JPS6238670B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は、時刻表示機能以外の多種組み込ま
れた機能を選択制御する手段を改良した電子時計
装置に関する。 電子時計装置は、例えば水晶発振器等の発振周
波数特性の安定した基準発振器からのクロツク信
号によつて計時動作を行なうもので、刻時精度が
著るしく高いものであるため、広く普及する傾向
にある。また、この電子時計にあつても、時刻を
正確に読み取り易くするものとして、デイジタル
表示式の時計装置が多く開発されている。 このデイジタル表示式の時計装置にあつては、
基準発振器からのクロツク信号を、「時」「分」
「秒」等の時刻単位に合わせて計時計数するのが
基本構成であり、その各時刻単位に対応する計時
計数部の計数値を読み取り、対応するデイジタル
表示器を電子的に表示駆動制御して時刻表示を行
なうものである。 また、このようにデイジタル表示式の電子時計
にあつては、上記のような時刻と共に、「月」
「日」「曜」等の日付情報も計数等の手段で簡単に
得られるものであり、デイジタル的な時刻表示部
を用いて日付情報を切換表示させることも考えら
れている。 さらに、このような時計装置を考察してみる
と、クロツク信号の計数動作が基本構成であり、
その計数値情報をデイジタル式の表示器で表示す
るものであるため、上記のような時刻、日付等の
時計的な基本動作の他に、カウンタ機能、ストツ
プウオツチ機能等の他の機能を組み込み構成する
ことも容易であり、この種の電子時計を多機能に
することは種々考えられているものである。 そして、上記のように電子時計を多機能化する
ことも重要であるが、さらに時計機能において、
その刻時状態を修正する時刻合せ作業も時計使用
上絶対に必要となつてくる。 すなわち、多機能化する場合はもちろんのこ
と、実際の計時動作制御のためにも、電子時計装
置にあつては各種指令を発する手段が必要であ
る。しかし、腕時計のように形状の大きさ等が限
定される場合、押釦等の指令発生手段を多数個取
り付けることは実際上困難であり、回路的には多
機能化することができても、実際に腕時計を多機
能化して構成することが困難となる。そこで従来
では、押釦の数を少なくする手段として、１つの
押釦を多数の機能制御のために兼用させることが
考えられているが、このような場合にあつては、
この押釦の機能切換のための別の押釦が必要とな
り、あまり好ましい状態とはならないものであつ
た。 この発明は上記のような点に鑑みなされたもの
で、腕時計に組み込み可能な充分少ない押釦等に
よるスイツチ装置で、表示制御、時刻修正、多機
能選択制御等の各種指令が発せられるようにする
電子時計装置を提供しようとするものである。 以下図面を参照してこの発明の一実施例を説明
する。添附図面はその構成を示したもので、破線
で囲まれた範囲１１は時計本体部を示しているも
ので、この本体部１１には水晶発振器等でなる基
準発振器１２が設けられている。そして、この発
振器１２からの発振クロツク信号は、同期分周回
路１３を介して、例えば１秒１パルスの計時クロ
ツク信号に変換し、この計時クロツク信号で、
「時」「分」「秒」の各時刻表示単位に対応して計
時計数動作する計時計数回路１４を計数歩進駆動
させるようにする。すなわち、この計時計数回路
１４からは、「時」「分」「秒」等の時刻表示単位
にそれぞれ対応する計時計数信号が得られるもの
で、この計時計数信号は表示制御回路１６を介し
てデイジタル式の表示器１７に供給し、この表示
器１７で時刻を表示させるようにするものであ
る。 また、上記計時計数回路１４からは、例えば１
日毎に１パルスの信号を取り出すもので、この信
号は「月」「日」「曜」等の日付表示単位それぞれ
に対応する日付計数回路１５に供給し、この計数
