JPS582661B2 - 醤油の色沢改善剤及びこれを用いる醤油の色沢改善方法 - Google Patents

醤油の色沢改善剤及びこれを用いる醤油の色沢改善方法

Info

Publication number
JPS582661B2
JPS582661B2 JP53071554A JP7155478A JPS582661B2 JP S582661 B2 JPS582661 B2 JP S582661B2 JP 53071554 A JP53071554 A JP 53071554A JP 7155478 A JP7155478 A JP 7155478A JP S582661 B2 JPS582661 B2 JP S582661B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soy sauce
color
tannin
water
insoluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP53071554A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS54163899A (en
Inventor
奥原章
石山孝
茂田井宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KITSUKOOMAN KK
Original Assignee
KITSUKOOMAN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KITSUKOOMAN KK filed Critical KITSUKOOMAN KK
Priority to JP53071554A priority Critical patent/JPS582661B2/ja
Publication of JPS54163899A publication Critical patent/JPS54163899A/ja
Publication of JPS582661B2 publication Critical patent/JPS582661B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soy Sauces And Products Related Thereto (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、醤油の色沢改善剤及びこれを用いて淡色で赤
味が濃く酸化増色の少ない色沢の改善された醤油を製造
する方法に関する。
醤油の色は、味及び香りと共に食欲をそそる重要な要素
で、江戸時代から、その赤味の濃い色調により「むらさ
き」とも呼ばれている。
日本料理においては、この醤油の色の特色を生かす数々
の工夫がなされ、竜田揚、しぐれ焼き、にじめ、紅葉漬
、黄枯茶めし等、醤油の色で表現した料理が知られてい
る。
最近では料理素材の魚や野菜などの持ち味及び色合いを
天然のまま保つことを目的として、また調理上の必要な
どから、特lこ色の淡麗な、しめ)も赤味の濃い醤油が
好んで用いられるようlこなってきている。
このように醤油は味及び香りのみならず色も料理に利用
される伝統的な天然に着色された調味料である。
しかし「むらさき」で代表される赤味の濃い明るい色は
酸素の存在下で不安定で、製造後時日が経過するEこ従
って酸化tこよる褐変現象を起こし、黒味を帯びた暗い
色に変化し(以下これを「酸化増色」という)、製品と
しての価値が低下する。
従って淡色で赤味が濃く酸化増色の少ない醤油を得るこ
とは、醤油醸造業界において重要な課題となっている。
本発明者らはこの課題を解決するため種々研究した結果
、特別の水不溶性のタンニン質物を醤油に接触させると
、特異的に作用して、醤油の香味にほとんど影響を与え
ずに醤油を脱色し、その赤味を強化すると共(こ、醤油
の酸化増色を抑制しうろことを見出した。
本発明はこの知見に基づくもので、タンニンに水溶性高
分子物質、活性炭、キチン又はグルテンを反応させて得
られる水不溶性タンニン質物を有効成分とする、醤油の
色沢改善剤である。
本発明は更に、前記の色沢改善剤を醤油に接触させたの
