JPS5841299Y2 - 小屋組トラスと隅棟梁の結合装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鉄骨系プレハブ住宅における小屋組トラスに
対して、２本の直角な方向の隅棟梁のそれぞれを斜交状
に結合する装置の改良に関するものである。

従来、鉄骨系プレハブ住宅の寄棟小屋組みを架構するさ
い、小屋組トラスの上に隅棟梁を斜交させて結合すると
共に、同Ｉ・ラス上の前記梁との結合部にもう１つの隅
棟梁を、前記梁に対し直角な方向にかつ小屋組Ｉ・ラス
に対し斜交する方向となるよう結合する場合があるが、
この場合、現場施工で、かかる２本の隅棟梁および小屋
組トラスの部材相互を上記した所要方向に正確に結合す
ることは容易ならず、また、これら部材相互の結合にあ
たってはそれぞれ個別のピースが用いられるため、結合
ピースおよびボルト点数を多く要し、又施工工数が増大
するという難点があった。

本考案は従来の上記欠点を改善し、２つの隅棟梁が直角
の方向にかつその同梁が小屋組トラスの上に対しそれぞ
れ斜交する方向になるようにそれら部材相互を結合する
現場施工が簡易に行なわれ、またボルト結合個所および
施工工数の減少を図ることのできる小屋組トラスと隅棟
梁の結合装置を提供しようとするものであり、その特徴
とするところは、平面り形に形成した継手ピースの両辺
にそれぞれ平面山形の梁結合部を、該山形の両辺が威す
角の二等分線が互いに直交するように備えた継手ピース
を構成し、該継手ピースの各梁結合部に、２本の隅棟梁
の各下面に前記梁結合部の山形と合致する平面山形に形
成され該山形の両辺が隅棟梁中心線に関し対称位置とな
るように下向きに突設した結合ピースをそれぞれ重合固
定し、小屋組トラスの上に該トラス長手方向に対し直交
する方向となるよう立設した結合ピースの垂直板部に、
前記継手ピースの一辺上の梁結合部と隅棟梁の結合ピー
スとの重合部を平行に重合固定した点にある。

以下、図示する実施例に基づき本考案を詳述する。

第１図は鉄骨系プレハブ住宅の寄棟小屋組の１例を示す
伏せ図であり、同図において、１および２は互いに平行
に配した鋼製の小屋組トラスで、そのうち１は台形に構
成した小屋組トラス、２は三角形の小屋組トラスである
。

３は各出隅棟を構成する鋼製の隅棟梁、４は大隅棟を構
成する鋼製の隅棟梁、５は各屋根棟を構成する鋼製の横
梁、６は外壁パネル、７は小屋組みをより堅固にするた
めの鋼製の補足梁、８は母屋である。

本考案は第１図中１．Ａ部における２本の直角な方向の
隅棟梁４゜９と、この同梁がそれぞれ斜交する小屋組ト
ラス１との結合部の構造に関するものであり、この詳細
な構造は第２，３図に示される。

同図において、１０は継手ピースで、これは帯形状の鋼
板を直角に折曲げて平面り形に形成した継手本体１１と
そのＬ形の一辺１１ ａと他辺１１ ｂの各端に備えた
平面山形の梁結合部１２．１３とから成り、平面山形の
梁結合部１２と１３は該山形の両辺が威す角の各二等分
線Ｂ、Ｂが直交するように形成される。

第２，３図においてその一辺１１ ａ上の平面山形梁結
合部１２は該辺１１ ａの端１１ Ｃを外向きに直角に
折曲げることにより形成され、他辺１１ ｂ上の平面山
形梁結合部１３は該辺１１ ｂの中途部に、別体の補足
板１４を前記外向き端に対し直角な方向となるように溶
接により外向きに突設することにより形成されている。

また第４図に示すように、その一辺１１ ｂの端１１
ｄを外向きに直角に折曲げて平面山形梁結合部１３を形
成し、他辺１１ ａの端１１ Ｃを内向きに直角に折曲
げて平面山形梁結合部１２を形成してもよい。

１５は小屋組トラス１の上に取付けた鋼板製の結合ピー
スで、これは水平板部１６と、該水平板部１６に直角に
起立させた垂直板部１７とから戒って、垂直板部１７が
トラス長手方向に対し直交するように水平板部１６が小
屋組トラス１の上に重合され、この重合部をボルト１８
で締結しである。

１９は隅棟梁４，９の各下面に取付けた鋼板製の結合ピ
ースで、このピース１９は前記梁結合部１２．１３の山
形と合致する平面山形に形成され、その山形の両辺１９
ａ、１９ｂが隅棟梁中心線Ｓに関し対称位置となるよう
に、隅棟梁４，９の各下面にそれぞれ下向きに溶接によ
り立設されている。

