JPS5836684Y2 - 容器口部密封用インナ−シ−ル材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は容器口部密封用インナーシール材に関する。

一般にコーヒー等のビン容器の口部には内容物を湿気等
から保護するためにインナーシールがとりつけられてい
る。

このインナーシールは孔栓ボール紙を主材とするりシー
ル層（ボード）とアルミ箔等の金属箔を主材とする薄葉
のシール層（メンブレン）との積層物であり、キャップ
をはずしたときりシール層とシール層が分離してリシー
ル層はキャップの内側に残り、一方シール層はびん口部
に残ってびん内部への湿気の侵入を防止する役目を果す
。

そしてキャップが再びびん口部に冠着されるとノシール
層はシール層に重層され、キャップと共に両者でもって
びん内部への湿気の侵入を防止する役目を果す。

しかし、使用過程でシール層が消費者によりびん口部よ
り除去されてしまい、孔栓ボール紙を主体とするシール
層のみとなると、充分な防湿機、熊は果され得なくなる
。

上記インナーシールに対しては、以前はびん詰め商品が
消費者の手に渡りびんが開封される迄の商品の流通過程
における防湿を完全に行なうことが主として要求され、
びんが開封されたのちの使用過程での防湿の完璧を期す
ことはさほど要求されなかったが、近年高防湿包装が要
求される高品質の商品もびん詰め包装されるようになる
に伴なって上記インナーシールに対して使用過程におい
ても高い防湿機能を果すことが要求されるようになった
。

そこで、孔栓ボールにアルミ箔を接着剤によって貼合し
たものでリシール層を構威し、且つシール層の表面に温
度及び湿度に安定な油脂分及び界面活性剤を主成分とし
た剥離層を設け、このリシール層とアルミ箔等の金属箔
を主材とするシール層をポリエチレンを押出し貼合せす
ることが試みられたが、剛性の高いリシール層とフレキ
シブルなシール層を押出し貼合せすることは困難であり
、貼合せの過程で層間のうきが生じやすくキャップに装
填する工程ですでにインナーシール材がリシ−重層とシ
ール層とに分離してしまいやすく実用化することができ
なかった。

本考案は、リシール層のみでも防湿機能を果し、且つリ
シール層とシール層の間の接着は充分でキャップに装填
する迄は分離することはなく、且つ又リパツク性は良好
であり、しかも、製造容易であるインナーシール材につ
き研究の結果、完成したものである。

即ち、本考案の要旨は、アルミ箔等の金属箔の下面にポ
リエチレンの押出しコート層を介してグラシンが貼り合
わせられ、該金属箔の上面には印刷絵柄層が設けられ、
該印刷絵柄層の上からポリエチレンに対する親和性の弱
いニトロセルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ゴム系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹
脂、又は塩化ビニール系樹脂、あるいはそれらの混合物
、あるいは前記樹脂単体又は混合物にシリコーン樹脂を
添加した組成物よりなる透明離型樹脂層が重層され、該
透明離型樹脂層の上面にはポリエチレンの押出しコート
層を介してアルミ箔等の金属箔が重層され、該金属箔の
上面にはポリエチレンの押出しコート層が設けられ、該
ポリエチレン層上に接着剤を介してボール紙が貼合され
てなり、ボール紙、接着剤層、ポリエチレン層、金属箔
、及びポリエチレン層よりなるリシール層と、透明離型
樹脂層、印刷絵柄層、金属箔層、ポリエチレン層、及び
グラシンよりなるシール層とに分離しうる容器口部密封
用インナーシール材である。

以下、本考案につき図面を参照しながら詳細に説明する
。

第１図は本考案に係る容器口部密封用インナーシール材
１４の断面図を示している。

アルミ箔等の金属箔９の下面にポリエチレンの押出しコ
ート層１０を介してグラシン１１が貼り合わせられ、該
金属箔９の上面にはアンカーコート層８（尚、このアン
カーコート層は必ずしも必要ではない）を介して印刷絵
柄層７が設けられ、該印刷絵柄層７の上からポリエチレ
ンに対する親和性の弱いニトロセルロース系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、エステル
系樹脂、ウレタン系樹脂、又は塩化ビニール系樹脂、あ
るいはそれらの混合物、あるいは前記樹脂単体又はそれ
らの混合物にシリコーン樹脂を添加した組成物よりなる
透明離型樹脂層６がグラビアコート法、ロールコート法
等の塗工手段によって重層され、更に透明離型樹脂層６
上にポリエチレンの押出しコート層５を介してアルミ箔
等の金属箔４が重層され、更にこの金属箔４上にポリエ
チレン３が押出し塗工されてなる積層体と孔栓ボール等
のボール紙１とがワックス、ホットメルト、エマルジョ
ン接着剤、溶剤型接着剤等の接着剤２によって貼合され
ている。