ち分離することを特徴とする、醤油の色沢改善方法であ
る。
本発明の醤油の色沢改善剤の有効成分は、タンνニン類
に水溶性高分7物質、活性炭、キチン又はグルテン(以
下これらをタンニン除去剤という)を作用させて得られ
る水不溶性タンニン質物である。
タンニン類としてはタンニン酸のほか、ピロガロールタ
ンニン例えば没食7タンニン又は五倍;7タンニン、カ
テコールタンニン例えば茶、カカオなどから得られるタ
ンニン質物(カテコール重合体)などが用いられる。
これらのタンニンはタンニン作用を有する限り精製され
ていないものでもよく、例えば市販の柿渋タンニンなど
も用いられる。
これらは単独でも2種以上のタンニン混合物としても用
いることができる。
タンニン除去剤としては、水溶性高分イ物質例えばゼラ
チン、カゼイン、大豆分離蛋白、卵白、ポリビニルピロ
リドン、アセチルセルロース、メチルセルロースなど、
運びに活性炭、キチン又はグルテンが、単独で又は混合
物として用いられる,特に好ましいタンニン除去剤は大
豆分離蛋白、ゼラチン又は%lこメチルセルロースであ
る。
水不溶性タンニン質物は、例えば次のようlこして製造
することができる。
タンニン又はタンニン含有物を水中lこ溶解又は懸濁し
、好ましくはpH7以下及び0〜50℃の温度tこ保持
し、これにタンニン除去剤の水溶液又は水性懸濁液を添
加し、攪拌又は振盪などIこより約IO分以上作用させ
る。
逆にタンニン除去剤の水溶液又は水性懸濁液にタンニン
又はタンニン含有物の水溶液又は水性懸濁液を加えても
よい。
この操作によりタンニンは主として脱水縮合、水素結合
、吸着などによりタンニン除去剤と結合する。
次いで生成した水不溶性タンニン質物を分離して水洗す
る。
タンニン対タンニン除去剤の比率は一般に1=1ないし
6:l、好ましくは1:lないし5:F,特に3:lな
いし4二lである。
本発明の色沢改善剤は、醤油を淡色化し(色度の向上)
、赤味を増強し、酸化増色を抑制するが,醤油の重要な
成分であるアミノ酸、蛋白質、還元糖などlこは伺ら損
失を与えず香味も劣化しない優れた性質を肩する。
本発明の色沢改善剤を用いて醤油の色沢を改善するlこ
は、通常の固液接触法を用いることができる。
例えば水不溶性タンニン質物と醤油を容器中で混合攪拌
したのち、水不溶性タンニン質物を分離除去する方法、
あるいは水不溶性タンニン質物を充填したカラムに醤油
を通液する方法などが用いられる。
いずれの場合tこも連続的操作法が工業的に好ましい。
処理される醤油としては、通常の醤油醸造法により製造
される種々の醤油、例えば濃口醤油、淡口醤油、溜醤油
、白醤油、再仕込み醤油などの生醤油又は火入れ醤油を
用いることができる。
長期保存したため酸化増色により黒色化した醤油を用い
ても、同様に色沢の改善された醤油が得られる。
色沢改善剤としての水不溶性タンニン質物としては、未
乾燥のもの,例えは湿潤した沢過残査あるいは反応混合
物をそのまま用いることもできる。
色沢改善剤の使用量は、通常は醤油の容量Iこ対し1/
2 0 0〜l/2 0 0 0の水不溶性タンニン質
物の量が好ましい。
処理温度は通常は約io℃ないし約60℃、好ましくは
30〜50℃である。
70℃以上の温度は醤油の香味を劣化させるおそれがあ
るので好ましくない。
カラムを用いる場合の醤油の通液速度は一般lこSV=
2〜40、好ましくはSV=2〜20である。
接触処理は醤油が目的の色沢になるまで行われる。
下記実施例中の醤油の性質は、それぞれ次のようにして
測定される。
(1)色度は、ギルフオート微量分光光度計を用い5
5 0r+H1( l Ocm.セルに相当する)にお
ける0.D.値を測定する。
(2)脱色率は、未処理の醤油0,D,値に対する処理
後の醤油0.D.値の減少率である。
(3)赤味の濃さ(度合)は、次式tこより醤油の黒色
化度を測定する。
C 0 0.n;:召;.) 5 5 0 nm
におけメ×2 る吸光度の対数 この値が大きいほど、明るい色に対する暗い色の割合は
相対的に小さくなり、全体として赤味の濃い明るい色で
あることを示す。
(茂田井宏著)「日本醸造協会誌」第27巻1号18〜
20頁参照。
)(4)酸化増色は次のようにして測定される。
醤油を80℃で3〜4時間770熱したのち、前記の分
光光度計を用いて550nm(10mセル)の0.D.
