JPS5814459Y2 - テ−プ弛み吸収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープレコーダーのリール受台装置に関するも
ので、特にエジェクト時にテープの弛みを吸収するよう
に配慮されたものである。

例えば従来のエルカセット用テープレコーダーでは、そ
の構造上テープ引出部材によりカセット内部からテープ
を引出して磁気ヘッド群に押しつげて録音、再生等の動
作を行なう為、エジェクト時には一度引き出したテープ
をカセットに再び収納する機能を具備する必要があった
。

そのため、従来技術では録音、再生時に磁気ヘッド方向
へ引き出されていたテープを停止操作時にカセット内部
に再び収納するのに遅延回路を備えたモータ等を用いて
巻取リール受台を直接駆動して前記テープ弛みを巻取っ
ていた。

然し乍ら斯かる従来技術では、回路構成及び作業工程が
複雑になると共に、コスト的、スペース的にも好ましく
なかった。

本考案は斯かる点に鑑み、前記リール受台の回転停止時
に生じたテープ弛みを次のエジェクト操作時に吸収する
機能を備えると共に、極めて簡単な構成で且つ組立容易
なテープ弛み吸収装置を提供しようとするものであり、
性能的、コスト的、スペース的にも好適で、その効果は
実用上利用価値大なるものである。

以下本考案の一実施例を図面と共に説明する。

第１図はエルカセット用テープレコーダーの再生状態を
示す概略平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ′における要
部垂直断面図、第３図は停止状態からエジェクト操作を
した状態を示す概略平面図である。

１は供給リール受台２を有する供給リール受台装置で従
来と同じ構成であるため説明は省略する。

３は巻取リール受台装置、４は一方向連係回転用歯合部
５を有する巻取リール受台で、巻取リール軸６により軸
受１を介してシャーシ８上に回動自在に軸支されている
。

９は前記巻取リール受台４と一体的に設けられカセット
のり−ルハプと回転的に係合するリールスピンドルであ
る。

１０は押圧バネ１１により摩擦部材１２を介して前記巻
取リール受台４の下面に圧接している伝達プーリで、録
音、再生時に該伝達プーリ１０の周縁に設けられたゴム
状環体１３を介してアイドラ１４の回転駆動力を前記巻
取リール受台４に伝達し、巻取リールスピンドル９を回
転１駆動させる。

１５は一端部１６及び他端部１１を有する連係レバーで
、一端部１６の長手方向には一方向連係用歯合部１８が
設けられている。

１９及び２０はロック片２１゜２２を有する再生及び巻
戻しレバーで各々操作板２３上に摺動自在に設けられて
いる。

２４は突出片２５及び円形突部２６を有するエジェクト
レバーで操作板２３上に摺動自在に設けられ、該円形突
部２６上には前記連係レバー１５が軸２７により回動自
在に軸支されており、バネ体２８により前記連係レバー
の一方向連係用歯合部１８を有する一端部１６を前記巻
取リール受台４の一方向連係回転用歯合部５と連係する
ように時計方向に附勢している。

２９は再生、巻戻しレバー１９゜２０等をロックする鉤
部３０，３１と、長孔３２゜３３と、再生、巻戻しレバ
ー等１９，２０の押圧操作に関連して前記連係関係を解
除する方向に前記他端部１７を介して前記連係レバー１
５を回動する突軸３４とを有するロック板で、該ロック
板２９は長孔３２，３３を介して操作板２３上に植設さ
れた軸３５．３６によって摺動自在に設けられていると
共に、発条体３７にて常時Ｂ方向に附勢されている。

３８はテープＴを内蔵しＵ手孔３９．４０を有するエル
カセット、４１，４２゜４３は磁気ヘッド、４４．４５
は夫々キャプスタン４６．４７を有するフライホイール
、４８゜４９はローディングピンで録音（図示せず）及
び再生レバー操作時にピンチローラ５０，５１と連動し
てテープＴをカセット３８内部より引出して磁気ヘッド
４１，４２，４３に押しつげ、停止レバー操作時にはピ
ンチローラ５０．５１と共にカセットのＵ手孔３９．４
０内に収納されるように設けられている。

５２．５３は係止レバー（図示せず）に連動する連結レ
バー５４と連動して両リール受台２，４を摩擦停止させ
るブレーキレバーである。

５５は前記エジェクトレバー２４と突出片２５を介して
連動し、カセットのエジェクトを行なう作動レバーであ
る。

次に本考案の動作について説明する。

まず、再生状態に於いては第１図に示すようにテープＴ
はカセット３８内部よりローディングピン４８，４９及
びピンチローラ５０，５１によって引き出されて二点鎖
線位置から実線位置に移動しピンチローラ５０．５１と
キャプスタン４６゜４γの圧接回転により定速走行され
供給リール受台２から矢印方向に送り出され磁気ヘッド
４１゜４２．４３面を経て巻取リール受台４に巻取られ
る。

斯様な再生状態に於いて、ロック板２９は発条体３７に
抗してＢ方向とは反対方向に摺動して再生レバーのロッ
ク片２１を鉤部３０にてロックしている為、停止時に比
してαだげＢ方向とは反対方向に摺動した位置にあり、
而して該ロック板２９上に設けられた突軸３４と前記連
係レバーの他端部１γにて連係レバー１５はバネ体２８
の附勢力に抗して反時計方向に回動され、前記連係レバ
ーの一端部１６に設けられた一方向連係用歯合部１８が
前記巻取リール受台の一方向連係回転用歯合部５と離間
した状態にある。

