JPS584434B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は誘導加熱調理器、特にその適性負荷検出部に関
するもので、その目的とするところは加熱コイルの上方
に包丁やナイフ等の小物負荷をおいだ時にこれらの小物
負荷が加熱されて火傷をするのを防止することと、同小
物負荷検知を確実に行って上記火傷防止動作を確実に行
うことにある。

誘導加熱調理器では加熱コイルの上方に鍋等の容器をお
き、うず電流損によってこの容器自体を発熱させて調理
を行うようになっている。

この場合、導電性のものであればほとんどのものほうず
電流損がおきて自己発熱してしまい、これを知らない使
用者が加熱コイルの上方に包丁やナイフ等の小物負荷を
おいた時には当然それらも加熱されてしまい、この結果
この加熱を知らない使用者に火傷を負わせてしまう恐れ
がある。

そこで本発明は加熱コイルに流れる電流の位相と同加熱
コイルに加わる電圧の位相とを比較し、この位相差によ
り小物負荷とそれ以外の負荷を区別し、これにより上記
従来の欠点を解消して初期の目的を達成しようとするも
のである。

以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

第１図において、１は交流電源で、この交流電源１から
交流電圧は次段の全波整流器２、平滑コンデンサ３、平
滑コイル４で直流電圧となる。

そして、この直流電圧はコイレ５とコンデンサ６とによ
り構成されたＬＣ共振器に加えられるが、その共振周波
数は次のようにして決定される。

つま９、ダイオード７と並列接続されたサイリスタ８の
ゲートに加えられるゲート回路９からのゲート信号同期
によって決定されるのである。

そして、このゲート信号によって決定される共振周波数
は次にコンデンサ１０と、出力調整用の可変コイル１１
と、加熱コイル１２とによシ構成されたフィルタ回路に
より高周波の正弦波どなる。

また、これと同時に加熱コイル１２には当然高周波の正
弦波が加わり、これにより鍋等の負荷１３にうず電流損
がおきて自己発熱が行われる。

この場合、加熱ゴイル１２に流れる電流の位相は変流器
１４を介して電流位相検出千段１５で検出され、また加
熱コイル１２に加わる電圧の位相は電圧位相検出千段１
６で検出される。

そして、この電流位相と電圧位相との位相差は次の位相
差検出手段１７で検出され、この位相差によってランプ
１８が点滅するようになっている，つまり、上記位相差
によって負荷１３が小物であるか、あるいは鍋等である
かを判断し、小物である場合にはランプ１８を点滅させ
て使用者に危険を知らせるものであり、次にこれを第２
図を用いて具体的に説明する。

つまり、第２図イは負荷１３として鋳鉄鍋を用いた場合
における加熱コイノ１２に流れる電流波形■と同加熱コ
イル１２に加わる電圧波形Ｖを示している。

また、同図口は負荷として包丁を用いた場合における加
熱コイル１２に流れる電流波形■と同加熱コイル１２に
加わる電圧波形■を示している。

この場合イ，口から明らかなようにイの場合は位相差Ｔ
１は約２／５πｒａｄであるが、口の場合の位相差Ｔ２
は約５／２ｒａｄとなり、両者の位相差が異なることが
わかる。

この理由としては次のことが上げられる。

加熱コイルの等価インピーダンスＺは、Ｚ＝Ｒ＋ｊωＬ
で表わされる。

担し、Ｒは等価抵抗、Ｌは等価インダクタンスである。

この等価インピーダンスは、加熱コイルに対向して置か
れた負荷と相関があり、負荷の材質及び大きさが大きな
決定要因である。

なぜならば加熱コイルにより発生された磁束が、負荷に
供給され、その結果負荷にうず電流が流れ反磁束が発生
する。

ゆえに加熱コイルの等価インピーダンスは、負荷のうず
電流により単体の場合より変化する。

特に等価抵抗分に影響を及ぼすが、これは電磁気の基本
的性質であり詳細な説明は省く。

そしてこの変化量は加熱コイルから発生した磁束を負荷
に供給する量によりかわるのは明白である。

そこで、鍋のように太きな面積を有する負荷の場合には
加熱コイルより発生じた磁束は殆んどが負荷に供給され
るので等価抵抗は大きくなる。

又、ナイフや包丁の様な小物（形状が鍋に比して小さい
）の場合は、発生した磁束の一部しか負荷に供給されな
いので、加熱コイルの等価抵抗の変化は小さくなる。

そこで、等価抵抗の変化を検出し、小物負荷を検出する
ことが可能になり、その実験結果は第２図に示す通りで
ある。

そして、このような明らかな位相差によって位相差検出
手段１７は負荷１３が小物負荷か大物負荷であるかを判
断する。

そして、この判断によつて小物負荷であるとなれば上述
のごとくランプ１８を点滅させて使用者に危険を知らせ
るのである。

なお、上記第２図口の場合の交流電源１は１００Ｖで、
その消費電力は抵抗分が増加した分高くなって１３００
Ｗとなった。

また、上記実施例では小物負荷の場合にランプ１８を点
滅させたが、ゲート回路９からのゲート信号を停止させ
る等して加熱コイル１２への通電を断っても良い。

以上のように本発明は加熱コイル上に包丁やナイフ等の
小物負荷がおかれた時にはそれを適性負荷検出手段で検
出し、これにより使用者に危険を知らせたり、まだは加
熱コイルへの通電を断ったりするものである。

このため、小物負荷が加熱されてこれに使用者の手が触
れて火傷等をおこす恐れがなくなる。

まだ、本発明によれば加熱コイルに流れる電流位相と、
同加熱コイルに加わる電圧位相とを直接比較する。

このため、電源電圧の変動や出力調整等の外部要因とは
無関係に適性負荷検出を行うことができ、この結果上記
火傷防止動作が確実に行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかる誘導加熱調理器の電
気回路図、第２図イ，口は同調理器の動作を説明するだ
めの波形図である。 １２・・・加熱コイル、１３・・・負荷、１５・・・電
流位相検出手段、１６・・・電圧位相検出手段、１７・
・・位相差検出手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加熱コイルに流れる電流の位相を検出する電流位相
   検出手段と、同加熱コイルに加わる電圧の位相を検出す
   る電圧位相検出手段と、この眠圧位相検出手段で検出し
   た電圧位相と上記電流位相検出手段で検出した電流位相
   との位相差を検出する位相差検出手段とにより構成され
   た適性負荷検出器を備えたことを特徴とする誘導加熱調
   理器。 ２ 上記適性負荷検出器からの出力によりランプを点滅
   させることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   誘導加熱調理器。 ３ 上記適性負荷検出器からの出力により加熱コイルへ
   の通電を断つことを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の誘導加熱調理器。