回路１５で「月」「日」「曜」の日付計数情報を得
るようにする。そして、この日付計数情報は、前
記表示制御回路１６に供給し、表示器１７の時刻
表示のためのデイジタル表示部を用いて日付表示
し得るようにする。 この場合、表示制御回路１６は、指令のない通
常の状態では、計時計数回路１４からの計時計数
信号を選択して、表示器１７では通常状態で時刻
が表示されるように設定されているもので、この
表示制御回路１６に対する指令は、制御回路１８
で行なうようにする。 また、前記同期分周回路１３からの計時クロツ
ク信号は、例えばタイマ、カウンタ等の時刻計数
以外の機能計数を行なう機能計数回路１９に供給
されるもので、この機能計数回路１９は制御回路
１８からの指令内容に応じて同期分周回路１３か
らのクロツク信号を計数してタイマ動作され、ま
た制御回路１８から加えられる信号を計数するカ
ウンタ状態に設定されるもので、その計数値信号
は前記表示制御回路１６に供給される。 上記制御回路１８からは、さらに計時計数回路
１４、日付計数回路１５に指令を与え、時刻、日
付のアジヤスト修正、あるいは計数値修正等の時
刻合せ指令が発せられるようにする。 上記のような各種指令を発する制御回路１８
は、押釦操作等で投入される第１および第２のス
イツチＳ１，Ｓ２で制御する。すなわち、このス
イツチＳ１，Ｓ２は投入時に電源Ｖによつて論理
「１」の信号を発するもので、スイツチＳ１から
の信号はアンド回路２０，２１およびオア回路２
２に供給し、スイツチＳ２からの信号はアンド回
路２０，２３およびオア回路２２に供給する。そ
して、オア回路２２からの出力信号は、アンド回
路２４および遅延回路２５に供給し、遅延回路２
５からの出力信号はアンド回路２４に結合して、
スイツチＳ１，Ｓ２の少くとも１方が遅延回路２
５で設定される所定時間継続して操作された時に
アンド回路２４から出力信号を発生し、アンド回
路２０，２１，２３にゲート信号を与える。 すなわち、第１および第２のスイツチＳ１，Ｓ
２が同時操作された時にアンド回路２０から出力
信号を発生し、スイツチＳ１あるいはＳ２が操作
された時にはアンド回路２１あるいは２３から出
力信号が取り出されるようにするもので、遅延回
路２５を含む回路でスイツチＳ１，Ｓ２の瞬間的
な誤操作による動作を防止している。 そして、アンド回路２０からの出力信号は、前
記同期分周回路１３からの信号と共にアンド回路
２６に供給し、このアンド回路２６からの出力信
号は、循環カウンタ２７に供給する。すなわち、
スイツチＳ１，Ｓ２が同時に操作されている時
に、同期分周回路１３からの信号をカウンタ２７
で計数するもので、このカウンタ２７は特定数カ
ウント毎にキヤリー信号を発生し、計数動作を循
環繰り返し、例えばスイツチＳ１，Ｓ２の同時操
作が単位時間（例えば５秒）継続する毎にカウン
タ２７から出力信号が発生される。そして、この
循環カウンタ２７からの出力信号は、アンド回路
２０からの出力信号と共にアンド回路２８に供給
し、このアンド回路２８の出力信号でｎ進のカウ
ンタ２９を計数歩進する。このカウンタ２９の
「０」〜「ｎ」の計数値出力ラインは、マトリク
ス回路等でなる選択指令回路３０に供給し、その
計数値に応じて前記制御回路１８に指令を与える
と共に、表示制御回路１６に対して表示選択指令
を与え、例えばカウンタ２９の計数値「０」の状
態では制御回路１８に切換表示指令およびストツ
プウオツチ（タイマー）設定指令を与え、表示制
御回路１６に表示切換準備をさせると共に、計数
回路１９をタイマー機能指定するものである。 そして、上記選択指令回路３０にはさらにアン
ド２１，２３からの信号も結合し、アンド回路２
１からの信号は、例えば制御回路１８に対する前
記切換表示指令にアンド情報として供給して、表
示制御回路１６において日付計数回路１５の計数
信号を選択し、表示器１７で日付を表示させるよ
