JPS5825069B2 - 誘電体材料

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【発明の詳細な説明】本発明は誘電体材料、特にＢａｄ、Ｚｎ０．１’Ｊｂ
２０５および５Ｉ０２の成分で構成される磁器誘電体材
料に関するものであり、比誘電率（εｒ）が大きく、無
負荷Ｑが大きく、さらに共振周波数の温度安定度（τｆ
）の優れた磁器誘電体材料を提供しようとするものであ
る。

従来から、マイクロ波領域において、マイクロ波回路の
インピーダンス整合や、誘電体共振器などに誘電体が応
用されてきている。

近年、特にマイクロ波回路の集積化の技術が進歩するに
ともない、発振器の周波数の安定化などに、高誘電率、
低損失、低価格の誘電体磁器を用いて小形化をはかるこ
とが積極的に進められている。

これまでにこの用途に用いられた誘電体材料としては、
Ｂａ０−Ｔｉｅ２系磁器および、この元素の一部を他の
元素で置換した磁器、さらには静電容量の温度係数が負
の値をもつＴｉ０２と正のそれをもつ誘電体磁器とを
組合わせたものを使用する場合が多い。

しかし、これらの材料には、誘電体損失が大きかったり
、−静電容量の温度係数のばらつきが大きかったりある
いは共振周波数の温度安定度が大きすぎたりするという
欠点がある。

また、共振周波数の温度安定度を小さくしようさすると
、Ｑがいちぢるしく低下するなど実用上の問題が多い。

本発明はこれらの欠点を除いたものであり、９９．８〜
９５モル％のＢａ（Ｚｎ１／３Ｎｂめ）０３にＳｉＯ２
を０．２〜５モル％含有させてなる磁器が、優れたマイ
クロ波共振器用の誘電体材料になることを見出したこと
にもとづくものである。

以下、実施例にもとすいて、本発明を説明する。

まず、化学的に高純度のＢａＣＯ３，ＺｎＯ，Ｎｂ２０
５Ｓｉ０２の出発原料を各組成に応じて必要量を秤量し
、めのうボールを備え、かつゴム内張りしたボールミル
で、純水とともに湿式混合した。

この混合物をボールミルから取り出して乾燥させ、４０
０ｋｇ／ｃｖｔの圧力で直径５０朋、厚さ約２５ｍｍの
円板状に成形し、空気中において１２００℃で２時間仮
焼して炭酸根をＣＯ□ガスとして分解した後、純水とと
もに前記のボールミル中で湿式粉砕した。

粉砕泥しようを乾燥させた後粉末に３％ポリビニールア
ルコール溶液をバインダーとして８重量％添加し均質と
した後、整粒して得られた粉末を金型を用いて８００
ｋｇ／ａｔ／ｌの圧力で直径１２ｍｍ、厚さ３．５ｍ
ｍの円板に成形した。

成形体をアルミナの匣鉢中に入れ、組成に応じて１５０
０℃から１３００℃の範囲内の温度で２時間、大気中に
おいてそれぞれ焼成して、下表に示す組成の誘電体磁器
を得た。

次に、それぞれの磁器から直径（Ｄ）が５龍から５、５
ｍｍで、厚さく１）はｔ／Ｄの比が０．４となる寸法
の円板形の磁器素子を切り出し、これを誘電体共振器と
して使用した。

この誘電体共振器の共振周波数（はぼ１１ＧＨｚ）と素
子の直径から材料の比、誘電率（εｒ）を、また帯域反
射法によって無負荷Ｑ（Ｑｕ）を測定した。

共振周波数の温度安定度（τｆ）は、温度槽に各試料を
入れ、−３０℃から＋７０℃の温度変化におけるトラッ
プ周波数の変化を測定して求めた。

その結果を次表に示す。

上表の結果から明らかなように、５１０２の含有比率が
０．２七へ未満のとき、Ｂａ（Ｚｎ１イＮｂ
Ａ）０３の無負荷Ｑの改善に対して効果がなく、また
５モル％を越えると無負荷Ｑが低下するとともに共振周
波数の温度安定度も悪くなるために、本発明の範囲から
除かれる。

以上の説明から明らかなように、本発明の範囲内の誘電
体材料で構成した共振器は、マイクロ波領域において、
無負荷Ｑが大きく、誘電率が比較的大きく、さらに共振
周波数の温度安定度が改善された優れたものであること
がわかる。

さらに、本発明にかかる磁器材料は、低周波領域におい
ても誘電体損失が小さく、かつ静電容量の温度変化が小
さいので、磁器コンデンサ用としても適した材料でもあ
る。

【特許請求の範囲】