JPS5821028Y2 - 煙感知器のテスト用押圧部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、煙感知器において、その機能が正常である
か否かを確認するために用いられるテスト用抑圧部に関
するもので、その目的とするところは、該抑圧部の構造
を簡単にし、安価な煙感知器を提供することにある。

家庭用の電池式煙感知器は、安価で品質が安定して、保
守が容易にできるものでなければならない。

このため感知器の製作後もしくは設置後の感度が正常か
否かをチェックするテスト回路は簡単な構成でなければ
ならない。

例えば内部電極、中間電極および内部電極からなる煙検
出部を有するイオン化式煙感知器は、煙が検出部に流入
すると電離電流の変化によって中間電極の電位が変化し
、該変化に基づいてスイッチング回路および警報部が作
動する。

従って、テスト回路は上記の場合と同様に中間電極の電
位変化をもたらすような回路、例えば、適当な抵抗値を
有し、一方の端を中間電極に接続し、他方の端は押し釦
を押すことによってのみ外部電極に接続し得るようにし
た抵抗器を実装することによって得られる。

従来、この種のテスト回路は、第１図に示されるように
、外部電極３の上部に保持部材４を介して導通部材５を
取り付け、導通部材５はスプリング６によって、ハウジ
ング１の上部内壁に取り付けられている別の樹脂片２の
凸部内壁に弾圧当接しており、リード線７の一方の端は
スプリング６に、他方の端はプリント板８に接続されて
いる。

樹脂片２の弾性を利用してその凸部を押すと、導通部材
５が押し込まれて、外部電極３とリード線７とが連絡す
るという構成になっていた。

この方法によれば、テスト回路の部品は少なくとも５個
必要である。

従って、各部品を組込むために多くの組立工数を要し、
安価な感知器を提供するという意図に反するものになっ
ていた。

この考案は、上記の場合と電気的には全く同様の機能を
保持しながらも、部品数および組立工数を大幅に低減さ
せるものである。

以下この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

この考案の一実施例を第２図および第３図に示す。

第２図は断面説明図、第３図は第２図の部分平面図であ
る。

９は外部電極３、中間電極１０および内部電極１１から
構成されている煙検出部であり、火災時の煙を検出する
。

内部電極１１は、第４図に示されるように、下部は基板
８に設けられる取付部材１１′に螺着するための螺子を
形成し、上部は円形で、中央部上面には角状の段付凹部
１１ａ′、１１ｂ′が設けられている。

凹部１１ａ′には放射線源１１ａが挿入され、次に凹部
１１ｂ′に放射線源保持部材１１ｂが挿入される。

ここで、放射線源保持部材１１ｂは第４図の各部品を組
立てた状態の断面図である第５図に示すように、角状に
中ぐりされた内辺縁で、放射線源１１ａの外辺縁を押さ
える。

そして、放射線源保持部材１１ｂを内部電極１１に固着
するには、内部電極１１の上面をスポット押圧して歪を
つくることにより、該保持部材の横方向に応力を加えて
固着する方法、該保持部材の外辺端と内部電極１１の凹
１１ｂ′の内壁とをかしめることによって固着する方法
および該保持部材の上部外周壁をその中心に向かって押
圧することによって固着する方法等があげられる。

１２はスイッチング回路であり、煙検出部９の出力に基
づいて動作する。

１３は、警報部であり、スイッチング回路１２の出によ
り作動する。

９〜１３はいずれも基台１４に設けられている基板８に
取り付けられている。

１５はテスト用接触部材であり、外部電極３との接触に
よって、煙検出部９の出力を火災時の場合と同様にしよ
うとするものである。

これはリン青銅製等の板を曲げ、下端部を基板８に半田
付等で固定し、上端部は常にハウジング１に設けられて
いるテスト用押圧部１７を押し上げている。

テスト用押圧部１７の周囲にはハウジング部材を一部打
ち抜いたスリット部分１８および該部材の板厚を薄くし
て波状にした波打ち部分１９を設け、テスト用押圧部１
７に弾性を与えた構造がとられている。

また、ハウジング１に外力が加わった場合、該ハウジン
グが変形してその力がテスト用抑圧部１７に伝わらない
ようにするため、ハウジング１の内壁に、例えば外部電
極３等との間に凸状の支持部材２０を設けている。

これは、該抑圧部を押した場合のみ試験回路が動作する
ということだけでなく、外力によってハウジング１が破
壊されるのを防止するという利点をも有する。

ハウジング１には煙を流入させるための開口１６が設け
られ、基台１４と組合されて全体を覆っている。

また、テスト用抑圧部１７および支持部材２０はハウジ
ング１と一体成形されている。

以上の構成によれは、試験時にテスト用抑圧部１７を押
すと、それに接触しているテスト用接触部材１５をも同
時に押し込むので、その先端が外部電極３の外表面に接
触して、基板８に半田付した部分と同電位になり、前述
したように煙検知器９の出力が煙を流入した場合と同様
になり、警報部１３が警報を発する。

