JPS5830957Y2 - 高層建造物に於ける避難口装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は集団住宅等の建造物、特に高層建造物に於ける
避難口装置に関し、更に詳細には、火災発生時等に於て
２階以上の上層階より直下の階へのベランダ−等の上へ
（注、ベランダ−等に穿たれた上下に連通ずる開口部を
利用して。

）避難するための建造物、特に高層建造物に於ける避難
口装置に関し、更に記すれば、前記された開口部に、床
面用蓋板と天井蓋板を有する枠体を固着し、その床面用
蓋板を開、くことにより天井用蓋板が自動的に開かれ、
同時に枠体内に収納された折畳梯子が降下可能になるよ
うにした式の避難口装置に用いられる高層建造物に於け
る避難口装置に関するものである。

従来より、この種の避難口装置は数多提案されているが
、これ等従来のものは前記の如く床面用蓋板を開くと同
時に折畳梯子が降下する式のものであるが故に、避難し
ようとする階下のベランダ−に人が居る場合は折畳梯子
が当ることがあり甚だ危険なるものであった。

本考案は斜上の点に着目して威されたもので、その目的
は、床面用蓋板を開いても折畳梯子が直ちに降下するこ
となく、即ち階下の安全を確めた上で降下可能にし、又
収納状態において折畳梯子の荷重が天井用蓋板にかかる
ことを防止し得て天井用蓋の歪み等をなくし得る高層建
造物における避難口装置を提供するにあり、他の目的は
床面用蓋“板を閉じる際に作動板と連動板の梃子作用（
こより大なる力を要せずして天井用蓋板を閉じ得る高層
建造物に於ける避難口装置を提供するにある。

更に本考案の他の目的は、折畳梯子が降下された状態に
於て、そのステップバーに足を載せた場合に爪先部を充
分前方に出し得られ、従って安全しかも容易に昇降出来
る高層建造物に於ける避難口装置を提供するにある。

又本考案の他の目的は構造が簡単で、それだけコスト安
に出来、又保守点検も容易になし得る高層建造物におけ
る避難口装置を提供するにある。

次に、上記の目的を達成し得る本考案の一実施例を、添
付図面について詳細に説明する。

ａは枠体、ｂは床面用蓋板、Ｃは天井用蓋板を示し、そ
の床面用蓋板すと天井用蓋板Ｃの同一側の一側は枠体ａ
に軸１，２により開閉自在に枢支されている。

３は左右１対の作動板、４は左右１対の連動板を示し、
その作動板３の基端部は軸５を介して床面用蓋板すの裏
面に固着された支板６に回動可能に枢着され、連動板４
の基端部に軸７を介して天井用蓋板Ｃの上面に固着され
た支板８に回動可能に枢着されている。

作動板３の中途にはガイド子３ａが設けられ、このガイ
ド子３ａが枠体ａの左右内側に設けられたガイド溝９に
摺動可能に嵌合されている。

又作動板３の先端部は弧状に曲折され、連動板４は全体
として弧状に形成され、斯く形成された作動板３と連動
板４が交叉した状態に於て、その画先端部が軸１０によ
り回動可能に枢着されている。

１１は床面用蓋板すに設けられた取手、１２は床面用蓋
板すの裏面に於ける前部に設けられたストッパーを示し
、そのストッパー１２は側面形に於て■形をなし、−脚
片部の上部のみが床面用蓋板すに固着され、他脚片部１
２ｂは床面用蓋板すと遊離状態になっている。

１３は枠体ａを構成する前壁ａ１の内側に於ける中央部
に設けられた保持枠を示し、左右の本体板１３ａと、こ
の両本体板１３ ａを上部に於て接続する手掛棒１３ｂ
より成り、且つ両本体板１３ａの下部には係止用溝１３
ａ１が形成されている。

そしてこの保持枠１３の左右の本体板１３ａの中途が枠
体ａに設けられた軸受板１４が軸１５により回動可能に
設けられると共に第２図に於て、これが反時計方向に回
動しないように手掛棒１３ｂがストッパー１２の他脚片
部１２ｂに当接されている。

１６は梯子載枠を示し、その先端部には係止杆１６ａが
設けられ、基部に設けられた軸１６ｂが、枠体ａを構成
する後壁ａ２の内側に固着された軸受１７に回動可能に
設けられている。

ｄは左右で１対をなす伸縮体ｄ１と後記される関連構成
より成るパンタグラフ式の折畳梯子を示し、次の如く構
成されている。

即ち、伸縮体ｄ工は、図面等に第３，４図に示す如く数
多の内側板１８と外側板１９より成り、その各内側板１
８と各外側板１９の中途がビス２０で回動可能に枢着さ
れている。

更に内側板１８と外側板１９の一端部は、相対向する伸
縮体ｄ１の内側板１８と外側板１９の一端部にまで延長
する長軸２１で回動可能に枢着されている。

又内側板１８と外側板１９の他端部は長軸２２を介して
回動可能に枢着されると共にその長軸２２に断面角形を
なすステップパー２３が回動不能に固着されている・即
ちこの実施側のものに於ては、内側板１８の曲折部１８
ａがステップバー１８に固着されている。

又前記された内側板１８と外側板１９の他端部が回動可
能に枢着された長軸２２のうちの数本は、第４図に示す
如く左右の伸縮体ｄ１の外方に延長されて延長部２２
ａが形成され、この延長部２２ ａに弾発コイルばね２
４が捲装されると共にワッシャー２５を介してナツト２
６で保持されている。

１８ ｂと１８Ｃは数多の内側板１８のうちの数枚の内
側板１８のうちの一端と他端に固着された間隔保持板を
示し、その間隔保持板１８ｂがステッパー２３に、間隔
保持板１８ Ｃが長軸２１に当接されるように構成され
ている。

