JPS5828069Y2 - 排水トラツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、流し台、洗面台、浴室等の排水口に配設さ
れ、下方からの悪臭の上昇を阻止するようにした排水ト
ラップに関する。

従来、上部を排水口に接続し、下部に排水パイプを連続
したトラップ本体の中央に溢水筒を立設し、該溢水筒の
上部に防臭蓋を被嵌させ、溢水筒の上端開口に水位を設
定される封水をトラップ本体内に残存させ、該封水内に
防臭蓋の下端を水没させて、下方から上昇する臭気を封
水により阻止するようにした排水トラップは公知である
。

しかしながら、従来公知のが）る排水トラップには２つ
の重大なる欠点が存している。

第１の欠点は、防臭蓋が簡単に取り外せることに基因す
る。

使用者は、排水口、排水トラップの清掃に際し防臭蓋を
取り外すが、掃除終了後、防臭蓋を再び装着する手間の
面倒さ、失念等の理由のために、防臭蓋を装着しない場
合が多々ある。

そして従来の排水トラップにあっては防臭蓋を装着しな
くても、排水機能自体には何等悪影響がないため、防臭
蓋を取り外したよ・で使用が継続されている。

しがしながら、このように防臭蓋を装着しないと、臭気
の上昇を防止出来ないことは勿論であるが、集合家屋に
おける他室でのガス漏れ事故やガス管の破損により都市
ガス等の爆発性気体が排出パイプに流入しその爆発性気
体の上昇、室内への侵入が防止出来ず、爆発事故が発生
する危険が存していた。

第２の欠点は、特に集合家屋において見られる現象であ
るが、排水パイプへの多量の排水流下によりバイブ内が
負圧となり、この負圧によってトラップ本体内に貯めら
れた封水が自己サイホン現象で吸い出されてしまい、ト
ラップ機能が消失してしまう欠点である。

このようにしてトラップ機能が消失してしまった場合に
は、前記第１の欠点と同様に臭気や爆発性気体の上昇を
防止出来ない この考案は、従来の排水トラップにみられた前記の如き
欠点を完全に除去すべくなされたものであって、以下に
図面を参照しつ・詳細に説明する。

図において１は流し台の水槽の排水口に連設されたゴミ
カゴ収納筒体であって、内部にゴミカゴ２が出し入れ自
在に収納される。

３はゴミカゴ収納筒体１の下部に連結されたトラップ本
体ケーシングであって、上端は前記ゴミカゴ収納筒体１
の下部外周面に気密を保持しつ・螺着され、下端には排
水パイプ４が袋ナツト５により接続される。

トラップ本体ケーシング３の中央には溢水筒６が立設さ
れ、該溢水筒６の上方に間隔を存して前記ゴミカゴ収納
筒体３の底壁７が位置する。

底壁７にはその中心から偏心した位置に開口８が形成さ
れ、該開口８に連続して下方に弁室９が形成され、該弁
室９の下面中心から下方へ排出管１０が垂下される。

該排水管１０は前記溢水筒６の側方から若干の間隙を存
して位置し、下端は溢水筒６の上端開口より下方におい
て開口している。

したがって、溢水筒６の上端において水位を設定された
封水１１がトラップ本体ケーシング３内に存在するとき
、排出管１０は図示のように好しくはほぼその全体が封
水１１内に位置しており、少なくとも排出管１０の下部
が封水１１内に水没していることが要求される。

かくして、溢水筒６によって水位を設定された封水１１
の上面とゴミカゴ収納筒体１の底壁７とによって区画さ
れるスペース１２は密封された状態となり、溢水筒６と
排出管１０との間にトラップ機能が醸成され、下方から
溢水筒６を通ってスペース１２内に上昇して来た臭気や
爆発性気体がゴミカゴ収納筒体１内へ入ることはない。

前記弁室９内には氷に浮上する球弁１３が配設され、弁
室９の下壁及び上壁にそれぞれ弁座１４゜１５が形成さ
れる。

下部弁座１４は排水パイプ４内が負圧となり、封水が吸
い出されようとするときに、球弁１３と共働して排出管
１０の上端を閉塞する。

これにより、大気中から封水を介して溢水筒６に至る空
気の通路を遮断し、負圧による封水１１の吸い出しを阻
止する。

又、上部弁座１５は、排水パイプ４内が何らかの原因で
加圧されたり或は排水の逆流により封水１１が上昇しよ
うとするとき、球弁１３と共働して弁室９とゴミカゴ収
納筒体１との連通を遮断し、封水１１の逆流を防止する
。

下部弁座１４は封水１１の水位より好しくは若干上方に
位置せしめられるが、水位より下方に位置していても封
水が僅かに吸い出されることを無視すれば問題はない。

尚、洗面台、浴室の排水口のようにゴミカゴ収納筒体１
を使用しない場合には、スペース１２の上面を閉塞する
壁７の周壁を上方へ立上らせて排水口に連設するように
すれば良いであろう。

以上のようにこの考案の封水トラップによれば、溢水筒
６で水位を設定される封水１１内に下部を水没した排出
管１０の上端に弁室９を形成し、該弁室９内に水に浮上
する弁１３を配設し、排出管１０と弁室９との間に前記
弁１３と共働する弁座１４を形成すると共に、前記封水
１１の上部スペース１２を密封しであるので排水パイプ
４内に負圧が発生したとき、大気中から封水１１を通っ
て排水パイプ４内に達する空気の通路を前記弁１３と弁
座１４との共働で遮断し、封水の吸い出しを阻止するこ
とが出来ると共に、弁室９と排出管１１が前記スペース
１２の土壁と一体をなして排水通路の一部を構成するた
め、これらのいずれか又は全部を取り外すと最早排水通
路が存在しなくなり、排水機能が消失してしまうために
、弁室９や排出管１１のみを取り外すことは出来ず、ト
ラップ機能の消失による臭気や爆発性ガスの上昇を完全
に防止することが出来るので゛ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・ゴミカゴ収納筒体、３・・・・・・トラ
ップ本体ケーシング、４・・・・・・排水パイプ、６・
・・・・・溢水筒、７・・・・・・底壁、８・・・・・
・開口、９・・・・・・弁室、１０・・・・・・排出管
、１１・・・・・・封水、１２・・・・・・密封したス
ペース、１３・・・・・・球弁、１４゜１５・・・・・
・弁座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラップ本体ケーシング３内に排水パイプ４に連通ずる
   溢水筒６を立設し、該溢水筒６の上部に密封したスペー
   ス１２を形成し、該スペース１２の上面を区画する壁７
   に開口８を形成し、該開口８の下方に弁室９を形威し、
   弁室９の下面に排出管１０を連設し、該排出管１０の下
   部を前記溢水筒６によって水位を設定される封水１１内
   に水没さ、せ、弁室９内に排出管１０の上端を開閉し且
   水に浮上する弁１３を配設すると共に、前記開口８の上
   部を排水口に連通したことを特徴とする排水トラップ。