JPS5827098Y2 - 無接点式点火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、機関の回転に同期して点火信号を発生する
点火信号発電機を内蔵する配電器を用いた無接点式点火
装置、特に点火信号発電機に対する外部磁界の悪影響を
防止するものに関する。

先ず、第１図、第２図に示す従来装置について説明する
。

図において、１は、配電器筐体、２はこの配電器筐体１
に回転自在に支持され図示しない外部の機関により駆動
されるシャフト、３はこのシャフト２に嵌合され、その
外周部に気筒数だけの突起部３ａを有するロータ４は、
ロータ３の周辺に配置された永久磁石、５はロータ３の
円周方向に巻回されたＳＧコイル、６はロータ３の突起
部３ａに対する永久磁石４とＳＧコイル５の磁気回路を
構成する磁気プレートで、上記突起部３ａと同数の突起
部６ａを有する。

７は配電器筐体１の外部側面に装着された電子回路装置
で、この電子回路装置７はＳＧコイル５の点火信号電圧
を受けて点火時期を決定する制御部８とこの制御部８の
制御出力を受けてオン・オフする出力トランジスタ９に
より構成されている。

１０は外部に設けられ、−次・コイル１０ａと二次コイ
ル１ｏｂからなる点火コイル、１１は点火プラグ、１２
はバッテリである。

従来の無接点式点火装置は上記のように構成され、その
動作は機関によりロータ３が回転されこ（７）ｏ−夕３
ｏ）回転によりその突起部３ａがプレート６の突起部６
ａに対し、接近、対向離間して、ＳＧコイル５に鎖交す
る永久磁石４０）磁束量を増減させる。

するとＳＧコイル５は、鎖交する磁束の変化により第３
図Ａに示すような点火信号電圧を誘起する。

このＳＧコイル５に発生した信号電圧は、配電器筐体１
に装着された電子回路装置７０制御部８に入力される。

この制御部８は入力された信号電圧が立下りトリガレベ
ルｔと交差することにより機関の点火時期を検出する。

この制御部８は検出された点火時期における制御出力を
出力して出力トランジスタ９をオフさせる。

而して、−次コイル１０ａの一次電流を遮断して、その
二次コイル１０ｂに高電圧を発生させ、その高電圧によ
って、点火プラグ１１に点火火花を得る０である。

然るに、この点火装置はＳＧコイル５に発生する信号電
圧に基づいて点火時期を決定する制御部８とこの制御部
Ｂ ｏ）制御出力によりオン、オフされる出力トランジ
スタ９を一つの電子回路装置７として構成し、この電子
回路装置７を配電器筐体１の外部に装着しているため配
電器筐体１と点火コイル１０との配置関係によりその出
力トランジスタ９と点火コイル１００−次コイル１０ａ
とを接続するリードワイヤ１３が、ＳＧコイル５の周辺
を通ることになり、その結果、信号電圧がトリガレベル
ｔに立下る時点、即ち出力トランジスタ９による一次コ
イル１０ａの一次電流の遮断時その一次電流が遮断され
るとリードワイヤ１３の周囲に磁束変化が生じ、ＳＧコ
イル５に鎖交する磁束変化に悪影響を与える。

即ち、第３図Ｂに示すようにＳＧコイル５の信号電圧Ｃ
が立下がるときＳＧコイル５には、上述のリードワイヤ
１３の周囲の磁束変化による磁界を受けて点線ｄに示す
ようなトリガレベルｔよりも逆に立上がる方向の信号電
圧が誘起されこの信号電圧ｄにより出力トランジスタ９
が数回オン・オフされる欠点があった。

この考案は上記欠点を解消するもので、出力トランジス
タの接地端を接地するリードワイヤを、その出力トラン
ジスタのオフ時、点火信号発電機の発生信号に対する外
部磁界による信号成分を打ち消す方向で、その点火信号
発電機の周囲の少なくとも一部分に配置して点火信号発
電機の正規の磁束変化に何等、悪影響を与えることなく
、安定した点火信号を得ることを目的とする無接点式点
火装置である。

