JPS5835866Y2 - スポット型ディスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用ディスクブレーキに関するもので、特に
ロータの両側に配設された二対のパッドが、ロータの一
側において固定されたトルク受は部材の一対のアームの
間に配置されてこの両アームによりロータの軸方向へ摺
動案内され、且つロータの平面に対し、垂直方向に作用
するピストンによってロータと係合することによシブレ
ーキ作用をトこなうタイプのディスクブレーキに関する
ものである。

上記タイプのディスクブレーキにｐいては、空間的な制
約を受ける為トルク受は部材が片持支持であるのが通常
である。

この為ブレーキ作用時トルク受は部材がロータの回転方
向に向かって若干たわみを生じ、このたわんだ状態のト
ルク受は部材のガイド面に沿ってキャリパ及びパッドが
案内される為、ピストンによって直接押圧されるパッド
についてはロータの入口側が、又キャリパを介して押圧
される側のパッドについてはロータの出口側が夫々摩耗
量が増大し、いわゆる偏摩耗現象を呈し、ひいてはこの
偏摩耗の為引き摺シ現象をも生じる原因となっていた。

本考案は上記欠点を解消することを目的とし、特に偏摩
耗傾向にあるパッドの部分を押圧するキャリパ部分の曲
げ剛性を大きくとることによりパッドのロータに対する
面圧を均等にならしめたものである。

以下本考案を実施例に即して説明する。

第１図及び第２図にふ・いて、１０はキャリパを示し、
シリンダ部１１を一体形成し、このシリンダ＠１１内に
液圧ピストン１を内在する。

シリンダ部１１とこのピストン１とに区画される液圧室
７はマスクシリンダ等の図示されないブレーキシステム
からの油圧が導入される。

２は車軸に固定されるロータで、このロータの両側面の
一部に夫々裏板３゜５に結合支持される摩擦パッド４，
６が押圧されるいわゆるスポット型ディスクブレーキで
ある。

キャリパ１０には前記したシリンダ部１１と対向し、ロ
ータ２を跨いで延在する一対の足部１２゜１３が一体形
成され、ブレーキ作動時（つ１り液圧室７内に高圧が導
入された際）、アウタ側の摩擦パッド４をロータ２に押
圧するものである。

このうち足部１２の肉厚を足＠１３の肉厚よう太きく設
定しつある（第２図参照）。

２０はアダプタで車体の固定部にボルト等で固締され、
ブレーキトルクを受けるいわゆるトルク受は部材となっ
ている。

このアダプタ２０はロータの上面を交差して延在する一
対のトルク受はアーム２Ｌ２２を有してｐす、このアー
ム２１．２２の夫々の自由端（アウタ側）にはアウタパ
ッド４の裏板３を、又他端（インチ側）にはインナパッ
ド６の裏板５を夫々案内支持するガイド面が設けられて
いる。

尚第１図の８，９は裏板３，５の上方への飛び出し及び
ガタ止めとして作用するストッパーを示す。

又、第１図の１４．１５は夫々キャリパ１０の延在部で
、トルク受はアーム２１．２２の案内部２１ａ、２２ａ
に裏板３，５と共に案内・支持される。

さて、第２図にネーいて、ロータ２がＡ矢視方向に回転
している場合（これを車輌前進走行方向の回転とする）
に、ブレーキをかけたとする。

この為液圧室７内に高圧がマスクシリンダから導入され
ピストン１は図示下方へ押圧され、同時にシリンダ１１
はその反作用として上方へ拡開される。

この為ピストン１の下方押圧力によりインナパッド６は
裏板５を介して回転するロータ２の一側面に摩擦係合し
、一方シリンダ１１の上方移動はすなわちキャリパ１０
の上方移動である為足部１２゜１３がアウタパッド４を
裏板３を介して押圧し、この作用によりロータ２の他側
面にアウタパッド４が摩擦係合する。

このようにロータ２の両側面から摩擦係合させた場合、
ロータ２の回転方向（Ａ矢視）に対して多大なブレーキ
トルクが作用する。

このトルクはパッド、キャリパを介して前記したトルク
受はアーム（Ａ矢視回転の場合は２２）のガイド面２２
ａにて受けるよう構成されているが、前述した如くトル
ク受はアームの外端７５咄由端となっている為その内端
を支点として外方へたわみ現象が生じる。

