JPS6221367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、小径用のボーリングバーに係り、特
にツールヘツドを交換可能にするとともに、その
径方向の位置調整も可能にしたものである。

従来、この種のボーリングバーは、小径のもの
では一体物が普通であり、また中径のものでは、
カートリツジ方式が普通である。

したがつて、機能の向上から小径用のもので、
ツールヘツドが交換できるボーリングバーが要求
されるが適当な交換機構を備えるものが少なかつ
た。また、ヘツド交換機構を備える切削工具で
は、例えば特開昭51−21289号公報にみららるよ
うなものがあるが、機構上複雑で必ずしも好まし
いものではなかつた。

このようなことから、小径用のボーリングバー
で、ツールヘツドを交換でき、しかも径方向の位
置調整を可能にしたボーリングバーの機構開発が
要望されている。

本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、棒
状をなすバー本体の一端には、切刃チツプを備え
たツールヘツドがけん引部材、締付けねじ、スプ
リングによつて合理的に取付けられ、しかも径方
向の位置調整を可能にした改良されたヘツド交換
式のボーリングバーを提供するものである。

以下、本考案ボーリングバーの一実施例につい
て、図を参照しながら説明する。

第１図乃至第５図において、１は、棒状をなす
ボーリングバーの本体であり、その一端には、切
刃チツプ２を備えたツールヘツド３が着脱可能に
取付けられている。

このツールヘツド３は、その後端にボス部４を
凸設するとともに、このボス部４の端面からは、
導入部分５および係合部分６をそれぞれ連設した
受入係合穴７が穿設されている。

そして、本体１に穿設された受入れ穴１２内に
は、けん引部材８を組込むことによつて前記ツー
ルヘツド３を着脱可能にする。このけん引部材８
は、胴部９およびＴ字状に突起する係合頭部１０
からなつており、係合頭部１０が前記ツールヘツ
ド３の受入係合穴７内に導入係合され、またその
胴部９が本体１のスプリング１１を備えた受入れ
穴１２内に位置する。この場合、けん引部材８
は、軸方向には移動可能であるが非回転体となる
ものである。そして、軸方向のみ移動可能とする
ため、本実施例では、本体１の側部にはねじ穴１
３ａが穿設されるとともに、このねじ穴１３ａに
ねじ込まれたねじ１３の先端が、けん引部材８の
キー溝１３ｂ内に位置するようになつている。

しかして、けん引部材８は、切欠部分１４が胴
部９に設けられるとともに、この切欠部分１４に
対しては、本体１の側部のねじ穴１５ａに備えら
れた締付けねじ１５が作用する。すなわち、締付
けねじ１５の先端が切欠部分１４に当接されるこ
とにより、この締付けねじ１５がスプリング１１
の弾発力を受けるが、さらにねじ込むことによつ
て、けん引部材８を受入れ穴１２の奥側にけん引
する。そして、このけん引作用に伴つて、ツール
ヘツド３が本体１に固定される。

なお、前記けん引部材８の切欠部分１４は、本
実施例では、円錐穴として形成され、これに当接
される締付けねじ１５は、円錐端を形成して、こ
の円錐端を前記円錐穴よりも小径にしていわゆる
偏心関係を構成する。

また、前記ツールヘツド３は、そのボス部４が
本体１の受入れ穴１２に連設された受入れ凹部１
６内に位置するが、本体１に対しては、切刃チツ
プ２を基準とした径方向に位置調整可能となるも
のである。すなわち、前記受入れ凹部１６は、第
５図で明示されているように１対のガイド面１６
ａ，１６ａを有し、このガイド面１６ａ，１６ａ
にボス部４の両側部が摺接する。そして、ツール
ヘツド３の側部に設けられたねじ穴１７ａ内に
は、調整ねじ１７がねじ込まれ、その先端がけん
引部材８に当接されることによつて、本体１に対
して径方向の位置調整が行なわれる。