値が約3.4(醤油標準色番号で11番に相尚する)と
なるように蒸留水で希釈する。
この希釈液7mlを、面径2cm、長さ20crrLの
試験管(こ注入し、開口部をパラフイルム(アメリカン
・カン・カンパニー製)で閉鎖し、30゜Cで7日間放
置したのち0.I).値を測定する。
80℃で3〜4時間加熱したのち30゜Cで7日間放置
するこの苛酷な試験条件は、常温で6カ月以上放置した
場合に相当する。
(5)醤油の分析C総窒素及び還元糖)は、日本醤油技
術会編「基準醤油の分析法」(昭和41年3月31日発
行)lこ従って行った。
実施例 1 第1表に示すタンニン除去剤の10%水溶液又は10係
水性懸濁液10rnlを、10%タンニン酸(五倍子タ
ンニン)水溶液10ydと5℃でIO分間反応させ、生
成した水不溶性タンニン質物を分離し、水洗したのち乾
燥した。
こうして得られた神々の水不溶性タンニン質物200”
5’を、通常の醤油醸造法により製造された生醤油20
mlに加え、30℃でIO分間振盪してよく接触させた
のち、沖紙で沢過した。
得られた醤油1こついて測定された色の変化甚びに成分
分析値を第1表にまとめて示す。
この結果から明らかなように、本発明の色沢改善剤は、
醤油を淡色化し、赤味を強化し、酸化増色を抑制する顕
著で特異的な効果を示す。
他方において醤油の重要な成分である窒素成分及び還元
糖などの損失がほとんど認められないことも、本発明の
大きな利点である。
実施例 2 タンニン除去剤としてのメチルセルロース、大豆分離蛋
白又はゼラチンとタンニン酸を実m例1と同様にして反
応させ、ただしタンニン酸/タンニン除去剤の比率を種
々変化させた。
反応終了後、生成した水不溶性タンニン質物を沖別し、
水洗して乾燥した。
これらの水不溶性タンニン質物各201Il?を醤油2
0−に加え、30℃で10分間振盪したのち沢・過した
得られた醤油の色Cこついての測定値及び成分の分析値
を第2表に示す。
この結果から明らかなように、タンニン酸/タンニン除
去剤の比率が3〜4の場合に特に優れた結果が得られる
実施例 3 2係メチルセルロース溶液(7000〜 10000cps)I00rrllに、室温で10%タ
ンニン酸(五倍子タンニン)水溶液80rnlを加えて
よく攪拌し、生成物を沖別し、洗浄したのち凍結乾燥し
た。
この水不溶性タンニン質物20”9を、通常の醤フ油醸
造法により製造された生醤油20−に加え、種々の温度
で処理すると、第3表に示す結果が得られた。
この結果から明らかなようtこ、温度を高めると共tこ
脱色率、赤味増強及び酸化増色抑制の効果が向上し、4
0〜50℃において特Cこ良好な効果が認められる。
なお70℃で処理した場合は、60℃の場合とほぼ同様
の結果が得られるが、醤油の香味の劣化が住じるおそれ
がある。
実施例 4 メチルセルロース及びタンニン酸から、実施例3と同様
tこして、ただし30゜Cで反応を行って水不溶性タン
ニン質物を製造した。
この色沢改善剤4 KPを、通常の醤油醸造法により製
造された生醤油(総窒素1.56%、還元糖2.71%
) 4KIIこ加え、15℃で30分間攪拌したのち、
NKP過機(′P過面積3m2)を用いて沢過した。
また同じ生醤油を80℃に4時間加熱したのち30゜C
Jこ急冷した火入れ醤油を、前記と同様にして処理した
これらの処理された醤油の性質を、それぞれ無処理の生
醤油及び無処理の火入れ醤油と比較した。
その結果を第4表1こ示す。この結果から明らかなよう
lこ、処理された生醤油は無処理の生醤油lこ比して2
2.5%脱色されて淡色化し、赤味も顕著lこ強化され
、また処理された火入れ醤油は無処理の火入れ醤油tこ
比して20.9%脱色され、赤味も濃くなり、しかも酸
化増色は18.1係抑制された。
実施例 5 ※ぐ 実施
例4と同じ生醤油、又はこれを同じ条件で加熱して急冷
した火入れ醤油4Ktに、水不溶性のゼラチンータンニ
ン(タンニン酸/ゼラチンの重量比4、柿渋タンニンを
使用)4Kyを添加し、30℃で30分間攪拌したのち
、炉布を用いて漣過した。
得られた醤油の性質を無処理の醤油と比較すると、第5
表に示す結果が得られた。
実施例 6 水不溶性のメチルセルロースータンニン(タンニン酸/
メチルセルロースの重量比4、実施例3と同様にして製
造)500gを内径6cfrL、長さ100Cr1lの
円筒形力ラムlこ充填し、その上端から40℃に保温し
た生醤油250tをSV=5の速度で通液した。
また80℃で4時間加熱したのち急冷した火入れ醤油を
、前記力ラムに同じ条件で通液した。
得られたこれらの醤油の性質を、無処理の生醤油及び火
入れ醤油と比較すると、第6表に示す結果が得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 タンニンに水溶性高分子物質、活性炭、キチン又は
    グルテンを反応させて得られる水不溶性タンニン質物を
    有効成分とする、醤油の色沢改善剤。 2 タンニンに水溶性高分子物質、活性炭、キチン又は