上記のインナーシール材１４は透明離型樹脂層６とポリ
エチレン層５間で剥離しうるように構成されており、ボ
ール紙１、接着剤層２、ポリエチレン層３、金属箔４、
及びポリエチレン層５よりなる積層物はりシール層１２
を構成し、一方、透明離型樹脂層６、印刷絵柄層７、ア
ンカーコート層８、金属箔９、ポリエチレン層１０及び
グラシン１１よりなる積層物はりシール層１３を構成す
る。

第２図は本考案に係るインナーシール材をキャップ内に
装填し、このキャップを容器口部に冠着した状態を示し
ている。

図において、１５はキャップ、１６は容器本体、１７は
キャップ側部、１８はキャップ側部内側に突設されたリ
ブ、１９は容器首部、２０は容器首部外面のねし山、及
び２１はキャップ側部内側のねし山である。

又、第３図はキャップをとり、インナーシール材をリシ
ール層とシール層に分離した状態を示している。

次に第４図はキャップを容器口部に冠着し、容器口部を
リシール層でふさいだ状態を示している。

本考案に係るインナーシール材においてはりシール層１
２及び゛シー重層１３のそれぞれがポリエチレン層及び
金属箔を含む積層体よりなるので、ポリエチレン層３，
５、及び金属箔４よりなる第１の防湿壁とポリエチレン
層１０、及び金属箔９よりなる第２の防湿壁の二つの防
湿壁が存在することとなり、従って本考案に係るインナ
ーシール材によれば完璧なる防湿をすることができる。

又、それのみならず、シール層１３を容器口部より除去
し再び容器口部にキャップを冠着したときにおいてもリ
シール層１２のみで充分なる防湿をすることができる。

又、本考案に係るインナーシール材においてはりシール
層とシール層の層間接着はポリエチレンの押出しコート
層と透明離型樹脂層の層間接着によりなされているので
、温度、及び湿度に依る剥離強度の変化はなく、長期間
保存した後でも適切な剥離強度が保たれる。

更に本考案に係るインナーシール材はポリエチレン３、
金属箔４、ポリエチレン５、透明離型樹脂層６、印刷絵
柄層７、ポリエチレン層１０、及びグラシン１１よりな
る積層フィルムとボール紙１とを水平面において貼合し
、その後、貼合したものを彎曲することなく断才仕上げ
して製造することができるので、製造の過程で層間の浮
きが生ずることは全くない。

上述したように、本考案に係るインナーシール材は剥離
強度の温度、湿度による変化はなく且つ層間の浮きがな
いので、インナーシールをキャップに装填する過程で、
リシール層とシール層に分離してしまい装填不可能とな
ったり、又はこれとは逆にリシール層とシール層間の剥
離強度が大き過ぎて、キャップを容器から取外した時に
リシール層とシール層が両者一体となったまま容器口部
に残ることはない。

更に本考案に係るインナーシール材においては、リシー
ル層とシール層を接着する接着層は透明なポリエチレン
であり、且つ剥離樹脂層は透明であるので、剥離した後
のシール層の金属箔面の光沢が失われず且つ印刷の鮮明
さも何ら損われることはない。

以上、詳記した通り、本考案に係るインナーシール材に
よれば完璧なる防湿をすることができるのみならず、シ
ール層を容器口部より除去し再び容器口部にキャップを
冠着したときにおいてもリシール層のみで充分なる防湿
をすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るインナーシール材の断面図、第２
図は前記インナーシール材を容器口部に装着し、且つキ
ャップを冠着した状態を示す断面図、第３図はキャップ
をはずした状態を示す断面図、第４図はキャップを容器
口部に冠着した状態を示す断面図である。 １・・・・・・ボール紙、２・・・・・・接着剤層、３
・・・・・・ポリエチレンコート層、５，１０・・・・
・・ポリエチレン押し出しコート層、４，９・・・・・
・金属箔層、６・・・・・・透明離型樹脂層、７・・・
・・・印刷絵柄層、１１・・・・・・グラシン、１２・
・・・・・リシール層、１３・・・・・・シール層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルミ箔等の金属箔の下面にポリエチレンの押出しコー
   ト層を介してグラシンが貼り合わせられ、該金属箔の上
   面には印刷絵柄層が設けられ、該印刷絵柄層の上からポ
   リエチレンに対する親和性の弱いニトロセルロース系樹
   脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、
   エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、又は塩化ビニール系
   樹脂、あるいはそれらの混合物、あるいは前記樹脂単体
   又は混合物にシリコーン樹脂を添加した組成物よりなる
   透明離型樹脂層が重層され、該透明離型樹脂層の上面に
   はポリエチレンの押出しコート層を介してアルミ箔等の
   金属箔が重層され、該金属箔の上面にはポリエチレンの
   押出しコート層が設けられ、該ポリエチレン層上に接着
   剤を介してボール紙が貼合されてなり、ボール紙、接着
   剤層、ポリエチレン層、金属箔、及びポリエチレンより
   なるリシール層と、透明離型樹脂層、印刷絵柄層、金属
   箔層、ポリエチレン層、及びグラシンよりなるシール層
   とに分離しうる容器口部密封用インナーシール材。