JPH073675A - コントロールケーブル用インナーワイヤ及びその製造方法 - Google Patents
コントロールケーブル用インナーワイヤ及びその製造方法Info
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- JPH073675A JPH073675A JP16858393A JP16858393A JPH073675A JP H073675 A JPH073675 A JP H073675A JP 16858393 A JP16858393 A JP 16858393A JP 16858393 A JP16858393 A JP 16858393A JP H073675 A JPH073675 A JP H073675A
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- Japan
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- wire
- control cable
- inner wire
- steel wire
- treatment
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- Ropes Or Cables (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はコントロールケーブル用のインナー
ワイヤの特性並びにその製造法方法を改善し、操作性が
良く長寿命のコントロールケーブルを提供しようとする
ものである。 【構成】 インナーワイヤを、その表面粗さがRzで５μ
ｍ以内とするか及びまたは、同表面に500MPa以上の圧縮
残留応力を付与したことを特徴とする。同付与のために
は、オイルテンパー処理を施した鋼線に電解または化学
研磨を施すか、及びまたは窒化処理、ショットピーニン
グ処理を施す。
ワイヤの特性並びにその製造法方法を改善し、操作性が
良く長寿命のコントロールケーブルを提供しようとする
ものである。 【構成】 インナーワイヤを、その表面粗さがRzで５μ
ｍ以内とするか及びまたは、同表面に500MPa以上の圧縮
残留応力を付与したことを特徴とする。同付与のために
は、オイルテンパー処理を施した鋼線に電解または化学
研磨を施すか、及びまたは窒化処理、ショットピーニン
グ処理を施す。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、応力の伝達例えば自動
車におけるシフトレバーの応力をトランスミッションに
伝えるのに用いられる様なコントロールケーブルの改良
に関する。
車におけるシフトレバーの応力をトランスミッションに
伝えるのに用いられる様なコントロールケーブルの改良
に関する。
【０００２】
【従来の技術及び問題点】図１は、この種ケーブルの構
成を示す断面図で、オイルテンパー処理を施した鋼線よ
りなるインナーワイヤ１の外周上を、亜鉛メッキ鋼より
線の多数本をより合せたアウターワイヤ２で包被してな
るものである。応力の伝達はインナーワイヤ１によって
行なわれ、これの摺動をよくするため、従来インナーワ
イヤ１の外周上に油を塗布していた。
成を示す断面図で、オイルテンパー処理を施した鋼線よ
りなるインナーワイヤ１の外周上を、亜鉛メッキ鋼より
線の多数本をより合せたアウターワイヤ２で包被してな
るものである。応力の伝達はインナーワイヤ１によって
行なわれ、これの摺動をよくするため、従来インナーワ
イヤ１の外周上に油を塗布していた。
【０００３】然し乍ら、油のインナーワイヤ、アウター
ワイヤ間の潤滑効果には限度があり、またインナーワイ
ヤの疲労限も充分とは言い難く、問題を残しており、操
作性のよい長寿命のコントロールケーブルが望まれてい
た。
ワイヤ間の潤滑効果には限度があり、またインナーワイ
ヤの疲労限も充分とは言い難く、問題を残しており、操
作性のよい長寿命のコントロールケーブルが望まれてい
た。
【０００４】
【問題点を解決するための手段】発明者らは問題を解消
するため、従来の油塗布等の補足的な方法によらず、イ
ンナーワイヤ自体の特性を改善することにより、コント
ロールケーブルの操作性と寿命を飛躍的に向上せしめ得
ることに着目した。即ち、インナーワイヤの表面粗さを
Rzで５μｍ以内に限定することにより、摺動特性を向上
せしめた。また、インナーワイヤの表面に500MPa以上の
圧縮残留応力を付与せしめることにより疲労限を向上せ
しめた。そして、夫々この特性の向上には、オイルテン
パー処理した鋼線に、電解研磨、化学研磨、窒化処理、
ショットピーニング処理を施すことが極めて効果的であ
ることを確認した。
するため、従来の油塗布等の補足的な方法によらず、イ
ンナーワイヤ自体の特性を改善することにより、コント
ロールケーブルの操作性と寿命を飛躍的に向上せしめ得
ることに着目した。即ち、インナーワイヤの表面粗さを
Rzで５μｍ以内に限定することにより、摺動特性を向上
せしめた。また、インナーワイヤの表面に500MPa以上の
圧縮残留応力を付与せしめることにより疲労限を向上せ
しめた。そして、夫々この特性の向上には、オイルテン
パー処理した鋼線に、電解研磨、化学研磨、窒化処理、
ショットピーニング処理を施すことが極めて効果的であ
ることを確認した。
【０００５】
【実施例】直径 1.6mmのオイルテンパー処理したSi−Cr
鋼線（ＪＩＳ ＳＷＯＳＣ−Ｖ）に、電解研磨を施して
図１のインナーワイヤ１を製作した。なおこの電解研磨
は、該鋼線を、リン酸＋硫酸＋水の混合液中を電流密度
250Ａ／dm2 、時間50秒で通過させて行ない、得た鋼線
の表面粗さはRzで 3.8μｍであった。比較材としての、
オイルテンパー処理を施しただけのSi−Cr鋼線（ＪＩＳ
ＳＷＯＳＣ−Ｖ）の表面粗さはRzで10.2μｍであっ
