JPS5830546Y2 - ミシンの送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はミシンの送り装置に関し、特に送り板と布押え
足との間に加工布を挾持するためにその送り板と布押え
足とを支持する押え腕をミシンのベッド面上で前後左右
に移動させる送り装置に関する。

この種の従来の送り装置について第１図及び第２図を参
照して説明すると、図中１はミシンの機枠、２はその機
枠１のベッド面、３はそのベッド面２上で前後左右に動
き得るように装置された押え腕で、送り板４と布押え足
５とが装着されている。

その布押え足５は押えばね６によって常には下方に押圧
されており扛上杆７によって持ち上げられるようになっ
ている。

８はミシンの主軸と連動して上下動する縫い針である。

９はミシンの主軸と連動して回転する送りカムで、押え
腕３を前後方向に運動させる溝９Ａと左右方向に運動さ
せる溝９Ｂとが形成されている。

１０は左右送り揺動部材で、その一端には溝９Ｂに嵌合
するコロ１１が設けられ、その中間部がねじ１２により
機枠１に枢支されている。

１３は回動レバーで、回動軸１４により機枠１に回動可
能に取り付けられ、その一端１３Ａが左右送り揺動部材
１０の他端と連結杆１５を介して連結されている。

この回動レバー１３の自由端１３ｂには角駒１６が取り
、付けられ、その角駒１６は押え＠３の下部支持部３Ａ
の下面に穿設された溝１７に嵌合している。

而して、ミシンの主軸と連動する送りカム９を回転させ
れば、左右送り揺動部材１３が揺動され、その揺動運動
が連結杆１５により回動レバー１３に伝達されてその回
動レバー１３に回動運動を起させ、その回動運動に基づ
き押え腕３に左右送り運動をさせる。

このような構成において、押え腕３の左右方向の最大移
動量をより太き、＜シたい場合回動レバー１３の自由端
１３Ｂの移動範囲を広げるかその回動レバーの長さを変
えることが考えられる。

しかしその回動レバー１３の移動範囲を広げる場合それ
が収納されている機枠１の左右方向の幅が大きくなるよ
うにその機枠１の形状を大幅に変更しなければならず、
又回動レバーの長さを変える場合（短かくする）にはそ
の回動レバーの形状ばかりでなく機枠１に設けられた孔
４０の位置も変えなければならず面倒であり、その割に
最大移動量を大幅に大きくすることができないものであ
る。

そこで、本考案は従来の送り装置に簡単な拡大機構を付
加することに−より押え腕３の左右方向の最大移動量を
大幅に大きくすることを可能としたミシンの送り装置を
提供しようとするものである。

以下に本考案を具体化した一実施例について説明する。

実施例において押え腕３の前後送り機構は従来のものと
同じであるため第２図を参照して説明し、左右送り機構
については第３図及び第４図を参照して説明する。

また、従来の送り装置と同一部分については同一符号を
付す。

本考案の実施例における左右送り機構は、先に述べた左
右送り機構に第３図及び第４図に示す連結レバー１８を
付加したもので、その連結レバー１８の一端１８Ａが回
動レバー１３の自由端１３Ｂと角駒１９を介して連結さ
れ、回動レバー１３の回動支点側に延びる他端１８Ｂに
は角駒２０が取り付けられ、その角駒２０は押え腕３の
下部支持部３Ａの下面に穿設された溝１７に嵌合してい
る。

その連結レバー１８の中間部はねじ２１により機枠１に
枢支され、その回動支点が回動レバー１３との連結部に
近い側に位置するようにされている。

但し、その連結部には角駒１９が設けられているが、回
動レバー１３と連結レバー１８とを回動軸により簡単に
回動可能に連結してもよい。

次に、前後送り機構について説明すると、２２は前後送
り連結杆で、その一端には送りカム９の溝９Ａに嵌合す
るコロ２３が設けられている。

２４は前後送り揺動部材で、その一端に設けられた軸２
５がその前後送り連結杆２２の他端に固定されており、
前後送り連結杆２２と前後送り揺動部材２４とはその軸
２５により一体的に機枠１に枢支されている。