うにする。また、アンド回路２３からの出力信号
は前記ストツプウオツチ設定指令にアンド情報と
して供給し、計数回路１９のスタート、ストツプ
制御を行ない、ストツプウオツチ動作制御をさせ
るようにする。この場合、アンド回路２１からの
信号が存在しないので、表示制御回路１６では制
御回路１８からの指令で計数回路１９の信号を選
択し、表示器１７でタイマー計測時間を表示させ
るようにする。 また、前記アンド回路２０からの信号は、遅延
回路３１、インバータ３２、アンド回路３３から
なる立ち下り時を検出するワンシヨツト回路に供
給すると共に、さらに遅延回路３４、インバータ
３５、アンド回路３６からなる上記ワンシヨツト
出力の立ち下り時を検出するワンシヨツト回路を
制御する。すなわち、スイツチＳ１，Ｓ２の同時
操作が解除された時にアンド回路３３からワンシ
ヨツト出力が得られ、これより遅れてさらにアン
ド回路３６からワンシヨツト出力が得られる。そ
して、アンド回路３６からの出力信号は、前記循
環カウンタ２７の出力がセツトされるフリツプフ
ロツプ回路３７にリセツト指令として与え、その
フリツプフロツプ回路３７のリセツト時出力信号
はアンド回路３３からの出力信号と共にアンド回
路３８に供給し、このアンド回路３８の出力信号
は前記カウンタ２９をリセツトするものである。 すなわち、上記のように構成される時計装置に
あつては、通常状態ではカウンタ２９はリセツト
され、その計数値は「０」の状態にある。したが
つて、第１のスイツチＳ１を操作することによ
り、制御回路１８においては表示制御回路１６に
指令を与え、計時計数回路１４からの計時信号に
替り、日付計数回路１５からの計数信号を選択
し、表示器１７で日付表示をするようにする。す
なわち、スイツチＳ１に相当する押釦の操作で、
適宜日付表示制御が行なえる。 また、この状態でスイツチＳ２を操作すれば、
その操作毎に計数回路１９では分周回路１３から
のクロツク信号の計数動作および計数停止を行な
い、ストツプウオツチとして作用させられるよう
になる。そして、そのストツプウオツチ動作時に
おいて表示制御回路１６で計数回路１９を選択
し、表示器１７で計測時間を表示し得るようにな
る。 そして、上記第１および第２のスイツチＳ１，
Ｓ２を同時操作すると、アンド回路２０から出力
信号が得られる。このアンド回路２０からの出力
信号の継続時間は、循環カウンタ２７で計測され
るもので、例えば５秒継続する毎にカウンタ２９
が歩進され、その計数値に応じて制御回路１８に
対して状態指定がされるようになる。 例えば、５秒毎に「アジヤスト指定」「時の修
正指定」「カウンタ指定」等の機能指定が行なわ
れるようにするもので、この機能指定は選択回路
３０で行ない、その各機能における制御は同じく
選択回路３０に結合されるアンド回路２１，２３
からの出力信号、すなわちスイツチＳ１，Ｓ２の
単独操作により行なうようにし、その各機能に対
応して表示制御回路１６が制御されるようにな
る。 例えば、スイツチＳ１，Ｓ２の同時操作時間と
機能の種別およびその各機能におけるスイツチＳ
１，Ｓ２による機能内制御の関係は、下表のよう
に設定されるもので、この設定条件は選択回路３
０および制御回路１８において行なわれる。

【表】 すなわち、上記表で示されるようにスイツチＳ
１，Ｓ２の同時操作継続時間に対応して各種機能
が選択され、且つその機能選択状態においてはス
イツチＳ１，Ｓ２の操作で各機能内制御が行なわ
れるようになり、２個のスイツチによつて各機能
の効果的に選択制御が実行できるものである。 そして、上記のように各種機能を選択指定する
場合、循環カウンタ２７から機能計数指定の出力
信号の発生される時にフリツプフロツプ回路３７
がセツト状態に設定されるものであるが、機能設
定指定によつてスイツチＳ１，Ｓ２の同時操作が
