JPS5824120Y2 - 温熱板

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【考案の詳細な説明】本考案は、酸化剤と還元剤とを接触させることにより発
熱させる発熱体に関する。

従来、酸化剤と還元剤とを接触、混合せしめて熱を発生
させる発熱体としては、酸化剤と還元剤とを別の容器に
保存しておき、使用時に両者を混合して発熱反応を起こ
させるものである。

しかし、この場合、容器の数が増え持ち運びにも不便で
ある。

また、一つの容器内に酸化剤と還元剤とを隔離して収納
しておき、振動或は衝撃などの手段により隔離体を破壊
し両者を混合するものもあるが、酸化剤の収納作業が面
倒な上、搬送中の振動等により誤って両者が混合してし
まう惧れがある。

本考案は、酸化剤と還元剤とを接触、混合せしめて反応
熱を得るものにおいて、取扱いが簡単で携帯に便利な温
熱板を提供するものである。

即ち、本考案は、折曲可能な一枚の合成樹脂シート上に
酸化剤層と還元剤層とを互いに接触しないように形成し
、使用時には前記合成樹脂シートを折曲げて酸化剤層と
還元剤層とを密着せしめるように構成したものである。

本考案においては、合成樹脂シートを折曲げることによ
り酸化剤と還元剤を接触させるので、発熱させるための
操作が極めて簡単である。

しかも、シート状であるため嵩張らず、折曲げない限り
酸化剤と還元剤は接触しないので、従来のように、両者
が誤まって混合してしまうこともない。

本考案の一例を図面によって説明する。

第１図、第２図において、１は折曲可能な合成樹脂シー
トであり、該合成樹脂シート１上に酸化剤層２と還元剤
層３とを互いに接触しないように形成しである。

酸化剤層２は、酸化剤としてユリアバイドロバ−オキサ
イド或は３０％ハイドロゲンパーオキサイド等を使用し
、これとエアロジル或は石英粉等の無機物粉末を水で混
合してなるゾル状物をガラス繊維不織布等の基体に含浸
、塗布したものである。

還元剤層３は、還元剤としてチオユリア或はホルマリン
等を使用し、前記と同様にゾル状物を形成してガラス繊
維不織布等の基体に含浸、塗布したものである。

このようにゾル状物を使用することにより、その飛散を
防ぐことができる。

そのほか、粉末状で用いるより酸化剤と還元剤の混合を
容易に行なえ、効率的に反応させることができる。

また、酸化剤とじて塩化カリウム、還元剤として鉄を使
用してもよい。

使用前には、酸化剤層２および還元剤層３はポリエチレ
ンフィルム４等で被覆、保護されている。

使用に際しては、ポリエチレンフィルム４を剥がし、第
３図に示すように合成樹脂シート１を折曲げ、酸化剤層
２と、還元剤層３とを密着させる。

酸化剤と還元剤の発熱反応により所望する熱を得ること
ができる。

酸化剤層２および還元剤層３の周囲には粘着剤層５を設
けておくとよい。

使用前においては、ポリエチレンフィルム４による被覆
を確実に行なえ、酸化剤層２と還元剤層３の分離保存が
確実にできるのみならず、使用時には、折曲げた合成樹
脂シート１の折曲げ状態を維持して、酸化剤層２と還元
剤層３との密着を良好に行なうことができる。

また、合成樹脂シート１の折曲げ部分には、予じめ折り
目６を付しておくとよい。

尚、酸化剤層２および還元剤層３は、必ずししもガラス
繊維不織布等の基体に含浸、塗布して形成する必要はな
く、合成樹脂シート１に直接塗布して形成してもよい。

上述のように本考案の温熱板は、取扱いが非常に簡単で
、携帯に便利であり、折曲げも可能であるので種々の用
途がある。

例えば、平な状態では、カイロ、温熱ふとん、温熱ざぶ
とんとして使用することかで゛きるほか、第４図に示す
ように靴底に敷いて、保温或は靴の乾燥に供することが
できる。

即ち、左右対称に形威した靴の中敷７，７′の一方に酸
化剤層２を形威し、他方に還元剤層３を形成する。

使用に際しては沖敷７，７′を折曲げ重ね合わせる。

また、第５図に示すように、温熱板８を筒状に折曲げ、
ゴルフボール９或はゴルフクラブの加温器、傘の乾燥器
などとしても使用できる。

このように本考案の使用用途は広く、実用的価値の極め
て大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ’線
に沿う断面図、第３図は本考案の使用状態を示す断面図
、第４図は本考案の用途の一例を示す平面図、第５図は
同地の例を示す斜視図である。１は合成樹脂シート、２は酸化剤層、３は還元剤層、４
はポリエチレンフィルム、５は粘着剤層、６は折目。