次に第３図に示すような停止状態になると、テープ引出
部材（ローディングピン４８．４９及びピンチローラ５
０゜５１）は停止レバーの操作に連動してカセットのＵ
手孔３９，４０内に収納されると共に、両ＩＪ−ル受合
２，４もブレーキレバーにより回転が停止され、ロック
板２９は発条体３７により前記した再生レバーのロック
位置からαだげＢ方向に摺動した位置に復帰する。

而して前記ロック板２９の復帰動作に関連して該ロック
板２９上に設けられた突軸３４を介して前記連係レバー
１５はバネ体２８により時計方向に回動されて一端部１
６に設けられた一方向連係用歯合部１８が前記巻取リー
ル受台の一方向連係回転用歯合部５と連係した状態にな
る。

従って上記停止状態に於けるエジェクトレバー２４の抑
圧操作に連動して連係レバー１５が前記連係関係を保持
した状態でＣ方向に移動し巻取リール受台４を一方向連
係用歯合部の長さＬＫ比例した角度θだげテープＴを巻
取る方向に回動させた後、前記エジェクトレバーの突出
片２５が前記作動レバー５５を当接連動しカセットのエ
ジェクトを行ない、而してエジェクトレバー２４の復帰
過程においては互いに一方向連係用部材５１８を用いて
いるため、前記連係関係は解除され巻取リール受台４は
連係回動されない。

これにより再生時に引き出されたテープＴの弛みはカセ
ットのエジェクト直前に停止された時点でのテープの最
外周に長さｔだけ吸収され、テープＴは二点鎖線位置か
らカセットに収納された実線位置へと移行する。

尚、角度θは連係部材の一端部に設けられた一方向連係
用歯合部の連係関係を保持する長さＬにより任意に選択
できるのでテープ弛みの量に応じて前記の長さｔを設定
することが出来る。

上述の如く本考案装置は、周面に一方向連係回転用歯合
部が設げられたリール受台と、該リール受台上に設けら
れカセットのリールハブと回転的に係合するリールスピ
ンドルと、カセットをエジェクトする作動レバーを作動
するエジェクトレバーと、中央部が前記エジェクトレバ
ー上に回動自在に軸支され一端部の長手方向に一方向連
係用歯合部が設けられた連係レバーと、該連係レバーの
一方向連係用歯合部が前記リール受台の一方向連係回転
用歯合部と連係関係となるように前記連係レバーを回動
附勢するバネ体と、停止時にはバネ体による前記連係レ
バーとリール受台との連係関係を許容するも、再生、巻
戻しレバー等が操作された各動作時には該各レバーをロ
ックするロック位置に変位して前記連係レバーとリール
受台との連係関係を解除するべく連係レバーの他端部を
回動規制するロック板とより構成したものであるから、
停止時におけるエジェクトレバーの押圧操作時、先ず前
記リール受台と連係関係にある連係レバーを移動せしめ
ることにより、該リール受台をテープ巻取方向に僅か回
転せｌ−め、次いで上記作動レバーを作動させ、カセッ
トのエジェクト直前にテープ弛みを吸収せしめることが
出来る。

そして、本考案に依れば連係レバーとリール受台との連
係関係を再生、巻戻しレバー等の操作位置をロックする
ロックレバ−の変位にて制御するよう（（しているため
、再生、巻戻し等の各動作時と停止時での斯る連係関係
の制御を確実に行なわせることが出来、また斯る連係関
係の制御用としての別途の特別な部材を用いる必要がな
く全７．′−構成の簡素化も計ることが出来、その効果
は産業北の利用価値大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はエルカセット用テープレコーダーの再生状態を
示す概略平面図、第２図は第１図のＡ −Ａ′における
要部垂直断面図、第３図は停止状態からエジェクト操作
をした状態を示す概略平面図である。 ４・・・リール受台、９・・・リールスピンドル、１５
・・・連係レバー、５・・・一方向連係回転用歯合部、
１８・・・一方向連係用歯合部、２４・・・エジェクト
レバー０

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周面に一方向連係回転用歯合部が設げられたリール受台
   と、該リール受台上に受けられカセットのり−ルハプと
   回転的に係合するリールスピンドルと、カセットをエジ
   ェクトする作動レバーを作動するエジェクトレバーと、
   中央部が前記エジェクトレバー上に回動自在に軸支され
   一端部の長手方向に一方向連係用歯合部が設けられた連
   係レバーと、該連係レバーの一方向連係用歯合部が前記
   リール受台の一方向連係回転用歯合部と連係関係となる
   ように前記連係レバーを回動附勢するバネ体と、停止時
   にはバネ体による前記連係レバーとリール受台との連係
   関係を許容するも再生、巻戻しレバー等が操作された各
   動作時には該各レバーをロックするロック位置に変位し
   て前記連係レバーとリール受台との連係関係を解除する
   べく連係レバーの他端部を回動規制するロックレバ−と
   より成り、而して停止時におけるエジェクトレバーの抑
   圧操作時、先ず前記リール受台と連係関係にある連係レ
   バーを移動せしめることにより該り一ル受台をテープ巻
   取方向に僅か回転せしめ、次いで上記作動レバーを作動
   させ、カセットのエジェクト直前にテープ弛みを吸収せ
   しめることを特徴としたテープ弛み吸収装置。