JPS5827708Y2 - 電熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば電気保温ポット等の如く加熱と保温と
を行なう装置に適用した場合に好適な電熱装置に関する
。

従来のこの種の電熱装置には種々のものがあるが、一般
には加熱用ヒータと保温用ヒータとをバイメタルスイッ
チ等のりミツターで切換えるようにしたものが多く、ま
た加熱表示ランプおよび保温表示ランプを上記各ヒータ
に並列に接続した構成となっている。

このような構成の従来の装置は加熱状態から保温状態に
移行するに際し、スイッチによってヒータおよび表示ラ
ンプの切換えがなされるため、通電中のヒータおよび表
示ランプの遮断と、非通電中のヒータおよび表示ランプ
への通電とが個別に行なわれることになる。

その結果、それまで通電中であったヒータおよび表示ラ
ンプにとって遮断時のショックが大きく、断線事故等を
起こし易いうえ、寿命短縮の一因をなしていた。

また加熱用ヒータは一般に加熱時にのみ発熱することに
なるので、保温用ヒータのみでは十分な保温をなし難く
、電気保温ポットのように加熱時と同一温度を保持した
いような場合に不都合であった。

この考案はこのような事情に基いてなされたもので、そ
の目的は十分な保温機能を発揮し得るのは勿論、加熱状
態と保温状態との切換えに際し通電中の発熱体および表
示ランプに電流遮断によるショックを与えずにすみ、断
線事故が少なく長寿命な電熱装置を提供することである
。

以下この考案の詳細を図面に示す実施例によって明らか
にする。

第１図において１は例えばＡＣ１００Ｖの商用交流電源
であり、この電源には電気保温ポット２の電源端子３
ａ 、３ ｂが接続されるものとなっている。

上記電源端子３ ａ 、３ ｂ間には例えば４０Ｗの保
温用発熱体（以下保温用ヒータという）４が接続されて
いる。

この保温用ヒータ４の両端間には、例えば６４０ Ｗの
加熱用発熱体（以下加熱用ヒータという）５と保温表示
ランプ６および保護抵抗７の直列回路Ａとが直列に接続
されている。

上記加熱用ヒータ５には、加熱表示ランプ８と保護抵抗
９との直列回路Ｂが並列に接続されている。

前記直列回路Ａには、所定温度に達すると自動的に接点
を開く感温スイッチ１０が並列に接続されている。

なお、前記保護抵抗７および９としては約１５にΩ程度
の抵抗値のものを用いるものとする。

このように構成された本装置においては電源１を投入す
ると、初期状態においてはスイッチ１２が閉じているの
で、第２図に矢印で示す如く保温用ヒータ４には電流１
１が流れると共に、加熱用ヒータ５ならびに直列回路Ｂ
には感温スイッチ１０を介して電流■２．Ｉ３が分流し
て流れる。

したがって電気保温ポット２は加熱用ヒータ、５および
保温用ヒータ４の消費電力的６４０Ｗに相当する発熱に
より加熱され、第５図のように水温を急上昇させる。

又このとき加熱表示ランプ８のみが点灯することになる
。

今、時刻ｔ１において湯温か所定レベルＬ１に達すると
、感温スイッチ１０が動作しその接点を開く。

そうすると、第３図に示すように保温用ヒータ４にはそ
れまでと同様に電流Ｉ １１が流れるが、加熱用ヒータ
５ならびに直列回路Ｂには、直列回路Ａを介して電流Ｉ
１２． Ｉ １３が分流して流れる。

この場合、直列回路ＡおよびＢに介挿されている保護抵
抗７および９の抵抗値が１５ＫＪ７であるのに対し、加
熱用ヒータ５の抵抗値は約１６Ｊ７程度であることから
、第４図に示す等何回路から明らかなように加熱用ヒー
タ５と直列回路Ｂとの並列回路の両端に印加される電圧
■１は約０．ＩＶであり、直列回路Ａの両端に印加され
る電圧■２は約９９．９Ｖとなる。

