JPS5814993B2 - クロノグラフ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は計時機能を有しそれを任意に始動、停止させ
て始動と停止との間の経過時間を測定するクロノグラフ
に関するものである。

クロノグラフとはもともとは時間を記録する装置として
機械的なものが開発されており、現在でも通常の携帯時
計にストップウォッチのような発停可能な秒針を付加し
たものをクロノグラフと呼んでいる。

今日、電子時計の回路技術が種々に開発され、より精度
のよいクロノグラフが電子回路でもって構成されるよう
になってきている。

ところが従来の電子式クロノグラフは、１個の装置によ
っては同時に１つの時間だけが測定できるにすぎなかっ
た。

従来の機械的方式ではたとえば開側ストップウォッチと
称するたとえば２本重なって動く秒針の一本のみが別の
押釦で随時停止するものがあって、競技等のラップタイ
ムを計ることができた。

ところが、電子式クロノグラフは測定を１／１０秒、１
７１００秒単位まで行なえるという利点があって、この
ために複数の時間を同時に測定し記録できるようにする
にはカウンタが極めて多く必要となり構成が複雑になっ
てしまう。

また、たとえば複数の走者の記録時間を測定するとき、
複数のクロノグラフで測定することになるから、走者１
名毎に計時者が必要となるし、また１位、２位との間の
時間差等は用いるクロノグラフが異なれば精度よくかつ
容易に求めることはできない。

この発明は上記事情に鑑みなされたもので、１名の計時
者によって同時進行する複数の時間を精度よく測定し容
易に記録できるようにしたクロノグラフを提供すること
を目的にしている。

以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。

第１図はクロノグラフの回路ブロック構成を示しており
、１は計時用の基準パルスを発生する基準パルス形成回
路である。

基準パルスはクロノグラフの計時基準信号として使用さ
れるものであって、通常はたとえば水晶発振器と分周器
とを含む電子回路によって構成され、表面、測定精度に
必要な桁と対応して１００Ｈｚ、１０Ｈｚ等の周期で基
準パルスが出力されるようになっている。

なお、誤差が問題とならない範囲では近似カウンタを使
用することもできる。

２は基準パルス制御回路であり、上記基準パルスの供給
開始時、停止時あるいは供給先の変更等をコントロール
するためのものであって、たとえば図示しない押釦スイ
ッチからのコントロール信号によって動作する。

３は上記基準パルスに従って基準時間を計時する基準カ
ウンタである。

この基準カウンタ３は後述するように基準時間がある程
度長くなるため時、分単位のカウントも可能としておく
ことが好ましい。

４，５．６は上記基準カウンタ３での計時停止後に順次
に計時を開始する３本の短時間カウンタであって、いず
れも基準カウンタ３に並列に接続され上記基準パルス制
御回路２から基準パルスが供給されるようになっている
。

このため、上記基準カウンタ３における基準時間測定後
にひきつづき短時間カウンタ４，５，６を順次動作させ
て複数時間の時間差を測定できる。

７は加算回路であり、上記基準カウンタ３の内容に短時
間カウンタ４，５，６の内容を順次加算命令に従って加
算するものである。

なお、上記基準カウンタ３は図示しない表示回路に接続
され、基準時間および加算された他の３種の測定時間を
遂時に表示する。

またこの実施例はストップウォッチそのものとして構成
してもよいし、たとえばディジタル式の電子時計に組込
んで構成してもよい。

この様な構成のクロノグラフを使用して、同時に開始さ
れ進行する４名の競技者Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄの競技時間を測
定する方法について説明する。

競技開始前には各カウンタ３，４，５，６はいずれも「
０」にリセットされている。

従って表示内容も全桁が１０」を示している。

競技開始と同時に計時入力用釦を操作すると基準パルス
が基準カウンタ３に供給され基準時間の計時が開始する
。

このとき表示装置は基準カウンタ３での計時内容を表示
する。

その後、競技者Ａが競技を終了した時点で再び計時入力
用釦を押してコントロール信号を入力し、基準カウンタ
３での計時を停止するとともに短時間カウンタ４に基準
パルスを供給して計時を開始する。

