JPS5844392Y2 - 時計の時刻修正機構

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【考案の詳細な説明】本考案は時計の時刻修正機構の改良に関し、特に自動組
立を簡易となし、さらに時刻修正時におげろ針合せ軸の
移動ストロークを短く設定できる時計を提供することを
目的とする。

従来、時計の時刻修正機構は、針合せ軸に固着した針合
せカナを日の裏車等の時刻修正輪列と噛合させ、該輪列
を適位回転させることにより行なわれていた。

この場合、針合せカナの軸支は針合せ軸を地板にて軸支
することにより果たされていた。

また針合せカナは付加トルクの問題から常時は、時刻修
正輪列とは非噛合とし、必要時のみ噛合状態とする必要
から、針合せ軸を弾性的に移動可能なように保持する必
要があった。

このためには通常コイルバネ、板バネが用いられ、輪列
組法を複雑としてＬま２・、かつ針合せ軸の軸支が上下
の地板を組込んだ後でなげれば果たせないことを意味し
ている。

このことは時刻修正機構を含めた輪列の自動組立を事実
上不能とし、製作工程の簡易化に対して犬なる問題を生
じていた。

また、針合せ軸における、針合せカナと時刻修正輪列と
の噛合、非噛合状態を可能とするための移動ストローク
は最低でも該修正輪列の歯厚（通常日の裏車の歯厚）よ
り犬なるストロークを必要とし、時計ムーブメントの厚
さの設定においてマイナスの要因を与えていた。

本考案は、従来の問題を解決したものであり、従来の時
刻修正機構を作業性、移動ストロークの面にて改良した
ものである。

本考案の特徴とするところは、針合せ軸と針合せカナと
を独立動作可能に別体にて構成し、かつ針合せカナは地
板にて軸支するものであって、全輪列の自動組立を可能
とし、さらに針合せ時の移動ストロークを小さくできる
時刻修正機構を提供するものである。

以下、図面に基づき詳細に説明する。

第１図には本考案実施例の要部輪列断面図が示されてい
る。

各輪列は上板２、中板４、下板６にて軸支されている。

針合せカナ２０は下板６から突出した突部１０及び凸部
１２が該カナ２０の凹部２２と対応することにより下板
６に軸支され、かつ上板２から突出した突部８の中空内
径面と該カナ２０の筒部２６の外径面とが対応すること
により上板２に軸支される。

ここにおいて、針合せカナ２０は下板６のみにおいても
軸支は果たされ、自動組立を可能とした構造となってい
る。

また針合せカナ２０には、かさ歯車２４が成形され、針
合せ軸３０が復帰バネ４０に抗して押込まれたときには
、該軸３０の先端に設けられたかさ歯車３２と噛合する
。

この状態にてツマミ３６を適位回転させれば、その回転
は針合せカナ２０を介して日の裏車５０を回転させ、最
終的に分針バイブロ０及び時針車７０（時針パイプ）を
適位回転させることができる。

。復帰バネ４０は第２図の平面図に示すようにその
構造は該針合せ軸３０の上部に設けた小径部３４と対応
する孔４２と該孔４２と連結したスリット４４及び固定
のためのネジ孔４６から成っている。

したがって、針合せ軸３０と復帰バネ４０との連結工程
は単に該バネ４０のスリット４４を通過させ、孔４２と
該軸３０の小径部３４を対応させるだけでよく、これは
組込の簡易性及び組込後の部品交換の簡易性の両崩の効
果を狙った構造となっている。

一方、針合せカナ２０の軸支構造に関して、実施例にお
いては上板２の突部８、及び下板６の突部１０により軸
支を果しているが、このうち上板２の突部８における軸
支をしないで、かわりに針合せ軸３０の外径面にて軸支
する構造も効果がある。

また従来において問題となっていた針合せ時の移動スト
ロークの点に関しては、かさ歯車を用いる構造もあった
が、その為には針合せカナは日の裏車とは直接脣合させ
ず、その間にかさ歯車使用可能な別輪列を介在させる必
要があり、スペース面、及びコスト面にて実施ができな
かった。

それに比べて本考案では実施例のごとく針合せカナ２０
と日の裏車５０とを直接噛合させた状態にて、かさ歯車
２４．３２を用いることができ、針合せ時の移動ストロ
ーオを従来のものより短く設定することが可能である。

以上、本考案は、自動組立に係る製作工程函、総合的に
スペース面、コスト面を改良した新規な時計の時刻修正
機構を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す要部輪列断面図、第２図は
復帰バネのみの平面図。２・・・・・・上板、６・・・・・・下板、８，１０・
・・・・・突部、２０・・・・・・針合せカナ、３０・
・・・・・針合せ軸。

【実用新案登録請求の範囲】