以上のように、テスト回路を得るのに従来は部品を５個
必要としていたのに対し、この考案によれば、部品はテ
スト用接触部材１５のみで済む。

材料費の低減はもちろんのこと、部品を組立てるための
前加工も、テスト用接触部材１５を基板８に半田付する
だけである。

そして、他の電気回路部品と同時に半田槽内で半田付す
ることができるので、セツティングをするだけでよい。

第６図および第７図にこの考案の他の実施例を示す。

第６図はテスト用抑圧部１７の平面図で、第７図は第６
図のＡ−Ａ断面図である。

これは、テスト用抑圧部１７の辺縁に沿って波打ち部分
１９を設け、該波打ち部分をはさむようにしてスリット
部分１８を設けている。

テスト用抑圧部１７には、第８図および第９図に示され
る銘板２１を取付けて、波打ち部分１９を覆うことによ
って美感を損うことがないようにも配慮されている。

またテスト用抑圧部１７に、常にハウジング１の内側か
らテスト用接触部材１５によって押し上げられているの
で、長期間経過後には該抑圧部が外側へ変動するおそれ
があるが、上記の銘板２１によって防止することができ
る。

但し第８図は平面図、第９図は側面図である。

さらに他の実施例を第１０図〜第１５図に示す。

第１０図および第１１図（第１０図のＢ−Ｂ断面図）に
示される実施例は、テスト用抑圧部１７の周囲に薄板部
分２２を設け、ざらにこ０）部分を挾むようにしたＬ型
セ〈のスリット部分１８を設け、該抑圧部に弾性を付与
している。

第１２図および第１３図（第１２図のＣ−Ｃ断面図）に
示される実施例は、テスト用抑圧部１７の各辺に沿って
、薄板の凹部１９′をそれぞれ該押圧部の一辺につき２
個設け、さらに該押部を挾むようにスリット部分１８を
設け、該抑圧部に弾性を付与している。

第１４図および第１５図（第１４図のＤ−Ｄ断面図）に
示される実施例は、テスト用抑圧部１７の周囲に薄板部
分２２を設け、該抑圧部に弾性を付与している。

なお、以上の実施例において、テスト用押圧部１７の周
囲に設けられたスリット１８は、上記銘板２１を設けな
い場合、該押圧部に弾性を与えるだけでなく火災時の煙
の流入を助長すという効果をも有する。

また、テスト用接触部材１５を基板８に半田付した場合
について説明したが、これはテスト用押圧部１７の裏側
もしくは外部電極３側に取付けることも可能である。

さらに、この考案は、イオン化式煙感知器に限らず、減
光式あるいは散乱光式であるとを問わす光電式感知器の
感度テスト用押釦にも応用できるものである。

以上の説明から明らかなように、この考案によって非常
に簡単な構造で、確実な動作が得られるテスト用押圧部
１７の製作が可能となり、安価な煙感知器の提供が可能
になった。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の煙感知器のテスト回路の構成説明図、第
２図はこの考案の一実施例の構成の説明図、第３図は第
２図の部分平面図、第４図は内部電極の説明図、第５図
は内部電極の断面図、第６図はこの考案の他の実施例の
説明図、第７図は第６図のＡ−Ａ断面図、第８図および
第９図は銘板の正面図および側面図、第１０図はこの考
案の第３の実施例の説明図、第１１図は第１０図のＢ
−Ｂ断面図、第１２図はこの考案の第４の実施例の説明
図、第１３図は第１２図のＣ−Ｃ断面図、第１４図はこ
の考案の第５の実施例の説明図、第１５図は第１４図の
Ｄ−Ｄ断面図である。 １・・・・・・ハウジング、３・・・・・・外部電極、
９・・・・・・煙検出部、１０・・・・・・中間電極、
１１・・・・・・内部電極、１２・・・・・・スイッチ
ング回路、１３・・・・・・警報部、１４・・・・・・
基台、１５・・・・・・テスト用接触部材、１７・・・
・・・テスト用押圧部、１８・・・・・・スリット部分
、２０・・・・・・支持部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 火災時の煙を検出する煙検出部と、該煙検出部の出力に
   基づいて動作するスイッチング回路と、該スイッチング
   回路の出力により作動する警報部と、テスト時に押圧さ
   れるテスト用抑圧部と、該テスト用抑圧部が押圧される
   ことにより電気的に導通され上記警報部を作動するテス
   ト用接触部材と、火災時に煙を上記煙検出部に流入させ
   る開口を有するハウジングと、該ハウジングと組合わさ
   れる基台とを備える煙感知器において、 上記テスト用抑圧部に弾性をもたせ、該弾性を有するテ
   スト用抑圧部を上記ハウジングと共に一体的に成形した
   ことを特徴とする煙感知器のテスト用抑圧部。