ
強度を向上する熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3566079A JPS5846533B2 (ja) | 1979-03-28 | 1979-03-28 | 軸ならびに切欠付機械部品の疲れ強度および曲げ強度を向上する熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3566079A JPS5846533B2 (ja) | 1979-03-28 | 1979-03-28 | 軸ならびに切欠付機械部品の疲れ強度および曲げ強度を向上する熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55128537A JPS55128537A (en) | 1980-10-04 |
JPS5846533B2 true JPS5846533B2 (ja) | 1983-10-17 |
Family
ID=12448020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3566079A Expired JPS5846533B2 (ja) | 1979-03-28 | 1979-03-28 | 軸ならびに切欠付機械部品の疲れ強度および曲げ強度を向上する熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5846533B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS64842Y2 (ja) * | 1984-05-24 | 1989-01-10 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1865080A1 (de) * | 2006-06-06 | 2007-12-12 | Siemens Aktiengesellschaft | Verfahren zum Einbringen von Druckeigenspannungen in eine Welle, insbesondere in Wellenkerben |
-
1979
- 1979-03-28 JP JP3566079A patent/JPS5846533B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS64842Y2 (ja) * | 1984-05-24 | 1989-01-10 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55128537A (en) | 1980-10-04 |
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