２７はガイド杆２７ ａと保持用切込溝２７ ｂを有す
る左右１対の取付板を示し、この取付板２７は枠体１の
後壁ａ２に固着されている。

そして取付板２７に最上部の外側板１９の端部が長軸２
８を介して回動可能に枢着され、又最上部の内側板１８
の端部に設けられた長杆２９が前記のガイド杆２７ ａ
により形成されたガイド溝２７ａ１と保持用切込２７ｂ
内に摺動可能に嵌挿されている。

なお、３０は枠体ａ上に於ける前縁にピン３１を介して
回動可能に設けられた係止片を示し、第１図に於て枠体
ａを右方９０°直立された状態で、保管及び移送等する
場合に、床面用蓋板すと、これと同時に作動する天井用
蓋体板、Ｃが徒りに回動することを防止するために設け
られている。

叙上の構成に於て、床面用蓋板すを軸１を支点として第
１図の状態から第２図の実線位から鎖線位を介して右方
に開く、しかるときは作動板３はそのガイド子３ａがガ
イド溝８にガイドされながら右方に移動し、この移動と
共に床面用蓋板すは第１図の状態から第２図の状態に経
て第３図の如＜１開１かれる。

又床面用蓋板すの１前記１作動に゛従い、天井用蓋板Ｃ
は連動板４を介し、且つ軸２を支点として第１図の状態
から第２図の状態を経て第３図の如く垂直に開１かれる
。

この時点に於て下方なるベランダ−上に人の居ないこと
を確認した後に（注、折畳梯子が降下される位置に）次
いで保持枠１３の手掛棒１３ｂを持って軸１５を支点と
してこれを第２図に於て左方に回動する。

（注、保持枠１３の不回動状態は第１，２図の如くスト
ッパー１２の他脚片部１２ｂにより保持されている。

）しかると係止用溝１３ａによる梯子載枠１６の係止１
６ａの係止が外れて梯子載枠１６は軸１６１′ｂｉ支点
として自重により下方に回動し、この上に載せられた折
畳梯子ｄは、そのパンタグラフ式の伸縮体ｄ０が伸長状
態になって降下するが、これが伸長降下に際し、長軸２
２の左右なる延長部２２ ａに弾発コイルばね２４が捲
装されていることにより、この弾発コ・ｒルばね２４が
左右の外側板１９を内側板１８の方向に押圧することと
なり、即ち摩擦抵抗により急速なる伸長が制御され、換
言すればダンパー作用により、ビス２０、長軸２１．２
２，２８、長杆２９等に無理の力がかかることが防止さ
れている。

次に、床面用蓋板すを軸１を支点として前記と反対に押
下げる。

しかるときは作動板３及び連動板４は前記と反対に作動
して天井用蓋板Ｃが閉じられ、この閉じられた状態は床
面用蓋体すの自重により保持されるものである。

本考案は上記したように成るから、床面用蓋板を開いて
も折畳梯子が直ちに降下することなく、即ち階下の安全
を確めた上で降、下可能に出来、又収納状態において折
畳梯子の荷重が天井用蓋板にかかることを防止し得て天
井用蓋の歪み等をなくすことが出来、且つ構造が簡単で
、それだけコスト安に出来、又保守点検も容易にな七得
る等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面ｔマ本考案に係る高層建造物に於ける避難口装置の
一実施例を示し、第１図は不使用状態の縦断側面図、第
２図は折畳梯子を取除いた状態の縦断側面図、第３図は
使用状態の縦断側面図、第４図は折畳梯子の正面図であ
る。 ａ・・・・・・枠体、ｂ・・・・・・床面用蓋板、Ｃ・
・・・・・天井用蓋板、ｄ・・・・・・折畳梯子、ｄｌ
・・・・・・伸縮体、３・・・・・・作動板、３ａ・・
・・・・ガイド子、４・・・・・・連動板、９・・・・
・・ガイド溝、１８・・・・・・内側板、１８ｂ、１８
Ｃ・・・・・・間隔保持板、１９・・・・・・外側板、
２３・・・・・・ステップバー、２７・・・・・・取付
板、２７ａ１・・・・・・ガイド溝、２９・・・・・・
長杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠体ａの一端に床面用蓋板すと天井用蓋板Ｃを開閉可能
   に枢着し、床面用蓋板すの裏面に左右一対の先端部を弧
   状に形成した作動板３の基端部を回動可能に枢着すると
   共にこの作動板３の中途に設けたガイド子３ａを、枠体
   ａに設けたガイド溝９に摺動可能に嵌合し、全体として
   弧状に形成した連動板４と前記作動板３を交叉した状態
   においてその画先端部を回動可能に枢着すると共にその
   連動板４の基端部を天井用蓋体Ｃの上面に回動可能に枢
   着し、更に数多の内側板１８と外側板１９とをパンタグ
   ラフ式に枢着した左右一対の伸縮体ｄ１にステップパー
   ２３を設け、且つ伸縮体ｄ１が伸長した状態に於てその
   伸長状態を保持するための間隔保持板１８ ｂを設けた
   折畳梯子ｄを作り、この折畳梯子ｄを構成する外側板１
   ９の上部を枠体ａに固着して取付板２７に回動可能に設
   けると共に内側板１８の上部に設けた長杆２９がガイド
   溝２７ａ１に摺動可能に嵌合し、更に枠体ａに梯子載枠
   １６の基部を回動可能に軸支し、梯子載枠１６の先端部
   なる係止杆１６ａを引掛けるための係止用溝１３ａ１と
   手掛棒１３ｂを有する保持枠１３を回動可能に設けて成
   る高層建造物に於ける避難口装置。