JPS5840284Y2 - 空燃比制御装置付気化器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は別系統のスロー系と、摺動弁とを有する気化器
において、セツティングによってスロー系の燃料流量の
負担率を変え、必要な空燃比の制御量をスロー系に負担
させるようにした空燃比制御装置付気化器に関するもの
で、排気ガス試験モードで使用される範囲の空燃比制御
を、メーン系を制御することなく、スロー系のみで簡易
に行ない得られるこの種装置付気化器の提供を目的とし
ている。

排気ガス中の有害成分を低減させるために還元触媒を使
用する内燃機関において、温度変化等による空燃比の変
化を酸素０２センサにより検出してその信号をコンピュ
ータに入れ、メーンエアー等を制御する方法は知られて
いる。

しかしメーン系を制御することはその影響が全域に及ぶ
ので好ましくない。

一方排気ガス中の有害成分は高開度側では少く、低開度
側で多く、しかも低開度側は市街地走行に用いられるの
で、この開度域の有害ガスの低減が特に必要であり、排
気ガス試験もこの領域で種々のモードにより行なわれて
いる。

本考案は上記の点に鑑み、別系統のスロー系と、摺動弁
とを有する気化器において、セツティングによってスロ
ー系の燃料流量の負担率を変え、必要な空燃比の制御量
をスロー系に負担させるようにした、そのスロー系の混
合気通路に、入力電流に対して開度が比例的に変化し、
入力断で、全閉となる電磁弁を設け、この電磁弁を、始
動、時はイグニッションキースイッチをＯＮすると同時
に余聞し、暖機後は排気ガス濃度センサの信号にキ、つ
て作動するコンピュータによりその開度を制御し、かつ
減速時は全閉するようにしたもので、排気ガス試験モー
ドゾーンの空燃比制御をスロー系のみで行ない得られる
点が特色である。

進んで本考案の実施例を図面について説明すると第１図
において、１は気化器本体、２はボアー３はベンチュリ
ー、４はスロットルバルブ、５は浮子室、６は摺動弁、
７は摺動弁６の上端に取付けたメンブレン、８は負圧室
、９は摺動弁６の復帰ばね、１０は摺動弁６と一体とな
って昇降するジェットニードル、１１はジェットニード
ル１０と挿合するニードルジェット、１２はメーン燃料
ジェット、１３はメーンエアー通路、１４は別系統に設
けられたスロー系の混合気通路、１５はスロー燃料ジェ
ット、１６はスローエアー通路、１７はバイパス孔、１
８はアイドル孔で、以上は別系統と摺動弁とを有する気
化器である。

本考案は上記のような気化器に釦いて、スロー系の燃料
流量負担率をセツティングにより変え、必要な空燃比の
制御量をスロー系に負担させるようにした、そのスロー
系の混合気通路１４に、入力電流に対して開度が比例的
に変化し、入力断て全閉となる電磁弁１９を設け、この
電磁弁１９を、減速時にのみＯＦＦとなる減速スイッチ
２０と温度によって切換る温度スイッチ２１およびイグ
ニションキースイッチ２２を介して暖機時電源２３に連
なり、排気ガス濃度センサ２４の信号によって作動し、
上記電磁弁の開度を制御して低開度側の空燃比を適正な
らしめるコンピュータ２５と、始動時、上記温度スイッ
チを介して電源２３に連なる回路とに接続したものであ
る。

第２図は要求される燃料流量に対するメーン系とスロー
系の燃料負担率を示す線図で、ａは要求される燃料流量
曲線、ｂはメーン系の燃料流量曲線、Ｃはスロー系の燃
料流量曲線である。

このようにアイドルを含めた低開度側で、メーン系の燃
料流量を抑えてスロー系の燃料負担率を高めると、スロ
ー系をカットすることによってかなり大巾な空燃比の制
御が可能となるのである。

