JPS5835803B2 - トウブチヨウセイガタセツサクコウグノ レンケツソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、切刃を設けた頭体を工具本体に位置調整可
能に連結できるようにした頭部調整型切削工具の連結装
置に関するものである。

この種頭部調整型切削工具の連結装置は、従来一般に第
１図および第２図に示すように構成されていた。

すなわち、切刃１を設けた頭体２と工具本体３の連結は
、頭体２の基端側部に形成された雄型ダブテール４が、
工具本体３の先端側部に形成された雌型ダブテール６に
摺動自在に嵌合されこの雌型ダブテール６の底から軸方
向に沿って工具本体３に形成したスリット５と直交させ
て工具本体３にクランプねじ７を螺合させ、このねじ７
を締付けることにより、前記雄型ダブテール４を雌型ダ
ブテール６で圧着掴持するようにされている。

以上のような連結装置を基体とし、さらに適宜の調整装
置が付加されるものであわ、第１図、第２図に示すその
一例は、前記頭体２の雄型ダブテール４部にねじ孔８を
設け、この孔８に調整ねじ桿９を螺合させると共に、頭
体２の一側に切欠１０を形成し、工具本体３のテール端
面から突出させた突当てビン１１を前記切欠１０内に延
出させ、クランプねじ７を適度に緩めた状態で調整ねじ
桿９を螺進させることにより、その先端を突当ピン１１
に突当てて、前記工具本体３に対する頭体２の位置調整
を行なうものであった。

しかし、前述した従来の連結装置は、雌型ダブテールの
弾性変形により、雄型ダブテールを圧着掴持するもので
あるため、両ダブテールはそれぞれ高精度の加工および
嵌合が必要であわ、コスト高であり、加工が困難である
。

またクランプねじの頭部座面の摩擦が太きいために、そ
の締付トルクの損失が大きく締付効率が低い上に、締付
力が雌型ダブテールを弾性変形させるために多く消費さ
れ、このダブテールによる掴持力は非常に減する。

さらに頭体を工具本体側に引込み、圧接させる力は、ダ
ブテールの傾斜角によって生じるものであり、傾斜面に
おける摩擦損失などによ０雌型ダブテールの掴持力より
もさらに小さなものとなり、連結剛性が低いという大き
な欠点がある。

この発明は、前述した従来の頭部調整型切削工具の連結
装置の欠点を解消して、連結剛性が高くまた高精度の加
工を必要とせず、さらに工具本体を他の工具のものと共
用できるなど安価に提供できる連結装置を提供しようと
するものである。

以下この発明の実症例につき同図を参照して説明する。

第３図、第４図は一実施例を示し、切刃２１を設けた頭
体２２と工具本体２３とを連結する連結部材２５を備え
ている。

前記頭体２２の基端部には雌型ダブテール２４が連結部
材２５の一端には雄型ダブテール２６がそれぞれ形成さ
れ、これらのダブテール２４，２６は摺動自在に嵌合さ
れる。

前記連結部材２５の他端には断面円形の凸部２７が形成
され、工具本体２３の先端側部２８には前記凸部２７の
断面形状とはゾ同一の断面形状の凹部２９がそれぞれ形
成され、凸部２７と凹部２９が嵌合される。

また前記凸部２７と凹部２９とには、それぞれの軸線と
直交する方向にある孔が形成されている。

すなわち、凸部２７側にはこの凸部２７を貫通して一側
に円錐座面３０をもった取付孔３１が形成され、かつ凹
部２９側にはこの凹部２９を包囲する工具本体２３を一
直綿上に貫通する一側の挿通孔３２と他側の取付ねじ孔
３３とが形成されている。

なお、第４図に示す頭体２２と連結部材２５との連結状
態において頭体２２の基端面３４と連結部材２５の凸部
２７の取付孔３１との間隔に対しで、前記挿入孔３２お
よび取付ねじ孔３３と先端面２８との間隔を幾分長くし
ておく。

また凸部２７と凹部２９とを嵌合した状態で挿入孔３２
、取付孔３１を貫通して取付ねじ孔に螺合されるクラン
プねじ３５には、前記円錐座面３０に対応する円錐面３
６が形成されている。

さらに凸部２７と凹部２９との断面形状は円形であると
、クランプねじ３５の螺合によつで一応の回止めがなさ
れはするが、幾分のクリアランスがあって完全な回止め
作用が得られないので、別な回止め手段を必要とする。

この実施例では工具本体２３側にピン３７を植設し、連
結部材２５側にはビン３７が嵌合するピン孔３８が形成
されて、凸部２７と凹部２９との回止めを行なっている
。

しかし、凸部および凹部の断面形状を非円形断面にすれ
ば、回止め手段を必要とせず、相互の嵌合のみによって
回止め作用が得られる。

また前記凸部と凹部とは、工具本体と連結部材とのいず
れの側にあってもよく、必ずしも第３図、第４図に示す
状態に限定されるものではない。

以上のように構成された実施例の連結装置で、頭体２２
と工具本体２３とを連結するには、頭体２２の基端側部
に形成された雌型ダブテール２４に連結部材２５の一側
に形成された雄型ダブテール２６を摺動自在に嵌合させ
、工具本体２３の凹部２９に連結部材２５の凸部２７を
嵌合させる。

