JPS5823902Y2 - 蓋開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓋の開閉装置に関し、蓋の開閉動作が円滑に行
なえるようにするとともに、その組み立ても容易に行な
えるようにしたものである。

以下本考案の一実施例について図面とともに説明する。

図において、１はキャビネットを構成する前面パネル等
の基板であり、中央の段部より下方には各種の操作つま
み（図示せず）が装着されている。

２はガラスや樹脂等で構成された蓋であり、その下端部
両端縁には後方へ突出する支持腕３が形成され、その中
央部の透孔３ａを介してビス４を基板１の端部に螺合す
ることにより、上記基板１に開閉自在に取り付けられて
いる。

一方、５は開閉機構であり、キャビネットの側板（図示
せず）に取り付けられる機構基板６と、この機構基板６
に取り付けられた軸受７と、この軸受７に挿入されたシ
リンダ軸８と、このシリンダ軸８の後端部と軸受７の後
端部の間に装着され、シリンダ軸８を常時後方へ向けて
付勢するダンパー用スプリング９と、シリンダ軸８の先
端にピン１０を介して回動自在に枢着された第１のリン
ク板１１と、この第■のリンク板１１の先端にピン１２
を介して回動自在に枢着された第２のリンク板１３と、
上記機構基板６に固着されたピン１４と上記ピン１２の
間に装着された反転ばね１５とで構成されている。

そして、上記蓋２の支持腕３の先端部３ａと、上記開閉
機構５の第２のリンク板１３とは、第２図、第３図に示
すようビス１６により固着されている。

なお、軸受７とシリンダ軸８の間にはグリス等の粘性潤
滑剤が塗布されている。

上記構成において、その動作を説明する。

まず、蓋２が閉じているとき、すべての部材は第３図に
実線で示す位置にある。

すなわち、第１．第２のリンク板１１．１３は略−直線
上にあり、シリンダ軸８は最も後方に位置しているから
、ダンパー用スプリング９は何らスプリング効果を発揮
しない。

このとき反転ばね１５は、第２のリンク板１３と支持腕
３を第３図反時計方向へ回動するように付勢しているた
め、蓋２はビス３ａを中心として基板１に向けて回動付
勢され、確実に閉じられている。

この状態から、蓋２の両端等を手で持って、蓋２を開い
てゆくと、蓋２の支持腕３と第２のリンク板１３は、ビ
ス４を中心に第３図時計方向に回動する。

このため、第２のリンク板１１もピン１２の側が次第に
持ち上げられ、それに伴ってシリンダ軸８がダンパー用
スプリング９の付勢力に抗して前方へ引き出される。

そして反転ばね１５の作用方向が反転する角度まで蓋２
が開かれると、この反転ばね１５は、第２のリンク板１
３と支持腕３を第３図時計方向に回動付勢する。

このため蓋２は第３図時計方向に自動的に開き続けるこ
とになる。

このとき、ダンパー用スプリング９の付勢力と、軸受７
とシリンダ軸８の間に働く摩擦力により、蓋２の開く動
作に制動力が働くため、蓋２は緩慢に開いてゆく、すな
わち蓋２の自重によるモーメントと反転ばね１５により
付勢力の和を、上記制動力よりわずかに大きく設定して
おくことにより、たとえ蓋２をガラス等の重量の大きい
もので構成した場合でも、蓋２が衝撃的に開くという不
快感は全く起こらない。

そして完全に蓋２が開き終わったとき、すべての部材は
第３図に二点鎖線で示す状態になる。

また、蓋２を閉じる場合には、上記反転ばね１５の作用
方向が反転する角度まで蓋２を閉じてゆけば、その後は
反転ばね１５が蓋２を閉じる方向に付勢するようになる
ため、蓋２は自動的に閉じることになる。

なお、機構基板６に複数の取付孔を設けるか、長孔を設
け、ピン１４の取付位置が調整できるようにしておけば
、反転ばね１５の作用が反転する角度やその作用力を調
整することができ、蓋２の重量のばらつきを吸収したり
、あるいは全く異なる蓋に対しても同一の開閉機構を用
いることができるようになる。

また、機構基板６はキャビネットの側板で兼用すること
もできる。

以上のように本考案によれば蓋を一定角度まで開けば、
その後は自動的に、しかも適度な制動力を与えられて緩
慢に開き、逆に蓋を上記角度まで閉じれば、その後は自
動的に閉じるようにしたものであるから、蓋の開閉操作
をきわめて円滑に行なうことができる。

特に本考案は、軸受とシリンダ軸の間の十分な制動力と
、上記シリンダ軸を蓋から後退する方向に付勢するスプ
リングの作用とにより、反転ばねの変化のし方や第１．
第２のリンクの動きを緩慢にすることができるがら、反
転ばねだけの変化で蓋を開閉するものに比べて蓋の動き
を十分なめらかなものにすることができる。

しがも本考案は、開閉機構と蓋とを連結する際に、開閉
機構を構成する第２のリンクの先端と蓋の支持腕の先端
を結合するだけでよいから、その組み立てはきわめて容
易に行なえ、また全体としての構成も簡単であるから、
信頼性の高いものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、第２図は
その平面断面図、第３図はその動作を説明するための側
断面図である。 １・・・・・・基板、２・・・・・・蓋、３・・・・・
・支持腕、５・・・・・・開閉機構、６・・・・・・機
構基板、７・・・・・・軸受、８・・・・・・シリンダ
軸、９・・・・・・スプリング、１１・・・・・・第１
のリンク板、１３・・・・・・第２のリンク板、１５・
・・・・・反転ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端縁の支持腕の略中央部がパネル等の基板に回動自在
   に取り付けられた蓋、・と、機構基板に取り付けられた
   軸受と、この軸受内に粘性潤滑剤を介して移動自在に挿
   入されたシリンダ軸と、このシリンダ軸を常時上記蓋か
   ら後退させる方向へ付勢するスプリングと、一端が上記
   シリンダ軸の先端に回動自在に連結された第１のリンク
   板と、一端が上記第１のリンク板に回動自在に連結され
   かつ他端が上記蓋の支持腕の先端に固着された第２のリ
   ンク板と、上記機構基板の一部と上記第１．第２のリン
   ク板の連結点間に懸架された反転ばねとを備え、上記蓋
   が所定の角度内にあるときは、上記反転ばねにより上記
   第１．第２のリンク板の連結点および上記シリンダ軸を
   蓋の閉じる方向に付勢し、上記蓋が上記角度を越えたと
   きは、上記反転ばねにより上記連結点および上記シリン
   ダ軸を蓋の開く方向へ付勢するようにしたことを特徴ど
   する蓋開閉装置。