JPS5844892Y2 - プレスにおける型交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプレスにおける型交換装置に関する。

プレスにおける型の交換は、従並、ボルスタが載せられ
たボルスタ台車を１台・使用し、作業終了後にボルスタ
台車をプレスの前方に引出して作業が終了した型をボル
スタから取外した後、次の作業に使用する型を取付け、
ボルスタ台車をプレス内に移動させて固定することによ
り行なわれている。

したがって、型の交換に多くの時間を要し、プレスの能
率が低下するという欠点がある。

このため、ベッド上に固定したボルスタ台枠上に前後走
行用レールを設け、該前後走行用レール上に駆動機を内
蔵させて自走自在としたボルスタ本体を配設し、該ボル
スタ本体の走行方向におけるプレスルーム外側に、流体
圧シリンダにより前記前後走行用レールと直交する左右
方向に可動とした左右一対の台車を設け、これら台車上
に前記前後走行用レールに接続可能としたレールを設け
て前記ボルスタ本体を搭載自在とし、前記ボルスタ本体
を自走により前後方向移動自在とするとともに前記台車
に搭載して前記台車とともに左右方向移動自在としたム
ービングボルスタ装置が提案されている（実公昭５２−
９０９２号参照）。

この装置において、型交換を行なう場合、まずいずれか
一方たとえば左側の空の台車をプレスルームの正面に移
動しておき、作業が終了した型が取付けられているボル
スタ本体をプレスルームから左側の台車上に移したのち
、左側の台車をボルスタ本体とともに左方に移動し、つ
いで予め次の作業に使用する型が取付けられたボルスタ
本体を搭載している右側の台車をプレスルームの正面に
移動したのち、このボルスタ本体を右側の台車からプレ
スルームに移す。

ところが、この装置では、２つの台車が使用されている
ため、台車の駆動装置が２組必要となる。

そして、２つの台車が２つの流体圧シリンダによって別
々に移動させられるため、一方の台車がプレスルームの
正面から左方または右方に移動してから他方の台車がプ
レスルームの正面に移動してくるまでに時間のロスがあ
ろ。

最近のプレスにおいては型交換時間の短縮が強く要望さ
れ、台車の移動速度の高速化が図られているが、台車を
移動するときに上記のような時間のロスがあることは重
大である。

２つの流体圧シリンダを適当に操作することにより、２
つの台車を連動させて上記のような時間のロスを小さく
することも可能であるが、この場合には、２つの台車の
連動制御装置が別に必要になる。

また、２つの台車が別々に移動する場合あるいは互いに
連動する場合のいずれの場合にも、２つの台車の衝突を
防止するための安全装置が必要になる。

また、高速で移動する台車をプレスルームの正面および
その左方または右方に停止させるときには、正確な位置
決めを行なうために、停医位置の手前で治車を減速する
が、上記の装置の場合には、停止用および減速用のリミ
ットスイッチなどのスイッチ類が２つの台車に対してそ
れぞれ必要になる。

さらに、２つの台車は別々に移動するものであり、常に
相接しているものではないから、たとえば一方の台車上
で型交換作業などを行なうときに必ずしも他方の台車の
上面を作業スペースとして利用できるとは限らない。

この考案は、上記の実情に鑑みてなされたものであって
、比較的構造が簡単で、型の交換を短時間で行なうこと
ができ、しかも比較的大きい作業スペースを確保できろ
プレスにおける型交換装置を提供することを目的とする
。

この考案による型交換装置は、プレスの前方の床に形成
された横方向に伸びる方形状の凹所と、凹所とプレスの
間の床に設けられた縦方向レールを備えた縦方向走行路
と、凹所内に設けられた横方向レールを備えた横方向走
行路と横方向走行路のレール上を移動しうるように凹所
内に縦方向にほとんど隙間なくはめ入れられ、かつ上面
全体が床とほぼ同じ高さの平面に形成されるとともに、
この平面上に縦方向走行路レールに接続されうる縦方向
レールを備えた２つのボルスタ台車積載部が横方向に並
んで設けられた１つの方形状の横送り台車と、縦方向走
行路および積載部のレール上ヲ移動しつる２つのボルス
タ台車とを備えているものである。

以下図面を参照してこの考案の実施例を説明する。

なお、この明細書において縦方向および横方向は、それ
ぞれ、第１図におけろ上下方向および左右方向をいうも
のとする。

型交換装置は、プレス１の前方の床６に形成された横方
向に伸びろ方形状の凹所Ｔと、凹所Ｉとプレス１の間の
床６に設けられた水平な縦方向走行路３と、凹所７内に
設けられた水平な横方向走行路２と、横方向走行路２上
を移動する１つの方形状の横送り台車４と、２つのボル
スタ台車５とを備えている。

横方向走行路２は、一対の横方向レール８を備えている
。

縦方向走行路３は、床６面とほぼ同じ高さにある一対の
縦方向レール９を備えており、このレール９は横方向走
行路２の一側からプレス１内に達している。

横送り台車４は横方向レール８に案内される車輪１０を
有し、凹所１内に縦方向にほとんど隙間なくはめ入れら
れている。

この台車４の上面全体が床６とほぼ同じ高さの水平面に
形成され、この水平面上に２つのボルスタ台車積載部１
１が形成されている。

２つの積載部１１は台車４の移動方向すなわち横方向に
沿って並んで配置されており、各積載部１１に縦方向走
行路３のレール９と平行な一対の縦方向レール１２が設
けられている。

