JPS5824333B2 - 硬貨包装機における包装紙供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、硬貨支持手段により支持された所定枚数の積
層硬貨の周囲を複数本の包装ローラに圧接して回転させ
ながらその周面に予め所定長さに切断された包装紙を巻
付けたのち、包装紙の両端を巻込針によりかしめて包装
硬貨とする硬貨包装機に係り、特に一対の給紙ローラに
より包装紙を挟んで供給する包装紙供給装置に関する。

従来の上記硬貨包装機においては、被包装硬貨の種類、
すなわち硬貨径に対応する包装紙長を得るだめのカッタ
の位置調整に加え、カッタの位置の変更に伴う包装紙の
送り出し速度を変える必要があることから、給紙ローラ
の回転速度をそれに合わせて調整するようにしたもので
あった。

そのため速度調整用クラッチや、カッタ位置を検出する
スイッチ等を必要とすることになって構造が著しく複雑
になるとともに故障の発生率が高く、その被包装硬貨に
対応する長さの包装紙が正確に供給できなくなるという
欠点があった。

本発明はこれに鑑み、被包装硬貨の包装に適する長さに
包装紙を切断するカッタの位置調整によりそのカッタ位
置に応じて包装紙を繰り出す給紙ローラの実働時間を調
整し、包装される硬貨金種に応じて適切な分量の包装紙
を繰り出して正確な長さの包装紙を確実に供給すること
ができるとともに細分化された多種類の長さの包装紙を
供給できるようにした硬貨包装機における包装紙供給装
置を提供することを目的としてなされたものである。

以下、本発明を図面に示す実施例によシ説明する。

本発明に係る包装紙供給装置は、積層硬貨の周面に包装
紙１を巻付ける複数本の包装ローラからなる包装紙巻付
装置２（第２図示）と、ロール状に巻かれた包装紙１を
収納する包装紙収納部（図示せず）との間に設けられ、
前記包装紙巻付装置２の包装ローラ３，３，３と積層硬
貨Ｃとの間にくいついて包装紙１に加えられるテンショ
ンにより包装紙１の切断を行なうカッタ４と、切断され
たのち包装紙１の繰り出しを行なう給紙ローラ装置５と
を有する。

前記カッタ４は先端に山形状の刃部６を有するもので、
機台に回動自在に支承された軸７に固定のカッタ位置設
定用アーム８と一体に移動するよう設けられ、このアー
ム８の先端には設定位置を定める係止手段（第６図に例
示）が機台側に設けられてカッタ位置設定機構を構成し
ている。

本実施例における前記係止手段は、給紙ローン装置５側
より大径硬貨用、中径硬貨用、小径硬貨用の３種類とし
た場合で前記の順に配列され、前記包装紙巻付装置２か
ら各係止位置に係止されたカッタ位置設定用アーム８の
位置に応するカッタ４までの距離がその硬貨を包装する
に適する包装紙長さとなる。

前記係止手段は、第６図に例示すように、カッタ位置設
定用アーム８の先端に頭部９を有する係止ピン１０が挿
通され、この係止ピン１０とアーム８との間に圧縮ばね
１１が介装され、このピン１１を引き上げていずれかの
位置の設定孔に落し込むことによりアーム８をその位置
に固定する機能を持つ。

前記給紙ローラ装置５は、駆動力が伝達される駆動ロー
ラ５Ａと、この駆動ローラ５Ａに離接自在に設けられる
従動ローラ５Ｂとからなシ、この従動ローラ５Ｂは軸１
２を中心に回動するローラ支持アーム１３の該軸１２か
ら離間した位置に回動自在に支持されており、このロー
ラ支持アーム１３は図示しないばねにより両ローラ５Ａ
、５Ｂを圧接する方向に偏倚されている。

前記給紙ローラ装置５の軸１２にはカムレバー１４が一
体的に固着され、このカムレバー１４のカム面１４ａに
は、中間部が軸１５によシ支承されり揺動アーム１６の
一端のローラ１７が当接されてお９、この揺動アーム１
６の他端は、前記カッタ位置設定用アーム８の端部に一
端がピン１８により枢支された設定レバー１９にリンク
２０により連結されている。

