JPS5837283B2 - シンスイセイキザイ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、医薬用および化粧用に用いる事のできる、実
質的に無水の親水性基剤に関するものである。

従来、含水系基剤中では化学的に不安定な薬物を配合す
るために、実質的に無水の基剤、例えば油脂性基剤、カ
ーボワックス基剤、および高級アルコールとグリコール
からなる基剤などが用いられている。

しかし、これらの基剤は、皮膚に塗布した場合、ベタリ
き、ギラつぎ、異物感等の不快感を与えるという欠点、
および保存してお《と二層に分離するという欠点を有し
ている。

本発明者らは、従来の無水の基剤のかかる欠点を克服し
、使用感および安定性の良好な無水の基剤を製造すべく
研究した結果、本発明を完成した。

本発明は、ステロールまたはその脂肪酸エステル、高級
アルコール、および多価アルコールを配合した、実質的
に無水の親水性基剤である。

ステロールは、植物起原のもの、動物起原のもの、ある
いは合戒によるもののいずれでも良い。

例エハ、コレステロール、シトステロール、スチグマス
テロール、カンペステロール、フコステロールおよびこ
れらの混合物などがあげられる。

ステロールの脂肪酸エステルは、炭素数２〜２６の飽和
脂肪酸のエステルから選ばれる６例えば、コレステリル
アセテート、コレステリルステアレート、コレステリル
イソステアレート、コレステリルミリステート、フイト
ステリルバチレート、フイトステリルパルミテートなど
があげられる。

高級アルコールは、炭素数１４以上の飽和アルコールか
ら選ばれる。

例えばビヘニルアルコール、バチルアルコール、ステア
リルアルコール、セトステアリルアルコール、イソステ
アリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアル
コールなどがあげられる。

多価アルコールとしては、例えばプロピレングリコール
、■・３−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、
オクタンジオール、ヘキサントリオールなどがあげられ
る。

使用感および安定性の良い基剤を得るために、本発明の
上記組成物の配合割合は次のようになる。

ステロールまたはその脂肪酸エステルは０．５〜１５重
量パーセント、特に好ましくは６〜１０重量ハーセント
、高級アルコールは４〜１５重量パーセント、特に好ま
しくは６〜１０重量パーセントになるように、これらを
多価アルコールに配合する。

また、本発明の基剤には、必要により、通常の基剤原料
として用いられる非イオン界面活性剤、高級脂肪酸、硬
化油脂類、ロー類、更には少量（５重量パーセント以内
）の水などを適宜配合することは倒ら支障ない。

本発明の基剤は、保存時の安定性が優れ、また親水性で
クリーム様の物性を有するため、べ夕つき、ギラつき等
の使用時の不快感もなく、皮膚上での展延性も優れてい
る。

さらには、多価アルコールとしてフロピレングリコール
、１・３−ブタンジオールを用いた本発明の基剤は、微
生物の発育を抑制するので防腐剤をさらに添加しなくと
もよい。

本発明の基剤は、水に対して化学的に不安定な薬物を配
合する場合の基剤として特に優れたものである。

次に実施例および実験例を示し、本発明をさらに詳しく
説明する。

なお実施例および実験例中に用いる％は重量パーセント
を示す。

実施例 １ コレステロール ３％ピヘニル
アルコール １４％プロピレングリコ
ール ８３％各成分を混合して７５℃以上
で加温溶解後、パドル型攪拌機で均一に攪拌しながら約
３５℃まで冷却して基剤を得た。

以下の実施例においても、本実施例と同じ製造法を用い
た。

実施例 ２ フイトステロール※ ステアリルアルコール ステアリン酸 プロピレングリコール ５％ １０％ ２％ ８３％ ※ シトステロール、スチグマステロー ル、カンペステロールの混合物 実施例 ３ コレステリルミ リステート ３％ フイ トステロール ５％ ステアリルアルコール １０％ １ ３ ブタンジオール ８２％ 実施例 ４ フイトステロール ビヘニルアルコール ポリエチレングリコール４０００ ジプロピレングリコール プロピレングリコール ７％ ８％ ２％ １０％ ７３％ 実施例 ５ コレステローノレ セトステアリルアルコール ジエチレングリコールモノステアレ ート ■・２・６−ヘキサントリオール プロピレングリコール １０％ ５％ ２％ ５％ ７８％ 実施例 ６ ステロール類と高級アルコール類の配合割合ｉ変化させ
て基剤を製造し、得られた基剤の展延セと高温での安定
性を調べた。

展延性は、ガラス滑重量１４８ｔのスブレッドメーター
を用い、２ξ℃にて６０秒後の試料の直径を測定した。

対照としては、ステロール類無添加のものを選んだ。

フイトステロール Ｏ〜１０％ビヘニルア
ルコール ７〜１７％ジエチレングリコール
モノステ １％アレート プロピレングリコール 全 量 １００％結 果 表に示すようにフイトステロールを添加すると展延性、
安定性がよくなる。

実験例 １ 実施例１０本発明基剤について、その使用感、展延性、
粒子径、外観を調べた。

対照として、次に示す従来の無水の基剤を選んだ。

対照１ 白色ワセリン 流動パラフィン 固形パラフィン 精製ラノリン イソプロビルミリステー ５０％ ２５％ ５％ １０％ ト １ ０ ％※対
照２ ポリエチレングリコール４０００ ４５％ ポリエチレングリコール４００ ５５％ 対照３ ステアリルアルコール ビヘニルアルコール プロピレングリコール ２％ １６％ ８２％ 展延性は実施例６と同じ方法で測定し、また粒子径は、
基剤中の分散粒子を顕微鏡で観察して測定した。

結果 表に示すように、本発明の基剤は対照に比べて使用感、
安定性が良い。

実験例 ２ 微生物発育抑制試験 実施例１０本発明基剤１１’に各試験菌懸濁液（菌数１
０６個／ｒｎｌ）の１０，１０”、１０３倍の各希釈液
を０．０２ｍｌ加え、真菌類では２５℃で、細菌類では
３７゜Ｃでおのおの２４時間、７日間接触させた。

その後、各基剤１グをとり、細菌類ではニュートリエン
ト斜面培地に、真菌類ではサブロランド寒天培地に、そ
れぞれの温度で７日間逆培養してコロニーの数を調べた
。

結果は次の表に示す。

表中一は、コロニーが認められない事をホす。

表に示すように、すべてコロニーの発生は認められず、
微生物の発育を抑制している事を示している。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｉ Ｏ．５〜１５重量パーセントのステロールまたは
   その脂肪酸エステル、４〜１５重量パーセントの高級ア
   ルコール、および多価アルコールを配合した実質的に無
   水の親水性基剤。