JPS5837659B2 - 陰極線管 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は陰極線管に関するもので、特にテレビジョン撮
像管に関するものであるが、テレビジョン撮像管に限定
されるものではない。

米国特許第３９１２８５１号明細書には、内部に導電壁
部被膜を被着した絶縁材料の管状外匣部と、導電壁部被
膜を横切る方向に延在する少なくとも１個の電極とを備
え、前記電極を前記外匣部の長軸を横切る方向に延在す
る支持面により前記外匣部内に支持し、前記支持面を、
その内部横力向寸法が実際上階段状に減少する外匣部で
構成するテレビジョン撮像管が記載されている。

また米国特許第２９３８１３４号には、外匣の内径を階
段状に狭くすることによって得た支持面により外匣に多
数の電極を支持させるようにする電子銃装置が記載され
ている。

その場合電子銃は弾性装置により支持面に押圧される。

またオランダ国特許第４２１１４号明細書には、陰極線
管内部に配設した円筒絶縁部材に電極を配置する陰極線
管が記載されており、前記円筒絶縁部材が階段状部を備
え、弾性縁部を有する電極を階段状部に取付け、絶縁部
材の内壁の一部に導電層を被着するようにしている。

陰極線管および特にテレビジョン撮像管に関する最近の
開発では小さい誤差しか許容されない小形撮像管の実現
を一段と重要視している。

またかかる陰極線管の開発に際しては陰極線管の構造の
簡単化、特に陰極線管において使用される電極装置の構
造を簡単化することが必要になる。

そして、可能な場合には、陰極線管の外匣部の内壁に被
着した薄膜電極の形態の壁部電極により電極を置換する
ようにしている。

しかし、互に電気的に絶縁した壁部電極を得るため導電
壁部被膜に設ける必要のある分断部により陰極線管にお
ける電界分布が局部的に擾乱されるという問題が起る。

かかる電界分布の局部的擾乱は主として、陰極線管壁部
の電荷によって導電壁部被膜における分断区域において
起る。

かかる電界分布の局部的擾乱の例えば、陰極線管におい
て発生する電子ビームの通路に対する影響は、分断部の
形状につき回転対称形状からのずれが大きくなる程かつ
陰極線管の内径が一層小さくなる程一層顕著になる。

更に、かかる電界分布の局部的擾乱は、例えばメッシュ
電極および電子ビームの直径を制限する電極例えば集束
電極を導電壁部被膜に接続する結線によっても生ずる。

本発明の目的は、導電壁部被膜における分断部により陰
極線管における電界分布に不所望な擾乱を発生しない構
造の陰極線管を提供するにある。

本発明の陰極線管は、前記導電壁部被膜を該導電壁部被
膜を横切る方向に延在する電極の近傍において分断し、
前記外匣部の内部横力向寸法の階段状減少が少なくとも
第１階段部および第２階段部において生じ、内部横方向
寸法が減少する方向において前記第１階段部が電極に対
する支持面を構成し、か．つ前記第２階段部の壁部上に
前記導電壁・部被膜における分断部を配設するよう構成
したことを特徴とする。

従って導電壁部被膜における分断部は電子ビームから稍
々隠れた位置に配置され、従って電子ビームの通路に電
子一光学的な影響を及ぼさない位置に配置されることと
なる。

分断部を精密に回転対称形状に作製する必要がないので
分断部は導電壁部被膜に比較的粗野な態様例えば研削に
よって配設することができる。

本発明の実施例においては、前記導電壁部被膜における
前記分断部を前記外匣部の長軸に対向する前記第２階段
部の縁部から距離ａで配設し、前記第１階段部の支持面
によって支持される電極と、前記外匣部の長軸を横切る
方向に延在する前記第２階段部の部分との間の距離をｂ
とし、ａ＞０．５ｂなる関係を満足するよう構成したこ
とを特徴とする。

