JPS5814924B2 - 流体軸受装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は軸受面に形成された静圧発生ポケットの間に大
気に通ずる軸方向排出溝を有する形式の流体軸受装置に
関するものである。

従来のかかる軸受装置は第１図、第２図に糸すように、
砥石４を固着した軸部材３の軸端側Ｅにおける流体の洩
れ防止と静圧発生ポケット７から流出した流体の背圧を
高くさせないため、軸受部材２の軸受面両端部に形成さ
れた環状排出溝５，６の真下に排出穴５ａ，６ａが設け
られていた。

軸受面に刻設された軸方向溝出溝８の両端はこれら環状
排出溝５，６とそれぞれ連通されているので、この軸方
向排出溝８には空気が混入することになり、軸部材３の
回転により空気が軸受面にまき込まれていた。

空気は圧縮性流体であり、軸受面に圧縮性流体が介在さ
れることにより静圧支持剛性の低下をもたらし、さらに
は動圧発生部としてのランド部９においては圧縮性流体
のため期待される程の動圧の発生がないばかりでなく、
軸受の不安定要因になっていた。

本発明はかかる従来の不具合を解消すべく、環状排出溝
及び軸方向排出溝の構成を改良したものであり、その目
的は軸受剛性の向上、停電時の油膜切れを防止すべく軸
方向排出溝に空気が混入しないようにし、かつ軸受部材
の軸端側における流体の洩れを々くすることである。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第３図、第４図において、１０は固定台、１１はこの固
定台１０に固着された軸受部材、１２はこの軸受部材１
１の軸受面１１ａに回転可能に軸承された軸部材、１３
はこの軸部材１２の一端に固着された砥石、１４は軸部
材１２の軸中央側に形成された大径部、この大径部１４
と軸受部材１１の端面との係合により軸部材１２の軸方
向移動が規制される。

このためスラスト軸受を構成するポケットが軸受部材１
１の端面に形成されるが本発明の構成には関係しないの
で説明は省略する。

軸受面１１ａには第５図に示すように円周方向等間隔に
複数個の静圧発生部を構成するべく溝状のポケット１５
がランド部１６を取り囲むように刻設され、各溝状ポケ
ット１５の間には軸方向排出溝１７が刻設され、更に軸
受面１１ａの両端部には円周方向に連なる環状排出溝１
８，１９が刻設されている。

この環状排出溝１８．１９のうち砥石に近い側、即ち軸
端側Ｅに位置する環状排出溝１８は、重力方向最下部に
おいて排出穴１８ａをもって軸受部材１１の外周面に開
口され、固定台１０に穿設された通路２０を介して大気
に連通されている。

砥石に対して速い側、即ち軸中央側Ｃに位置する環状排
出溝１９は、第３図に示すように重力方向最上部におい
て排出穴１９ａをもって軸受部材１１の外周面に開口さ
れ、大気に連通されている。

前記軸方向排出溝１７は軸中央側Ｃの環状排出溝１９と
のみ連通され、軸端側Ｅの環状排出溝１８とは遮断され
ている。

前記溝状のポケット１５には絞り２１を介して圧力流体
の供給される供給穴２２が開口され、この供給穴２１の
他端は軸受部材１１の外周面に刻設された環状溝２３に
連通され、固定台１０に設けられた供給路２４と通じて
いる。

上記実施例は砥石側に設けられた軸受部材１１について
の説明であるが、ブーり側に設けられた軸受部材にも同
じように適用することができる。

この場合はブーリに近い側か軸端側Ｅとなりその反対側
か軸中央側Ｃとなり、軸端側Ｅには環状排出溝１８と排
出穴１８ａを、軸中央側Ｃには環状排出溝１９と排出穴
１９ａを設け、軸方向排出溝１７は軸中央側の環状排出
溝１９とのみ連通させれば良い。

本発明は上記の如く構成されているので、供給路２４に
圧力流体を供給すると絞り２１を介して各溝状ポケット
１５に圧力流体が供給され、ランド部１６に一様な油膜
を形成するとともにポケット１５の周囲に形成された帯
状のランド部と軸部材１２の外周面との隙間を通じて流
体は軸方向排出溝１７及び環状排出溝１８．１９に流出
する。