解除された時には、アンド回路３６からの出力信
号でフリツプフロツプ回路３７がリセツトされ
る。この場合、アンド回路３３からも出力信号が
得られるが、これはフリツプフロツプ回路３７に
リセツト指令の与えられる以前であるため、この
アンド回路３８からの出力信号は作用しない。そ
して、カウンタ２９の指定によつて機能動作が終
了した時には、再びススイツチＳ１，Ｓ２を短時
間同時操作し、カウンタ２７から出力信号が発生
する以前に上記同時操作を解除する。すなわち、
フリツプフロツプ回路３７のリセツト状態でアン
ド回路３３から出力信号が発生し、アンド回路３
８の出力信号でカウンタ２９をリセツトして通常
の状態に復帰させるものである。 以上のようにこの発明によれば、少くとも２個
のスイツチ装置を設定することにより、少なくと
も２つの機能制御が可能となるばかりか、その同
時操作で各種機能の選択動作の行ない得るもので
あり、またその機能選択状態においては設定され
るスイツチ操作の選択操作で機能内の各種制御が
行ない得るようになるものである。すなわち、必
要最小限のスイツチ装置を装備することで、その
スイツチ装置より充分多数の機能選択制御動作の
行ない得るもので、電子時計装置の機能向上はも
とより、操作制御性の簡易化に非常に大きな効果
を発揮し得るものである。尚、上記実施例では、
時間の計測に循環カウンタ２７を特別に設けた
が、これは、タイマ・カウンタとして使用される
機能計数回路１９を利用することにより省略する
ことも勿論可能である。 実施例では、使用するスイツチを２個の状態で
示したが、もちろんこの数は３個等任意設定し得
るものであり、また特にスイツチ数が３個以上の
場合には、機能選択後において複数個同時操作で
機能内の特殊制御指令を発することができる。 また、設定される機能の種類も、実施例に示し
たものに限らず、世界時計等の各種機能が考えら
れるものであり、そのために時計本体部において
その機能に合つた構成を付加することも当然考え
られることである。 以上、この発明は上述記載の事項に限らずその
要旨を逸脱しない範囲で種々の応用変更が可能な
ことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

添附図面はこの発明の一実施例に係る時計装置
を説明する構成図である。 １１……時計本体、１２……基準発振器、１３
……同期分周回路、１４……計時計数回路、１５
……日付計数回路、１６……表示制御回路、１７
……表示器、１８……制御回路、２７……循環カ
ウンタ、２９……カウンタ、３０……選択指定回
路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも時および分の時刻情報を表示する
   時刻表示機能、およびこの時刻表示機能とは異な
   る複数の機能を備えた電子時計装置において、 少なくとも２個の操作スイツチと、 この２個の操作スイツチの同時押圧操作状態を
   検出し、その同時操作継続時間を計測する手段
   と、 この手段で計測された同時押圧操作状態の継続
   時間の計測値に対応して上記時刻表示機能とは異
   なる複数の機能のうちの１つの機能を選択指定す
   る機能選択指定手段と、 上記２個の操作スイツチのそれぞれの単独押圧
   操作状態を検出する第１および第２の単独操作検
   出手段と、 この第１および第２の単独操作検出手段それぞ
   れからの検出信号、さらに上記機能選択指定手段
   からの機能選択指定信号に基づき、上記時刻表示
   機能とは異なる複数の機能の中の１つあるいは複
   数の機能を指定する選択指令手段とを具備し、 この選択指令手段からの指令に基づいて、上記
   時刻表示機能とは異なる複数の機能の中の１つの
   動作あるいは１つの表示が選択制御されるように
   したことを特徴とする電子時計装置。