JPS5821933Y2 - 小型ロ−ラとその支持部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は支持軸上で安定回転できる軸受機能を内設した
小型のローラとその支持部との改良に関するものであっ
て、ローラ要部と支持軸の軸受との摺動受支面の耐摩耗
性を維持して精密な回転が保てるようにしたものである
。

一般に精度を要求される回転体はその支持部に直接支持
軸を静合させて、該支持軸の軸頚部で軸受により回転自
在に受支すると共に、横振れを防止するよう該軸頚部に
て段付けするなどの処理を講じる方式、或いは支持軸上
で回転体の中心部に軸受ブツシュなどを嵌設して支持軸
上で回転自在に受支すると共にその両側で軸方向の推力
を受支して振れを止めるようにする方式などが採用され
ている。

そしてこれらの方式はほぼ慣用手段として周知されてい
るが、これらは通常の機械器具における比較的寸法の大
きいものにおいて採用し得る技術手段であって、回転体
即ちローラの寸法が小さくなる程その工作性に問題が生
じ、工作を容易にしようとすれば精度の高いものとなり
難く、支持軸と軸受及び支持軸とローラとの関係が周知
の手段では回転精度の低下、或いは耐久性若しくは回転
摩擦による損傷等長期にわたる回転精度の維持の困難さ
となって表われ、−見簡単なようで小寸法の回転体でし
かも精度と耐久性とが必要な場合にはそのまま採用でき
ない。

とりわけ小寸法になればなる程軸径も小さくなり、また
これに伴ない軸受も極小型になるので、コロガリ軸受の
ようなものが使用できないから更に上記のような問題点
の解決が一層困難になる。

本考案は斯かる問題点を解決して回転ローラの寸法が極
く小型であっても、構造即ち加工性容易な姿で精度並び
耐久性の高い回転体とその支持機構を提供することにあ
る。

即ち、本考案は小型の回転ローラ中ノＬ部には含油性金
属にてなる軸受芯金を嵌設し、その中心に支持軸孔を穿
設し、ローラ両側面はそれぞれ適宜寸法窪ませ、支持軸
の両端部を受支する軸受金の内向き端面ど前記ローラの
軸受芯金との間に、該軸受芯金と異なる材質の薄肉座金
を支持軸に被嵌して介在せしめたものである。

而して、本考案にては回転ローラとして機械的強度の犬
なる合成樹脂を使用し、その中心部に焼結合金に含油せ
しめてなる軸受芯金を一体成形して嵌設し、該芯金の中
心を貫通して支持する軸上で回転自在となし、斯かるロ
ーラの両側面に形成した浅い寝所に焼結合金以外の金属
製薄肉座金がほぼ嵌り込むように介在して、支持軸の端
部を受支する軸受片の対向する内端面との間に配し、該
軸受片の端面とローラ芯金端面とが直接触れ合わないよ
うにして支持軸軸受片間に回転ローラを定位置に保って
無給油で長時間にわたり精度の高い回転が行なえるよう
にしたものである。

更に本考案にては回転ローラとして、その構造をステン
レス鋼、その他の特殊鋼、或いは銅合金等の金属製リン
グの内側に焼結合金に含油せしめてなる軸受芯金を、該
リングの幅よりもやや狭い幅にしてリングの両側に浅い
寝所を形成するようにし、この寝所に焼結合金以外の金
属製薄肉座金を介在させて支持軸の端部を受支する軸受
片の対向する内端面との間に配し、ローラの回転時軸受
部材同士が直接摺れ合わないようになして回転ローラを
定位置に保って無給油で長時間にわたり精度の高い回転
が行なえるようにしたのである。

以下本考案を実施例について図面により詳述すれば次の
通りである。

第１図及び第２図において、１は回転ローラであって、
比較的小径の合成樹脂製のものであり、中心部に焼結合
金に含油せしめた軸受芯金２が合成樹脂製本体に一体に
嵌設されており、中心に支持軸孔３カ穿設されている。

