JPS5838124Y2 - キヤビネツトにおける抽斗のロツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属製等のキャビネットにおける抽斗のロック
装置に関するものである。

従来、多段抽斗式キャビネットにおいて全ての抽斗を収
納した状態でこれらを引出動不能にロックするには、キ
ャビネット本体側面に縦杆を上下動自在に設け、該縦杆
にはそれが上昇又は下降したとき各段の抽斗側面に設け
た係止片に係合して引出動不能にするストッパーを設け
る一方、キャビネット本体前面上端角部には回動式錠を
設け、この錠の後端にクランク軸を連結し、該クランク
軸の後端を一本の縦杆に連結して、錠の回動により縦杆
を上下動するものや、抽斗前面板に設けた錠の上向き突
出する係止片の上面に縦杆の上端水平部を臨ませ、係止
片の上昇により縦杆を上昇させる構成のものがあった。

これらはいずれも抽斗の左右両側を同時にロックできる
ものではなく、特に、抽斗前面板に錠を設けたものでは
、その係止片上面に臨ませる縦杆水平部の長さを長くす
ると縦杆の上下動軸線に対しモーメントが大きくなるの
で当該縦杆の上下動が円滑に行えないから縦杆の位置を
抽斗前面板から奥側に大きく離して配設できない欠点が
あった。

そこで本考案では、キャビネット本体天板に隣接する抽
斗の前面板に錠を設け、施錠により錠の係止片が天板前
部下面に設けた施錠部に向けて突出して係合するように
構成する一方、キャビネット本体左右側板内面に設けた
左右一対の縦杆を、前記天板下面に抽斗前面板と略平行
に配設した回転軸の左右両端クランクアームに係合し、
この回転軸の中途部と前記施錠部との間の天板下面に抽
斗の前後方向に沿い略水平にフランク部材を配設するこ
とで、抽斗左右を同時にロックできると共に縦杆の配置
位置を自由にできかつ縦杆の上下動も円滑にできるよう
にしたもので゛ある。

次に本考案を実施例に基き説明すると、図において、２
はキャビネット本体１の天板、３，３′は左右側板、４
は左右側板３，３′間において前後動自在に支持された
抽斗、５，５′は左右側板３，３′内面に上下動自在に
設けた左右一対の縦杆で、該各縦杆５，５′には各段の
抽斗４側板外面に設けたへ字状係合片６の前面に対し係
脱できるロックピン７を突設する。

８は前記各抽斗４の前面板、９は該前面板８の略中央部
上端近傍に設けた錠であって、施錠時には該錠９の係止
片１０が天板２前部の枠体１１下面に穿設した施錠部１
２に向って適宜寸法Ｈ１上下出没動するように構成され
ている。

２２は天板２下面に、その左右方向に長平に設けた上向
きコ字状補強部材で、該部材２２の下面には、左右対称
形の長手クランク部材１３の回転軸１４を抽斗前面板８
と平行に軸支１５シ、該回転軸１４の両端に設けたクラ
ンクアーム１６，１６を前記両縦杆５，５′上端の突起
部に下面から接当保合させる。

前記回転軸１４の中途部に設けたクランクアーム１７を
錠９の係止片１０の上下動に応じて上下回動させ、回転
軸１４を回転させることにより前記両縦杆５，５′を上
下動するにあたり、前記中途部のクランクアーム１７を
天板２下面と略平行に沿わせて前記天板前部枠体１１に
おける施錠部１２に臨ませるが、本実施例では、クラン
クアーム１７，１７を継ぐ部材１８と、前記施錠部１２
上方位置の枠体１１裏面のガイド孔１９との間に抽斗４
の前後動方向に沿って回転軸を有するコ字状短りランク
部材２０を天板下面に軸支２１シて間接的に臨ませてな
り、このとき、該短クランク部材２０の後部クランク部
２０′を連結部材１８の下面に接当させると共に、前部
クランク部２０″を前記ガイド孔１９内に挿入し、錠９
の係止片１０の上方に臨ませる。

また、他の実施例では回転軸１４の中途部に一つのクラ
ンクアームを設け、該クランクアームを直接に又はクラ
ンク部材２０等を介して施錠部１２に臨ませても良い この構成により、第３図及び第４図に示すように全ての
抽斗をキャビネット本体１内に収納した後、天板２に隣
接する抽斗４前面板における錠９にキーを差し込み、係
止片１０を上向き突出させると、該係止片１０は天板前
部枠体１１の施錠部１２孔内に突入し、該抽斗４は天板
２に対しロックできると同時に、短クランク部材２０の
前部クランク部２０″を押し上げ回動しく第３図２点鎖
線参照）、その後部クランク部２０′は長手クランク部
材１３の中途部クランクアーム１７，１７を継ぐ部材１
８下面に常時接当しながら長手クランク部材１３を上向
き回動させるから、回転軸１４の両端クランクアーム１
６．１６を介して左右側縦杆５，５′も上昇し、各縦杆
５．５′に突出するロックピンは各段の抽斗側板の保合
片６の前面に位置して各抽斗は引出動不能にロックされ
ることになる。

反対にロックを解除するには抽斗における錠９にキーを
差し込み、係止片１０を下方に引込めると、短クランク
部材２０は下向き回動し、それに応じて前記と反対に長
手クランク部材１３及び縦杆５．５′は自重により下降
し、全ての抽斗のロック状態を解除できる。

