JPS5840089Y2 - ロ−ラ−支承 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は橋梁、高架などに用いられるローラー支承の改
良に関するものである。

従来、橋梁などに用いられるローラー支承は、第１図お
よび第２図（ここで、第１図は一部縦断正面図、第２図
はその一部破断側面図である。

）に例示する構成がとられている。

すなわち、それは橋桁などの上部構造Ｇにアンカーボル
トなどによって固定される上沓１と橋脚などの下部構造
Ｂにアンカーボルトなどによって固定される下沓２と該
上下沓１，２間に配されるローラー３とよりなる。

そして、該ローラー３にはその両端にピニオン４．４が
固定されるとともにその中央部には環状凹部５が形成さ
れている。

また、上下沓１，２には該ローラー３のピニオン４．４
と噛み合うラック６．６′と環状凹部５に係合するセン
ターフ゛ロック７．７′が固定されるとともに、該上沓
１は下沓２に固定されたサイドブロック８．８によって
浮き上りならびに橋軸方向の過度な移動を規制するよう
に構成されている。

斯く構成することにより、上部構造Ｇの伸縮ならびに傾
きは、ローラー３がピニオン４，４と上下沓１，２に固
定されたラック６．６′と噛み合って案内される回動に
よって逃がすものである。

しかしながら、該構成のものは加工および組立調整が面
倒なラック６．６′とピニオン４，４を用いること、そ
してサイドブロック８，８を装着せしめるなど加工工数
ならびに部品点数も多く構造自体も複雑となるため、製
作ならびに保守交換作業が極めて繁雑であるなどの不具
合があった。

本考案は、これらに鑑みてなされたものでラックとピニ
オンならびにサイドブロックを廃し、サイドブロックの
役割を兼ねた一対の連接片を配する極めて簡易な構成と
し、しがも従来のローラー支承と同等の機能を発揮せし
めようとするものである。

すなわち、橋桁などの上部構造に固定される上沓と橋脚
などの下部構造に固定される下沓と該上・下沓間に配さ
れるローラーとがらなり、該上・下沓およびローラーは
一対の連接片によって係合されてなるローラー支承にお
いて、上沓および下沓にはその橋軸直角方向の両側面に
それぞれ相対向する螺子孔が設けられているとともに該
螺子孔にはそれぞれピンが螺着されており、ローラーに
は上・下沓の橋軸直角方向の両端から突出するそれぞれ
の端部に小径部が形成されており、連接片には嵌合孔と
該嵌合孔を挾んで長円状の遊合孔が形成されており、該
連接片は該嵌合孔をローラーの小径部に嵌合し、該長円
状の遊合孔を上・下沓に螺着されたピンに遊合して配さ
れており、ローラーは該連接片によって常に上・下沓間
に保持されるように構成されたローラー支承を提供する
ものである。

以下、本発明の実施例を図面において詳細に説明する。

なお、従来のローラー支承と同−構成部分は同一符号を
用いるものとする。

９．９は上沓１の橋軸直角方向の両側面に軸線を同一に
して設けられた螺子孔、９’、９’は下沓２の橋軸直角
方向の両側面に軸線を同一にし、かつ上沓の螺子孔９と
相対向するように設けられた螺子孔である。

１０．１０はローラー３０両端に設けられた小径部で、
該小径部１０．１０は上下前１，２の橋軸直角方向の両
側面から該方向に突出するように形成せしめられるもの
である。

１１．１１は一対の連接片で、該連接片１１はローラー
の小径部１０．１０に嵌合して該ローラーの摺動を支持
する嵌合孔１２と、該嵌合孔１２を挾んで上・下沓１，
２の螺子孔９，９′と対応する位置に長円状の遊合孔１
３，１３’を備えている。

１４．１４’は連接片の遊合孔１３，１３’に所定の隙
間を生ずるようにそれぞれ嵌挿して上下前の螺子孔９．
９′に螺着せしめられるピンで、該ピン１４．１４’は
連接片１１の抜は出しを防止するため螺子部の他端にフ
ランジ部が形成せしめられている。

本考案のローラー支承は、一対の連接片１１．１１を上
下前１，２およびローラー３にその嵌合孔１２をもって
ローラーの小径部１０に嵌合せしめ、かつ遊合孔１３に
ピン１４を嵌挿して該ピン１４を上沓の螺子孔９に、か
つまた遊合孔１３′にピン１４′を嵌挿して該ピン１４
′を下沓の螺子孔９′にそれぞれ螺着して配することに
よって構成される。

斯く構成することにより、上部構造Ｇの伸縮ならびに傾
きは連接片１１の案内で、すなわち該連接片の長円状の
遊合孔１３，１３’とピン１４．１４’の隙間において
ローラー３と上下前１，２間の相対的変位を許容させて
逃がすものである。

また、上部構造Ｇ換言すれば上沓１の浮き上りならびに
橋軸方向の過度な移動に対しても、上下前１，２に螺着
されたピン１４．１４’を連接片１１の遊合孔１３，１
３’で係止せしめてなるため、遊合孔１３゜１３′とピ
ン１４．１４’の所定隙間以上の浮き上りならびに移動
は規制できるものである。

本考案は上述の構成よりなり、上下前にピンを配し該ピ
ンとローラーを連接片で係合することによって、ピニオ
ンとラックを用いることなくローラーの保持ならびに案
内を行なわせることができ、また浮き上りならびに移動
をもサイドブロックを用いることなく規制できるため、
従来のローラー支承に比し簡易にかつ部品点数の低減に
よって安価に製作でき、かつ保守交換も容易にできるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のローラー支承を示す一部縦断正面図、
第２図は、その一部破断側面図、第３図は、本考案のロ
ーラー支承を示す一部縦断正面図、第４図は、第３図に
おけるＡ−Ａ線断面図である。 １：上沓、２：下沓、３：ローラー、９．９’ ：螺子
孔、１０；小径部、１１：連接片、１２：嵌合孔、１３
．１３’：遊合孔、１４．１４’：ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 橋桁などの上部構造に固定される上沓と橋脚などの下部
   構造に固定される下沓と該上・下沓間に配されるローラ
   ーとからなり、該上・下沓およびローラーは一対の連接
   片によって係合されてなるローラー支承において、上沓
   および下沓にはその橋軸直角方向の両側面にそれぞれ相
   対向する螺子孔が設けられているとともに該螺子孔には
   それぞれピンが螺着されており、ローラーには上・下沓
   の橋軸直角方向の両端から突出するそれぞれの端部に小
   径部が形成されており、連接片には嵌合孔と該嵌合孔を
   挾んで長円状の遊合孔が形成されており、該連接片は該
   嵌合孔をローラーの小径部に嵌合し、該長円状の遊合孔
   を上・下沓に螺着されたピンに遊合して配されており、
   ローラーは該連接片゛によって常に上・下沓間に保持さ
   れるように構成されたローラー支承。