２６は前後送り揺動部材２４の軸２５から離れて適宜の
位置に取り付けられた支持部材で、前後送り揺動部材２
４に穿設された溝２４Ａ内で移動可能な調節駒２７と、
その内部に装着され前後送り揺動部材２４の揺動平面に
垂直な軸線の回りに回動可能な回動部材２８と、調節駒
２７を前後送り揺動部材２４に固定するための駒抱き２
９及び調節ねじ３０とから構成されている。

その回動部材２８には案内棒３１が挿通される貫通孔３
２が穿設され、また調節駒２７にはその貫通孔３２より
も大なる径の孔３３が穿設されている。

案内棒３１の上下両端は、押え腕３の後方に延びている
上部延長部３４及び下部延長部３５にそれぞれ固着され
ている。

これにより、押え腕３は案内棒３１の軸線の回りに回動
可能に支持部材２６によって支持される。

３６は案内棒３１の下端において下部延長部３５に取り
付けられた案内部材で、ベッド面２に固着された送り案
内板３７に摺動可能に配置されている。

而して、送りカム９の溝９Ａによって揺動される前後送
り揺動部材２４の揺動運動は回動部材２８を介して案内
棒３１に伝達され、押え腕３に前後送り運動をさせる。

従って、送り板４と布押え足５との間に加工布を挾持し
た状態でミシンを運転すれば、そのミシンと連動して回
転する送りカム９によって押え腕３が作動されるから加
工布も前後左右に移動され、一つのサイクル縫いが行わ
れる。

本考案は以上詳述したように、従来の送り装置の左右送
り機構の一つの連結レバーを付加することにより回動レ
バーの回動量を拡大して押え腕に伝達しその押え腕がよ
り広い範囲で左右送りを行うことができるようにすると
ともに、その連結レバーが回動レバーと折り重なるよう
にミシンの機枠に取り付けられているために押え腕の下
部に設けられた狭い空間を有効に使用することができる
等の実用性に優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の送り装置を示す側面図、第２図は第１図
のＩＩ−■■線における断面図、第３図は本考案の送り
装置を示す側面図、第４図は第３図の矢印ＩＶの方向か
ら見た平面図である。 図中１はミシンの機枠、２はベッド面、３は押え腕、４
は送り板、５は布押え足、９は送りカム、１０は左右送
り揺動部材、１３は回動レバー、１７は溝、１８は連結
レバー、２０は角駒、２４は前後送り揺動部材、２６は
支持部材、３１は案内棒、３６は案内部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 送り板４と布押え足５との間に加工布を挟持するために
   その送り板と布押え足とを支持する押え腕３をミシンの
   ベッド面２に垂直な軸３１の回りに回動可能に支持する
   ための支持部材２６と、その垂直軸に関し半径方向に前
   記支持部材を案内するための案内部材３６と、前記押え
   腕に回動運動を与えるためにミシンの送りカム９に連結
   されて揺動運動を行う左右送り揺動部材１０と、前記支
   持部材に前記半径方向の前後運動を与えるために前記送
   りカムに連結されて揺動運動を行う前後送り揺動部材２
   ４とを備え、前記加工布を前後左右に移動させる送り装
   置において、 ミシンの機枠１に回動可能に取り付けられるとともに、
   前記左右送り揺動部材１０の揺動運動に従って回動運動
   を行うように一端１３Ａが前記左右送り揺動部材１０に
   作動的に連結された回動レバー１３と、一端１８Ａがそ
   の回動レバー１３の自由端１３Ｂに連結され且つ他端１
   ８Ｂが前記押え腕３に穿設された前記半径方向の溝１７
   に嵌合されるとともに、前記機枠１に回動可能に取り付
   けられた連結レバー１８とを設け、 前記連結レバー１８の一端１８Ａに比べその他端１８Ｂ
   を前記押え腕３の回動軸である前記垂直軸３１に近づけ
   て配置したことを特徴とするミシンの送り装置。