JPS583994Y2 - 水冷横型エンジンのボンネット支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水冷横型エンジンに訃いて、クランクケース
上に燃料タンクを、シリンダブロック上にラジェータ、
ラジェータファンを枢支するファン枢支ケース、及びラ
ジェータファンの入力伝動輪を左右に並設し、そして燃
料タンク、ラジェータ、ファン枢支ケース、及びファン
人力ブーりの上側にこれらの全ての上面を覆う大きな１
枚のボンネットを配置し、このボンネットを固定支持す
る装置に関し、エンジンの振動に伴ってボンネットが大
きく振動して、ボンネットの支持部を早期に破損させる
ことを防ぎ、しかもボンネットを小型化するうえ、ボン
ネットの支持構造を簡素化する事を目的とする。

横型エンジンは、本来、ピストンの運動方向となる前後
方向に振動が最も大きく発生しやすい。

しかも、前記の１枚の大きなボンネットは、質量が太き
いうえ、前後方向に長いため、慣性力が太きい。

さらに、ボンネットは、クランクケース及びシリンダブ
ロックからなるエンジン本体から上方に遠く離れる。

このようなことから、横型エンジンでは、その構造上基
本的に、エンジン本体の前後方向の大きな振動にボンネ
ットが追随しにくく、エンジン本体に対してボンネット
が前後方向に大きく振動し易く、場合によっては、その
振動が増幅されてボソネットが激しく振動しやすくなっ
ている。

従来では、ボンネットの後端部をクランクケースの後端
部上部から立上げた支持腕に固定し、ボンネットの前部
をシリンダブロックの前端上部から立上げた支持腕に固
定していたため、次の欠点があった。

イ０前後の両支持腕は細くて長いため、前述したボンネ
ットの前後方向の大きく激しい振動を強力に抑え込むこ
とができない。

このため、両支持腕がふらついてボンネットが大きく振
動し。

ボンネットの支持部が早期に破損する。

口、シリンダブロックの前端上部から立上る前側の支持
腕がラジェータの前側に出張る分だけ、ボンネットの全
長が長くなって大型化する。

しかも、これに伴ってエンジンの外形も大型化するうえ
、ボンネットの振動がさらに大きく激しくなり、早期破
損を助長する。

本考案は、上記欠点を解消したうえ、さらにボンネット
の支持構造を簡素化することを目的とする。

そのために、ラジェータファンを枢支するファン枢支ケ
ースを鋳物で頑丈に形成し、このファン枢支ケースの下
部の前後に遠く離れる少なくとも２箇所をシリンダブロ
ックの土壁上に固定して、ファン枢支ケースをエンジン
本体に対して前後方向に振動しにくい構造に取付け、こ
の振動しにくいファン枢支ケースに支持ボスを一体に鋳
造するとともに、この支持ボスでボンネットの前半部を
固定支持することにより、ボンネットをエンジン本体に
ファン枢支ケース及び取付ボスを介して前後方向に振動
しにくいように確りと固定支持するようにするものであ
る。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図に示すように、横型のエンジン本体１（一部図示
略）のクランクケース２とその前側のシリンダブロック
３とは一体に鋳造形成され、シリンダブロック３の前側
にヘッドブロック４が固定される。

そのシリンダブロック３の上側壁５にファン付きラジェ
ータ６が配置固定され、燃料タンク７はその後側でクラ
ンクケース２の上側に配置しである。

上記ラジェータ６の左端面８とシリンダブロック３の上
側壁５とにわたって、上記ラジェータ６０フアン９を枢
支するファン枢支ケース１０を固定する。

このファン枢支ケース１０は、鋳造により頑丈に形成さ
れ、ファン枢支ケース１０の導風筒部１１の下部の前後
に遠く離れ合う２箇所に取付部１６が一体に鋳造される
。

各取付部１６はシリンダブロック３の土壁における前後
に遠く離れる２箇所にポルＮ７で固定される。

ラジェータファン９の入力Ｖプーリ１８はファン枢支ケ
ース１０の横外側に位置する。

ファン枢支ケース１０の導風筒部１１の後側上部に燃料
タンク支持ボス１２が一体に鋳造される。

クランクケース２の後端部上に支持枠１３がボルト２１
で固定されて立上る。

支持枠１３と支持ボス１２とに亘って燃料タンクの鍔部
２２が載架されて、ポル［９，２３，２４で固定される
。

即ち、ファン枢支ケース１０は燃料タンクγの前部を支
持する支持枠を兼ねる。

燃料タンクＩ、ラジェータ６、ファン枢支ケース１０、
及びラジェータファン９の入力Ｖプーリ１８の上側にこ
れらの全ての上面及び上部外周面を覆うボンネット１５
が配置される。

