JPS5816959Y2 - 浮体構造物における支持浮体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、浮体構造物とくに大型の浮体構造物におい
て、構造物本体の下面に設けられる支持浮体に関する。

海面に設けられる浮体構造物、とくに大型の浮体構造物
においては、波浪の影響を軽減させる必要がある。

構造物本体の下面に多数の筒状の支持浮体な設け、各支
持浮体の一部分のみが海水中に没して、この部分に作用
する浮力のみによって構造物本体および支持浮体の全重
量を支えるようにし、複数箇所に分散した水平断面積の
小さい支持浮体で波浪を受けることによって、その影響
を軽減させることができるが、支持浮体に及ぼす波浪の
影響をさらに軽減させることが望１れている。

この考案の目的は、波浪の影響を受けにくい、浮体構造
物における支持浮体を提供することにある○ この考案による支持浮体は、構造物本体の下面に垂直に
取付けられた少なくとも２個の筒状浮力タンクと、筒状
浮力タンクの下端に水平にわたし止められ、下側に開口
部を有し、かつ内部に空気室が形成された中空環状体と
を備えており、筒状浮力タンクの一部分および中空環状
体が海水中に没するようになされ、格子板と網状体が、
中空環状体で四重れた空間にいずれか一方を上にして上
下に配置されるように、中空環状体に取付けられている
ものである。

この考案によれば、海水中に没する中空環状体が構造物
本体下面の少なくとも２個の筒状浮力タンクの下端にわ
たし止められ、波浪を受ける筒状浮力タンクが２箇所以
上に分散しているため、波浪の影響が小さくなる。

筐た、環状体の下側に開口部が設けられるとともに内部
に空気室が形成されており、支持浮体に作用する波浪は
空気室内での空気との相互干渉によって減衰させられる
ため、波浪の影響がさらに小さくなる。

また、中空環状体で囲１れた空間に格子板と網状体が設
けられ、支持浮体に作用する波浪は格子板と網状体によ
って減衰させられるため、波浪の影響がさらに小さくな
る。

したがって、この考案による支持浮体を適宜配置するこ
とによって、浮体構造物に対する波浪の影響が著しく軽
減される。

以下図面を参照してこの考案の実施例を説明する○ 第１図は、浮体構造物の一例を示すもので、平面からみ
て長方形状の細長い構造物本体１の下面に多数の支持浮
体２が設けられている。

第２図および第３図に示すように、支持浮体２は、構造
物本体１下面の正方形の各頂点をなす位置に垂直に取付
けられた４個の円筒状浮力タンク３と、円筒状浮力タン
ク３の下端に水平にわたし止められた中空環状体４とを
備えている。

各円筒状浮カタ／り３は密閉状に形成されており、これ
ら相互間に、密閉状の円管浮力タンク５が数個、水平あ
るいは斜めに取付けられている。

中空環状体４は、その下側に環状の開口部６を有し、開
口部６を除いて密閉状に形成され、内部に空気室７が形
成されている。

格子板８と網状体９が、中空環状体４で四重れた空間に
上下に配置されるように、中空環状体４に取付けられて
いる。

構造物本体１の内部に圧縮空気調整ポンプ１０が設けら
れ、空気弁１１を有する空気管１２によって、中空環状
体４の空気室７に接続されている。

浮体構造物は、構造物本体１が水平になるように海面に
浮かべられ、ドルフィン（図示略）等に係留されており
、各円筒状浮カタ／り３の一部と、円管浮力タンク５の
一部と、中空環状体４が海水中に没して、この部分に作
用する浮力によって構造物本体１および支持浮体２の全
重量が支えられるようになされている。

空気室７内部の空気は水圧によって圧縮され、空気室７
には空気と、開口部６かも流入した海水とが存在し、空
気圧と水圧が鈎合っている。

また、海水は格子板８と網状体９を通って上下に移動し
うる○ ４位置に分散した水平断面積の小さい円筒状浮力タンク
３が海面位置にあって、この部分で波浪を受けるため、
支持浮体２に及ぼす波浪の影響が小さくなる。

また、支持浮体２に作用する波浪のエネルギは、空気室
７内での空気との相互干渉、および格子板８と網状体９
によって減衰させられるため、波浪の影響はさらに小さ
くなる。

空気室７内の空気が何らかの事情で外部に持ち去られて
減少した場合には、圧縮空気調整ポンプ１０と空気弁１
１を操作することによって、空気を供給し、空気量およ
び空気圧を調整する。

筒状浮力タンク３の形状、数、および中空環状体４の形
状は、実施例のものに限る必要はない。

格子板８と網状体９は、いずれが上に配置されてもよい
。

浮体構造物は、この考案による支持浮体２のみを有する
ものであってもよいし、この考案による支持浮体２と他
の支持浮体とを有するものであってもよい。

例えば、潮流や波浪の影響を強く受ける、構造物本体１
周縁部にこの考案による支持浮体２を設け、これらの影
響を強く受けない内側の部分に、円筒状の支持浮体等を
固定してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであって、第１図は
浮体構造物の中間部を省略した平面図、第２図は第１図
■−■線の拡大断面図、第３図は第２図ｍ−ｍ線の断面
図である。 １・・・・・・構造物本体、２・・・・・・支持浮体、
３・・・・・・筒状浮力タンク、４・・・・・・中空環
状体、６・・・・・・開口部、Ｔ・・・・・・空気室、
８・・・・・・格子板、９・・・・・・網状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 構造物本体１の下面に複数個の支持浮体が設げられ、各
   支持浮体の一部分のみが海水中に没して、この部分に作
   用する浮力のみによって構造物本体１および支持浮体の
   全重量が支えられるようになされた浮体構造物において
   、構造物本体１の下面に垂直に取付けられた少なくとも
   ２個の筒状浮力タンク３と、筒状浮力タンク３の下端に
   水平にわたし止められ、下側に開口部６を有し、かつ内
   部に空気室７が形成された中空環状体４とを備えており
   、筒状浮力タンク３の一部分および中空環状体４が海水
   中に没するようになされ、格子板８と網状体９が、中空
   環状体４で囲ｌれた空間にいずれか一方を上にして上下
   に配置されるように、中空環状体４に取付けられている
   支持浮体。