JPS5816246B2 - ジキキロクタイ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁性粉の分散性、および機械的特性の改善さ
れた磁気記録体に関する。

磁気記録体は通常、バインダーを有機溶剤で溶解した溶
液中に磁性粉を混合して磁性塗料を調製し、この磁性塗
料を基体に塗布乾燥して作られている。

この方法では、多量の有機溶剤を使用するため、火災の
危険を伴うだけでなく、塗料の調製時に、環境汚染や作
業者の保健上に問題を生ずる場合がある。

この゛ような問題を解消するため、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体あるいはポリウレタン樹脂を水溶液中に乳
化懸濁した分散液中に磁性粉を混合した磁性塗料を使用
して磁気記録体を製造する方法が提案されている。

この方法では、塗布操作に最適の塗料粘度の調整が困難
であるだけでなく、磁性粉の分散が悪く、高感度のもの
が得られにくい欠点がある。

すでに出願人は、これらの欠点を解消するもの□として
アクリル酸エステル、とメタクリル酸エステルとアクリ
ル酸、またはメタクリル酸とからなる共重合体をアンモ
ニア水溶液中に分散した水分散液を使用するものを提案
しているが、この共重合体は、磁性粉との親和性によっ
て、その分散性を高めるものの、塗膜の耐水性および耐
摩耗性などの機械的特性においてやや劣る問題点を包含
している。

本発明は、前記共重合体に塩化ビニル樹脂とポリウレタ
ン樹脂を配合することによって、その特長を損うことな
く前記機械的特性を改善したものである。

磁性粉との親和性があり、良好な分散性を有するこの共
重合体は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルなどの
アクリル酸エステルとメタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチルなどのメタクリル酸エステルとアクリル酸また
はメタクリル酸を重量比で、１００対２０〜１００対１
〜３０の組成比で共重合させる場合に特にすぐれた性能
を示す。

しかし、この共重合体は、磁性粉との混合によってゲル
化し易いため、そのまま塗料を調製することができない
。

したがって、アルカリで中和してゲル化を抑制して用い
る必要があるが、このアルカリの添加によって、塗料の
粘度が増加し、安定化するので、その添加量を調節して
均一厚みの塗膜を形成するに適当な粘度を有する塗料を
容易に調製できる利点がある。

ゲル化抑制のため用いるアルカリとしては、塗料を塗布
した後の乾燥工程で容易に系外に除去できるアンモニア
水溶液か最適である。

アンモニア水溶液の添加量は、塗料の中和度すなわち添
加されるアンモニアのＯＨ数を塗料中の前記共重合体中
のカルボキシル基数で除した当量比で選定されるのがよ
く、中和度が０．２５以上のとき塗料粘度が高くなり、
高すぎると塗料粘度が低下する傾向にあるので、’Ｃ）
、２５〜１．５程度の中和度が最もよい。

塩化ビニル樹脂とポリウレタン樹脂は、前記共重合体と
よく相溶して、その特長を損うことなく塗膜の耐摩耗性
、耐水性などの機械的特性を改善する。

前記共重合体と堪化ビニル樹脂とポリウレタン樹脂との
配合比は重量で２０対４０対４０から８０対１０対１０
の範囲とすればよく、共重合体の配合割合が多すぎると
、磁性粉の分散性は向上するが、機械的特性が低下し、
塩化ビニル樹脂の配合割合が多すぎると耐水性は向上す
るが磁性粉の分散性および耐摩耗性が低下し、ポリウレ
タン樹脂の配合−〇声が多すぎると磁性粉の分散性が低
下する傾向にある。

本発明で使用する塩化ビニル樹脂は、塩ビニ酢ビ共重合
体、塩ビ−アクリル酸エステル共重合体。

塩ビ−メタクリル酸エステルなどが適嶋であり、このよ
うな塩化ビニル樹脂を水に乳化分散させた１信化学工業
社製ビニブラン２００ｃか好適である。

ポリウレタン樹脂としては、バイエルジャパン社製のＤ
ＬＮ、ＤＬＨなどの水分散系のポリウレタン樹脂が適轟
である。

次に、本発明による実施例について説明する。

実施例 １ アクリル酸エチル６５重量部とメタクリル酸メチル３５
重量部とメタクリル酸１０重量部とからなるアクリル酸
エステル共重合体を水（こ、乳化分銑させた固形分濃度
４５重量％の水分散液と、２重量％アンモニア水とビニ
ブラン２００ｃ（固形分濃度４５５重量部とＤＬＮ（ポ
リウレタン樹脂固形分濃度４０重量％）とを下表の割合
で配合し、これに適宜の水とともにγ−Ｆｅ２０３磁性
粉１００重量部を加え、ボールミル中で混合分散し、磁
性塗料を調製する。

この塗料をポリエステルベースフィルム上に塗布乾燥し
て磁性塗膜を形成し、所定の幅に裁断して磁気テープを
作る。

実施例 ２ 実施例１の試料番号５の組成においてアクリル酸エチル
−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体に代えて
アクリル酸ブチル７０重量部とメタクリル酸メチル２５
重量部とアクリル酸５重量部とからなるアクリル酸エス
テル共重合体を水に乳化分散させた水分散液（固形分濃
度４５重量％）を使用し、以下同様にして試料番号７の
磁気テープを作る。

各実施例の磁気テープについて、残留磁束密度。

角型、出力感度を測定し、同時に耐水性、耐摩耗性を試
験した。

耐水性の試験方法は、各試料の磁気テープの磁性塗膜表
面を水を含んだ脱脂綿でこすり、脱脂綿に付着した磁性
塗膜粉の有無を観察し、また、耐摩耗性については、約
５０ｃｒＩＬ長のテープでエンドレスループを作り、こ
のエンドレスループをテープレコーダーに装填し、約１
ｍ／秒の走行速度で１０分間磁気ヘッドに摺接させ磁性
塗膜の摩耗減量を測定した。

下表はその結果である。

上表から、アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル樹
脂およびポリウレタン樹脂を単独で使用した試料番号１
，２．３のものは、残留磁束密度。

角型、出力感度などの磁気特性あるいは、耐水性。

耐摩耗性などの機械的特性の一方がすぐれているものの
他方の特性が低下しているのに比べ、本発明による試料
番号４〜７のものは、両者の特性が改善されてより実用
的になっていることがわかる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとアク
   リル酸または、メタクリル酸共重合体とポリウレタン樹
   脂と塩化ビニル樹脂とからなるバインダーと磁性粉とを
   混練した磁性塗膜を基体上に設けたことを特徴とする磁
   気記録体。