なお、軸受芯金２はローラ本体の成形時一体成形されて
後回動しないよう一部を角形にしである。

４はローラ１０両側面に同−芯で形成した円形の寝所で
あり、浅い窪みにして軸受芯金２の両側端もこの寝所４
の面に一致させである。

５，５はローラ１の取付げ体Ａの一部に嵌設された軸受
片であって、回動しないよう外形を角形にした焼結金属
製のものに含油せしめてあり、その中心に穿設した軸受
孔５にてローラ１を貫通した支持軸６０両端部を受支す
る。

７は薄肉の鋼製座金で、はぼローラ１の側面寝所４内に
収まる程度の厚みであり、第１図に示す如く軸受片５の
端面とローラ１の軸受芯金２端面との間に位置せしめ、
軸受芯金２が軸受片５と回転時摺れ合わないようにした
のである。

このように構成したことにより、例えば第３図及び第４
図に示す如くスライドベア９フフ２００回転支持部に採
用した場合、該ベアリングの本体２１を形成する積層板
２２により形成された所定空間部２３に軸受片５，５を
嵌設し、該両軸受片５．５間に架設した支持軸６上で回
転ローラ１がその両側寝所４にそれぞれ被金１を配して
回転自在に支持し、斯かる状態で円周３等分した位置に
それぞれ配設しておけば、本体２１内に閉じ込められて
配され、かつ各部は取外しができない構造となっていて
も、含油焼結合金製の軸受片５に支持軸６が受支され、
回転ローラ１はその中心部に一体嵌設の含油焼結合金製
軸受芯金２を貫通する支持軸６上で回転し、また該軸受
芯金２と軸受片５とは座金７を両側で介して所要の位置
に横移動しないよう支持されるから、ベアリング本体２
１内の各ローラ１によって受支される軸２５、或いは該
軸２５に沿ってベアリング２０のいずれか一方が移動し
て各ローラ１に回動力が加えられると、横移動すること
なく円滑にかつ正確な回転をなし、軸受片５端と軸受芯
金２とが直接すれ合わないから両者が共に焼結合金製で
あっても摩耗が生ぜず、従って無給油で長期にわたり正
確な回転力を与えることができ、耐久性大なるベアリン
グとして使用できることになるのである。

勿論上記の具体例のようにベアリングとして使用するほ
か、単独に使用して小型の殊に極小型のローラとして物
体の移動支持などに用いれば精度の高い運動伝達に偉効
を呈し得るのであり、また前記したようなベアリング用
として極小型のものに使用すれば無給油で精度の高い耐
久性の犬なるものとして特に偉効を発揮し得るのである
。

而して本考案の趣旨に則すれば回転ローラ１′として第
５図に示すように、所要幅に適宜厚さの金属管などを切
断してなるものをローラの外輪１１とし、その内側に該
外輪１１０幅よりもやや狭い幅で中心に軸孔１３を設け
た焼結合金製の軸受芯金１２を一体的に嵌合し、その両
側に薄肉金属製座金７がそれぞれ収まる程度の寝所１４
を設けたものを採用してもよく、また金属製のローラ外
輪に対して軸受芯金を嵌合させるには上記具体例のほか
内側に多数の溝条を形成し、これに嵌まり合う外形の軸
受芯金な採用するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は拡
大縦断面図、第２図は第１図の■−■視断面断面図３図
及び第４図は本考案ローラを組込んだスライドベアリン
グの一例を示す図、第５図はローラの別例拡大断面図で
ある。 １．１・・・・・・回転ローラ、２，１２・・・・・・
軸受芯金、３．１３・・・・・・軸孔、４，１４・・・
・・・寝所、５・・・・・・軸受片、６・・・・・・支
持軸、Ｉ・・・・・・座金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小型の回転ローラ中心部には含油性金属にてなる軸受芯
   金を嵌設し、その中心に支持軸孔を穿設し、斯かるロー
   ラ両側面にはそれぞれ適宜寸法の寝所を形成し、ローラ
   軸孔に挿通した支持軸の両端部を受支する含油性金属乃
   至はこれに類する材質の軸受片の内向き端面と前記ロー
   ラの軸受芯金との間には、軸受芯金及び軸受片と異なる
   材質の薄肉座金を支持軸に被嵌して介在したことを特徴
   とする小型ローラとその支持部。