このレール１２の高さおよび相互間距離は、縦方向走行
路３のレール９の高さおよび相互間距離と相等しい。

また、横方向走行路２は、横送り台車４が積載部１１の
相互間隔分だけ横方向に走行できる距離を有する。

ボルスタ台車５は縦方向走行路３および積載部１１の縦
方向レール９，１２に案内されろ車輪（図示時）を備え
、その上面にボルスタ１４が取付けられている。

そして、このボルスタ１４に図示しない型が取付けられ
る。

上記のように、縦方向走行路３および横送り台車４の積
載部１１の縦方向レール９，１２が互（・に同じ高さに
あるので、横送り台車４を移動させてそのレール１２を
縦方向走行路３のレール９に一致させることにより、２
つのレール９，１２間、すなわち縦方向走行路３と積載
部１１との間でボルスタ台車５の移し替えを行なうこと
ができる。

プレス作業中は、一方のボルスタ台車５はプレス１内に
固定されており、他のボルスタ台車５は横送り台車４の
一方の積載部１１に載せられている。

そして、プレス作業中に、横送り台車４上にあるボルス
タ台車５のボルスタ１４に次の作業に使用する型が取付
けられる。

このとき、横送り台車４が凹所１内に縦方向にほとんど
隙間な（はめ入れられ、かつその上面全体が床６とほぼ
同じ高さの水平面に形成されているから、横送り台車４
の上面を床６面と同様に作業スペースとして有効に利用
することができ、しかもこの１つの横送り台車４の上面
に２つのボルスタ台車積載部１１が並んで設けられてい
るので、一方の積載部１１で型交換作業を行なうときに
常に他方の積載部１１を作業スペースとして利用するこ
とができる。

プレス作業終了後あるいはそれ以前（Ｃ、ボルスタ台車
５が載せられていない積載部１１のレール１２が縦方向
走行路３のレール９と一致するように横送り台車４を位
置決めしておき、プレス作業終了後、プレス１内の作業
が終了した型が取付けられたボルスタ台車５をプレス１
前方に引出して、縦方向走行路３のレール９から横送り
台車４のレール１２に移し替える。

次に、横送り台車４を移動させて、作業が終了した型が
取付けられているボルスタ台車５を左方または右方に移
動させると同時に、次の作業に使用する型が取付けられ
ているボルスタ台車５を載せている積載部１１のレール
１２を縦方向走行路３のレール９に一致させ、このボル
スタ台車５をプレス１の方向に移動させて縦方向走行路
３のレール９に移し替え、さらにプレス１内に移動して
固定する。

これにより、次のプレス作業を開始することができ、そ
の作業中に、横送り台車４に移されたボルスタ台車５上
の型を取替えることができる。

この考案の型交換装置によれば、上述のように、ボルス
タ台車５と横送り台車４の移動により型の交換の短時間
で行なうことができる。

そして、１つの横送り台車４に２つのボルスタ台車積載
部１１が設けられているので、この横送り台車４を移動
させるだけで、作業が終了した型が取付けられているボ
ルスタ台車５を載せたボルスタ台車積載部１１をプレス
１の前方から左方または右方に移動すると同時に、次の
作業に使用する型が取付けられたボルスタ台車５を載せ
たボルスタ台車積載部１１をプレス１の前方に移動する
ことができ、２つの台車を使用した前記従来の装置のよ
うな台車移動時の時間のロスがない。

また、横送り台車４を１つだけ使用しているので、台車
４の駆動装置が１組ですみ、２つの台車の連動制御装置
や従来のような２つの台車の衝突を防止するための安全
装置が不要であり、従来のように２つの台車を使用する
場合に比べて台車停止用および減速用のリミットスイッ
チなどのスイッチ類が少なくてすみ、その結果、台車を
２台使用する従来の装置に比べて装置全体の構造が簡単
になる。

さらに、横送り台車４が凹所７内に縦方向にほとんど隙
間なくはめ入れられ、かつその上面全体が床６とほぼ同
じ高さの平面に形成されているから、横送り台車４の上
面を床６面と同様に作業スペースとして有効に利用する
ことができ、その結果、プレス１の前方に比較的大きい
作業スペースを確保することができる。

しかもこの１つの横送り台車４の上面に２つのボルスタ
台車積載部１１が並んで設けられているので、たとえば
一方の積載部１１で型交換作業などを行なうときに常に
他方の積載部１１を作業スペースとして利用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は平面図、第２
図および第３図はそれぞれ第１図■−■線および■−■
線の断面図である。 １・・・・・・プレス、２・・・・・・横方向走行路、
３・・・・・・縦方向走行路、４・・・・・・横送り台
車、５・・・・・・ボルスタ台車、６・・・・・・床、
１・・・・・・凹所、８・・・・・・横方向レール、９
，１２・・・・・・縦方向レール １１・・・・・・ボ
ルスタ台車積載部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス１の前方の床６に形成された横方向に伸びる方形
   状の凹所Ｔと、凹所Ｔとプレス１の間の床６に設けられ
   た縦方向レール９を備えた縦方向走行路３と、凹所Ｔ内
   に設けられた横方向レール８を備えた横方向走行路２と
   、横方向走行路２のレール８上を移動しうるように凹所
   γ内に縦方向にほとんど隙間な（はめ入れられ、かつ上
   面全体が床６とほぼ同じ高さの平面に形成されるととも
   に、この平面上に縦方向走行路３のレール９に接続され
   つる縦方向レール１２を備えた２つのボルスタ台車積載
   部１１が横方向に並んで設けられた１つの方形状の横送
   り台車４と、縦方向走行路３および積載部１１のレール
   ９，１２上を移動し５る２つのボルスタ台車５とを備え
   ている、プレスにおげろ型交換装置。