JPS5817524Y2 - 保温式炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓋ヒータを外蓋の凹部に上下動可能に設けて内
蓋に当接させ、保温及び内蓋への結露防止を図った保温
式炊飯器に関する。

この種の炊飯器は炊飯時あるいは保温時に鍋がら洩出た
水蒸気が外蓋の蓋ヒータ収納用の凹部内で結露し、蓋ヒ
ータの給電部の絶縁を劣化させるという虞があった。

そこで弾性力を有する環状のパツキンを外蓋の凹部の開
口部に固定し、発熱体を内蔵したホルダの外周部の該パ
ツキンとが密着しつつ摺動し得るようにし、以て蓋ヒー
タ内への水蒸気の侵入を防止するものが考えられている
。

しかしこの構成では、環状パツキンは一般にゴム等で形
成される関係上、ホルダとの間に大きな摩擦抵抗が作用
するため、蓋ヒータを内蓋に圧接せしめるにはスプリン
グの付勢力を強くしなくてはならない。

ところがこのようにすると、外蓋を閉鎖する際の抵抗が
大きくなったり、内蓋が反る等の不都合を生じる。

又これが弱い場合は、蓋ヒータが内蓋に十分密着しない
ため熱の伝達が悪くなり、内蓋に結露し易くなる等の欠
点がある。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであって、発
熱体を内蔵したホルダの上下動に伴って伸縮する伸縮部
を有したパツキンを、その外周縁部が外蓋の下面に形成
された凹部の周縁部に固定され且つその内周縁部が発熱
体を内蔵したホルダの外周部に固定されるように取付け
ることによって、蓋ヒータ内への水蒸気の侵入を防ぐと
ともにホルダの円滑な上下動を可能ならしめ得る保温式
炊飯器を提供することを目的とする。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

１は外ケース２内に断熱材３を介して内ケース４を収納
してなる保温ケース、５は内ケース４内に着脱可能に配
設された鍋、６は外ケース２の上面に回動可能に設けら
れ保温ケース１の上面を開閉する外蓋、７は断熱材８を
介して外蓋６の下面に嵌着された内カバー、９は内カバ
ー７の中央部に陥没形成された底の浅い円形の凹部、１
０はこの凹部９内で上下動可能に設けられた蓋ヒータで
ある。

１１は伝熱板１２を中央部上面にリベット１３によって
取付けた内蓋で、図示しない適宜の手段で着脱可能に内
カバー７に取付けられている。

次に本考案の要部を第２図に基づいて詳述する。

１４は前記凹部９の上面に形成されたリード線挿通孔、
１５は前記凹部９の上面に下方に向けて突設された２個
のスプリング押え、１６は前記凹部９の内周壁に突設さ
れた環状のストッパー、１７は前記凹部９の下部周縁に
形成された環状段部である。

１８は薄肉環状の弾性体よりなるパツキンで、その外周
縁部１８ ａは環状の当て板１９によって前記環状段部
１７にねし止め固定され、内周縁部１８ ｂは若干肉厚
に形成され、又その中間部は例えば蛇腹状に形成されて
伸縮性を有する伸縮部１８ Ｃを構成している。

２０は後述する発熱体と共に前記蓋ヒータ１０を構成す
るホルダで、耐熱性の合成樹脂等で成形され、略円筒状
をなしている。

このホルダ２０の外周壁下部には環状のパッキン受は溝
２０が形成されており、その外径寸法は前記パツキン１
８の内径寸法よりも若干径大に設定しである。

そして前記パツキン１８の肉厚の内周縁部１８ ｂは上
記パッキン受は溝２０ ａに嵌め込まれて、その弾性力
のためホルダ２０を締めつけるようにしてパッキン受は
溝２０ ａに密着している。

従って、内周縁部１８ ｂを接着によらず単にパッキン
受は溝２０ ａに嵌込むだけでホルダ２０に固定するこ
とができる。

２０ ｂはホルダ２０の上面に形成された二個のスプノ
ング受は穴で、これらは夫々前記凹部９の各スプリング
押え１５と対向し、その間には圧縮スプリング２１が介
在されていてホルダ２０は常に下方に付勢されている。

２０ Ｃはホルダ２０の外周壁上部に一体に形成された
環状凸部で、その外径寸法は前記ストッパー１６の内径
寸法よりも若干径大に設定しであるので、圧縮スプリン
グ２１によって下方に付勢されたホルダ２０が所定距離
下るとストッパー１６に当接し、ホルダ２０が凹部９か
ら外れ落ちるのを防いでいる。

２２は例えばアルミニウム等の伝熱性の良好な金属によ
って形成された放熱面たる放熱板で、中央部に正特性サ
ーミスタ等よりなる発熱体２３を載置固定してホルダ２
０の下面開口部を閉塞するようにねし止めされている。

２４は発熱体２３と図示しない保温スイッチとを接続す
べく外蓋６の断熱材８内に通されたリード線である。

次に上記のように構成した本実施例の作用について述べ
る。

外蓋６を下方に回動し保温ケース１を閉塞して図示しな
い保温スイッチをオンにすると、発熱体２３の熱が放熱
板２２及び伝熱板１２を介して伝達され、内蓋１１を加
熱する。