た。上記実施例の鋼線と、比較材の鋼線とを、夫々直径
0.5mmの亜鉛メッキ鋼線７〜12本をより合せてなるアウ
ターワイヤ２でより合せ包被して、図１に示すより外径
３mmのコントロールケーブルを形成した。
鋼線（ＪＩＳ ＳＷＯＳＣ−Ｖ）に、電解研磨を施して
図１のインナーワイヤ１を製作した。なおこの電解研磨
は、該鋼線を、リン酸＋硫酸＋水の混合液中を電流密度
250Ａ／dm2 、時間50秒で通過させて行ない、得た鋼線
の表面粗さはRzで 3.8μｍであった。比較材としての、
オイルテンパー処理を施しただけのSi−Cr鋼線（ＪＩＳ
ＳＷＯＳＣ−Ｖ）の表面粗さはRzで10.2μｍであっ
た。上記実施例の鋼線と、比較材の鋼線とを、夫々直径
0.5mmの亜鉛メッキ鋼線７〜12本をより合せてなるアウ
ターワイヤ２でより合せ包被して、図１に示すより外径
３mmのコントロールケーブルを形成した。
【０００６】図２に示す様に直径 500mmの円盤３の半周
ほどに、上記コントロールケーブルを巻きつけて、アウ
ターワイヤ２が動かないように固定する。次にインナー
ワイヤ１の片端に重さ１kgのおもり４を固定する。反対
側の端部にばねばかり５を固定し、ワイヤを静止した状
態からばねばかり５を下方に除々に引っ張り、インナー
ワイヤ１が動き出す瞬間のばねばかりの値（ｇ）を読
む。おもり４の重さは１kg…W0、ばねばかりの値はｇ…
W1とし、表１に示す計算式により応力損失を計算する。
計算結果より、上記実施例と比較例における摺動抵抗は
同表に記載の通りで、実施例のものは著しく低減されて
いる。
ほどに、上記コントロールケーブルを巻きつけて、アウ
ターワイヤ２が動かないように固定する。次にインナー
ワイヤ１の片端に重さ１kgのおもり４を固定する。反対
側の端部にばねばかり５を固定し、ワイヤを静止した状
態からばねばかり５を下方に除々に引っ張り、インナー
ワイヤ１が動き出す瞬間のばねばかりの値（ｇ）を読
む。おもり４の重さは１kg…W0、ばねばかりの値はｇ…
W1とし、表１に示す計算式により応力損失を計算する。
計算結果より、上記実施例と比較例における摺動抵抗は
同表に記載の通りで、実施例のものは著しく低減されて
いる。
【０００７】
【表１】
【０００８】上記実施例においては、電解研磨を行った
ものについて示したが、これにかえ例えばフッ酸２％の
過酸化水素水に１分浸漬処理する等の化学研磨を行うこ
ともできる。また、今一つの問題点である疲労限の向上
のためには、オイルテンパー処理を経た鋼線を、 500℃
のアンモニア変成ガス中に１〜６時間保って、窒化処理
を行うか、直径 0.3mmのスチールボール、投射速度75ｍ
／sec でショットピーニングを施すことによってこれを
達成することができた。
ものについて示したが、これにかえ例えばフッ酸２％の
過酸化水素水に１分浸漬処理する等の化学研磨を行うこ
ともできる。また、今一つの問題点である疲労限の向上
のためには、オイルテンパー処理を経た鋼線を、 500℃
のアンモニア変成ガス中に１〜６時間保って、窒化処理
を行うか、直径 0.3mmのスチールボール、投射速度75ｍ
／sec でショットピーニングを施すことによってこれを
達成することができた。
【０００９】この疲労限の向上については、より充分な
ものにするため、窒化処理とショットピーニングの両処
理を施すことも有効である。また、この処理により表面
粗さは粗くなるので、処理後電解研磨または化学研磨を
行うことが好ましい。これらの処理を行ったものの特性
を表２に示す。
ものにするため、窒化処理とショットピーニングの両処
理を施すことも有効である。また、この処理により表面
粗さは粗くなるので、処理後電解研磨または化学研磨を
行うことが好ましい。これらの処理を行ったものの特性
を表２に示す。
【００１０】
【表２】
【００１１】表２に示す実施例、比較例の疲労限を表３
に示す。
に示す。
【００１２】
【表３】
【００１３】疲労限の評価は、各試料を中村式回転曲げ
疲労試験機にセットし、インナーワイヤに所定の応力が
かゝるようにおもりでたわみを与え、アウターワイヤが
回転しない様に固定し、インナーワイヤの一方の端末部
をモーターにつなぎ、インナーワイヤのみ回転するよう
にして行なった。この試験を種々の応力を与えて繰返
し、回転数1000万回をクリアーする最大応力をもって疲
労限とした。実施例のものはいずれも疲労限700MPa以上
で優れた疲労特性を備えている。
疲労試験機にセットし、インナーワイヤに所定の応力が
かゝるようにおもりでたわみを与え、アウターワイヤが
回転しない様に固定し、インナーワイヤの一方の端末部
をモーターにつなぎ、インナーワイヤのみ回転するよう
にして行なった。この試験を種々の応力を与えて繰返
し、回転数1000万回をクリアーする最大応力をもって疲
労限とした。実施例のものはいずれも疲労限700MPa以上
で優れた疲労特性を備えている。
【００１４】
【効果】以上に述べた様に、本願発明においては、イン
ナーワイヤが秀れた摺動特性及びまたは疲労限を有する
ので、塗油による汚れの心配もなく、操作性がよく長寿
命のコントロールケーブルを提供することができる。ま
た、そのインナーワイヤの製造も、特異な手段によるも
のではなく、鋼線の処理に適用しやすいオイルテンパ
ー、窒化処理、ショットピーニング、電解または化学研
磨を行うものであるから工業生産が容易である。
ナーワイヤが秀れた摺動特性及びまたは疲労限を有する
ので、塗油による汚れの心配もなく、操作性がよく長寿
命のコントロールケーブルを提供することができる。ま
た、そのインナーワイヤの製造も、特異な手段によるも
のではなく、鋼線の処理に適用しやすいオイルテンパ
ー、窒化処理、ショットピーニング、電解または化学研
磨を行うものであるから工業生産が容易である。
【図１】実施例におけるコントロールケーブルの横断面
図。
図。
【図２】実施例における摺動抵抗の測定方法を説明する
摸式図。