一方、硬貨包装機の各部の動作タイミングをとる駆動系
となるカム軸２１上のカム２２により往復動作される作
動板２３の先端部にローラ２４が設けられ、このローラ
２４は前記設定用レバー１９の規準面１９ａに対向され
るようになっている。

前記作動板２３は、基端が軸２５によシ枢支されたアー
ム２６にピン２７を介して連結され、このアーム２６の
途中に設けたローラ２８が前記カム２２のカム面に当接
されるよう引張りばね２９によシ牽引されている。

前記カム２２は、そのカム面に高段部２２ａ、中段部２
２ｂ、および低段部２２ｃを有している。

□ しかして前記カッタ位置設定用アーム８を小径硬貨
位置Ｉに置いたとき設定用レバー１９の規準面１９ａは
１位置におかれ、中径硬貨位置■に置いたときは■位置
に、大径硬貨位置■に置いたときは■位置にそれぞれ変
位されるようになっている。

したがって設定用レバー１９が■位置にあるときは、カ
ム２２の中段部２２ｂおよび高段部２２ａの相方によっ
て移動される作動板２３のローラ２４に当って押され、
同■位置にあるときは高段部２２ａのときのみが当り、
同■位置にあるときは全く当らない関係位置となる。

つぎに上記実施例の作用について説明する。

まず小径硬貨の包装の場合について説明すると、カッタ
設定用アーム８の係止ピン１０を第６図Ｂ示のように上
方に引き上げてのち大径硬貨用の設定孔に合致するよう
に該アーム８を回動させてその設定孔に落し込む（第２
図示の状態）。

これによりカッタ４も旋回移動して位置が固定され、そ
の結果包装紙巻付装置２とカッタ４との距離が小径硬貨
を包装するに適する包装紙長さとなるように設定される
。

これと同時に設定用レバー１９は１位置（第２図示の状
態）にセットされ、その規準面１９ａは作動板２３のロ
ーラ２４に当接乃至は至近距離に位置される。

その状態を第３図Ａに示している。このように♀ッ卜し
たのち、包装機が稼働され、カム軸２１が矢印方向に回
動ノると、カム２２の中段部２２ｂおよび高段部２〉ａ
でローラ２８を押すので、アーム２６は軸２５を中心と
して図上時計方向に回動し、その先端に連結された作動
板２３を図上右方に引き、そのローラ２４で設定用レバ
ー１９の規準面１９ａを押すことになる。

これにより設定用レバー１９はピン１８を中心として図
上時計方向に回動し、リンク２０を図上右方に引いて揺
動アーム１６を軸１５を中心に時計方向に揺動させる。

そのため揺動アーム１６の先端のローラ１７がカムレバ
ー１４のカム面１４ａを押してこれを図上反時計方向に
回動させ、これと一体の軸１２を回動して従動ローラ５
Ｂを駆動ローラ５Ａから離間させる。

上記作用により、カム２２の中段部−２２ｂおよび高段
部２２ａの範囲においては給紙ローラ装置５による給紙
機能は中断されることになる。

カム２２の低段部２２ｃがローラ２８に接すると、アー
ム２６は再び戻され、作動板２３のローラ２８は設定用
レバー１９の規準面１９ａから離れ、設定用レバー１９
はこれに追従して復元し、リンク２０、揺動アーム１６
、カムレバー１４がともに戻されて従動ローラ５Ｂが駆
動ローラ５Ａに当接され、再び包装紙１を送る機能を生
じることになる。

したがって小径硬貨の包装に際してはカム２２の低段部
２２ｅのみの範囲で包装紙１を送ることになり、その送
り量が小径硬貨を包装するに十分な長さ分となる。

被包装硬貨が中径硬貨の場合には、カッタ位置設定用ア
ーム８を中径硬貨位置■にセットしなおすと、これによ
りカッタ４も旋回移動して中径硬貨を包装するに適する
包装紙長さとなるように設定される。