つまり加熱用ヒータ５と直列回路Ｂとの並列回路におけ
る合成抵抗は約１５．９８Ｑであり、直列回路Ａの抵抗
は約１５０００Ωであるため、Ｖ １ ： Ｖ ２−＝
： １ ： ９３８中１ ： １０００となる。

したがって加熱用ヒータ５は殆んど発熱せず、保温用ヒ
ータ４のみが発熱することになる。

その結果湯温は第５図のＸ曲線で示すようにレベルＬ２
まで低下し、以後はそのレベルに保たれることになる。

またこのとき直線回路Ｂの加熱表示ランプ８は消灯する
ことになり、直列回路Ａ′の表示ランプ６が点灯するこ
とになる。

かくして加熱状態から保温状態で移行するものである。

このように本装置においては直列回路Ａに並列接続され
た感温スイッチ１０の開放動作によって加熱状態から保
温状態へと移行するものであるため、加熱時において通
電状態にあった加熱用ヒータ５および加熱表示ランプ８
への通電が保温状態への移行に際し完全に断たれるわけ
ではなく、通電路遮断によるショックは生じない。

したがって上記ショックによる加熱ヒータ５あるいは加
熱表示ランプ８の断線等の事故を激減できる。

また加熱し−タ５も僅か乍ら発熱をつづけることから、
完全に通電を断った場合に比べれば、保温時の温度を高
め得る。

このことは加熱用ヒータ５が保温４度を高めることに寄
与することを意味している。

すなわち、保温用ヒータ４と加熱用ヒータ５との消費電
力の大きさの比と共に、加熱用ヒータ５に対する直列回
路Ａ、Ｂの抵抗つまり保護抵抗７゜９の大きさを適宜設
定すれば、表示ランプ６．８の点滅機能を阻害しない範
囲で保温時における温度を第５図に示す曲線Ｙあるいは
Ｚのように、加熱時の最高温度に近づけることができる
。

なおこの考案は上述した一実施例に限定されるものでは
ない。

たとえば前記実施例では加熱と保温との切換えを感温ス
イッチ１０で行なう場合を示したが、タイムスイッチや
手動操作スイッチであってもよい。

また表示ランプとして豆電球（白熱電球）を想定して説
明したがネオンランプや半導体発光素子等であってもよ
い。

さらにヒータ４，５、抵抗７，９は可変形のものであっ
てもよい。

この他、本考案の要旨を変えない範囲で種々変形実施で
きるのは勿論である。

以上説明したように、この考案によればスイッチ操作に
より加熱状態から保温状態に移行させたのちも加熱用ヒ
ータが電源から完全に切離されず、通電可能な状態にお
かれているので、回路定数を適宜設定すれば加熱時と同
程度の温度レベルでの十分な保温機能を発揮し得るのは
勿論、加熱、保温の切換えのためにスイッチを開いても
加熱用ヒータおよび加熱表示ランプへの通電が完全に断
たれるわけではないので上記切換えに際しての電流遮断
によるショックは僅少ですみ、ヒータやランプの断線事
故が少なく長寿命な電熱装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図はこの考案の一実施例を示す図で、第１
図は本装置の回路構成を示す図、第２図は本装置の加熱
状態を示す回路図、第３図は本装置の保温状態を示す回
路図、第４図は第３図の等価回路図、第５図は本装置の
温度特性を示す図である。 １・・・・・・商用交流電源、２・・・・・・電気保温
ポット、３ａ、３ｂ・・・・・・電源端子、４・・・・
・・保温用ヒータ、５・・・・・・加熱用ヒータ、６・
・・・・・保温表示ランプ、７・・・・・・保護抵抗、
８・・・・・・加熱表示ランプ、９・・・・・・保護抵
抗、１０・・・・・・感温スイッチ、Ａ、Ｂ・・・・・
・直列回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源端子と、この端子間に接続された保温用発熱体と、
   この保温用発熱体と並列に接続された加熱用発熱体、保
   温表示ランプ、保護抵抗からなる直列回路と、前記加熱
   用発熱体と並列に接続された加熱表示ランプ、保護抵抗
   の直列回路と、前記保温表示ランプおよび保護抵抗から
   なる直列回路の両端間に接続されたスイッチとを具備し
   たことを特徴とする電熱装置。