その後、クランプねじ３５を挿通孔３２に頭部３５ａが
支持されるようにして取付孔３１を貫通させ、取付ねじ
孔３３にねじ込んで締付けることにより、クランプねじ
３５に形成された円錐面３６を取付孔３１の円錐面３０
に圧接させ、そのくさび作用によって頭体２２を工具本
体２３側に引寄せ、頭体２２の基端面３４と工具本体２
３の先端面２８とを連結部材２５を介して圧接させ、第
４図に示すように、頭体２２を工具本体２３に対して摺
動自在に位置調整ができる機構をもって強固な連結がな
されるものである。

第５図乃至第８図は、この発明の連結装置に位置調整機
構を設けた場合の一例を示し、連結部材２５の雄型ダブ
テール２６の端面３７にダブテールの摺動方向に速度の
傾斜角θを有する傾斜溝３８を設けておき、頭体２２に
は突起３９を有するスリーブ４０と、このスリーブ４０
に螺合した一端に大径で外周面にスリット４１を形成し
た頭部４２を有する調整ねじ稈４３を、ダブテールの摺
動方向に対して直角で前記スリーブ４０の突起３９が雌
型ダブテール２４の底面４４から突出する位置に穿たれ
た円筒孔４５に、突起３９を雄型ダブテール２６の傾斜
溝３８に噛合せて嵌挿する前記調整ねじ稈４３をレンチ
によって回動させることにより、スリーブ４０は上下に
摺動するが、突起３９は雄型ダブテール２６の底面に設
けられた傾斜溝３８に噛合され、また連結部材２５は横
方向に動くことはないことによって、頭体２２がダブテ
ール２４，２６の嵌合部で工具本体２３に対して横方向
に、すなわちその軸方向と直角方向にスリーブ４０の移
動量とｔａｎθの積だけ自由に摺動する。

頭体２２の横方向への最大移動量は傾斜溝３８の長さに
よって制限されるがそれ以上の移動量を要する場合には
第８図に示すようにさらに傾斜溝３８の隣０に設けた傾
斜溝３８ａにスリーブ４０の突起３９を噛合せればよい
。

そして寸法調整操作は、先ずダブテール摺動部がスムー
ズに摺動する程度にクランプねじ３５を締め、次に調整
ねじ桿４３を回動させて所定量の調整を行なった後、ク
ランプねじ３５を締付けて頭体２２を工具本体２３に強
固に固定するものである。

以上説明したようにこの発明は、切刃を設けた頭体と連
結部材の一側とを軸方向に互に係合されかつ軸方向と直
角な方向に摺動可能に凸部と凹部との嵌合によって連結
し、前記連結部材の他側部と工具本体とを凹凸嵌合させ
、前記連結部材を工具本体側に引込むことにより、連結
部材を介して頭部を工具本体に固定するものであるから
、頭体と連結部材とのダブテール、丁字形嵌合部などに
よる凸部と凹部との嵌合部及び頭体の基端部３４と工具
本体の先端側部２８とは、連結部材の軸方向移動により
密着圧接されて固定されるものであり、従来の雌型ダブ
テールの弾性変形によって頭体と工具本体とを固定する
従来のものと異なり、前記嵌合部はある程度の大きさの
クリアランスが必要であり、従って嵌合精度が高いこと
が要求されないため、前記凸部および凹部の加工が容易
であり、また比較的加工が複雑な部分は連結部材として
１つの部品に集約されているため、工具本体の加工が容
易で、全体的に低コストで製造できる。

さらに工具本体は構成が簡単であり他の切削工具の工具
本体との共用も可能であるため、使用者、生産者におい
て在庫、生産の管理が容易である。

そして弾性変形させる部材がなく、クランプねじの円錐
面によるくさび効果を利用するなどの力のむだが少ない
手段によ０頭体を連結部材を介して工具本体側に引込ん
で固定するものであるから、連結剛性が高く、確実な連
結がなされるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の頭体調整型切削工具の連結装置の一例を
示す正面図、第２図は第１図のｎ −ｔＢ＠に泊う断面
図、第３図はこの発明の一実施例を示す一部を切欠いた
分解正面図、第４図は同一部を切欠いた正面図、第５図
は他の実施例を示す一部を切欠いた正面図、第６図は第
５図のＶｌ−Ｖｌ線に沿う断面図、第７図および第８図
は第６図の■■線および■−■線に沿う断面図である。 ２１・・・・・・切刃、２２・・・頭体、２３・・・・
・・工具本体、２４・・・・・・雌型ダブテール、２５
・・・・・・連結部材、２６・・・・・・雄型ダブテー
ル、溝（連結部材−側の凸部）、２７・・・・・・連結
部材他側の凸部、２９・・・・・・工具本体の凹部、３
５・・・・・・クランプねじ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端部に切刃を設は基端部に雌型ダブテールを形成
   した頭体と、該頭体の雌型ダブテールに摺動自在に嵌合
   する雌型ダブテールを一端に形成し他端に円錐座面を有
   する取付穴を軸線と直交する方向に設けた凸部を形成し
   た連結部材と、該連結部材の凸部と嵌合する凹部を先端
   側部に形成するとともに該凹部を前記連結部材の取付穴
   と共に一直線に貫通する挿通孔及び取付ねじ孔を形成し
   た工具本体と、該工具本体の挿入孔よ０挿通ずると共に
   取付ねじ孔に螺着されかつ前記連結部材の円錐座面に対
   応する円錐面を有するクランプねじとからなり、前記ク
   ランプねじの螺着にてクランプねじに形成された円錐面
   を取付穴の円錐面に圧接させ、そのくさび作用によ０連
   結部材を工具本体側に引寄せ、連結部材に嵌合した頭体
   の基端面と工具本体の先端面とを圧接させるようにした
   ことを特徴とする頭部調整型切削工具の連結装置。