JPS5823940Y2 - 過給機付きディ−ゼル機関の給気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は過給機付きディーゼル機関、特に静圧過給式デ
ィーゼル機関における給気装置の改良に関する。

一搬に静圧過給式ディーゼル機関においては、排気ター
ボ過給機に附付される排気エネルギーが小さい低負荷域
において充分な給気圧力を得るため過給機と機関とを接
続する空気通路中に電動機等により駆動される補助ブロ
ワを設置しこれにより過給機から吐出された給気を加圧
している。

第１図はとの種静圧過給式２サイクルディーゼル機関に
おける給気装置の１例を示し、同図においてＩＡ、ＩＢ
は排気ターボ過給機、２Ａ、２Ｂは空気冷却器、３は補
助ブロワ、４Ａ、４Ｂは逆止弁、５は掃気溜、６Ａ、６
Ｂは締切板である。

補助フロツ３による給気の加圧を必要としない機関の高
負荷域においては締切板６Ａ、６Ｂを閉じ２台の排気タ
ーボ過給機ＩＡ、ＩＢにより加圧された給気を空気冷却
器２Ａ、２Ｂにて冷却して逆止弁４Ａ、４Ｂを介して機
関の掃気室５内に送給する。

機関の低負荷域においては締切板６Ａ。６Ｂを開として
過給機ＩＡ、ＩＢから送られた給気を補助ブロワ３によ
り加圧して掃気溜５内に送給する。

一般にこの種過給機付きディーゼル機関においては、１
台の排気ターボ過給機が故障した場合は、補助ブロワ−
３のみでは充分な給気圧力が得られないため第１図に示
すように排気ターボ過給機を更に１台附設し合計２台装
備している。

即ち例えば過給機１Ａが故障した場合は過給機１Ｂと補
助ブロワ３により所要の給気圧力を得るようにしている
ため、２組の過給機ＩＡ、ＩＢ及び空気冷却器２Ａ、２
Ｂを装備する必要があり、このため装置が大型化すると
共に機関の装備重量が増加し、更には装置の製造コスト
も高騰するという問題点があった。

本考案は上記に鑑みなされたもので従来のものよりも軽
量小型かつ製造コストの低廉な装置で以って過給機が故
障した場合においても所要の給気圧力が得られる様なデ
ィーゼル機関の給気装置を提供することを目的とする。

このため本考案は、１台の過給機の空気出口から分岐し
て機関に接続される２個の空気通路中に補助ブロワをそ
れぞれ配設すると共に一方の補助ブロワの空気出口と他
方の補助ブロワの空気入口とを接続する補助空気通路を
設け、上記２個の空気通路及び補助空気通路にそれぞれ
設けた３個の開閉弁を開閉することにより過給機の運転
中は過給機と機関との間の空気通路を補助ブロワが並列
に配置された空気通路とし、過給機の停止中は上記補助
ブロワが直列に配置された空気通路とするようにして過
給機の故障時；、も所要の給気圧力が得られるようにし
たことを特徴としている。

以下第２図及び第３図を参照して本考案の１実施例につ
き説明すると、両図は静圧過給機２サイクルデイ一ゼル
機関における給気装置の１例を示し、図において１は排
気ターボ過給機、２は空気冷却器、５は機関の掃気溜で
あり、これらの構成及び作用は従来のものと同様である
。

上記空気冷却器２の空気出口からは３個の空気通路７Ａ
、７Ｂ、７Ｃが分岐して設けられ上記掃気溜５に接続さ
れている。

３Ａ、３Ｂは電動機等により駆動される補助ブロワで上
記３個の空気路中の２本（３Ａ、３Ｂ）に設置され、残
る空気通路３Ｃ中には逆止弁４が設けられている。

この逆止弁４は空気冷却器２から掃気溜５にのみ空気の
流れを許容するように構成されている。

６Ａは空気通路７Ａを開閉する開閉弁で該空気通路Ｉａ
中の補助ブロワ３Ａの空気出口と掃気溜５との間に配置
される。

また６Ｂは空気通路７Ｂを開閉する開閉弁で該空気通路
７Ｂ中の補助ブロワ３Ｂの空気人口よりも上流側に配置
される。

８は補助空気通路で、上記空気通路７Ａ中の補助ブロワ
３Ａの空気出口と開閉弁６Ａとの間から分岐されて空気
通路７Ｂ中の開閉弁６Ｂと補助ブロワ３Ｂの空気入口と
の間に接続される。

上記補助空気通路８中にはこれを開用するための開閉弁
６Ｃが設置される。

上記補助ブロワ３Ａ、３Ｂは、従来のものと同様、機関
の低負荷運転時においてこれらと排気ターボ過給機１と
を併用することにより所要の給気圧力が得られるような
容量を具えたものを２台設置する。

上記開閉弁６Ａ、６Ｂ、６Ｃは、それぞれ単独に開閉可
能としても、６Ａ、６Ｂが開のときは６Ｃ力−ｍｔたは
６Ａ、６Ｂが閉のときは６Ｃが開となるように連動する
ようにしてもよい。

上記装置において、過給機１が故障していない通常運転
時には第２図に示すように開閉弁６Ａ及び６Ｂ＆開き、
６Ｃを閉じる。

この状態においては、過給機１と掃気溜５との間の空気
通路７Ａ。

７Ｂに補助ブロワ３Ａ、３Ｂが並列に配置された空気通
路となり、過給機１により加圧された空気は空気冷却器
２にて冷却された後３個の空気通路７Ａ、７Ｂ、７Ｃに
分流する。

