JPS5842803Y2 - 電子レンジ用熱硬化性樹脂容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱硬化性樹脂容器であって、特に高周波加熱が
行なわれる電子レンジ用容器に係り、詳しくは容器とし
て要求される表面硬度を低下することなく、然も電子レ
ンジ加熱時にクラック発生のない熱硬化性樹脂容器を提
供するものである。

電子レンジは、食品を手軽に加熱出来ることにより、近
年急速に普及して来た。

家庭用は勿論のこと、航空機、列車、ホテル、食堂等の
業務用にも広く利用されつつあり、食品が容器に盛られ
たままで加熱されることが多く、屡々食品の温度上昇に
伴って、容器にクラックが発生する問題が頻発した。

この様なりラック発生を防止するため従来使用されて来
た容器には、耐熱ガラス製容器や、ポリスルフォン、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリエステル等の耐熱性プラ
スチック製容器がある。

然し乍ら耐熱ガラス製容器は、高価である許りでなく重
量が大きいため航空機等輸送機関での使用に致命的欠点
があり、一方前記耐熱性プラスチック製容器は、高価で
あり更に容器として要求される表面硬度に劣る等の問題
もあり、広く使用されるに至らなかった。

本考案は、容器として要求される表面硬度を満足し、且
つ電子レンジ加熱に適した熱硬化性樹脂容器を提供する
ものであり、詳しくはシリカガラスを容器重量当り２０
〜７０％好ましくは４０〜６０％含有し、且つ容器の平
均厚さが０．５〜１．５ｍｍであることを特徴とする電
子レンジ用容器に係るものである。

本考案の電子レンジ用熱硬化性樹脂容器に用いられるシ
リカガラス（硬ガラス）は、特に品質上制限があるもの
ではないが、好ましくはＳｉＯ２戊分８０％以上、特に
好ましくは９０％以上のものが用いられる。

ＳｉＯ２戒分が８０％未満と低過ぎると容器の電子レン
ジ加熱時の耐クラツク性（以下、単に耐クラツク性と略
する）が不十分である。

シリカガラスの形状は、粉末状のものでよく、特に繊維
状であることを要しない。

本考案の電子レンジ用熱硬化性樹脂容器中のシリカガラ
スの含有量は容器の重量当り２０〜７０％、好ましくは
４０〜６０％で゛ある。

２０％以下では耐クラツク性が不十分であり、一方７０
％以上では熱硬化性樹脂成形材料よりの容器の成形加工
が著しく困難となって実用的でない。

尚、本考案の容器においては、シリカガラスの代りに、
又はシリカガラスと共に熱硬化性樹脂用の繊維状補強剤
、例えばαセルローズ、木粉等を含有してもよいが、容
器重量当り２０％を越えると耐クラツク性が低下するの
で好ましくない。

本考案の熱硬化性樹脂容器用の熱硬化性樹脂としては、
例えばメラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、アセトグアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、これらの共縮合樹脂をあげることが出
来るが、耐水性その他の性能を総合してメラミン系樹脂
が好適である。

−古本考案に係る電子レンジ用熱硬化性樹脂容器の厚さ
は、平均で０．５〜１．５ ｍｍが好適である。

０．５ｍｍ未満では、容器としては強度が不十分であり
、又１．５ｍｍを越えて厚すぎて耐クラツク性が低下す
ることが判った。

尚本考案の電子レンジ用熱硬化性樹脂容器には、成形品
の表面に模様をつけるため化粧紙（ホイル）を二次成形
してもよいし、又表面光沢の向上と耐汚染性の向上のた
め透明樹脂層（グレーズ）を有していてもよい。

本考案の樹脂容器用の熱硬化性樹脂成型材料は、熱硬化
性樹脂成型材料中に前記のシリカガラスを所定量含有し
ていれば足り、その調製には特別の制限は無い。

即ち、シリカガラスの配合はニダー等を用いる温式法で
もよく、又乾燥樹脂粉末と混合する所謂乾式法でもよい
。

又熱硬化性樹脂成型材料を熱圧又は加圧トランスファー
成型、射出成型等により容器とする手段もそれ自体でよ
く知られており、本考案品も同様手段で行うことが出来
る。

本考案の熱硬化性樹脂容器とは、固形乃至液状の食物を
盛る器をいうもので、例えば平皿、深皿等の皿類、茶碗
、汁椀等がある。

次ぎに、本考案の実施の一例を示す。

実施例１゜ メラミン樹脂粉末（メラミン対ホルムアルデヒドのモル
比＝１対１．９、縮合度Ｔｃ ＝ ９０℃（樹脂液濃度
は３％水溶液における白濁温度）１００重量部当り、Ｓ
ｉＯ２分９５％のシリカガラス粉末１００重量部、ステ
アリン酸亜鉛０．３重量部、無水フタル酸０．０４重量
部及びチタンホワイト２重量部を十分混合してメラミン
樹脂成型粉を得た。

この戒型粉を用い１図に示す５ｉｎ平皿を金型温度１６
５℃成型圧力２００ ｋｇ／ｃｍ”、硬化時間３分で成
形した。

容器の平均厚さは、１．０２ｍｍであった。

この皿を、入力電源１００■、発振周波数２４５０ Ｍ
止高周波出力６００ Ｗ、消費電力１．２５ＫＷの市販
電子レンジに入れ、スイッチを入れたが、２００秒経過
してもクラックが発生しなかった。

尚、本考案における容器の平均厚さは第１図の重心Ｇを
通る垂直に交叉する任意の三直線上にＧより周縁部まで
の三等分点を定め（第一図Ａ、Ｂ。

Ｃ，Ｄ、Ｒ，Ｓ、Ｔ、Ｕ点）、これらの点とＧ点におけ
る厚さを測定し、これらの厚さの平均値を以って平均厚
さとした。

実施例２゜ 尿素樹脂粉末（Ｆ／Ｕ ＝ １．５） １００重量部に
当りＳｉＯ２成分９５％のシリカガラス粉末を１００重
量部、Ｔ１０２２重量部、その他添加剤を加え、混合し
成形材料を得た。

得られた成形材料を常法により平均肉厚１．Ｑ３ｍｍの
平皿に成形した。

このようにして得られた平皿を、実施例１．と同一条件
で電子レンジ内で加熱したところ、１８０秒でクラック
が発生した。

比較例１゜ 比較のため市販のメラミン樹脂製６ｉｎ平皿（平均厚さ
３ 、０５ ｍｍ）を用い同様に電子レンジで処理した
所、６７秒でクラックが発生した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る熱硬化性樹脂容器の一例として、
６ｉｎ平皿を示した。 第１図Ａは同平面図、第２図Ｂは同断面図を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱硬化性樹脂容器であって、シリカガラス含量が容器重
   量当す２０〜７０％であり、且つ平均厚さが０．５〜１
   ．５ｍｍであることを特徴とする電子レンジ用熱硬化性
   樹脂容器。