実施例に示す上記気化器は負圧式であるため、摺動弁６
に低開度側で、一定開度を保持せしめてメーン系燃料の
流出量を抑え、上記曲線すに乗る流量を得ているが摺動
絞弁式気化器の場合はニードルジェット１１と挿合する
ジェットニードル１０のセツティングにより上記曲線す
に乗る流量を得ることができる。

上記の如く構成した本考案の気化器において、機関の停
止時はイグニションキースイッチ２２がＯＦＦとなって
いるのでコンピュータ２５４電磁弁１９も共に作動せず
、電磁弁は全閉でスロー系の混合気通路１４の燃料はカ
ットされている。

この状態で、始動時キースイッチ２２をＯＮにすると、
冷機状態で温度スイッチ２１が低温側、すなわち、電磁
弁１９を直接電源に連ねる側に切換っているので、電磁
弁１９は作動して開となり、スロー系の燃料はアイドル
孔１８を通じて機関に供給される。

かくして機関が始動し、やがて暖機すると温度スイッチ
２０はコンピュータ側に切換わり、以後電磁弁１９は排
気ガス濃度センサの信号によって作動するコンピュータ
２５の出力により適正な空燃比となるようその開度を制
御されるのである。

この状態は機関の運転中継続されるが機関が急減速され
ると減速スイッチ２０がＯＦＦとなることによってコン
ピュータ２５は電源を断たれて無出力となり、同時に電
磁弁１９は全閉となってスロー系の燃料をカットする。

これは減速時スロットルバルブ４が全閉されると吸入管
負圧が高まるので、スロー系から余分な燃料がアイドル
孔１８を通じて吸出されるのを防ぐためである。

本考案は前述のように別系統のスロー系と、摺動弁とを
有する気化器において、セツティングによりスロー系の
燃料流量の負担率を変え、必要な空燃比の制御量をスロ
ー系に負担させ、かつこのスロー系を排気ガス濃度セン
サの信号により作動するコンピュータを介して電磁弁に
より制御するようにしたので、排気ガス試験モードで使
用される低開度側の空燃比の制御をメーン系を制御する
ことなく、スロー系のみで簡易に行なうことができるば
かりでなく減速時に釦けるスロー系のカットにも兼用で
き、燃費の向上還元触媒の保護にも役立ち、しかも構成
は単純である等、この種気化器に優れた効果をもたらす
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案空燃比制御装置付気化器の実施例を示す
縦断側面図、第２図は同上気化器の燃料流量曲線図であ
る。 １・・・・・・気化器本体、２・・・・・・ボアー、３
・・・・・・ベンチュリー、４・・・・・・スロットル
バルブ、５・・・・・・浮子室、６・・・・・・摺動弁
、１０・・・・・・ジェットニードル、１１・・・・・
・ニードルジェット、１４・・・・・・スロー系混合気
通路、１５・・・・・・スロー燃料ジェット、１６・・
・・・・スローエアー通路、１７・・・・・・バイパス
孔、１’ ８・・・・・・アイドル孔、１９・・・・・
・電磁弁、２０・・・・・・減速スイッチ、２１・・・
・・・温度スイッチ、２２・・・・・・イグニションキ
ースイッチ、２３・・・・・・電源、’ ２４・・・・
・・排気ガス濃度センサ、２５・・・・・・コンピュー
タ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 別系統のスロー系と、摺動弁とを有する気化器に釦いて
   、スロー系の燃料流量負担率をセツティングにより変え
   、必要な空燃比の制御量をスロー系に負担させるように
   した、そのスロー系の混合気通路に、入力電流に対して
   開度が比例的に変化し、入力断て全閉となる電磁弁を設
   け、この電磁弁を、減速時にのみＯＦＦする減速スイッ
   チと、温度によって切換る温度スイッチおよびイグニシ
   ョンキースイッチを介して暖機時電源に連なり、排気ガ
   ス濃度センサの信号によって作動し、上記電磁弁の開度
   を制御して低開度側の空燃比を適正ならしめるコンピュ
   ータと、始動時上記温度スイッチを介して電源に連なる
   回路とに接続して成る空燃比制御装置付気化器。