空気通路７Ａ。７Ｂ内の空気は補助ブロワ３Ａ、３Ｂに
より更に加圧されて掃気溜５に送られ燃焼に供される。

空気通路ＩＣ内の空気は掃気溜５内の空気の圧力が逆止
弁４よりも上流側のそれよりも低いときによみ掃気溜５
内に流入する。

従って補助ブロワ３Ａ。３Ｂが作動して掃気溜５内の圧
力が充分高くなると過給機１から吐出された空気は全て
空気通路７Ａ、７Ｂを通って掃気溜５内に送られること
となる。

このように過給機１が故障していない通常運転時には、
過給機１及び補助ブロワ３Ａ、３Ｂにより２段に加圧さ
れた空気が掃気溜５内に送られることとなり、所要、の
掃気圧力を得ることができる。

一方、過給機１が故障した場合は、第３図に示すように
開閉弁６Ａ、６Ｂを閉じ、６Ｃを開く。

この状態においては過給機１、空気冷却器２、補助ブロ
ワ３Ａ、開閉弁６Ｃ，補助ブロワ３Ｂｅ経て掃気溜５に
接続される空気通路即ち補助ブロワ３Ａ、３Ｂが直列に
配置された空気通路となり、過給機１及び空気冷却器２
を経た空気は補助ブロワ３Ａで加圧さ、れ開閉弁６Ｃ及
び補助空気通路８を経て補助ブロワ３Ｂに導入されて再
度加圧された後掃気溜５内に導入される。

即ちこの場合においては、空気は補助ブロワ３Ａ、３Ｂ
により２段に加圧されて帰気溜５内に送られるので比較
的高い掃気圧力を得ることができる。

以上のように本考案は、１台の過給機の空気出口から分
岐して掃気溜に接続される２個の空気通路中に補助ブロ
ワをそれぞれ配置すると共に一方の補助ブロワの空気出
口と他方の補助ブロワの空気入口とを接続する補助空気
通路を設け、上記各空気通路に設けた３個の開用弁を開
閉することにより、過給機の運転中は過給機と機関との
間の空気通路を補助ブロワが並列に配置された空気通路
とし、過給機の停止中は上記２個の補助ブロワが直列に
配置された空気通路としたので、過給機が故障していな
い通常運転時においては機関への給気を過給機と補助ブ
ロワにより２段に加圧することにより所要の給気圧力を
得ることができる。

また過給機が故障した際においては、空気通路に直列に
配置された２台の補助ブロワにより空気を２段に加圧す
ることにより高い給気圧力を得ることができ、従って機
関の比較的高負荷成造運転することができる。

このため従来のもののように１台の過給機が故障した場
合に備えて他の過給機及び空気冷却器を附設する必要が
なく、過給機が故障した場合においても２台の補助ブロ
ワにより所要の給気圧力を得ることができ、７）。

また補助ブロワは過給機の駆動ヱネルギーが小さい低負
荷運転に必要な容量即ち従来のものと同様の容量であれ
ばよい。

即ち本考案に係るディーゼル機関の給気装置は、１台の
過給機と２台の補助ブロワで以って過給機が故障してい
ない場合は勿論、過給機の故障時においても所要の給気
圧力を得ることができる。

捷た従来のものに較べ過給機及び空気冷却器が各１台省
略されることにより装置が軽量小型化され、その製造コ
ストも低減される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の静圧過給式２サイクルデイ一ゼル機関の
給気装置の１例を示す系統図、第２図及び第３図は本考
案の１実施例を示す第１図に応当する図である。 １・・・・・・排気ターボ過給機、３Ａ、３Ｂ・・・・
・・補助フロツ、５・・・・・・掃気溜、６Ａ、６Ｂ、
６Ｃ・・・・・・開閉弁、７Ａ、７Ｂ、γＣ・・・・・
・空気通路、８・・・・・・補助空気通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １台の過給機１の空気出口から分岐されて機関に接続さ
   れる２個の空気通路７Ａ、７Ｂ中に該空気通路７Ａ、７
   Ｂ中の空気を加圧するための補助ブロワ３Ａ、３Ｂをそ
   れぞれ配設すると共に、上記２個の空気通路７Ａ、７Ｂ
   の一方７Ｂには上記補助ブロワ３Ｂよりも上流側に他方
   ７Ａには上記補助ブロワ３Ａよりも下流側にこれら空気
   通路７Ａ、７Ｂを開閉する開閉弁６Ｂ、６Ａをそれぞれ
   設け、上記一方の補助ブロワ３Ａの空気出口と上記一方
   の開閉弁６Ａとの間の空気通路７Ａから分岐されて上記
   他方の開閉弁６Ｂと上記他方の補助ブロワ３Ｂの空気入
   口との間の空気通路７Ｂに接続される補助空気通路８並
   びに該補助空気通路８を開閉する開閉弁６Ｃを設けて、
   上記３個の開閉弁６Ａ、６Ｂ、６Ｃを開閉することによ
   り、上記過給機１と機関との間の空気通路を、上記補助
   ブロワ３Ａ、３Ｂが並列に配置された空気通路と上記補
   助ブロワ３Ａ、３Ｂが直列に配置された空気通路とに選
   択切り換え可能にしたことを特徴とする過給機付きディ
   ーゼル機関の給気装置。