摸式図。
１ インナーワイヤ ２ アウターワイヤ ３ 円盤 ４ おもり ５ ばねばかり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ２５Ｆ 3/24
Claims (6)
- 【請求項１】 鋼線の表面粗さがRzで５μｍ以内である
ことを特徴とするコントロールケーブル用インナーワイ
ヤ。 - 【請求項２】 鋼線の表面に500MPa以上の圧縮残留応力
が付与されてなることを特徴とするコントロールケーブ
ル用インナーワイヤ。 - 【請求項３】 鋼線の表面粗さがRzで５μｍ以内で、か
つ表面の圧縮残留応力が500MPa以上であることを特徴と
するコントロールケーブル用インナーワイヤ。 - 【請求項４】 鋼線にオイルテンパー処理を施した後、
電解研磨または化学研磨を施して、鋼線の表面粗さをRz
で５μｍ以内にすることを特徴とするコントロールケー
ブル用インナーワイヤの製造方法。 - 【請求項５】 鋼線にオイルテンパー処理を施した後、
窒化処理及びまたはショットピーニング処理を施して、
鋼線表面に500MPa以上の圧縮残留応力を付与せしめるこ
とを特徴とするコントロールケーブル用インナーワイヤ
の製造方法。 - 【請求項６】 鋼線にオイルテンパー処理を施した後、
窒化処理及びまたはショットピーニング処理を施し、更
に電解研磨または化学研磨を施して、耐疲労特性を向上
し、摺動抵抗を低減せしめることを特徴とするコントロ
ールケーブル用インナーワイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16858393A JP3191839B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | コントロールケーブル用インナーワイヤ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16858393A JP3191839B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | コントロールケーブル用インナーワイヤ及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH073675A true JPH073675A (ja) | 1995-01-06 |
| JP3191839B2 JP3191839B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=15870752
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16858393A Expired - Fee Related JP3191839B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | コントロールケーブル用インナーワイヤ及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3191839B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003004020A (ja) * | 2001-06-20 | 2003-01-08 | Chuo Spring Co Ltd | コントロールケーブル |
| JP2009235523A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | オイルテンパー線とその製造方法、及びばね |
| JP2018168521A (ja) * | 2018-05-16 | 2018-11-01 | 朝日インテック株式会社 | ワイヤーロープ |
| CN109811566A (zh) * | 2017-11-21 | 2019-05-28 | 江苏法尔胜技术开发中心有限公司 | 高耐磨性钢丝绳及其生产方法 |
| EP3456876A4 (en) * | 2016-05-11 | 2019-11-20 | Asahi Intecc Co., Ltd. | METAL CABLE |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP16858393A patent/JP3191839B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003004020A (ja) * | 2001-06-20 | 2003-01-08 | Chuo Spring Co Ltd | コントロールケーブル |
| JP2009235523A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | オイルテンパー線とその製造方法、及びばね |
| EP3456876A4 (en) * | 2016-05-11 | 2019-11-20 | Asahi Intecc Co., Ltd. | METAL CABLE |
| CN109811566A (zh) * | 2017-11-21 | 2019-05-28 | 江苏法尔胜技术开发中心有限公司 | 高耐磨性钢丝绳及其生产方法 |
| JP2018168521A (ja) * | 2018-05-16 | 2018-11-01 | 朝日インテック株式会社 | ワイヤーロープ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3191839B2 (ja) | 2001-07-23 |
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Legal Events
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