これと同時に設定用レバー１９は■位置に変位し、その
規制面１９ａは作動板２３のロー２２４に対しカム２２
の中段部２２ｂ相当の距離だけ離間された位置におかれ
る。

その状態を第３図Ｂに示している。

このようにセットしたのち包装機が稼働され、カム軸２
１が前記と同様に矢印方向に回動するとカム２２の中段
部２２ｂでローラ２４を押して作動板２３を図上右行さ
せるが、そのローラ２４は設定用レバー１９の規制面１
９ａに近ずくのみでこれを押すことはなく、ついでカム
２２の高段部２２ａがローラ２４を押したときにはじめ
てローラ２４が設定用レバー１９の規制面１９ａに当っ
てこれを回動させ、前記小径硬貨の場合と同様に従動ロ
ーラ５Ｂを駆動ローラ５Ａから離間させて包装紙１の送
りを中断させる。

したがって包装紙１の送り量は高段部２２ａを除いた範
囲に相当するものとなる。

つぎに被包装硬貨が大径硬貨の場合には、カッ久位置設
定用アーム８を大径硬貨位置■にセットしなおすと、カ
ッタ４も大径硬貨を包装するに適する包装紙切断長さと
なるように設定される。

これにより設定用レバー１９は■位置に変位され、その
規制面１９ａは作動板２３のローラ２４に対しカム２２
の高段部２２ａ相当の距離以上に離間された位置におか
れる。

その状態を第３図Ｃに示している。

ここで包装機が稼動され、カム軸２１が回動してカム２
２が矢印方向に回動すると、カム２２の中段部２２ｂお
よび高段部２２ａでローラ２８を介し作動板２３を図上
右行させるが、作動板２３０ローラ２４は設定用レバー
１９の規制面１９ａには当らず、その結果設定用レバー
１９を揺動させることがない。

したがって給紙ローラ装置５の従動ローラ５Ｂは駆動ロ
ーラ５Ａに接したままであり、包装紙送りに中断をきた
さずに連続送り出しとなって、大径硬貨の包装に要する
紙長を確保する。

つぎに第４図は本発明の他の実施例を示すもので、この
ものは給紙ローラ装置５の駆動ローラ５Ａに対しクラッ
チ機構を介して回転の制御をなさしめるようにしたこと
により包装紙１の送り量を変化させるようにした変形例
である。

すなわち駆動ローラ５Ａの軸３０に摩擦伝導ローラ３１
を固着し、モータＭからプーリー３２゜３３、ベルト３
４を介して駆動されている摩擦駆動ローラ３５と前記摩
擦伝導ローラ３１とにわたって摺接し得る中間摩擦ロー
ラ３６が設けられている。

この中間摩擦ローラ３６は、中間部が軸３７により枢支
された揺動アーム１６′の一端に回動変位可能に軸支し
たブラケット３８に支持されている。

前記揺動アーム１６′の他端にはピン３９が突設され、
このピン３９には設定用レバー１９に一端が枢着された
リンク２０’の他端の長孔４０が嵌合されており、また
このピン３９と前記設定用レバー１９の枢支ピン４１と
の間には引張りばね４２が懸架されている。

前記設定用レバー１９の先端の規制面１９ａは、第５図
り、Ｅ、Ｆに示しているように小径用１９ｂ、中径用１
９ｃ１大径用１９ｄの各規制面を有し、かつカム２２は
第５図示のように、前記実施例とは逆に小径硬貨用とし
ての低段部２２Ｃ１中径硬貨用としての中段部２２ｂ、
大径硬貨用としての高段部２２ａからなっている。

なお２２ｄはスタート位置の定める切欠を示す。

また第１図乃至第３図の実施例と対応する部材には同一
符号を付しておく。

したがってこの実施例においては、小径硬貨包装時には
設定用レバー１９の小径用規制面１９ｂが、第５図り水
位置におかれ、中径硬貨包装時にはその規制面１９ｃが
第５図Ｅ示位置に、大径硬貨包装時にはその規制面１９
ｄが第５図Ｆ示位置におかれる。

小径硬貨包装時には、カム２２の回転に対しローラ２８
は中段部２２ｂから低段部２２ｃに当接する間は作動板
２３のローラ２４は設定用レバー１９の規制面１９ｂに
は到達せず、ローラ２８が高段部２２ａに乗ったときは
じめて規制面１９ｂに作動板２３のローラ２４が当るの
で、この設定用レバー１９が図上時計方向に揺動され、
ばね４２を介して揺動アーム１６′を時計方向に回動し
、中間摩擦ローラ３６は摩擦伝導ローラ３１，３５に同
時に接触してアイドラーとして機能し、駆動力を駆動ロ
ーラ５Ａに伝達することになる。