ここで従来のようにキャリパ１０の足部１２゜１３の肉
厚が同一である場合にはアーム２２の外方への変形によ
りアウタパッド４側のロータへの圧接力が足部１３側に
集中しパッド４の第２図示左方部分の摩耗がはげしく、
インナパッド６側のロータへの圧接力は右方に集中し、
パッド６の右方部分の摩耗がはげしい。

このように圧接力の不均一に起因してパッドの偏摩耗が
生じる点に着眼し、本考案ではこのアームの変形（たわ
み）によるロータ２への圧接力の不均一を、キャリパ１
０の足部１２，１３の曲げ剛性を異ならせることにより
略均−にならしめ、ひいてはパッドの偏摩耗という従来
から存在するこのタイプに訃ける重大な問題点を解消し
たものである。

尚、キャリパ足部１２．１３の剛性の大小は通常車輌の
ブレーキ作動が前進走行時にひんばんに行なわれる点を
考慮し、かつ前進走行時の車輌の速度が大きい点を考慮
すればロータ２の一方側回転方向に対してのみ対策すれ
ばよいことは明らかであろう。

アダプタ２０の穴２０ａ、２０ａは車体固定部への取付
穴であり、これにボルト等の固締手段を介してロータ２
の車体側に取り付けられる。

第３図及び第４図は他の実施例を示す。ここに示される
ディスクブレーキは特に大型車輌などの車体重量の大き
い車種に採用する２−ピストンキャリパタイプについて
本考案を適用した場合の構成である。

キャリパ１００にはシリンダ１１１ａ、１１１ｂの平行
に配置された２つを有し、夫々にはピストン１０１ ａ
、１０１ｂが内在している。

これに合わせてキャリパ１００は更に足部１１２，１１
３ａ及び１１３ｂの２つを延在させである。

本実施例にお゛いてもロータ１０２の回転方向Ａ矢視時
のトルク受はアーム１２２のたわみを考慮し、足部１１
２の剛性を高くシ、アーム１２２のたわみ変形による偏
摩耗を解消したものである。

第５図及び第６図の実施例は、第１図及び第２図の実施
例にネ・いて足部１２ｔ１３の剛性を全体の肉厚に対し
て異なった大きさににしたのに対し、本実施例では足部
２１３，２１２の肉厚はその１昔とし、足部２１３の表
面上に切欠溝２１３ａを設けたものである。

効果・作用共に第１実施例と同一である。

特に本実施例の場合には車輌に取り付ける場合左右輪に
共用できる利点がある。

つ筐り第６図に示されるディスクブレーキを反対車輪に
用いる場合には切欠溝を足部２１２側に設ければよい。

以上の如く本考案にネーいて車輌の前進走行時にネ゛ケ
るロータの回転方向に関し入口側のアウタパッド受は部
分の捷げ剛性を大きくし出口側はこれに比較し」Ｘさく
したことによりパッドの偏摩耗を極力軽減、若しぐは防
止したものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案ディスクブレーキの個所図、第２図は第
１図の■−■線断面図、第３図は本考案の第２実施例を
示す側面図、第４図は第２図ＩＶ−■線断面図、第５図
は本考案第３実施例を示す個所図、第６図は第５図ＶＩ
−Ｖｌ線断面図。 ２．１０２，２０２・・・・・・ロータ、１０，１００
゜２００・・・・・・キャリパ、１２，１１２，２１２
゜１３．１１３ａ、１１３ｂ、２１３・＝・キュリパ足
部、４，６；１０４，１０６；２０４，２０６・・・・
・パッド、２２．１２２．２２２・・・・・・トルク受
はアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータの両側に配設された一対の摩擦パッドが、ロータ
   の一側に釦いて固定されたトルク受は部材の−１のアー
   ムの間に配設されてこの両アームによりロータの軸方向
   へ摺動案内され、ロータの一側の一方摩擦パッドはロー
   タの平面に対し垂直方向に作用するピストンにより、ま
   たロータの他側の他方摩擦パッドは上記ピストンの嵌合
   するシリンダ部を有し且つ上記一対のアームによりロー
   タの軸方向へ摺動案内されるキャリパによってそれぞれ
   ロータに押圧される構成のスポット型ディスクブレーキ
   において、前記キャリパ・のパッド抑圧部の曲げ剛性を
   、ロータの回転方向に関して入口側を大きく出口側を小
   さく設定することによシ、ブレーキ作動時にｐける前記
   両摩擦パッドの摩擦面の面圧を略均−にしたことを特徴
   とするスポット型ディスクブレーキ。