第１階段部によって形或される支持面に上り外匣部にお
ける電極の位置が正確に決定される。

この位置を固定するため電極は陰極線管の壁部に固着す
る。

この接続法も電子ビームの形成に対し電子一光学的′影
響を及ぼさず、かつ電極を支持面とは反対側において導
電壁部被膜に電気的および機械的に接続することによっ
て実現することができる。

かかる態様で接続した場合、電極への接続部材は電界が
存在しないかまたは実際上存在しない空所に配置される
。

このようにして陰極線管における電界分布に対する擾乱
効果を除去する構造にした上で、電極構造を電極の位置
決め、長手力向寸法および横方向寸法につき極めて僅か
な誤差しか許容しない構造にすると有効であることを確
認した。

前記管状外匣部を所定形状の金属マンドレル上での引抜
工程によって得られる形状の内壁を有するガラス管で構
或した場合、許容誤差を２μｍより小さくすることがで
きる。

図面につき本発明を説明する。

第１図は本発明の実施例として撮像管を示し、第１図で
は本発明の理解に必要でない部分は詳細に図示せず、本
例の撮像管はガラス外匣部１を備え、その一端を感光層
３を有するガラス窓２により密封する。

撮像管内に電子銃４を配置し、複数の挿通ピン５を介し
電子銃４に所望電圧を供給する。

ガラス外匣部１の内壁には既知の方法例えばエレクトロ
レス・ニッケルめっきによリ薄いニッケル層６を被着す
る。

更に撮像管１はメッシュ電極７と、開口９を有する集束
部８とを備え、電子銃４によって発生した電子ビームは
感光層３に到達する前に開口９を通過する。

ニッケル層６はメッシュ電極７および集束部８の近傍に
おいて周縁方向に分断され、従ってニッケル層６は３つ
の部分に分離される。

これら３つの部分のそれぞれが、感光層３上に所要の形
状および寸法の電子ビーム・スポットを形成するのに寄
与する壁部電極を構或する。

ニッケル層６における分断部１０および１１の電界分布
擾乱効果を最小にするためガラス外匣部１の内径をメッ
シュ電極７および集束部８０区域において階段状に減少
し、その詳細を第２および３図に示す。

かかる内径の減少は第１階段部１２．１２’および第２
階段部１３．１３’においてそれぞれ行われる。

第１階段部１２および１２′はメッシュ電極７および集
束部８に対する支持面をそれぞれ構成する。

分断部１０および１１は第２階段部１３および１３′の
壁部にそれぞれ設ける。

これらの分断部１０および１１は壁部被膜６を研削によ
り局部的に除去することによって得られる。

分断部１０および１１の位置を適切に選定して、電子一
光学的にこれら分断部１０および１１が電子ビームの形
状および方向につき何等擾乱効果を奏することができな
いようにする。

かかる目的のため分断部１０．１１および第２階段部１
３．１３’の縁部１４，１５の間の距離ａは電極７，８
および撮像管の長軸を横切る方向に延在する第２階段部
１３．１３’の部分の間の距離ｂの１／２より大きくす
る。

メッシュ電極７および集束部８は支持面とは反対側にお
いてインジウムのビード１６，１７を介してニッケル層
６に機械的および電気的に接続する。

これがためインジウムのビード１６．１７は適切に無電
界空所に配置して、これらインジウムのビードも電子ビ
ームの形状および方向に対し伺等の擾乱効果をも奏する
ことができないようにする。

第４図は製造過程においてガラス外匣部１に所定形状の
内壁が未だ形或されていない段階におけるガラス外匣部
１の要部の断面図を示す。

ガラス外匣部１には金属マンドレル２０が配置され、こ
のマンドレル２０はガラス外匣部１の内壁に形成すべき
形状に従って直径が階段状に変化する部分２１，２２，
２３および２４を有する。

ガラス外匣部１を加熱により軟化し、同じく加熱された
マンドレル２０に対し引抜または押圧によりガラスをマ
ンドレル２０と係合し、マンドレル２０の形状に従って
形或されるようにする。

