JPS5835298Y2 - オイルフイルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関のオイルフィルタ、特に逆止弁構造
を有するオイルフィルタに係るものである。

一般に内燃機関には、リュブリケーションオイルが供給
されるようになっており、またこの経路途中にはオイル
中に含まれる微細なゴミを濾過するためのオイルフィル
タが設けられている。

このオイルフィルタはケーシング内に籠状に形成した金
網等からなるフィルタエレメントを配置したもので、供
給されたオイルフィルタエレメントを濾過して、内燃機
関側に移行し、かつこの中に含まれるゴミはフィルタニ
レメン）・中に残留するようになっている。

ところで、上記のようなオイルは内燃機関の脈動あるい
は管径路中の圧力により逆流現象を引き起こすこともあ
る。

このような場合には、フィルタエレメント内周面に付着
したゴミ等は、管径路を通じてオイル溜り中に逆流し、
このオイル溜り中に蓄積する不都合が生ずることもある
。

そこで、このような不都合点を解消するためには、従来
から上記オイルフィルタ内に逆止弁を挿入することが考
えられていた。

しかし、通常の逆止弁９例えばボールチェックバルブ等
を付加した場合には、作動圧力差が高いために、今度は
逆にオイル供給不足等の欠点が生じ、また作動圧力差を
小さく設定しようとすると、シール性の面で問題が出て
しまうということが指摘されている。

このように、従来の逆流防止用チェツり弁を有するオイ
ルフィルタは、オイルを円滑に供給することと良好なシ
ール性を保つということとが互いに背反するという問題
を有していた。

この考案は以上のような従来の問題に鑑みてなされたも
ので、その目的は、微小な圧力差でも十分に逆止作用を
なしてオイル供給を円滑に行ない得る一方、そのような
作動圧力差を小さく設定しても十分なシール性を得るこ
とができるようにしたチェック弁付きのオイルフィルタ
を提供することにある。

以下、この考案の好適な一実施例を図面に基いて説明す
る。

図は、この考案に係るオイルフィルタを示す。

同図示すオイルフィルタは、上部を密封された円筒形の
ケース１と、このケース１内を上下に気密に２分割する
隔壁２と、この隔壁２の下部にあって。

その開口周縁を隔壁２に気密に固着した籠状のフィルタ
エレメント３とから基本的に構成されている。

リュブリケーションオイルは、ケース１の上部からこれ
の内部に導入され、隔壁２を介してフィルタエレメント
３内に入り込み、ケース１の下部から図示していない内
燃機関に導出されるようになっている。

上記隔壁２の中心部はチェックバルブ４の弁座面をなし
ていて、中心に嵌合孔５を形成するとともに、その周縁
に流通口６を形成したもので、上記嵌合孔５には上記チ
ェックバルブ４の弁軸４ａが遊貫貫通している。

上記チェックバルブ４は、シリコン樹脂等の耐熱および
耐油性に富む弾性材からなっていて、その弁軸４ａの下
端には傘状に湾曲して開く弁本体４ｂが一体化され、か
つこの弁本体４ｂは上記流−通口６の形成個所を覆うべ
くその径が設定され、さらに弁軸４ａの上部には大径部
４Ｃが形成されており、上記嵌合孔５に弁本体４ｂが下
部となるように大径部４Ｃを弾性歪曲させて嵌合し、か
つ挿入状態では上記大径部４Ｃが隔壁２の上部に位置す
ることにより該チェックバルブ４の抜は止めがなされる
ようになっている。

従って、リュブリケーションオイルの供給側に圧力がか
かった場合には、上記チェックバルブ４が隔壁２の弁座
面に押し付けられてオイルの流通７Ｌ６を塞ぎ、これに
より逆量が防止されるのであるが、このとき、そのチェ
ックバルブ４はその弁本体４ｂが傘状に湾曲して開いて
いることによりその作動に必要な受圧面を広く確保する
ことができ、従ってそのバルブの作動圧力差は５０〜２
００ｍｍＡｑと極めて小さくすることができ、さらにそ
の弁体４ｂは弾性材からなるとともに傘状に湾曲して形
成されているため、該弁体４ｂが弁座面に押付けられた
場合にはその弾性変形によりきわめて高いシール性を得
ることができる。

以上のように、この考案によるオイルフィルタは、微小
圧力差でも十分に逆止作用をなしてオイルの供給を円滑
にすることができる一方、そのような微小圧力差で動作
するにもかがわらず、十分に高いシール性を得ることが
でき、これによりフィルタエレメント内のゴミ等が逆流
するのを確実に防止することができる。

そして、その逆止作用をなすチェック弁は、例えばシリ
コン樹脂等の耐熱および耐油性に富む弾性材から一体に
形成することができ、しかもその取り付けも嵌合孔に挿
入して簡単に行なうことができ、従って安価に製作でき
るという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案に係るオイルフィルタの半断面図である。 １・・・・・・ケース、２・・・・・・隔壁（弁座）、
３・・・・・・フィルタエレメント、４・・・・・・チ
ェックバルブ、５・・・・・・嵌合孔、６・・・・・・
流通孔、４ａ・・・・・・弁軸、４ｂ・・・・・・傘状
の弁本体、４Ｃ・・・・・・大径部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関に供給されるリュブリケーションオイルの径路
   途中に介挿されるオイルフィルタにおいて、上記オイル
   フィルタは、上下を密封された円筒形のケースと、この
   ケース内を上下に気密に２分割する隔壁と、この隔壁の
   下部にあって、その開口周縁を隔壁に気密に固着した籠
   状のフィルタエレメントから基本的に構成されていて、
   リュブリケーションオイルは上記ケースの上部からこれ
   の内部に導入され、隔壁を介してフィルタエレメント内
   に入り込み、該ケースの下部から内燃機関に導出される
   ように構成され、また、上記隔壁の中心部はチェックバ
   ルブの弁座面をなしていて、中心に嵌合孔を形成すると
   ともに、その周縁に流通孔を形成したもので、上記嵌合
   孔には上記チェックバルブの弁軸が遊貫貫通し、さらに
   上記チェックバルブは、シリコン樹脂等の耐熱および耐
   油性に富む弾性材からなっていて、その弁軸の下端には
   傘状に湾曲して開く弁本体が一体化され、かつこの弁本
   体は上記流通孔の形成個所を覆うべくその径が設定され
   、さらにまた上記弁軸の上部には大径部が形成されてお
   り、上記嵌合孔に弁本体が下部となるように大径部を弾
   性歪曲させて嵌合し、かつ挿入状態では上記大径部が隔
   壁の上部に位置することによりチェックバルブの抜は止
   めがなされるようになっており、これにより微小圧力差
   で逆止作用をなしてフィルタエレメント内のゴミ等の逆
   流を防止するようにしたことを特徴とするオイルフィル
   タ。