以下、この考案の一実施例を第４図に示し説明する。

図において、１４は、配電器本体１の内周側に突出して
配置された出力トランジスタ９の接地端であるところの
エミッタ端子、１５はこのエミッタ端子１４を配電器筐
体１に接地するリードワイヤで、ＳＧコイル５への鎖交
磁束の減少時、リードワイヤ１４に誘起される磁束変化
によりＳＧコイル５の鎖交磁束の減少を助長する方向即
ち差動的に作用する方向に点火信号発電機の周囲にルー
プ状に巻回されている。

上記のように構成された点火装置の基本的な動作は第１
図と同様であるので省略し点火信号発電機に対する外部
磁界の影響の阻止について詳述する。

さて、ＳＧコイル５の信号電圧が立下りトリガレベルｔ
と交差すると制御部８は制御出力を出力し、この出力に
より出力トランジスタ９がオフされると一次コイル１０
ａ０−次電流、即ち、リードワイヤ１３．１５の通電々
流は遮断される。

而して、ＳＧコイル５の周辺に巻回されたリードワイヤ
１５は、ＳＧコイル５の鎖交磁束の減少を助長する如く
差動的に作用して磁束を小さくしそい出力電圧を更に減
少する方向に、ＳＧコイル５と鎖交する磁束変化を生ず
る。

従って、外部にある点火コイル１０の一次側めリードワ
イヤ１３が、配電器筐体１の周辺を通り、ＳＧコイル５
の信号電圧を再びトリガレベルを以上に立上らせる方向
に、磁束の変化を生じたとしてもこのＳＧコイル５の周
辺に巻回されたリードワイヤ１５の磁束変化によって打
ち消すことができ、その結果ＳＧコイル５には安定した
点火信号電圧が誘起される。

なお、上記実施例では、出力トランジスタ９のエミッタ
端子１４の接地を配電器筐体１の内部にて接地したが、
配電器筐体１の外周に、上記と同じ方向に巻回して接地
しても同様の効果を期待できる。

また、リードワイヤ１５は必ずしもループ状に巻回する
必要はなく、リードワイヤ１３の配置関係あるいはＳＧ
コイル５の出力定格等によっては１／２回とか１／４回
等任意に選択すればよい。

この考案は、以上説明した通り、点火コイルの一次電流
を断続する出力トランジスタの接地端を接地するリード
ワイヤを出力トランジスタによる一次電流の遮断時、点
火信号発電機の発生信号に対する外部磁界による信号成
分を打ち消す方向で、点火信号発電機の周辺の少なくと
も一部分に配置することによって、外部からの点火信号
発電機に与える磁界の悪影響を打ち消し、安定した点火
信号が得られ、よって正規の機関点火時期に点火出力が
得られる実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の無接点式点火装置を示す構成図、第２
図は第１図の■−■による断面図、第３図はＳＧコイル
５の出力波形、第４図はこの考案０一実施例を示す断面
図。 図において、１は配電器筐体、２はシャフト、３はロー
タ、４は永久磁石、５はＳＧコイル、６はプレート、７
は電子回路装置、８ 制御部、９は出力トランジスタ、
１０は点火 ル、１０ａは一次コイル、１０ｂは二次
コイ 、１１は点火プラグ、１２はバッテリ、１３．１
５はリードワイヤ、１４はエミッタ端子である。 なお、各図中同−符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 配電器筐体、この配電器筐体内に設けられ、点火信号を
   誘起するコイルを含めた点火信号発電機、上記配電器筐
   体の外部に装着され上記点火信号を受けて、点火コイル
   の一次コイルの通電々流を断続する出力トランジスタを
   含めた電子回路装置、及び上記出力トランジスタの接地
   端を接地するべく上記−次コイルの通電々流の遮断時上
   記点火信号発電機の発生信号に対する外部磁界による信
   号成分を打ち消す方向で、上記点火信号発電機の周辺の
   少なくとも一部分に配置されたリードワイヤを備えた無
   接点式点火装置。