JPS5833125Y2 - 固定支承 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は橋梁、高架などに用いられる固定支承とくに上
部構造の傾きをベアリングプレートで逃がす固定支承の
改良に関するものである。

従来、ベアリングプレートを用いた固定支承は第１図お
よびその側面を示す第２図に示すように橋桁などの上部
構造Ｇにアンカーボルトなどによって固定される上沓１
と橋脚などの下部構造Ｂにアンカーボルトなどによって
固定される下沓２と該上下沓１，２間に配され、上部構
造Ｇの傾きなどの変位のみを逃がすベアリングプレート
３より構成されている。

詳述すれば上沓１は橋軸直角方向の両端に橋軸方向に耳
部４，４を残した切り欠き部５を有する段部６が形成さ
れ、下沓２はその上面に縞状凹部７と該縞状凹部７を橋
軸直角方向に挾んで相対向し、上沓の切り欠き部５が係
合する凸部８，８が形成されている。

そして、該下沓の凸部８，８にはフック部９を有する係
止部材１０．１０が該フック部９で上沓の段部６を上下
方向に係止するように固定されている。

また、該上下沓１，２間に配されるベアリングプレート
３は一方の面を平面１１に、他方の面を凸曲面１２に形
成せしめられ、下面１１を上沓１の下面に当接し、かつ
凸曲面１２を下沓の縞状凹部７に摺接せしめてなる。

斯く上下沓１，２およびベアリングプレート３を形成せ
しめることによって、上部構造Ｇの伸縮ならびに該上部
構造Ｇに作用する力は下沓の凸部８．８と上沓の切り欠
き部５の係合で拘束かつ支持され、傾きなどの変位はベ
アリングプレートの凸曲面１２と下沓の縞状凹部７の摺
接で逃がすものである。

ここで、上部構造Ｇの伸縮は他の下部構造Ｂ上に配され
た可動支承によって逃がし、該固定支承は、該上部構造
Ｇの伸縮の原点となるものである。

ところで、該構成においては地震などの過大な水平方向
の力（以下水平力と呼ぶ）が作用した場合、該水平力の
支持ならびに上部構造Ｇの伸縮を拘束するために係合せ
しめた下沓の凸部８，８と上沓の切り欠き部５間には上
部構造Ｇの傾きを許容すべく所定の隙間が設けられるた
め、該部分が水平力によって衝撃的に当接し、該下沓の
凸部８，８ならびに該凸部８，８に係合した上沓の切り
欠き部５を形成する耳部４，４が損傷するという不具合
が少なからず生じている。

係る場合、該上下前１，２を煩雑な作業を行なって交換
しなければならないという問題をも誘発せしめる。

本考案はこれらに鑑み上述した従来技術における下沓の
凸部と上沓の切り欠き部との保合に代えて、上・下沓が
衝撃的に当接する不具合を除去し、該上・下沓の損傷を
防止した固定支承を得るものである。

すなわち、橋桁などの上部構造に固定される上沓と橋脚
などの下部構造に固定される下沓と該上、下沓間に一方
の面に平面を有し他方の面に凸曲面を有するベアリング
プレートが配されてなる固定支承において、下沓にはそ
の上面に前記ベアリングプレートの凸曲面を摺接支持す
る凹曲面と周壁を備えた縞状凹部が形成されており、上
沓にはその下面に突出部と該突出部の下端周縁にフラン
ジ部が形成されており、該上沓の突出部は下沓に配され
た前記ベアリングプレートの平面に当接し、該フランジ
部は下沓鋼状凹部の周壁に係合して配されていることを
特徴とする固定支承を提供するものである。

以下、本考案の実施例を図面において詳細に説明する。

なお、従来の固定支承と同一構成部分は同一符号を用い
て説明する。

１３は上沓１の下面に設けられた突出部、１４は該突出
部の下端周縁に設けられたフランジ部で、該フランジ部
１４は傾きを容易にするためその縦断面形状をほぼ円弧
状に形成せしめてなる。

１５は下沓２に設けられた凹曲面を備えた縞状凹部７の
周壁である。

そして、上沓１は突出部のフランジ部１４と下沓２の縞
状凹部の周壁１５が微小隙間をもって相対向するように
係合せしめられるものである。

本考案の固定支承は、下沓２の上面に凹曲面と周壁１５
を備えた縞状凹部７を設け、上沓１の下面に下端周縁に
フランジ部１４を備えた突出部１３を設け、該上沓突出
部１３を縞状凹部７の凹曲面に配されたベアリングプレ
ート３の平面に当接させ、該フランジ部１４を縞状凹部
７の周壁１５に係合させて配することによって構成され
、上部構造Ｇの伸縮の拘束および地震などの過大な水平
力を該上沓突出部１３と縞状凹部７の周壁１５の係合、
具体的には該上沓突出部１３の下端周縁に形成されたフ
ランジ部１４と縞状凹部７の周壁１５との係合で支持せ
しめ、上・下沓１，２の損傷を防止せしめるものである
。

すなわち従来その当接位置いわゆる力の作用位置が下沓
２の上面よ、り上方の凸部８にあったものを、該下沓２
の上面より下方位置にすることによって下沓２に作用す
る力を小さくシ、かつ上下前１．２の衝撃的な当接は縞
状凹部７に突出部１３を微小隙間をもって係合すること
で皆無となり、該上下前１，２の損傷を防止せしめるこ
とができるものである。

なお、該態様においても上下前１，２の上下方向の係止
は、下沓２に固定せしめられた係止部材１０のフック部
９で上沓の段部６を係止せしめて行なうものである。

本考案は上述の構成よりなり、上沓の下面に突出部を設
けて該突出部を下沓の縞状凹部に係合せしめることによ
り、伸縮の拘束位置および水平力の作用位置を低くでき
るとともに、過大な水平力が作用しても該上下前が衝撃
的に当接して損傷するのを防止できる実用上多大な効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の固定支承を示す一部縦断正面図、第２
図は、その一部縦断側面図、第３図は、本考案の固定支
承を示す一部縦断正面図、第４図は、下沓および上沓の
形状を示す斜視図である。 １：上沓、２：下沓、３：ベアリングプレート、１３：
突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 橋桁などの上部構造に固定される上沓と橋脚などの下部
   構造に固定される下沓と該上、下沓間に一方の面に平面
   を有し他方の面に凸曲面を有するベアリングプレートが
   配されてなる固定支承において、下沓にはその上面に前
   記ベアリングプレートの凸曲面を摺接支持する凹曲面と
   周壁を備えた縞状凹部が形成されており、上沓にはその
   下面に突出部と該突出部の下端周縁にフランジ部が形成
   されており、該上沓の突出部は下沓に配された前記ベア
   リングプレートの平面に当接し、該フランジ部は下沓゛
   鋼状凹部の周壁に係合して配されていることを特徴とす
   る固定支承。