これによって溝状ポケット１５及びランド部１６には軸
受隙間に応じた静圧力が発生し、軸部材１２を支承する
。

また軸部材１２の回転によりランド部１６に発生する動
圧によっても軸部材１２は支承される。

軸端側Ｅに設けられた環状排出溝１８に流出した流体は
最下部に設けられた排出穴１８ａより排出されるので何
らの抵抗なしに排出され背圧をも生じさせない。

従って軸端側Ｅにおいてはこの環状排出溝１８により軸
方向流出流体の全量を回収することができ、軸受部材１
１の軸端側外周に流体が洩れるのは防止することができ
る。

これに対し軸中央側Ｃに設けられた環状排出溝１９及び
軸方向排出溝１７に流出した流体は、最上部に設けられ
た排出穴１９ａの上端開口部より排出されるので、軸方
向排出溝１７及び環状排出溝１９には流体が充満し、空
気の混入を防ぐことができる。

これによって軸部材１２０回転によって軸受面に空気を
まき込むこともなくなるので、軸受剛性を向上させかつ
軸受の不安定要因をなくすることができる。

更に環状排出溝１９及び排出穴１９ａ内に流体が充満し
これ自体が一種のリザーブタンクの作用をなすので、停
電時の油膜切れを防止し焼付防止に効果がある。

尚、軸方向排出溝１Ｔの排出圧は大気圧より若干高い水
頭圧が生ずるが、これは微微たるものであり、静圧軸受
特性を阻害するようなことはないし、軸中央側の環状排
出溝から洩れた流体は固定台１０の内部に形成される油
槽に直接戻されるので、外部洩れの原因にはならない。

以上述べたように、本発明によれば軸端側の環状排出溝
は最下部をもって大気に連通させ、軸中央側の環状排出
溝は最上部をもって大気に連通させるとともに軸方向排
出溝は軸中央側の環状排出溝とのみ連通させたので、軸
方向排出溝内に圧縮性流体の混入を防止することができ
、軸回転にともない軸受面に圧縮性流体をまき込むこと
がない上、軸端側からの流体洩れが防止でき、かつ停電
時の油膜切れに基づく焼付の防止ができる効果を有する
。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の軸受装置を示すものであって、
第１図は縦断面図、第２図は第１図における■−■矢視
断面図、第３図ないし第５図は本発明による軸受装置の
実施例を示すものであって、第３図は縦断面図、第４図
は第３図における■一■矢視断面図、第５図は軸受面の
構成を立体的に示す図である。 １０・・・固定台、１１・・・軸受部材、１２・・・軸
部材、１５・・・溝状ポケット、１６・・・ランド部、
１７・・・軸方向排出溝、１８．１９・・・環状排出溝
、１８ａ，１９ａ・・・排出穴、２１・・・絞り、２２
・・・供給穴、Ｅ・・・軸端側、Ｃ・・・軸中央側。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軸部材を回転可能に軸受する軸受部材の軸受面に、
   円周方向等間隔に複数個の静圧発生ポケットを形成す為
   とともに各静圧発生ポケット相互の間に大気に通ずる軸
   方向排出溝を形成してなる流体軸受装置において、前記
   軸受部材の軸受面の軸端側には前記静圧発生ポケットに
   近接して第１の環状排出溝を刻設し、この第１の環状排
   出溝の重力方向最下部に上端を開口し下端を大気中に開
   口した排出穴を穿設し、前記軸受部材の軸受面の軸中央
   側には前記静圧発生ポケットに近接して第２の環状排出
   溝を刻設し、この第２の環状排出溝の重力方向最上部に
   下端を開口し上端を大気中に開口した排出穴を穿設し、
   前記軸方向排出溝は前記第２の環状排出溝とのみ連通さ
   せ前記第１の環状排出溝とは連通を遮断したことを特徴
   とする流体軸受装置。