JPS5817938Y2 - 減速・逆転機のクラッチ板中立保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は減速・逆転機のクラッチ板の中立保持装置に関
する。

従来与えられた回転を減速又は逆転するため使用される
減速・逆転機のクラッチ板に於ては、その回転を伝達し
ない中立時に於ても、クラッチ板面とクラッチ板面が密
着して、つれまわり力が発生することがある。

従って各々のクラッチ板面に若干の反りを与え密着を防
止しているものもあるが、クラッチ板面に反りを与える
加工が難かしく、製作コストが嵩むと云う欠点がある。

又反りを与えたクラッチ板ではクラッチ板同志が接触し
ている部分が摩耗すると、そのつれまわり防止の効果が
なくなり、更に常時接触している部分で焼き付きが発生
する場合があるので保守の面でも問題が多いと云う欠点
がある。

そこで本考案は、前記の従来の欠点を解消するタメ、ク
ラッチの中立時に於て各々のクラッチ板間に強制的に空
間を形成し、つれまわりを防止することを目的としたも
のである。

即ち、本考案では内歯車付クラッチ板と、これに隣接す
る爪付クラッチ板との間に、爪付クラッチ板と接触する
リング状スプリングを、内歯車付クラッチ板の円周方向
の溝に滑動自在に保持してなる減速・逆転機のクラッチ
板中立保持装置から構成される。

以上本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図は従来のクラッチ板要部の縦断面図、第２図は第
１図に於けるクラッチ板のＡ−Ａ一部所面図、第３図は
第１図に於けるクラッチ板要部のつれまわり時の縦断面
図、更に第４図は本考案実施例に於ける中立時のクラッ
チ板要部の断面図、第５図は本実施例に於けるリング状
スプリング要部の概略図である。

先づ第１図、第２図及び第３図の従来のクラッチ板に於
て、第１図は中立時の設定位置に於けるクラッチ板の状
態を示しており、爪付クラッチ板１と内歯車付クラッチ
板２の間には夫々空間を保有しているが、第３図の中立
時に於ては、左側の内歯車付クラッチ板２が爪付クラッ
チ板１と密着しつれまわり状態に置かれている。

次に第４図の本考案の実施例に於ては、クラッチ板仕組
の内歯車付クラッチ板２の外周上に溝６を設げる。

更に第５図で示す本実施例に於けるリング状スプリング
５のペース内部分（円周方向幅ｌで示した部分）を内歯
車付クラッチ板２の溝６の中を円周方向に滑動自在とな
るように挿入する。

リング状スプリング５のペース円周部分から外側に飛び
出した円周方向幅すの突部を、・・ウジングの爪挿入個
数と同数又はそれ以下の個数だけ設け、その突部を左右
交互に傾斜するごとく折り曲げる。

その左右の突部を内歯車付クラッチ板２の左右に隣接す
る・・ウジング３又は爪付クラッチ板１の爪部に設けた
挿入溝に入れて組付ける。

これにより内歯車付クラッチ板２及び爪付クラッチ板１
の中心間距離が第４図に示す寸法りに維持され両クラッ
チ板の間には空間が形成される。

なお、第５図に示すリング状スプリング５のベース円の
直径ｄは第４図に示す内歯車付クラッチ板２の外径りよ
り若干寸法を小さくしている。

従って、本考案のクラッチ板の中立保持装置に於ては、
隣接する個々のクラッチ板をリング状スプリングによっ
て積極的に引き離すようにしたので、湿式クラッチ板の
クラッチ板間の油による表面張力以上のリング状スプリ
ングで強制的に空間を形成するため、つれまわり力が防
止できると云う効果がある。

更に、従来のクラッチ板に施されているクラッチ板に反
りを与える加工が不要であるためその製作コストを低減
できると云う効果がある。

なお、本考案は主として減速機及び減速・逆転機等のク
ラッチ板の中立保持装置として有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクラッチ板要部の縦断面図、第２図は第
１図に於けるクラッチ板のＡ−Ａ一部所面図、第３図は
第１図に於けるクラッチ板要部のつれまわり時の縦断面
図、更に第４図は本考案実施例に於ける中立時のクラッ
チ板要部の断面図、第５図は本実施例に於けるリング状
スプリング要部の概略図である。 １・・・爪付クラッチ板、２・・・内歯車付クラッチ板
、３・・・ハウジング、５・・・リング状スプリング、
６・・・溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内歯車付クラッチ板と、これに隣接する爪付クラッチ板
   との間に、爪付クラッチ板と接触するリング状スプリン
   グを、内歯車付クラッチ板の円周方向の溝に滑動自在に
   保持してなる減速・逆転機のクラッチ板中立保持装置。