ボンネット１５の横幅の中間部の下側にファン枢支ケー
ス１０が位置する。

ボンネット１５の後部の左右に遠く離れる２箇所が、前
記支持枠１３にボルト１９で燃料タンクＩと共締固定さ
れる。

ボンネット１５の前半部における左右方向の中間部の前
端部及び後書部の２箇所が、各支持ボス１４に各ボルト
２０で固定される。

各支持ボス１４は、頑丈な鋳造製のファン枢支ケース１
０の導風筒部１１の上側の前部及び後部に、一体に鋳造
されている。

なお、上記実施例に釦いて、ボンネット１５の支持ボス
１４を、第１図の２点鎖線図に示すとむり、導風筒部１
１の前上側の一箇所のみに形成するように構成を変更し
てもよい。

本考案は、上記のように構成したことから、次の効果を
奏する。

イ、ファン枢支ケースは、ラジェータファンを確り枢支
するために頑丈に形成されていて変形しないうえ、シリ
ンダブロック上に前後に遠く離れる複数箇所で固定され
るから、前後方向に大きく激しく振動しやすい横型エン
ジンのエンジン本体に対して、ファン枢支ケースは一体
となってよく追随して前後方向に振らつかない。

このファン枢支ケースを利用して、これに−体鋳造した
支持ボスにボンネットを固定するので、ボンネットはエ
ンジンに対して大きく激しく前後振動することをファン
枢支ケースで強力に抑制される。

これにより、ボンネットの支持部が早期に破損する事を
強力に防止して、その耐久性を高めることができる。

口、ボンネットを固定する支持ボス１４は、ファン枢支
ケースに固設されるので、ラジェータよりも前方に大き
く出張らないようにすることができる。

これにより、その出張らなくなった分だけ、ボンネット
の全長を短縮して小型化し軽量化することができる。

しかも、これに伴ってエンジンの外形も小型化できるう
え、ボンネットの振動がさらに起りにくくなり、その耐
久性を一層高められる。

ハ、ボンネットの前部を支持するために、ファン枢支ケ
ースに固設した小さな支持ボスを用いることにより、従
来品のラジェータの前側に配置してシリンダブロック上
に載置固定していた大型の支持腕を省略できるので、ボ
ンネットの支持構造が簡素化するとともに小型化し軽量
化する。

二、しかも、ファン枢支ケースに固設の支持ボスが、ボ
ンネットの前半部の左右方向の両端ではなく、その中間
部だけを固定支持するので、その支持箇所が半減して、
その支持構造がさらに簡素化するものでありながらも、
ボンネットの後部の左右方向に遠く離れる複数箇所を支
持枠に固定支持するので、ボンネットがローリング状に
振動することもピッチング状に振動することも強力に抑
制でき、ボンネットを強固に安定良く固定支持できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は側面図、第２図
は第１図のＡ−Ａ線断面図である。 １・・・エンジン本体、２・・・クランクケース、３・
・・シリンダブロック、４・・・ヘッドブロック、５・
・・上側壁、６・・・ファン付きラジェータ、７・・・
燃料タンク、９・・・ラジェータファン、１０・・・フ
ァン枢支ケース、１３・・・支持枠、１４・・・支持ボ
ス、１５・・・ボンネット、１６・・・取付部、１７，
１９，２０・・・固定具、１８・・・入力電動輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水冷横型エンジンのエンジン本体１を構成するクランク
   ケース２とその前側のシリンダブロック３とを一体に鋳
   造し、シリンダブロック３の前側にヘッドブロック４を
   固定し、 クランクケース２の上側に燃料タンクを配置し、シリン
   ダブロック３の上側にラジェータ６とファン枢支ケース
   １０とを左右に並設し、 ラジェータ６はシリンダブロック３の上側壁５上に載置
   固定し、ファン枢支ケース１０の下部における前後に遠
   く離れ合う複数箇所に取付部１６を設け、ファン枢支ケ
   ース１０の前後の両数付部１６をシリンダブロック３の
   上壁５における前後に遠く離れる複数箇所に固定具１７
   で固定し、ラジェータ６を冷却するラジェータファン９
   をファン枢支ケース１０に枢支し、ラジェータファン９
   ０入力伝動輪１８をファン枢支ケース１０の横外側に位
   置させ、 燃料タンク７、ラジェータ６、ファン枢支ケース１０、
   及びラジェータファン９の入力伝動輪１８の上側にこれ
   らの全ての上面を覆う１枚のボンネット１５を配置し、
   ボンネット１５の横幅の中間部の下側にファン枢支ケー
   ス１０を位置させ、ボンネット１５の後部の左右に離れ
   る複数箇所をクランクケース２の後部に支持部１３を介
   して固定具１９で固定し、ボンネット１５の前半部に釦
   ける左右方向の中間部を支持ボス１４に固定具２０で固
   定し、支持ボス１４は前記ファン枢支ケース１０の上部
   に固設したことを特徴とする水冷横型エンジンのボンネ
   ット支持装置。