JPS5837592Y2 - 真空吸着ヘツド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は真空吸着ヘッドの改良に関するものである。

真空圧により物品を吸着して移送する従来の真空吸着ヘ
ッドでは、物品が薄い鋼板からなる軽量体などの場合、
その表面に塗布しである防錆油が吸着部に粘りつき、吸
引解除後も吸着部から物品が離れなくなる欠点があった
。

この場合吸着部から空気を逆に吐出すれば物品は離れる
が、物品が薄い鋼板からなる軽量体であるため、空気を
吐出すると機器本体に衝突し、機器本体内で物品が躍り
、物品の変形あるいは損傷を生じるおそれがある。

本考案は斯る従来の難点を除去する新規な真空吸着ヘッ
ドを提案するもので、以下図面に従い詳述する。

１は真空吸着ヘッドに所定の動作を与えるマニピュレー
タアーム、２は真空吸着ヘッド本体を構成するケーシン
グ、３はケーシング２にネジ４で固着される吸着筒であ
る。

ケーシング２はマニピュレータアーム１にその軸方向に
対して摺動可能に嵌合し、マニピュレータアーム１にネ
ジ５で固着された筒形ストッパ６により、その抜は止め
をされている。

ケーシング２とネジ４で固着された吸着筒３は、スプリ
ング７により下方に付勢され、第３図に示すように吸着
筒３が筒形ストッパ６に当接するまで上方に移動可能と
なっている。

これは吸着筒３の先端をワーク８に押し当てる時クッシ
ョン作用を生せしめて、ワーク８の変形、損傷を防止す
るためである。

９は筒形ストッパ６に設けられた溝で、ケーシング２に
植設されたピン１０と係合し、マニピュレータアーム１
に対するケーシング２の回動を規制する。

１１はケーシング２から突出した吸引パイ７゜で、図示
していない真空源に連通し、吸着筒３の先端から空気を
吸引し、ワーク８を吸着する。

この蒔溝９は空気の流通路を兼ねるので、空気の流通路
として十分なだけの間隙を設けておく。

１２はワーク８を突き離す棒状のリムーバで、上方にあ
るスプリング１３により下方に付勢されている。

１３、は吸着筒３に摺動可能に嵌挿されたリングで、ス
プリング７とスプリング１３の間に設置されている。

１４は吸着筒３の外側に摺動可能に嵌合したピストンの
役目をする外装体としてのスリーブで、吸着筒３の長孔
１５を通るピン１６により前記リムーバ１２に接続され
ている。

１７は要所に挿入したシールリングである。

１８はマニピュレータアーム１に設けられた空気流通路
としての溝である。

なお、溝９、溝１８、吸着筒３には空気の流通路として
十分なだけの空隙が設けられている。

次に本考案の動作について説明する。

薄くて軽いワーク８（例えば、コンプレッサ用バルブシ
ート等）を吸引して移送する場合、まず吸着筒３をワー
ク８に接近させて吸引を開始する。

吸引を開始すると図示していない真空源に連通した吸引
パイプ１１より、空気を吸引するので、ケーシング２内
の圧力は低下する。

また、吸着筒３の内外を連通ずる長孔１５を通して、ス
リーブ１４と吸着筒３との間の空隙も減圧される。

このときスリーブ１４の外面には大気圧が加わっている
ので、スリーブ１４は上昇する。

リムーバ１２はピン１６によりスリーブ１４と接続され
ているので、スリーブ１４と共にスプリング１３に抗し
て上昇し、ワーク８を圧迫しない位置に退避し、吸着筒
３はワーク８を吸着する。

吸着したワーク８を目的地の機体本体の穴１９まで運び
、到着後真空圧を遮断すると、スプリング１３の弾発力
と重力により、スリーブ１４とリムーバ１４は、第２図
に示すように降下し、リムーバ１２によりワーク３を強
制的に吸着筒３から突き離す。

従ってワーク８が吸着筒３に付着して残る事態は生じな
い。

以上説明したように本考案では、ワーク８を吸着する真
空圧の変化に応じて変位するスリーブ１４によりスリー
ブ１４と連結されたリムーバ１２を動作せしめ、吸引解
除後、吸着筒から強制的にワーク８を突き離すようにし
たものであるから、粘着性を帯びた物品でも清算支障な
く吸着移送できるばかりでなく、また、吸着筒３の外側
にピストンの役目をするスリーブ１４を配置したことに
より、真空圧による変位動作はスリーブ１４が行うので
、吸着筒３とリムーバ１２を接近せしめ、吸着部とリム
ーバ部を小型化することが可能となり、小型のワーク８
を小さな穴部に移送することも可能となった。

また、本考案の構成に依れば、吸着筒３は上方部へ摺動
可能に作成されているので、ワーク８を吸着するとき、
ワーク８に吸着筒３が衝突しても、吸着筒３が上方へ退
避してクッションをも兼ねるようになっているので、ワ
ーク８や吸着筒３の先端を変形あるいは損傷させること
を防止できるのである。

したがって本考案によれば、実用性に優れ、小型の物品
まで搬送可能でかつ物品の変形、損傷を防止できる真空
吸着ヘッドを提供するこができる。

【図面の簡単な説明】

図面はいづれも、本考案の真空吸着ヘッドの実施例を示
すもので、第１図及び第２図は異なる作用状態を示す半
断面正面図、第３図はストッパの作用を説明する部分垂
直断面図、第４図は部分水平断面図である。 １・・・・・・マニピュレータアーム、２・・・・・・
ケーシング、３・・・・・・吸着筒、６・・・・・・筒
形ストッパ、８・・・・・・ワーク、１２・・・・・・
リムーバ、１４・・・・・・スリーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 真空圧により物品を吸着する吸着筒と、この吸着筒に摺
   動自在に内挿され被吸着物を前記吸着筒から離脱せしめ
   るリムーバと、前記吸着筒の外側に配置され、前記吸着
   筒内と連通ずる部分を有し同じ真空源の作用下で、圧力
   変化に応じて変位する外装体とからなり、前記リムーバ
   と前記外装体とは一体動作するよう接続され、真空圧作
   用時には、前記リムーバを被吸着物品を圧迫しない位置
   に退避せしめ、真空圧遮断時には、被吸着物品を吸着筒
   から突き離すようにしたことを特徴とする真空吸着ヘッ
   ド。