この時蓋ヒータ１０のホルダ２０は圧縮スプリング２１
の押下刃によって下方に付勢されているため、放熱板２
２は伝熱板１２に密着し熱が効率よく内蓋１１に伝達さ
れる。

このようにして内蓋１１が加熱されることにより鍋５内
部の水蒸気が内蓋１１に結露し水滴が鍋５に滴下して御
飯の味を悪くすることを防ぐことができる。

又パツキン１８の外周縁部１８ ａは凹部９の環状段部
１７に固定され、内周縁部１８ ｂはホルダ２０のパッ
キン受は溝２０ ａに嵌合密着しており、且つホルダ２
０の下面開口部は放熱板２２によって閉塞されているか
ら、ホルダ２０の内部及び四部９の内部は常に密封され
ていることになる。

従って炊飯時あるいは保温時において、ホルダ２０の内
部及び凹部９の内部へ水蒸気が侵入しここで結露して、
発熱体２３の給電部の絶縁を劣化させたり、あるいは圧
縮スプリング２１等の他の部材を腐食させること等を確
実に防止できる。

さて外蓋６を開放し、掃除等のため内蓋１１を外蓋６か
ら取外すと、ホルダ２０はパツキン１８の伸縮部１８
Ｃを伸長させつつ圧縮スプリング２１によって環状凸部
２０ Ｃがストッパー１６に当接するまで押下けられ、
掃除後に内蓋１１を外蓋６に取付けると、その取付過程
でホルダ２０はパツキン２１の伸縮部１８Ｃを収納させ
つつ圧縮スプリング２１の付勢力に抗して押上げられる
。

このようにホルダ２０の上下動に伴いパツキン１８の伸
縮部１８ Ｃが伸縮することにより、パツキン１８の内
周縁部１８ ｂはホルダ２０と相対的移動を生ずること
なく一体的に上下動するから、パツキン１８とホルダ２
０との間に摩擦力が作用することは全くない。

従ってホルダ２０に対する圧縮スプリング２１の付勢力
は、内蓋１１の伝熱板１２にホルダ２０の放熱板２２を
圧接させるためだけでの程度でホルダ２０は極めて円滑
に動くことができる。

又このように圧縮スプリング２１の付勢力は比較的弱い
から、内蓋１１が鍋５の開口部に当接してから、更に外
蓋６を圧縮スプリング２１の弾発力に抗して若干押下け
る外蓋６の開閉操作時でも、その−作の抵抗は小さく楽
に操作でき、且つ内蓋１１を反らせるようなこともない
。

尚本実施例においては、パツキンの内周縁部をホルダの
外周部に固定するにあたり、ホルダにパッキン受は溝を
形成しこれにパツキンを嵌合密着せしめているが、本考
案の実施にあたっては要旨を逸脱しない範囲で、接着そ
の他の様々な固定方法を考えることができる。

又、パツキンの伸縮部としては蛇腹状のものに限らず、
ホルダが上方に移動したとき一つの山を形作るようなた
るみ部分を形成して、これを伸縮部としてもよい。

以上述べたように本考案は、発熱体を内蔵したホルダの
上下動に伴って伸縮する伸縮部を内外同周縁部間に有す
る環状のパツキンを、その外周縁部が外蓋の凹部の周縁
部に固定され、且つその内周縁部がホルダの外周部に固
定されるように取付けたから、ホルダ内へ水蒸気の侵入
を確実に防止し得ることは勿論、前記伸縮部の伸縮作用
によりパツキンの内周縁部はホルダと一体的に上下動し
てその間に摩擦摺動抵抗が作用することはないから、ス
プリングの弾発力を小さく設定してもホルダを円滑に上
下動させ得、且つこれにより外蓋を楽に閉鎖操作できる
と共に、内蓋が変形することもなくなる等の効果を奏す
る保温式炊飯器を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による一実施例を示し、第１図は一部破断
して示す全体の縦断面図、第２図は要部の拡大断面図で
ある。 図面中１は保温ケース、５は鍋、６は外蓋、９は凹部、
１０は蓋ヒータ、１８はパツキン、１８Ｃは伸縮部、２
０はホルダ、２０ ａはパッキン受は溝、２１は圧縮ス
プリング、２２は放熱板（放熱面）、２３は発熱体であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．外蓋の下面に形成された凹部に、発熱体を内蔵した
   ホルダを上下動可能に収納すると共に、このホルダをス
   プリングによって常時下方に付勢し、前記外蓋を閉じた
   とき、前記ホルダの放熱面が前記スプリングの付勢力に
   よって鍋の上面を閉鎖する内蓋に圧接されるようにした
   ものにおいて、中央部に前記ホルダが挿通する孔を有し
   た薄肉な環状に形成され、その外周縁部を前記凹部の周
   縁部に固定すると共に、内周縁部をホルダの外周部に固
   定し、且つ内外周周縁部間にホルダの上下動に伴って伸
   縮する伸縮部を有したパツキンを設けたことを特徴とす
   る保温式炊飯器。 ２、ホルダの外周部に溝を形成し、該溝にパツキンの内
   周縁部を嵌着したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の保温式炊飯器。