このとき、前記短クランク部材の前部クランク部２０″
は天板前部枠体１１の下面に接当して、これ以上下向き
回動せず、短クランク２０及び長手クランク部材１３は
そのクランクアームが略水平に保持されるのである。

なお、縦杆５，５′に対して長手クランク部材の左右側
クランクアーム１６，１６は下方から接当係合している
だけであるから、第５図に示すように下段の任意の抽斗
４がキャビネツＩ・本体１に対し引出された状態で最上
段抽斗４を施錠したとき、前記抽斗４を押し込み動すれ
ば、該抽斗における側板外面のへ字状係合片６は縦杆に
おけるロックピン７に接当押し上げして縦杆５，５′の
みを適宜寸法Ｈ２上下動させてその抽斗もロック状態に
することができる。

また、図示の実施例とは逆に、錠における係止片を上昇
させることにより天板下面に設けた長手クランク部材の
回転軸を回転させ、該回転軸両端のクランクアームが下
向き回動して縦杆を下降させ、抽斗がロック状態となる
ように構成することもでき、この場合は縦杆を常時上向
きばね付勢させておくと良い。

以上要するに本考案は、キャビネット本体に対し少なく
とも一つの抽斗を前後動自在に設けて成るキャビネット
において、キャビネット本体の左右内側板内面には上下
動により抽斗を引出動不能にロックする左右一対の縦杆
を設け、キャビネット本体天板下面には長手回転軸を抽
斗の前面板と平行に軸支し、該回転軸の左右両端に設け
たクランクアームを前記一対の縦杆に回転軸の回動によ
り該一対の縦杆が上下動するように係合する一方、キャ
ビネット本体の天板に隣接する抽斗の前面板上端部には
施錠時に係止片が前記天板前部下面の施錠部に向って上
向き突出して当該施錠部に係合する錠を設け、前記天板
下面には、前記施錠部上面と前記回転軸の中途部にわた
って抽斗の前後方向に沿い略水平に回転軸線を有するク
ランク部材を配設し、該クランく部材を介して前記係止
片の上下動により前記回転軸が回動するよう構成してな
るもので、施錠により、クランク部材及び回転軸を介し
て、縦杆を同時に上下動できて抽斗の左右をロックでき
ると共にクランク部材の前端を天板の施錠部上面に臨ま
せているから解錠時に錠の係止片との接当がなくなった
状態でもクランク部材前端が施錠部上面に接当してそれ
以上回動せずクランク部材が抽斗の左右略中夫の上方の
天板下面に配設されていても抽斗の前後動と干渉しない
。

クランク部材と左右長手回転軸左右側クランクアームの
各アームの長さを適宜に設定することで錠の係止片の上
下動量に対して縦杆の上下動量を任意に大きくすること
ができる。

しかもクランク部材の長さを長くすることで抽斗の前面
板から奥に大きく離れた個所で抽斗の左右をロックでき
、クランク部材の回転軸線と回転軸の回転軸線が互に直
交しているから離れていても回転の伝達が円滑で縦杆の
上下動も円滑となる。

また、天板隣接部の抽斗は錠係止片と左右縦杆との三個
所でロックできるのであり、さらに従来のようにキャビ
ネット本体前面に錠を取付けた場合は、錠にキーを差し
込んだまま抽斗を押し込み動すれば、キーホールダが抽
斗前面板とキャビネット本体との間に噛み込む不都合が
あるが、本考案では抽斗前面板に錠を設けたから上記の
欠点は解消できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はキャビネット
の一部切欠側面図、第２図は第１図のＩＩＩＩ線視図、
第３図は第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線拡大図、第４図はロ
ック操作を示す要部斜視図、第５図は多段抽斗のけり込
みロック状態を示す要部側面図である。 １・・・・・・キャビネット本体、２・・・・・・天板
、４・・・・・・抽斗、５．５′・・・・・・縦杆、６
・・・・・・係合片、７・・・・・・ロックピン、８・
・・・・・前面板、９・・・・・・錠、１０・・・・・
・係止片、１１・・・・・・天板前部枠体、１３・・・
・・・長手クランク部材、１４・・・・・・回転軸、１
６．１６・・・・・・両端クランクアーム、１７・・・
・・・中途部クランクアーム、１９・・・・・・ガイド
孔、１２・・・・・・施錠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キャビネット本体に対し少なくとも一つの抽斗を前後動
   自在に設けて戒るキャビネットにおいて、キャビネット
   本体の左右両側板内面には上下動により抽斗を引出動不
   能にロックする左右一対の縦杆を設け、キャビネット本
   体天板下面には長手回転軸を抽斗の前面板と平行に軸支
   し、該回転軸の左右両端に設けたクランクアームを前記
   一対の縦杆に回転軸の回動により該一対の縦杆が上下動
   するように係合する一方、キャビネット本体の天板に隣
   接する抽斗の前面板上端部には施錠時に係止片が前記天
   板前部下面の施錠部に向って上向き突出して当該施錠部
   に係合する錠を設け、前記天板下面には、前記施錠部上
   面と前記回転軸の中途部にわたって抽斗の前後方向に沿
   い略水平に回転軸線を有するクランク部材を配設し、該
   クランク部材を介して前記係止片の上下動により前記回
   転軸が回動するよう構成して戊るキャビネットにおける
   抽斗のロック装置。