冷却後、ガラスより膨脹係数の大きい金属で作製したマ
ンドレル２０をガラス外匣部１から除去する。

その場合ガラス外匣部１は第５図に示した形状を有し、
軸方向および半径方向の両方における内部寸法は２μｍ
の精度で完成される。

第６図は本発明の他の実施例として他の撮像管を示す。

第１図の実施例における如く本例でも分断部３０をガラ
ス外匣部３２の導電壁部被膜３１に配設する。

ガラス外匣部３２は同じく窓３３を介して密封され、か
つガラス外匣部３２にはメッシュ電極３４を設ける。

更に撮像管は第１集束部３５および第２集束部３６を備
え、これら集束部はインジウムのビード３７および３８
を介して壁部被膜３１に固着する。

分断部３０によって分離された壁部被膜３１の部分は挿
通導電部材３９を介し所望の電位にすることができる。

引抜工程によって得られるガラス外匣部３２の形状を適
切に選定して、ガラス外匣部の製造に当り２部分から或
るマンドレルを第４図につき説明した態様で使用できる
ようにする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す断面図、第２図は第
１図に示した部分■の拡大断面図、第３図は第１図に示
した部分■の拡犬断面図、第４図および第５図は第１図
の実施例の製造工程における２つの段階における状態を
示す要部断面図、第６図は本発明の第２実施例の要部断
面図である。 １・・・・・・ガラス外匣部、２・・・・・・ガラス窓
、３・・・・・・感光層、４・・・・・・電子銃、５・
・・・・・ピン、６・・・・・・薄いニッケル層、７・
・・・・・メッシュ電極、８・・・・・・集束部、９・
・・・・・開口、１０．１１・・・・・・分断部、１２
，１２’・・・・・・第１階段部、１３．１３’・・・
・・・第２階段部、１４，１５・・・・・・縁部、１６
，１７・・・・・・インジウム・ビード、２０・・・・
・・金属マンドレル、３０・・・・・・分断部、３１・
・・・・・壁部被膜、３２・・・・・・ガラス外匣部、
３３・・・・・・窓、３４・・・・・・メッシュ電極、
３５・・・・・・第１集束部、３６・・・・・・第２集
束部、３７，３８・・・・・・インジウム・ビード、３
９・・・・・・挿通導電部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部に導電壁部被膜を被着した絶縁材料の管状外匣
   部と、導電壁部被膜を横切る方向に延在する少なくとも
   １個の電極とを備え、前記電極を前記外匣部の長軸を横
   切る方向に延在する支持面により前記外匣部内に支持し
   、前記支持面を、その内部横方向寸法が実際上階段状に
   減少する外匣部で構成する陰極線管において、前記導電
   壁部被膜を該導電壁部被膜を横切る方向に延在する電極
   の近傍において分断し、前記外匣部の内部横方向寸法の
   階段状減少が少なくとも第１階段部および第２階段部に
   おいて生じ、内部横方向寸法が減少する方向において前
   記第ｌ階段部が電極に対する支持面を構或し、かつ前記
   第２階段部の壁部上に前記導電壁部被膜における分断部
   を配設するよう構威したことを特徴とする陰極線管。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の陰極線管において、前
   記導電壁部被膜における前記分断部を前記外匣部の長軸
   に対向する前記第２階段部の縁部から距離ａで配設し、
   前記第１階段部の支持面によって支持される電極と、前
   記外匣部の長軸を横切る方向に延在する前記第２階段部
   の部分との間の距離をｂとし、ａ＞０．５ｂなる関係を
   満足するよう構或したことを特徴とする陰極線管。 ３ 特許請求の範囲第１または２項記載の陰極線管にお
   いて、前記電極を前記支持面とは反対側において前記導
   電壁部被膜に機械的および電気的に接続するよう構成し
   たことを特徴とする陰極線管。 ４ 特許請求の範囲第１，２または３項記載の陰極線管
   において、前記管状外匣部を所定形状の金属マンドレル
   上での引抜工程によって得られる形状の内壁を有するガ
   ラス管で構成することを特徴とする陰極線管。