JPS581662Y2 - オ−バランニングクラッチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は機関用始動電動機等に使用されるオーバラン
ニングクラッチの改良に関するものである。

まず、この種従来装置を第１図について説明する。

図中、１は始動電動機のアマチュアシャフト（以下シャ
フトと記す。

）で断面円径部２とスプライン部３を有する。

４は上記シャフト１のスプライン部３に嵌合され、軸方
向に螺動できるスプライン５を有するクラッチアウタで
、複数個の係合面６ａを有する筒状部６と図示しないピ
ニオン移行用レバーとの係合部７ａ並びに上記スプライ
ン５を有する摺動部７とから成る。

８は上記係合面６ａに装着されたローラ、９はこのロー
ラと嵌合して上記ロー２８の径方向への移動を規制する
環状突出部９ａを有するクラッチインチで左端部には機
関駆動用ピニオン１０を装着している。

又、このクラッチインナ９の環状突出部９ａと上記クラ
ッチアウタ４の係合面６ａとの間にはくさび状空間（図
示せず）が形成されており、そのくさび状空間内に上記
ローラ８が各々挿入されている。

１１ばこのクラッチインナの内周面９ｂに固着された軸
受メタル、１２は係止用ワッシャで上記クラッチアウタ
４の筒状部６の側端部と、上記クラッチインナ９の突出
部９ａの端部とに跨がって装着され、上記ローラ８の軸
方向への飛び出しを防止している。

１３はこのワッシャ１２の外部に圧接されたゴムパツキ
ンで上記ローラ８の潤滑用グリース（図示せず）が外部
へ漏れるのを防止している。

１４は上記クラッチアウタ４の筒状部６上記ハツキン１
３を被覆してなるカバーで、その上記摺動部７側端部を
所定の圧力により絞り、上記クラッチアウタ４、パツキ
ン１３、ワッシャ１２を一体的に固着している。

１５は上記ピニオン１０の軸方向への移動を規制するピ
ニオンストッパである。

上記の様に構成された従来装置において、クラッチイン
ナ９は冷鍛にて形成され、その内周面９ｂに軸受メタル
１１を圧入するのであるが、冷鍛にて形成した状態の内
周面９ｂに直接軸受メタル１１を圧入すると、クラッチ
インナ９内周表面９ｂが粗いため、軸受メタル１１の固
定が充分でなくクラッチインナ９の軸方向への摺動によ
り、軸受メタル１１がクラッチインナ９内周面９ｂより
脱落し、軸受メタル１１が軸方向特に反ピニオン１０側
に移動して、軸受メタル１１がスプライン部３，５に噛
み込み、正常なりラッチ動作を行なうことができなくな
る不具合が生じていた。

又、この不具合を解消するため、クラッチインナ９の内
周面９ｂをグラインダ研磨にて表面を極めて滑らかに仕
上げて軸受メタル９の圧入を強固にするものがあるが、
このものにあってもグラインダ研磨を行なわなくてはな
らず、極めて生産性が悪かった。

この考案は上記の不具合を解消する優れたオーバランニ
ングクラッチを提供するものである。

以下、第２図に示すこの考案の一実施例について説明す
る。

即ち、第２図に釦いて、９ｃは上記クラッチインナ９の
突出部９ａの内周側に形成された環状の薄肉部で、上記
軸受メタル１１が圧入される内周面９ｂに対して段部を
形成している。

１６は上記クラッチインナ９の薄肉部９ｃに固着された
環状のストッパで、上記軸受メタル１１の右端面と当接
して上記軸受メタル１１の右方向への移動を規制してい
る。

即ち、以上の様に構成された実施例にあっては、薄肉部
９ｃを有するクラッチインナ９を冷鍛にて形成し、その
後クラッチインナ９の内周面に軸受メタル１１を圧入し
、面談、薄肉部９ｃにストッパ１６を軸受メタル１１の
右端面に当接する如く固着する。

従って、機関の始動毎に、クラッチインナ９がシャフト
１上を何回となく摺動しても、軸受メタル１１は、スト
ッパ１６により、各スプライン５，３の嵌合に支障を来
たす不具合等は解消でき、しかも、クラッチインナ９の
内周面９ｂは、軸受メタル１１の脱落防止用にグライン
ダ研磨を行なう必要もなくなる。

なお、クラッチインナ９の内周面９ｂはグラインダ研磨
にて加工されてないため、長期間の使用により、軸受メ
タル１１がクラッチインナ９の内周面９ｂより離反する
場合が生じるが、軸受メタル１１の右方向への移動は上
記した如くストッパ１６により阻止され、又、左方向へ
の移動にはピニオンストッパ１５により規制されるため
何ら支障を来たすことはない。

以上の様にこの考案は、クラッチインナの内周部に軸受
メタルの軸方向への移動を規制する環状のストッパを設
ける様にしているので、軸受メタルのクラッチインナ内
周部からの脱落に伴なう、クラッチ動作の不能という不
具合が解消でき、又軸受メタルを装着するクラッチイン
チ内周部をグラインダ研磨をする必要がなくなる等生産
性も向上でき、実用性が高いオーバランニングクラッチ
を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す断面図、第２図はこの考案の一
実施例を示す断面図である。 図中、１はアマチュアシャフト、４はクラッチアウタ、
６ａは係合面、８はローラ、９はクラッチインナ、９ｂ
は内周面、９ｃは薄肉部、１０はピニオン、１１は軸受
メタル、１５はピニオンストッパ、１６はストッパであ
る。 同、図中同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関用始動電動機の回転軸に軸方向移動可能に設けられ
   内周部に嵌合部を有するクラッチアウタ、上記回転軸の
   外周に軸方向移動可能に嵌挿され上記クラッチアウタの
   嵌合部との間でくさび状空間を形成するクラッチインチ
   、上記くさび状空間内に装着され、上記クラッチアウタ
   と上記クラッチインナとの連結状態を制御するローラ、
   上記クラッチインナの内周面に装着された軸受メタル、
   及び上記クラッチインナの内周面に装着され、上記軸受
   メタルの軸方向への移動を規制する環状のストッパを備
   工たオーバランニンニングクラッチ装置。