    グルテンを反応させて得られる水不溶性タンニン質物を
    有効成分とする醤油の色沢改善剤を、醤油に接触させた
    のち分離することを特徴とする、醤油の色沢改善方法。
JP53071554A 1978-06-15 1978-06-15 醤油の色沢改善剤及びこれを用いる醤油の色沢改善方法 Expired JPS582661B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP53071554A JPS582661B2 (ja) 1978-06-15 1978-06-15 醤油の色沢改善剤及びこれを用いる醤油の色沢改善方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP53071554A JPS582661B2 (ja) 1978-06-15 1978-06-15 醤油の色沢改善剤及びこれを用いる醤油の色沢改善方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS54163899A JPS54163899A (en) 1979-12-26
JPS582661B2 true JPS582661B2 (ja) 1983-01-18

Family

ID=13464057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53071554A Expired JPS582661B2 (ja) 1978-06-15 1978-06-15 醤油の色沢改善剤及びこれを用いる醤油の色沢改善方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS582661B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS54163899A (en) 1979-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2028156C (en) Norbixin adducts with water-soluble or water-dispersible proteins or branched-chain or cyclic polysaccharides
DE602004011991T2 (de) Verfahren zur herstellung eines teeprodukts und damit erhaltene produkte
Holton et al. Cytochromes of a blue-green alga: extraction of a c-type with a strongly negative redox potential
CH622410A5 (en) Process for producing cold- or hot-extractable tea leaf products
JP2018007643A (ja) 蒸留酒類、清酒、みりん、発酵調味料、食材の処理方法、不快臭の消臭方法、並びに、加工食品の製造方法
JPH0951791A (ja) 亜硫酸無添加ワインおよびその製造法
DE2304073C3 (de) Verfahren zur Herstellung von schwarzem Tee
JPS582661B2 (ja) 醤油の色沢改善剤及びこれを用いる醤油の色沢改善方法
JP7053314B2 (ja) 酒類、米麹の製造方法、酒類の製造方法、および不快臭抑制組成物
JP4775987B2 (ja) 有色米由来の色素抽出液の製造方法及びその利用
JP3041416B2 (ja) 酒類の製造法
De Villiers The control of browning of white table wines
JP2667791B2 (ja) 紫サツマイモ色素と食品原料の同時製造方法
EP0481263A2 (en) Oxidation of tea
JP5273857B2 (ja) みりん類、みりん類の製造方法
JP4416196B2 (ja) 耐光性を改善した紅麹色素、紅麹およびその製造法
JPS5837351B2 (ja) 水溶性抗酸化剤およびその組成物
JPH0472502B2 (ja)
JP2001149057A (ja) みりんの製造方法
JPS602026B2 (ja) みりんの製造法
KR100364657B1 (ko) 항산화 활성을 갖는 유색미를 이용한 식혜의 제조방법
Tateo Use of enzymes in the production of vegetable food flavouring extracts
JPS605267B2 (ja) 醤油の製造法
JP5344529B2 (ja) みりん類の製造方法およびその利用
RU2162643C1 (ru) Способ получения быстрорастворимого концентрата чая