JPS5842449B2 - 表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はＸ線照射処理された偏光板を使用した表示装置
に関する。

本発明は偏光板にＸ線を照射することにより偏光板の可
視光領域での光の透過率が変化することをみいだし表示
装置に応用するものである。

現在偏光板は多くの光学的分野で使用されているが偏光
板としてはプラスチックのフィルムを一方向に伸延した
後、適当な処理をほどこしたうすいフィルムをプラスチ
ック、ガラス等でサンドイッチ構造とするなどの方法に
よって作成したものが広く使用されている。

偏光板はディスプレイ装置にも広く使用されているが現
在特に注目されているのは電界効果型の液晶ディスプレ
イへの適用である。

電界効果型の液晶ディスプレイに使用する偏光板の特性
としては一対の偏光板を偏光軸が平行となるようにした
時の光の透過率が高いこと即ち、個々の偏光板の光透過
率が高いこと、及びクロスニコル状態での光透過率が小
さいことが望ましい。

通常使用される偏光板、たとえばポラロイド社のＨＮ３
２、）ｆＮ４２等はニュートラルな偏光板とよばれ無色
に近いが可視光領域での光の波長により若干透過率が異
なるため暗い青〜緑がかった色調を呈しておりこれらの
偏光板を使用した液晶表示器は一対の偏光板の偏光軸が
平行になるようにした時の光の透過率が３０〜４０％程
度であることも関連して、外観を暗くしている。

ところが本発明はこれら通常使用されている偏光板にＸ
線を照射することにより、短波長側の光透過特性はあま
り変化させることなく、長波長側の光透過率を高（する
ことができることを見いだしたものである。

Ｘ線を偏光板に照射した場合の偏光板の外観はＸ線照射
前は暗い青〜緑がかった色であったものが淡橙色となる
。

このためこの偏光板をクロスニコルの状態にした場合光
の透過率が若干増し、赤色領域の波長の光透過度が増す
ようになるため液晶表示器の偏光板として使用した場合
のコントラセトは非常に良かった。

次に本発明の実施例を示す。

偏光板としてポロライド社のニュートラルな偏光板ＨＮ
４２を使用しこれにＸ線を照射した。

Ｘ線源のＸ線発生条件はタングステンをターゲットとし
電源電圧４０に■、電流３０ ｍＡであった。

この方法により第１図に示すように照射時間を増すにし
たがって５００ｍμ以上の波長での偏光板の光の透過率
が増した。

第１図においてＡはＸｉ照射をしない偏光板の波長−光
透過率の関係、ＢはＸ線を前記条件で２０分間照射した
偏光板の特性、ＣはＸ線を３０分間照射した偏光板の特
性である。

この図から明らかなようにＸ線を照射する時間が長くな
るにしたがい短波長側での光透過特性を変化させずに長
波長側での光透過率を増すようにすることができた。

一方通常使用される着色したいわゆるカラー偏光板、た
とえば赤色の偏光板では第２図に示すような光の透過特
性を有しているため可視光での短波長側の光の吸収が本
発明の処理による偏光板に比較して大きいためコントラ
ストの良い表示器を作成することが困難である。

次に本発明で示される偏光板を使用した液晶表示器の例
を第３図に示す。

液晶を使用した表示器においていわゆるねじれネマチイ
ツク構造の電界効果型の液晶表示器においては偏光板の
使用は不可欠であるが本発明による偏光板を使用する場
合には一対の偏光板のうち少なくとも一枚の偏光板に適
用すれば明るい非常に見やすい表示器またはカラー表示
の可能な表示器を作成することができる。

第３図において液晶セル３は偏光板１，２の間におかれ
液晶セル３は電圧の印加されない状態で光を９０°旋光
させる働きをもつ。

４は光の反射板である。

通常偏光板１，２は観察者６にみえる光の量が最大とな
るように相互の偏光軸が直交するように配置され液晶セ
ル３は数字、文字等を表示させるための電源５により駆
動されこの際電圧印加部分の液晶層は旋光性を変化させ
る。

このような表示器に本発明の偏光板を使用した場合たと
えば第３図において偏光板１にニュートラルな偏光板ポ
ラロイド社のＨＮ４２を使用し偏光板２にこれにＸ線を
照射した偏光板を使用した場合にはほぼ無色に近い素地
面に赤黒色の表示を行うことができ、また、偏光板１に
Ｘ線を照射した偏光板を用い偏光板２をニュートラルな
偏光板とした場合にはほぼ無色に近い素地面に赤褐色の
表示を行う事ができる。

また、どちらもＸ線を照射した偏光板を使用した場合に
はほぼ無色の素地面に淡赤橙色で表示を行うことができ
た。

更に本発明によれば偏光板を鉛筆で部分的にマスクする
ことにより、部分的にＸ線を照射した偏光板を作成する
ことができる。

この結果として部分的に波長−光透過率特性が異なる偏
光板を作成することができるためこのような偏光板を液
晶表示器に使用すれば更に変化に富んだ表示器を作成す
ることができる。

以上述べたように本発明によればニュートラルな偏光板
をその短波長側の光透過率をＸ線を照射することにより
高（することができ、この光の透過率の変化は照射時間
を変化させることにより変えることができる。

また本発明によればニュートラルな偏光板の可視光領域
での光透過率を上昇させることができるため、液晶パネ
ルに使用した場合外観が明るくしかもコントラストの良
い液晶表示器をつくることができる。

また液晶表示器に使用する場合長波長側の透過率を高く
することができるため赤、橙等のカラー表示を可能とす
るものであり、偏光板の光学的分野又は表示器での応用
面を更に拡大するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の効果を示すための、偏光板にＸ線を照
射した場合としない場合の光の波長と透過率の関係を示
す図、第２図は通常使用される赤色の偏光板の光の波長
と透過率の関係を示す図、第３図は本発明による偏光板
を使用した液晶表示器の断面図である。 １．２・・・・・・偏光板、３・・・・・・液晶セル、
４・・・・・・光反射板、５・・・・・・電源、６・・
・・・・観察者。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 偏光板の一部もしくは全体にＸ線を照射し、Ｘ線照
   射部分に光学的な変化を生じさせる処理をほどこした偏
   光板を用いた事を特徴とする表示装置。 ２ 液晶を用いたことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の表示装置。