このとき以降、表示装置では競技者Ａの競技時間を表示
しつづけている。

その後、競技者Ｂの競技終了と同時に再び計時入力用釦
を押すことによって、上記短時間カウンタ４の計時を停
止し同時に次の短時間カウンタ５での計時を開始させる
。

このようにして、短時間カウンタ４には競技者ＡとＢと
の競技時間の差が記憶される。

以下、同様にして競技者Ｃ，Ｄの競技終了時に計時入力
用釦を押し、短時間カラン１５゜６にそれぞれＢとＣの
時間差およびＣとＤの時間差が記憶される。

４名の競技者Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄの競技が終了してから、た
とえば表示切替用釦を押して加算回路７に加算命令を入
力すると、まず短時間カウンタ４の記憶内容が基準カウ
ンタ３の内容に加算され、競技者Ｂの競技時間が表示さ
れる。

この様にして、加算命令を繰返し入力すると表示装置に
は競技者Ｃ，Ｄの競技時間が順次に表示される。

この様に、短時間カウンタ４，５．６は競技者Ａ、Ｂ、
Ｃ１Ｄの競技時間の時間差のみを計時して記憶すればよ
く、基準カウンタ３にくらべて極めて小規模なもので構
成できる。

第２図は上述のクロノグラフを４名の泳者による競泳時
間の測定に用いた場合を示す説明図である。

同時にスタートした者のうち第１位は３４．６秒、第２
位は３６．３秒、第３位は３８．４秒、第４位は４１．
４秒であることが、１名の計時係によって測定され、記
録できる。

この説明図はこの発明のクロノグラフに関する理解を容
易にするために用いた一例にすぎず、競泳時間の測定以
外にも種種の競技時間あるいは一般的にいって同時に開
始される複数の経過時間の測定に用いることができ、ま
た上記第１図の実施例以外にも用途に応じて種種に変形
実施できることは勿論である。

また、複数の経過時間の時間差が短時間カウンタでの計
時範囲を越えてしまうような場合のこのクロノグラフの
使用方法の一例としては、ラッチ回路を用いて基準カウ
ンタの内容と表示回路での表示関係をたとえばラップタ
イム表示可能に接続しておけば、基準カウンタを停止す
ることなく１個のクロノグラフによって複数の経過時間
を測定表示できる。

従って、ラップタイム表示して記録する上での最短時間
としてたとえば１０秒程度の計時を各短時間カウンタが
行なえるようにしておけば、十分にこの発明の目的とす
るクロノグラフの機能を達成することができる。

すなわち、短時間カウンタを複数本設けたことによって
、１個の経時時間しか測定しえない様な従来のクロノグ
ラフと比較しても素子の増加はそれ程問題にはならない
。

以上述べたようにこの発明によれば少数の素子が付加さ
れるだけで従来のものの数個分のクロノグラフ機能を実
現でき、同時に進行する複数の時間の測定を精度よくし
かも測定、記録を簡便かつ容易に行なえるクロノグラフ
を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すブロック図、第２図
は同実施例の一使用形態を示す説明図である。 １・・・・基準パルス形成回路、２・・・・・・基準パ
ルス制御回路、３・・・・・・基準カウンタ、４，５，
６・・・・・短時間カウンタ、７・・・・・・加算回路
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 時計用の基準パルスを発生する基準パルス水成回路
   と、上記基準パルスに従って基準時間を剖時する基準カ
   ウンタと、この基準カウンタに夫々並列に接続された複
   数の短時間カウンタと、上Ｅ基準カウンタの時計開始及
   び停止を制御し、基尊カウンタの計時停止時に複数の短
   時間カウンタのうち先行するカウンタの計時を開始し、
   先行する短時間カウンタの針停止時に後続する短時間カ
   ウンタの計時を開始するように順次制御する制御回路と
   、上記基準カウンタの計時時間及び複数の短時間カウン
   タの各計時時間を先行する短時間カウンタから順次加算
   する加算回路と、この、加算回路の出力をその加算操作
   毎に上記基準カウンタに入力する手段と、この加算結果
   に応じた基準カウンタの計時内容を表示する表示装置と
   を具備したことを特徴とするクロノグラフ。