而して、継手ピース１０の一辺１１ ａの平面山形梁結
合部１２に隅棟梁９の平面山形結合ピース１９を、これ
ら各山形の両辺がそれぞれ平行になるように重わ合すと
共に、この重合部をボルト２０で固定し又、他辺１１
ｂの平面山形梁結合部１３にもう１つの隅棟梁４の平面
山形結合ピース１９を同様に重合すると共にこの重合部
をボルト２１で個定すれば、継手ピース１０の両辺１１
ａ、１１ ｂの梁結合部１２．１３の各二等分線Ｂと
各隅棟梁４，９の各中心線Ｓとが一致し、同梁４，９は
直角な方向になるよう結合されるのである。

また、かかる継手ピース１０の一辺１１ ａ上の梁結合
部１２と隅棟梁９の結合ピース１９との重合部を、小屋
組トラス１の結合ピース１５の垂直板部１７に平行に重
合し、この重合部を前記ボルト２０を共用して固定すれ
ば、同梁４．９はそれぞれ小屋組トラス１の上に対し斜
交する方向に同時に結合されるのである。

このように現場作業では、２本の隅棟梁４，９の各下面
にもつ平面山形結合ピース１９を、継手ピース１０の両
端の各平面山形梁結合部１２．１３にそれぞれ重合させ
るだけの簡単な作業でもって、２本の隅棟梁４，９を直
角な方向に正確に配設することができ、また、この同梁
４，９の小屋組トラス１に対する結合にさいしては継手
ピース１０の一辺上の梁結合部１２とこれに重合した隅
棟梁９の結合ピース１９とを、トラス１上の結合ピース
１５の垂直板部１７に結合するのみでもって足りるので
ある。

従来は一方の隅棟梁４と小屋組トラス１とを継手ピース
で結合し、また他方の隅棟梁９と同トラス１とは前記継
手ピースとは別体の継手ピースを用いて結合し、同梁４
，９はそれぞれ個別にトラス１に対し結合しているため
、同梁４，９の正確な直角位置合せが困難とされ、また
、継手ピースが二個用いられることから、必然的に該継
手ピースに付帯する小屋組トラス側の結合ピース点数、
およびボルト結合個所が多くなり、現場作業能率の低下
の原因となっていたのであるが、本考案では単に一種の
継手ピース１０、および結合ピース１９，１９の組合せ
によって同梁４，９を直角方向にきわめて簡易に結合す
ることができるのであり、しかも、唯一つの継手ピース
１０を用いること、又この継手ピース１０は小屋組トラ
ス１側の１つの結合ピース１５に結合するだけであるこ
と、さらに又かかる継手ピース１０のトラス側結合ピー
ス１５に対する結合は、該トラス側結合ピース１５に継
手ピース１０の一辺１１ ａのみの梁結合部１２とこれ
に重合した梁９の結合ピース１９との重合部を合致させ
て結合すること、とによって、ボルト結合個所は全体的
に著しく減少され、結合作業はきわめて簡単かつ能率的
に行なうことができる。

なお、小屋組トラ又は台形のほかに、三角形であっても
同様に実施することができる。

以上のように本考案によれば、小屋組トラスと、該トラ
スの上に斜交状に結合される隅棟梁と、前記トラスに対
し斜交する方向にかつ前記隅棟梁に対し直角な方向とな
るようにそれらトラスと梁の結合部に結合されるもう１
つの隅棟梁の、現場における結合作業が極めて合理的に
能率よく行ないうるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は鉄骨系プレハブ住宅の寄棟小屋組みの１一例を
示す伏せ図、第２図は本考案の一実施例を示す平面図、
第３図は側面図、第４図は他の実施例図である。 １０・・・・・・継手ピース、１２．１３・・・・・・
梁結合部、４，９・・・・・・隅棟梁、１９．１５・・
・・・・結合ピース、１・・・・・・小屋組トラス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 平面り形に形成した継手本体１１の両辺１１ａ。 １１ ｂにそれぞれ平面山形の梁結合部１２．１３を、
   該山形の両辺が威す角の各二等分線Ｂが互いに直交する
   ように、備えた継手ピース１０を構成し、該継手ピース
   １０の各梁結合部１２．１３に、２本の隅棟梁４．９の
   各下面に前記梁結合部１９の山形と合致する平面山形に
   形成され該山形の両辺が隅棟梁中心線Ｓに関し対称位置
   となるように下向きに立設した結合ピース１９をそれぞ
   れ重合固定し、小屋組トラス１の上に該トラス長手方向
   に対し直交する方向となるよう立設した結合ピース１５
   の垂直板部１７に、前記継手ピース１０の一辺１１ ａ
   上の梁結合部１２と隅棟梁９の結合ピース１９との重合
   部を平行に重合固定したことを特徴とする小屋組トラス
   と隅棟梁の結合装置。