なお、本実施例では、前記ツールヘツド３、け
ん引部材８および本体１には、それぞれ油穴１
８，１９，２０が穿設され、ツールヘツド３に設
けられたフルート２１の側壁から切刃チツプ２に
向つて切削油が供給される。

また、本実施例では、中央穴２２を有する正方
形板の切刃チツプ２を適用し、ねじ２３によつて
固定するようにしているが、これに限らず切刃チ
ツプ２の形状、固定手段を適宜変更できるもので
ある。

このようにして構成された本考案のボーリング
バーは、けん引部材８に対して締付けねじ１５を
作動させることにより、けん引部材８の係合頭部
１０がツールヘツド３をスプリング１１の弾発力
に抗してけん引的に固定する。また、調整ねじ１
７により、ツールヘツド３の本体１に対する径方
向の位置調整が可能となるものである。

本考案は、以上説明したように、ヘツド交換式
のボーリングバーを提供したことから、ツールヘ
ツド部分の損傷があつた場合でも迅速かつ容易に
交換でき、また調整ねじの存在により径方向の位
置調整も可能になつたことから仕上げ切削にも使
用できるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案ボーリングバーの一実施例を
示す正面図、第２図は、その側面図、第３図は、
要部を断面図示した上面図、第４図は、第３図中
の−線に沿つて得られる断面図、第５図は、
同じく第３図中の−線に沿つて得られた断面
図である。 １……本体、３……ツールヘツド、７……受入
係合穴、８……けん引部材、１４……切欠部分、
１５……締付けねじ、１７……調整ねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 棒状をなすバー本体１に穿設された受入れ穴１
   ２に対し、ボス部４を形成したツールヘツド３が
   けん引部材８、締付けねじ１５およびスプリング
   １１によつて着脱可能になつており、またツール
   ヘツド３の側部では調整ねじ１７によつて本体１
   に対する切刃チツプ２の径方向位置を調整できる
   ようにしたボーリングバーにおいて、 前記本体１は、前記受入れ穴１２の開口端に１
   対のガイド面１６ａ，１６ａを備えた略矩形断面
   状の受入れ凹部１６が形成され、またその側部に
   は、前記受入れ穴１２に向つて開口するねじ穴１
   ５ａが設けられ、 前記ツールヘツド３は、その端部にボス部４が
   設けられ、このボス部４が前記受入れ凹部１６内
   にあつて、前記ガイド面１６ａ，１６ａに摺接す
   ることによつて前記切刃チツプ２の径方向位置を
   変更できるようになつており、またこのボス部４
   の端面からは、導入部分５および係合部分６を連
   設した受入係合穴７が穿設され、しかもツールヘ
   ツド３の側部には、前記導入部分５に向つて開口
   するねじ穴１７ａが穿設されており、 前記けん引部材８は、切欠部分１４を備えた胴
   部９およびＴ字状に突起する係合頭部１０からな
   り、しかも胴部９が本体１の受入れ穴１２内にあ
   つて非回転体になつているとともに、前記係合頭
   部１０がツールヘツド３の受入係合穴７内に導入
   係合されるようになつており、 前記スプリング１１は、本体１の受入れ穴１２
   の奥側にあつて、その一端が前記けん引部材８を
   ツールヘツド３側に押出すように胴部９の端部に
   当接されており、 前記締付けねじ１５は、本体１のねじ部分１５
   ａにねじ込まれ、その先端がけん引部材８の切欠
   部分１４と係合し、そのねじ込みに伴つて前記ス
   プリング１１の弾発力に抗してけん引部材８を受
   入れ穴１２の奥側に引寄せ、前記けん引部材８の
   係合頭部１０によつてツールヘツド３を本体１に
   固定できるようになつており、 前記調整ねじ１７は、ツールヘツド３のねじ穴
   １７ａにねじ込まれ、その先端が前記けん引部材
   ８に当接されることにより、前記本体１に対して
   ツールヘツド３を径方向に調整できるようにした
   ていることを特徴とするボーリングバー。