これによりカム２２の高段部２２ａの範囲において包装
紙１を送り出すことになる。

中径硬貨の場合にはカム２２の中段部２２ｂの段階から
クラッチ機構をオンとし、さらに大径硬貨の場合はカム
２２の全域においてオン状態を保つものとなる。

なお、図示いずれの実施例においては、小、中、犬の３
種類の外径の硬貨に対するものとして説明したが、カム
２２のカム面形状の高さを細分することによりその種類
を増すことは任意にできる。

以上説明したように、本発明は、包装紙の長さを被包装
硬貨の外径に対応するように切断するカッタの位置をそ
の硬貨種類によって変更させたときその変更による供給
距離の変化分を給紙ローラの離接により時間差を与える
ことによって調整するようにしだので、給紙ローラの回
転速度を硬貨の種類に応じて変速させる必要がなく、そ
のため給紙ローラの駆動を制御するだめのスイッチやそ
の作動機構を除去することができ、純機械的手段のみに
よって構成されるので製作費を著しく低廉とし、故障の
発生もなく、確実な包装がなされる効果がある。

また本発明は、包装工程の動作時に回転するカム軸上の
カムにより給紙ローラ装置の実働時間を制御するように
しているので、包装紙の長さの設定が多種類にわたって
もこれに対し容易に対処することができ、硬貨の金種に
応じて最も効果的な包装紙長さを得ることが容易に達成
されるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の一実施例の概略を示す斜視図、第
２図は同平面図、第３図は第２図示の実施例の作動状況
を示すもので、Ａは小径硬貨包装時、Ｂは中径硬貨包装
時、Ｃは大径硬貨包装時における平面図、第４図は本発
明装置の他の実施例を示す平面図、第５図は第４図示の
実施例の作動状況を示すもので、Ｄは小径硬貨包装時、
Ｅは中径硬貨包装時、Ｆは大径硬貨包装時における略示
平面図、第６図Ｇ、Ｈは設定用アームの係止手段の一例
を示す断面図である。 １・・・包装紙、２・・・包装紙巻付装置、４・・・カ
ッタ、５・・・給紙ローラ装置、５Ａ・・・駆動ローラ
、５Ｂ・・・従動ローラ、８・・・カッタ位置設定用ア
ーム、１０・・・係止ピン、１３・・・ローラ支持アー
ム、１４・・・カムレバー、１６・・・揺動アーム、１
７・・・ローラ、１９・・・設定レバー、１９ａ・・・
規準面、２０・・・リンク、２１・・・カム軸、２２・
・・カム、２３・・・作動板、２４・・・ローラ、２６
・・・アーム、２８・・・ローラ、３１・・・摩擦伝導
ローラ、３５・・・摩擦駆動ローラ、３６・・・中間摩
擦ローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所定枚数の硬貨を積層し、その周面に一対の給紙ロ
   ーラにより挟持して供給される包装紙をカッタにより所
   定の長さに切断して巻付け、その両端を折込んで包装硬
   貨とする硬貨包装機において、前記カッタを被包装硬貨
   の種類に応じてその硬貨を包装するに適する長さに切断
   する位置に設定するカンタ位置設定機構と、前記給紙ロ
   ーラの一方を他方に対し離接可能に支持するローラ支持
   手段と、前記カッタの位置設定により位置が定められる
   規制面を有する設定用レバーと、包装時に回転駆動され
   カム面を被包装硬貨の外径に対応して高さを異ならしめ
   たカムと、このカムのカム面に沿って追動し、前記設定
   用レバーの規制面に係合し得る作動板と、前記設定用レ
   バーの移動を前記給紙ローラの支持手段に伝達し該給紙
   ローラによる給紙動作をなさしめる連結部材とを有して
   なり、カッタ位置設定機構によるカッタ位置の設定に応
   じ変位される設定用レバーの規制面に対し前記カムによ
   り′動かされる作動板の当接期間によシ給紙ローラの実
   働期間を制御するようにしたことを特徴とする硬貨包装
   機における包装紙供給装置。